みんなのシネマレビュー

フード・インク

Food,Inc.
2008年【米】 上映時間:94分
ドキュメンタリー
[フードインク]
新規登録(2011-05-19)【奥州亭三景】さん
公開開始日(2011-01-22)


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【クチコミ・感想】

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3. 10年前に堤未果氏の『ルポ貧困大国アメリカ』を読んだとき、貧困者になぜ肥満体の人が多いのかを初めて知って衝撃を受けたことを思い出す。映画評論家の町山智浩氏の語るアメリカ事情にもこの手の話が絡むことがあり、もちろんこのドキュメンタリーを含め、問題の本質が異口同音で耳に入ってくると、さすがにアメリカの食事情の深刻さを信じないわけにいかない。この映画で一番ぞっとしたのは、食問題で集まった人たちを相手に、家族に糖尿病患者がいる人に挙手させていたところ。ほぼ全員が手をあげ、「2人いる人」「3人いる人」と質問が続くけれど、誰も手を下げない。鳥肌が立つほど恐ろしかった。いつのまに、この国は糖尿病大国になってしまっていたのだろう。欧米人はインスリンの分泌力が優れていて糖尿病になりにくい体質だと聞いていたのに、一家族に複数人もの患者がいるなど、とても信じられない。

 大腸菌に汚染された食材が商品に紛れ込んでいたとしても、企業は謝罪しないどころか、声をあげる消費者を次々と告訴していくという。日本でもO-157感染で国中が大騒ぎになったことがあったが、被害を受けた限定消費者だけではなく、一般人もマスコミも社会をあげて感染経路の特定と予防対策を求めた。この一連の動きがどれほど正常な流れだったのかを改めて思い出した。
 また、『インサイダー』『エリン・ブロコヴィッチ』『フィクサー』など、巨大企業を相手に国民の命を守るため戦う映画を何本も見たが、遺伝子組み換え大豆の話が本作で出てきたときは、真っ先に『ゴルゴ13』の「害虫戦争」を思い出して、これまたぞっとした。遺伝子組み換えとは、あくまで気象条件に耐え抜く強い作物を生み出すための技術だと思っていた。それでも何やら落ち着かないのに、人為的に作物の特性を、それも明確な方向性をもって遺伝子レベルで操作するなど冗談がすぎる。そんな物騒な話はコミック上にとどめておいてもらいたい。

 思うに、資本主義、共産主義など諸々のイデオロギーを問わず、アメリカ、中国、ロシアなどの大国は、一国民の小さな声をいちいち拾い上げるには図体が大きすぎるのかもしれない。巨大な富と権力が集中する一握の輩が政経を動かしている以上、怪しい加工食品しか口にできない貧困層は、今後どうやって健康を維持していけるのだろう。それでも、声をあげようと活動している人たちの勇気と行動力に深く感動せずにいられない。 tonyさん [インターネット(字幕)] 9点(2019-08-18 23:08:54)

2.この作品の主張をどこまで信用していいのか悩ましい問題ではある。
仮にこういった工業生産が禁止されて、昔ながらの小規模農業が復権したとしても別の問題が発生しそう。
アメリカの食糧需給率は低下して輸入国に転落するかも知れないし、それをどこかの国の安価な食品で補うことになるとしたら本末転倒。
多少高くても安全な食品を食べたいというのは裕福な環境にある者の贅沢のような気もする。
少なくとも高くて安全な食品を選ぶ権利まで奪われているわけではないようなので、経済的に恵まれていれば解決する問題のような気もする。
経済的に苦しくて選ぶ権利が無いのだとしたら、安価な食品の流通が無ければ餓死するしかなくなる。
世界の食糧事情を考えると、多少リスクがあったとしても安価な食品の大量生産は必要悪なのかも知れない。 もとやさん [DVD(字幕)] 5点(2015-01-08 17:36:48)

1.まさに食べ物なのか、食品なのかを考えさせられる映画でした。特に重要なのは食料生産の現場が工業化して見える事。決して他人事ではなくて、日本も同じ様な状況にあるというのを忘れてはいけないのだろうね。それと、この映画では出血性大腸菌の発生原因についても明確に指摘しているのは興味深かったです。こうした話は日本ではマスコミが大きく取り上げないからわかりにくいのですが、世界で発生してる一連の出血性大腸菌のニュースに繋がる話であり、その意味でも実は本当に多くの人がみるべき映画だと思います。 奥州亭三景さん [映画館(字幕)] 6点(2011-06-05 09:35:00)

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【点数情報】

Review人数 8人
平均点数 6.38点
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