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大学生の頃、友人の女性と会話しているときに「男は歳を取ると渋くなれるのに女はいつまでも若々しくいることを求められる」と言っていた。
前後の話の流れは全く覚えていないけれど、この言葉だけ鮮明に記憶に残っている。 いわゆる"グロい"映像表現が本作の劇中に何度も出てくるが、映像の強烈さよりも描かれている物語の哀しさに気が滅入った。映画を観た後の2日間ほどはエリザベスのことを思い出して気分が落ち込んだ。 ここまで余韻が残る映画は初めてかもしれない。それぐらい表現力が強かったということだなと。 何が哀しいかというとエリザベスはとても綺麗である点。実際の世の中でも整形に走って止まらなくなり、顔が崩壊していってしまう人は元が美人であることが多い気がする。 綺麗な人ほど若かった頃と今の自分への周囲の反応の違いが分かるのだろう。若くて身体に張りがあった頃の自分に戻りたくなると。 この映画ではまさにその"より若くて綺麗な自分"と対決させる構図を作っているのが面白いなと。歳を取った自分よりも若い自分の方が価値があるとエリザベスもスーも考えているのが哀しい。 映画は観ていて楽しい気持ちになるものがいいので満点は付けたくないけれど、ここまでメッセージを分かりやすく強烈に表現しているものはそうそうないだろう。 【Y-300】さん [映画館(字幕)] 9点(2025-06-15 06:18:44)
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