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上海の伯爵夫人 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 上海の伯爵夫人
製作国英,米,独,中
上映時間136分
劇場公開日 2006-10-28
ジャンルドラマ,歴史もの,ロマンス
レビュー情報
クレジットに”written by Kazuo Ishiguro" とあって、おおなるほど、と膝を打ちました。抑制の効いた、品のある佇まいはまさにこの作家の筆致です。第二次大戦前の上海租界を舞台に、凋落したロシア貴族と元米国人外交官らが織り成す物語など、この人以外に誰が書けましょうか。
再現された上海の混沌として退廃なこと、時折挟まるロシア貴族の輝かしい時代の回想場面。猥雑さえ甘美な映像美に代える監督の手腕が冴えわたり、充足した視覚体験でありました。
元外交官のR・ファインズも伯爵夫人のN・リチャードソンも暗躍する日本人工作員の真田広之も、皆各々の矜持を維持して生きる様が高潔で観ていて心地よいのです。役者がみなハマった良いキャスティングだと思いました。
全編淡々としているようでいて、目を凝らすと底意地の悪い義母や義姉らはソフィアにとって人生の大きな棘だし、松田氏の怪しい動きにも心乱されたりと、水面下で大きなうねりは起きているのでした。クライマックスの群集混乱シーンは圧巻です。
そして忌々しいロシア貴族姉妹の余りの非情さに腹煮えたぎったワタシは、このラストに心から満足しました。
tottokoさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-03-07 00:49:37)
その他情報
作品のレビュー数 10件
作品の平均点 5.20点
作品の点数分布
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作品の標準偏差 1.40
このレビューの偏差値 59.18
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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