Menu
 > 作品
 > コ行
 > 腰弁頑張れ
 > にじばぶさんのレビュー
腰弁頑張れ のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 腰弁頑張れ
製作国
上映時間38分
劇場公開日 1931-08-08
ジャンルドラマ,コメディ,サイレント,モノクロ映画
レビュー情報
《ネタバレ》 成瀬巳喜男作品群の中でも、初期に属するもので、それ以後の成瀬の作風とは異なる面を見せてくれる。

喜劇をベースにしながらも、喜怒哀楽を無声劇で見せるところなんぞ、小津安二郎の初期の頃にそっくりである。

特に秀逸なのは、後半の父親と息子のやりとりのシーンだ。
父親は家族の幸せを願い、収入を得る為、息子に対し、金持ちの子供たちに謝れと言う。
しかし、息子は悪くない。
当然、息子は謝りたくないと主張する。

「悪くもないのに、お金のために謝る」。
これはすなわち“大人社会”の縮図であって、それが子供には理解できようがない。
それが原因となって、父親と息子の間で衝突が起きてしまう。
その後、息子が瀕死の重傷に遭い、父親は居ても立ってもいられない気持ちになる。

父親の、親として息子を大切に思う気持ちが、短い尺の中で実に深く、そして緻密に描かれている。
貧乏であるが故のやるせなさ、悔しさみたいなものが、ぎゅっと凝縮された掌編だ。
にじばぶさん [映画館(邦画)] 6点(2012-09-29 03:08:59)
その他情報
作品のレビュー数 4件
作品の平均点 7.25点
作品の点数分布
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
500.00%
6125.00%
7125.00%
8250.00%
900.00%
1000.00%
作品の標準偏差 0.83
このレビューの偏差値 31.82
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
腰弁頑張れのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS