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黒い絨氈 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 黒い絨氈
製作国
上映時間95分
劇場公開日 1954-07-13
ジャンルサスペンス,ラブストーリー,パニックもの,動物もの,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 50年代に流行ったハリウッド製B級モンスターものを期待(?)して観たら、ものの見事に肩透かしを喰らいます。アメリカ南部からアマゾンの奥地に単身移住して農園を開拓した男が、写真ぐらいは見ていただろうけど会ったこともない女性と結婚。呼び寄せてみたら妻は美人だけど未亡人だった。南部人らしく貴族的で超頑固な彼は、いわば傷物を妻にできるかと早々に離婚して送り返そうとするけど、マラブンタと現地人が恐れる軍隊アリの大移動に彼の15年かけて築いた農園は破滅の危機に瀕するわけです。 ジョージ・パルとバイロン・ハスキンという『宇宙戦争』のコンビが製作・監督なので誤解されがちだけど、どう見てもSFじゃあない。『十戒』や『ベン・ハー』でブレイク直前のチャールトン・ヘストンとエレノア・パーカーが主演だし、スタッフも一流で衣装担当にはイーディス・ヘッドまで動員しています。三十四歳にもなってまだ童貞という堅物マッチョなのがヘストン、前半の冷徹極まりない男が実はスカーレット・オハラの様に根性のある妻にだんだんと人間的にほぐされてゆく過程を丁寧に見せてくれる脚本も良くできています。本来みんなが期待したであろう軍隊アリの大群はクライマックスでようやく登場ですが、ここはアニメーションもVFXも使わず実写というか記録映像でちょこっと映るだけなので軍隊アリの恐ろしさはイマイチ伝わっては来ません。でも集合体恐怖症の人はビビるかもね。ラストの洪水がヘストンの農場を押し流すところだけはスペクタクルなんですが、このVFXはジョージ・パルだけあって良い仕事をしています。 この映画はモンスター・パニック的な物語じゃなく、ジャングル秘境で繰り広げられる男女が入れ替わった『風と共に去りぬ』だと思えば間違いはないです。
S&Sさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-07-20 23:10:36)(良:1票)
その他情報
作品のレビュー数 10件
作品の平均点 6.60点
作品の点数分布
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作品の標準偏差 0.66
このレビューの偏差値 59.09
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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