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《ネタバレ》 かつてTV放映されていたものが配信で見れるのもあって、懐かしさに再見した。
無駄に人が死ぬし、無駄に爆発するし、無駄にモノが壊されまくるし、なんて頭の悪い映画だろう(誉め言葉)。 確かに面白そうなアイデアを上手く活かし切ってない、設定の詰めの甘さや掘り下げ不足が目立つ。 ただ、王道なヒーロー映画のお約束に、有名映画のオマージュとパロディの数々、 現実と虚構のギャップを活かしたユーモアが心地良い。 1シーンのために大スターたちがわざわざカメオ出演と、当時のハリウッドは元気で明るい時代だったとしみじみ。 (コンプラ的に問題は山積みだったと思うけれど)。 映画では【最後は悪党が倒れて正義が勝つ】という流れだが、現実は厳しく、陰鬱で理不尽な出来事ばかり。 映画以上のリアルな悪に驚愕したベネディクトが魔法のチケットで世界を蹂躙しようと企むあたりなんて、 "悪党"には都合の良い、強大な力で意のままに動かしたい実在の権力者そのものだろう。 シュワルツェネッガーも映画と現実では別人で、その役のジャック・スレイターには彼なりの問題を抱えている。 架空の人物だったと受け入れざるを得ない自分自身の存在意義に悩みながらも、 台本に操られない自分の意思で生きていくことを掴み取る。 それはまさに、苦しい時期に映画に救われた、元気付けられた観客と重なるのではないか。 シュワルツェネッガーはあと数年で80歳を迎える。 いつかは彼だけでなく、全ての映画に携わった役者全員もこの世を去っていくだろう。 それでも当時のフィルムにあの時の姿のままでこれからも生き続け、映画を見る人を迎え入れてくれる。 【Cinecdocke】さん [インターネット(字幕)] 6点(2025-04-13 23:13:46)
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