みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(8点検索)】
43.《ネタバレ》 この映画の僅か3年前(え?たった3年前だったの?)、『たけしの挑戦状』というファミコンソフトが出ました。不良サラリーマンが海の向こうに宝探しに行く内容だったけど、ゲームを進めるには難易度が高すぎて、カラオケしたりパチンコしたりと町をブラブラするだけのゲームになってました。警官やヤクザはもちろん、無関係な市民や奥さん、子供まで、殴れます。 今思うと、たけしは“日常の中の暴力”を、ファミコンという新しい娯楽で表現しようとしたのかもしれません。ゲームバランスは滅茶苦茶だったけど、案外たけしの考えた通りの再現度だったのかもしれません。 『コドモには見せるな……』のキャッチコピーを覚えています。無抵抗な浮浪者を遊び半分で痛めつけ殺してしまう少年たち。橋の上から船のオジサンに空き缶を投げて「バカヤロー!」と叫ぶ子どもたち。自分を捕まえようとする刑事と取っ組み合いになり、バットで頭を殴る容疑者。自供させるために何発ものビンタ。日常生活でその辺にありそうな、街の片隅で偶然目にしてしまいそうな、目を背けたくなる暴力描写。『まさか自分がこんな目に遭うとは…』そんな被害者の声が聞こえてきそうな、爽快なアクション映画と違って、痛みを感じる映画でした。 暴力を振るう側が相手に対し躊躇してないこと。相手の受ける痛みを一切感じてないこと。この一方的な無感情の暴力が、観ている私に痛みを感じさせるんだと思います。また恨みや憎しみで暴力を振るっている訳じゃないのも恐怖です。そして暴力が行われるまでと、行われた後の“間”が怖い。痛いのは一瞬なんだろうけど、その前後がずっと痛い。もし私が現場を目の当たりにしてしまったら、きっと観なかったことにして通り過ぎようとするでしょう。そんな観たくもない暴力を延々と見てる気分で、何かとても生々しく感じました。 我妻と清弘。仕事仲間からも距離を置かれる2人。無機質な倉庫に指す光と深い影がとても印象的。無言で撃ち合う2人。正義も悪も無い、2人の狂気がぶつかり合う最後の対決は、延々と暴力を積み重ねた本作のクライマックスとして相応しい結末でした。 【K&K】さん [地上波(邦画)] 8点(2024-05-14 00:53:05)(良:1票) 42.《ネタバレ》 「孤狼の血」を経由して、どうしても見たくなって再見して気づいたことがある。こんなにも、主人公・我妻が歩いている映画だったのですね。我妻が歩くのが下手くそというか、ものすごく窮屈そうに歩くのが魅力的であり、有り様(適応できてない)を表しているかのように見えます。(何の仕事かと聞かれて)「鉄砲の通信販売」、(我妻さん早いですねといわれて)「俺がやったんだ」の、洒脱な感じが、ストーリーが進むにつれて少なくなるのが残念なんです(最後まであの感じなら、もっとかっこよかったのに)。しかし、ヒョウタンからコマもあったにせよ(途中で時間がなくて端折った演出が功を奏している)、唯一無二の作品だと思います。 【なたね】さん [DVD(邦画)] 8点(2022-04-02 19:53:39) 41.《ネタバレ》 ヤクザと血しぶきは苦手なので、タケシの映画は敬遠してきたけれど、「キッズ・リターン」はとても良かったので、食わず嫌いは良くないと思って。 まずはコレ。話はわかりやすいし、テンポも良い。タケシの短いセリフも良い。 白竜はスゴイ。冷酷さを感じて恐い 。何度もタケシと対峙するけれど、その都度、緊張感マックスで敵役が強いほど話は面白い。 タケシはスゴイ役者だと思った。悲しみと諦めと怒りと狂気を内に秘めて、その都度滲み出る。 ラスト、タケシが光をバックにうけて黒い影絵として清弘に向かってゆき、顔の形相が影から浮かび上がり、清弘の白く光る顔に対峙 。あとは指の間から見た。恐かった。 【kirari】さん [DVD(邦画)] 8点(2021-04-07 14:49:41) 40.《ネタバレ》 どいつもこいつもキチガイじゃありません。ガキです。