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《ネタバレ》 私はデヴィッド・O・ラッセル監督作とはどうも相性が悪いみたいだけど、本作はどう見ても失敗作だと言えるんじゃないでしょうか。キャスト陣はけっこう豪華で、冒頭にはあの世界の歌姫テイラー・スウィフトが出てくるんでびっくり、しかも鼻歌みたいな感じではあるけどアカペラで一小節歌わせるんだから、こりゃ贅沢です。しかしあっという間に車の下敷きになって退場、こっちのほうがよっぽどサプライズかな(笑)。この映画の特徴を一言で要約すると、「癖のあるストーリーを癖のある俳優の演技で語らせた映画」ということになるかな。大体からして「この物語の大部分は実話である」という冒頭のテロップからして怪しいもんで、明らかに真逆でほとんどがフィクションでしょう。こういうコーエン兄弟の『ファーゴ』を真似たアイロニーめいた遊びって、何が面白いんでしょうかね。お話自体は1930年代の戦間期のアメリカを巻き込もうとした陰謀を暴くというのが基本線なんですが、アヴァンギャルドを狙ったスリラーなのかそれともコメディなのかがはっきりしていないので観ていてもどかしい。クリスチャン・ベイルは体型こそ変えていないがほとんど怪演と言ってよいほどの熱演なのは判りますが、さすがにちょっと癖が強過ぎ感は否めません。このバート・ハロルド・ヴァレリーの関係は『明日に向かって撃て!』の三人の様な、友情と恋愛感情が入り混じった不思議な人間関係ということなんだろうな。デ・ニーロは大御所らしく良いところ全部持っていったキャラですが、彼としては可もなく不可もない演技という感じでした。しかし最後まで判らんかったのはこの映画のキーワードだった“アムステルダム”で、たしか『キル・ビルvol.1』でも使われていたけど、アメリカ人にとってはオランダのアムステルダムにはサブカルチャー的なモノがあるダブルミーニングなのだろうか?
【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2025-06-21 21:57:22)《新規》
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