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《ネタバレ》 映画自体がハックマン演じるポパイ刑事そのもの。泥臭い男っぽさ。70年代のギャングものって、ざらっとしたフィルムの質感と相まって本当に恐い。本作もボンドシリーズのような華やぎは皆無で渋面のおっさんたちが走ったり怒鳴ったり、陰気で汚い雑居ビルなどの画ヅラが続きます。キツイです。
ポパイが麻薬漬けにされるシーンは陰気恐怖の極致。異彩を放つヤク中の婆さんがギャングを凌ぐ凄まじい恐怖インパクトで、早く忘れたい。親切そうにポパイの世話を焼きに来たのかと思うでしょ、さにあらず弱った奴からの窃盗ときたもんだ。骨ばった白い腕にたくさんの注射跡・・トラウマになりそうだ。 ポパイはかなりの自己中オヤジでアクが強いキャラクター。仏当局の注意を無視してギャングに捕まった揚げ句、なんでもっと早く助けに来ないのかと仏警察に食ってかかる。逆切れってやつ。女好きで若い娘には色目を欠かさない。件のヤク中婆さんにまで(薬で自意識がハッキリしてないとはいえ)イイ顔しちゃってんのには腰を抜かした。 ここ2~30年ほどはめっきりお目にかかることの無くなった男くさいオヤジ中のオヤジ、ドイル刑事ことG・ハックマン。先日訃報を耳にして、ああポパイ逝ってしまったんだなと思った。彼を偲ぶのに最適な本作。ラストのカタルシスは他の追随を許さないレベル。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2025-06-10 23:49:01)
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