冒頭から一貫して登場人物は子供っぽい。我妻も清弘もワガママで上司の命令など聞く耳もなく、吉成署長は出世の事しか頭に無く、我妻の同僚たちは喧嘩っ早い。頭で何も考えていないかのようです。結局、最後のセリフどおり「バカじゃない」連中だけが生き残り、あれだけの事件があっても街や組織は変わらない。最後にクローズアップされた女性のように、なにもしないのが一番利口だとでも言いたいような映画です。雰囲気が重く、中盤からは常に緊張感を伴うシーンが続くのに、ビートたけしは観客を笑わせにくる。アドリブセンスの良さが光っています。我妻の妹が輪姦されてるのに画面の奥ではゲイと短気な男の喧嘩が始まったり、全く必要のないシーンを混ぜてくる。この辺りの緩急はさすが天才芸人だなといった感じです。北野映画の中で一番好き。 【カニばさみ】さん [DVD(邦画)] 8点(2015-05-14 02:47:34) 39.《ネタバレ》 記念すべきたけし一作目 久しぶりに見る もし自分が監督だったらこう作りたかったんだろうなと思うアイデアが満載 その後の北野作品の基本となるセンスのすべてがある 引きの絵 タメの無い暴力 妙な間のカットなど この奇妙な間のカット(たとえば登場人物達の長い沈黙とかエキストラに近い出演者の動きの途中でのカットとか葬式の場でゴルフの練習をする刑事とか)がその後の北野作品の大事な心理描写に繋がる 執拗でしかもタメの無い暴力描写はこの作品で初めて見た たけし扮する刑事を映画館の前で待ち伏せして襲うシーンでは、大きく引いたカメラから素早く近づいて刺す白竜が立て続けに銃を発砲するが、かわされて通りがかりの女性を直撃するまでをまったくタメの無いカットの連続で描くのは映画史に残る名シーンだと思う 冒頭で白竜が登場するシーンはアウトレイジのタイトルが出たシーンにそっくり 思えば黒塗りの高級車はヤクザの象徴という北野作品独特のイメージは既に第一作からあったのかと思い感慨深い エンディングの新人刑事のエピソードは付け足し感があって蛇足 無い方がよかった 【にょろぞう】さん [ブルーレイ(邦画)] 8点(2013-12-16 16:33:55) 38.初めてこの映画を観た時は衝撃的でした。ストーリーは特筆するほどでもない刑事ドラマ。でも、伝わって来る違和感がハンパじゃない。一種キューブリックを彷彿させるような乾いたの映像だけど、膨大な予算と時間が注がれるアチラに対して、たいして予算も使っていない映像から強烈に発散される個性に驚いた。 今回、その個性の根源を見極めたいと思って気付いたことがふたつ。役者に表情が無い。そして、人物の背景を描写しない。本作の「説明的」な部分は、主人公の妹に知的障害があることくらいだろう。フツーの映画にはある情報が極端に少ないのです。だから、登場人物が何を考えているのか分からない。微笑を浮かべていても、その意図が不明で身構えてしまいます。それでいて、アクションと云うか、暴力はかなり思い切っている。感情を排して展開される暴力描写にはリミッターが外されているような怖さがあります。結果として、ものすごく不安定な心境を抱えて映画を観ることになります。次の瞬間、何が起こるか分からない緊張感がある訳です。 本作は、それまでの常識的な映画のコード、と云うより「邦画のコード」の破壊だったと思います。主人公の個性を描き、周辺環境を描き、置かれた状況を描く。そこから発生する摩擦でストーリーが展開し、主人公のブレイクスルーで物語が完結し、感動が訪れる。それがオーソドックスな「邦画のコード」です。好きな人もいるけど、比較的サラッと流れる洋画と比較して敬遠する人も多い。じゃあ俺が、そんな「邦画的」な湿気を削ぎ落とした映画を作ってやるよ、と言ったかどうかは知りませんが、いかにもこの監督の天邪鬼的性向が発揮された作品だったとおもいます。 実はその後の北野作品を観るにつけ、その傾向が最も際立っていたのがこのデビュー作だったと思っています。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2013-11-22 02:33:47)(良:3票) 37.