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八甲田山 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 八甲田山
製作国
上映時間170分
ジャンルドラマ,アドベンチャー,歴史もの,実話もの,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 無謀な雪中行軍の計画が、多くの人命を奪ってしまった。
指揮する上がバカで考え足らずだと、付いていく下の者たちがもろに被害を食らう。
信じて付いていくしかなかった部下たちが哀れで仕方ない。
山田少佐は決して悪い人ではないのだが、致命的に無能。
神田大尉も指揮官としての役割を果たしていない。
上層部の認識不足や、硬直した組織での率直な意見が憚られる雰囲気が招いた悲劇。

冬山の恐ろしさは、今まで何度も遭難のニュースもあって広く知られるところだが、当時はそういう認識も薄かったのか。
整備されたスキー場でも天候によって恐怖を感じることがあるというのに、この八甲田の吹雪の中で道に迷うことを考えると、文字通り身も凍るほど恐ろしい。
こういう訓練は最悪の状況を想定した上でするべきで、途中の天候悪化で中止にせずに強行してしまったことも不用意な選択だった。
いろんなミスが重なっての大惨事は、近年では2009年の大雪山系トムラウシ山遭難事故を想起させる。
関連の本を読んだことがあるが、これにも壮絶なサバイバルドラマがあった。
杜撰な計画と判断ミスが重なり、リスクマネジメントができなかったための惨事だったが、この八甲田山とダブってみえた。
自然の前では人間なんてひとたまりもないことを思い知らされる。

撮影は苛酷を極めたことが伝わってきて、その生半可ではない苦労が偲ばれる。
ただ、映像が暗いのでかなり見づらいし、170分はさすがに長くてダレてくる。

この映画は今までずっと見る気にならず、健さんが亡くなる数日前にたまたま初鑑賞。
役者としても人間としても好きだったのに。
作品の中だけでなく、人柄を偲ばせる数々のエピソードにも他の人にない魅力を感じていた。
個人的にとてもお世話になった人が健さんと同い年で今年亡くなっていたのもあって、あれこれ感じることも。
なんか淋しい。合掌。
飛鳥さん [DVD(邦画)] 5点(2014-11-23 22:47:18)
その他情報
作品のレビュー数 82件
作品の平均点 6.33点
作品の点数分布
022.44%
100.00%
222.44%
322.44%
4910.98%
51417.07%
689.76%
72125.61%
81214.63%
989.76%
1044.88%
作品の標準偏差 2.12
このレビューの偏差値 47.04
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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