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《ネタバレ》 トム・クルーズもそろそろいい歳だし、シリーズの大風呂敷をたたむにはちょうど頃合いの今作。但しお目当てはトムではなく前作で最凶の仇役として大暴れしたパリスことポム・クレメンティエフ姐さんがイーサンと組んでどれだけ活躍するか、だったのだけど、なんでもっと大暴れしてくれないかなーと不完全燃焼。
「お前を殺そうとした私をなぜ助ける?」で終わった前作ラストからこっち、優しくされることに慣れていないパリスがいちいち戸惑う様子がも~う初々しいったら!負傷したベンジーに手当の経験を聞かれて殺したことしか無いと答えるごもっともなやりとりもマル。例えるなら「鎌倉殿の13人」で山本千尋演じる女アサシン・トウのキャラに通じるギャップが彼女の魅力であり、だからこそ射撃も格闘も相当な腕前の彼女の活躍をもっと観たかった。いっそスピンオフでパリスを主役にした話をやれば絶対面白いのに。 スリ・グレースの今作の役回りは観客寄りの立ち位置で、たとえスリの特殊技能を持っていてもまともじゃ無いくせ者揃いのミッションチームの中では素人同然、短期間で格闘訓練は受けたのだろうけど、イルサやパリスには遠く及ばないところがご愛敬。ローグ・ネイションを思い出す拷問部屋で、イーサンと手下の格闘を映さずグレースの表情と物音・苦痛の悲鳴だけでどんだけ容赦ないんだと思わせる演出も楽しい。ラスボス・ガブリエル?いいんです、あんなの。 総括すれば以前登場した人物たちのその後がいろいろ判って「そーか、そーいうことだったのか」と答え合わせするのが今回のテーマだった最終作だった。大仕掛けと派手なアクションがあれば映画ってそこそこ観客を呼べるだろうけど、これからのトム・クルーズの挑戦とは優れた脚本とアクションに頼らない演技力でどれだけ客を呼べるか、かも知れない。 【rinzou】さん [映画館(字幕)] 8点(2025-05-24 01:33:49)(良:1票)
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