《ネタバレ》 途中から監督になった経緯は有名な話しだが、すでに出来上がっていた野沢尚の脚本をたけし流に手直ししているので、以後の北野映画とはちょっと違うテイストもある。岩城刑事の家庭生活や我妻刑事の妹の過去などがTVドラマ風に書き込まれていたみたいで、その片鱗を残したまま独特のつなぎで大ナタを振るった様に感じられる。その為、北野映画の特徴である叙情性がほとんど皆無で、その殺伐とした雰囲気は彼のフィルモグラフィの中でも抜きんでている。 でもこの映画の完成度は素人の映画監督デビューとしては奇跡の様な水準で、やっぱこの人は天才なんだなとしみじみ感じる。音楽の久石譲やカメラの柳島克己といった北野映画の鉄板スタッフとはまだ組んでいないので、あの北野ブルーと言われる色調はまだ見られない。でもエリック・サティを劇中しつこく使っているところに監督の音楽センスの良さが感じられる。 【S&S】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2013-03-08 20:45:32) 36.もうどうしようもなく凄い。 怖い。ちっともすっきりしない。腑に落ちていかない。 何でこれはこんなにも映画の定石を外そうとするのか。でも凄く映画している。 凄いリアルで、気持ち悪さすらある。 何も得る物なんかないんだけど、これを観てがんばれる気持ちが沸くわけでもないんだけど、でもなんか凄い物を観たって言う、体験ができる。これはテレビじゃ得られない。 【黒猫クック】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2012-04-29 08:25:38) 35.終始殺伐とした雰囲気が流れており、緊張感たっぷりのカメラワークに、一体次は何が起こるんだろうとビクビクしながら鑑賞した。監督デビュー作で作風が完成されていたことに驚き。 【eureka】さん [DVD(邦画)] 8点(2011-12-08 21:24:10) 34.《ネタバレ》 お笑い芸人であるビートたけしが北野武として映画監督デビューを飾った作品。最初の少年の家にたけし扮する刑事が乗り込んでいくシーンから既に異様な雰囲気が漂い、ここでもう一気に惹きこまれた。映画監督のデビュー作というのは、まだ作風がちゃんと確立しておらず、何本か見たあとになって初めて見たりするとあまりらしさを感じられなかったりすることがあるが、この映画は既に一作目にしてのちのたけし映画の独特な雰囲気が出ており、これは本当にお笑い芸人の監督デビュー作なのかと思うほどのちのたけしの映画監督としての方向性がハッキリと出ている。「その男、凶暴につき」というタイトルどおり、犯人に対して執拗に暴行を繰り返す主人公の狂気もさることながら、映画全体に漂う恐ろしさがなんともいえず、見ている間ずっと緊張しっぱなしだった。ロッカールームでの暴行シーンなどは、直接見せているわけではないのに中で何が行われているのか想像するだけで恐ろしくなるし、クライマックスの対決シーンで薬を探す妹をみつめる主人公の目線にも恐怖を感じる。たけしらしい笑いも盛り込まれているが、全体的には殺気にあふれており、完全に「映画監督 北野武」というものをこれ一本で確立してしまっているのが凄い。この映画、最初の企画段階では深作欣二監督の予定だったそうだが、深作監督ではこの独特な雰囲気は出せないだろうし、まさにこれは北野武だからこそ出来る映画だと思う。それにしても一作目にしてこんな凄い映画を作ってしまったのがお笑い芸人とはやっぱり信じられない。最近でも俳優やお笑い芸人が監督デビューすることが多いが、それらが何やら話題性だけのように感じるのに対し、ビートたけし=北野武にはほかのタレント監督とは違う本物の作家性というものがあることをこの第一作目から感じずにはいられない。間違いなく傑作だと思う。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 8点(2011-05-26 14:22:43)(良:3票) 33.