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夜の河 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 夜の河
製作国
上映時間104分
劇場公開日 1956-09-12
ジャンルドラマ,小説の映画化
レビュー情報
シルエットの美しさ。山茶花究が五反田の女への土産を探してる、なんてどうでもいいところでもトロッとさせる美しさがある。まして二人が結ばれる朱色の世界においておや。全体、赤の幻想詩といった趣で、ショウジョウバエから赤旗まで貫く。この赤旗は評判悪いんだけど、吉村公三郎の「自分の問題意識のありか」を示すハンコのようなものだったのではないか。『森の石松』とか『源氏物語』とか『美女と怪竜』とか、左翼思想と無縁の作品でも戦後ずっとシナリオで組んできた新藤兼人と、初めて別れた映画のよう(未確認)。京都の「はんなり」を背景にして、人々の在り方はすごく硬質。ヒロインの硬さも。みなの心が通い合わない世界ね、一人一人が閉じて固まっている。見下ろしたり見上げたりする構図が多かったのは、人々が同じ地平に立ってないということか。車窓に映る山本富士子の顔の向こうを、赤い光が横切っていく。赤いものだけが、その硬さを通過する。硬いものの孤独、それへの讃歌の映画と思った。
なんのかんのさん [映画館(邦画)] 7点(2013-03-24 09:19:47)
その他情報
作品のレビュー数 11件
作品の平均点 7.18点
作品の点数分布
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519.09%
619.09%
7545.45%
8327.27%
919.09%
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作品の標準偏差 1.03
このレビューの偏差値 48.28
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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