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《ネタバレ》 入り浸っていた薄暗い『京一会館』(ローカルな話題で恐縮だが、今はなき名画座in京都)で、あの冒頭の暗い雨に続く眩しすぎる「陽光」にまず瞠目した(そもそも映画館の中の晴天は眩しい)。そして二人の主人公のそれぞれの物語が進行し、やがて次に雨になる時、この二人の主人公にそれぞれ決定的な局面が訪れる。能動的な髪結はのっぴきならない行動に出るし、他方受動的な浪人は士官の道が閉ざされ雨の中に立ち尽くす。その翌日のまた晴れた「陽光」のもと、二人の主人公は、この映画で唯一、同じ画面の中に入る(喧嘩で啖呵を切る髪結の姿と、それを縁側伝いに眺める浪人)、これがなんともいいのである。因みに、中国での小津安二郎とのツーショットが残されている、鬼才山中貞雄の早逝悲しすぎる。
【ひと3】さん [映画館(邦画)] 10点(2025-06-27 16:08:20)
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