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《ネタバレ》 ストーリー・表現・音楽と三拍子揃っていてとにかくよく出来た映画です。モンコ(イーストウッド)も用心棒の時のような軽さは無く、モーティマー(リー・ヴァン・クリーフ)とも敵対しすぎず慣れ合わず、騙されるかもしれないという絶妙かつギリギリの関係性を上手く表現していました。ストーリーはシンプルで判りやすいですが奥深さも失っていません。
特筆すべきはラストに明かされるモーティマー大佐の秘密。教養がありそうで地位もあった男がなぜ賞金稼ぎに落ちたのか、少ないセリフと映像で理解できるシーンは素晴らしいです。若くてカッコいいイーストウッドが主人公かと思いきや、明らかに大佐のほうが一枚上手、魅力も立場も生き方も数段上でした。 惜しいのは終盤のインディオ(ジャン・マリア・ヴォロンテ)の小粒感。中盤までは切れまくっていた頭脳と貫禄が終盤の安っぽい小芝居で台無しなってしまいました。この辺はワイルド・ザ・ハンチバック(クラウス・キンスキー)を使って面白くできたと思うので非常に惜しい点でした。クラウス・キンスキーに関してはイーストウッドに射殺されるラストも捨てがたく、決して今回の演出は間違っていないのですが、序盤の大佐との一悶着の決着がついていないのが惜しいところでした。 総じてドル箱三部作の中では圧倒的な完成度と魅力を感じた本作。数十年ぶりに再鑑賞しましたが全く色褪せていませんでした。私の中ではマカロニといえば本作で、日本語吹替の競演も胸アツでした。(ここのレビュアーでしたら説明不要だと思いますが、この風景がメキシコではなくスペインだというのだから本当に素晴らしいです!) 【アラジン2014】さん [地上波(吹替)] 8点(2023-09-23 14:04:40)
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