《ネタバレ》 非常に面白い。最後の岸部一徳の部下が言う通り、全員がキチガイの大暴力劇。最初のオヤジ狩りをしていた少年宅に乗り込んでいくシーン。少年宅を遠くから淡々と映しているのだけれど、その中では少年相手に容赦ない暴力が振るわれている。また白竜演じるチンピラの清弘を拷問するシーン。ただ廊下を映しているだけなのだが、ロッカールームでどれだけ酷い拷問が行われているか容易に想像出来てしまう振動と音。これらの静と動、静観と暴力の差を使った演出が非常に巧みに感じました。これがデビュー作とは恐れ入ります。今の芸人が量産している初監督作品がゴミに感じるほど、この映画はすごい。 【民朗】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-06-21 17:32:03)(良:1票) 32.《ネタバレ》 北野武の監督デビュー作品は後の武作品を語る上で絶対に通らなくてはならない。外すことは出来ない暴力的な世界の中に人間の持っている危なさ、警察であれ、刑事であれ、一人の人間であることには変わらないというものをこの映画を見ていると感じずにはいられなくなる。どんな人間だろうと、所詮は人の子、それはこの映画のビートたけし演じる刑事の性格にもよく現れている。北野武が北野武及びビートたけしである限り存在する危険性、冒頭の中年が少年達に暴力を振るわれた後に一人の少年の家に乗り込む所から既にこの映画には危険な匂いが充満している。坂道を走り、バットを持って逃げる男を捕まえに行く場面、車で跳ねたのか?と思わせておいて、犯人がボンネットの上に乗ってフロントガラスをぶち壊す所なんて上手いと言わずにはいられない。白竜が出てくる中盤からのシーンの殺気、少ない台詞と音楽をほとんど使わないことが余計にその殺気を感じさせる上手さ、更にこの映画、武らしいコメディセンスとしての場面も見ることが出来る。それは白竜を捕まえる所が何とラブホテル、しかも裸の男と一緒という所の如何にも武らしいこのセンス、妹がチンピラに捕まって薬を打たれる所でここでも一人のオカマを登場させるというのもこれまた北野武、いや、ビートたけしらしい。色んな意味でたけしらしいセンスを感じさせ、白竜との戦いに勝ち、白竜の遺体のポケットから薬を探す妹を見てる時の視線の怖さ、作品全体に怖さを十分に見せつけることに成功している。これがとても本職が映画監督でない人間の成せる技なのか?というぐらいの緊張感、全てにおいて、殺気が漲っている。監督デビュー作にしてこれだけのものを撮る北野武、そこらの芸人なんかとはまるで違うものを感じずにはいられない。最後にもう少し!北野武が映画を撮れるなら俺にも俺にもとやたら監督でもないタレントや俳優やら歌手やらが同じように真似して映画界に乗り込んでいくという現在の日本映画の現状がどれだけ今の日本映画を駄目にしていることか!ということを日本映画界全体として考えるべきである。はっきり言うけど、北野武(ビートたけし)はどうすれば映画として観ることが出来るのか?ということをよく勉強していると思うし、解っている。この映画は北野武以外では成り立たない映画であることをきちんと理解しないといけない。そういう映画である。 【青観】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-11-26 20:36:55)(良:4票) 31.かなりソリッドな暴力映画でありながら、何度も観れてしまう一種の中毒性がある作品。 ただその後の北野作品に比べ、まだ「切なさ」においてはもの足りないかもしれない。虚無感は充分にあるが。 北野映画の「殺し」は、前置きなんて無く、あまりに無慈悲にさらりと描かれるので、 それがかえってリアルで恐ろしい。「殺し」のセンスは本作から既に確立されている。 そして特筆すべきはやはりこの作品中のたけしの恐さ、カッコ良さ。 滅茶苦茶に尖りまくっている。たけしが画面上に出てくるだけでヒリヒリした雰囲気が伝わってくる存在感は圧巻。 観る側の内に秘めた凶暴性さえ引き出すような、快感に近い危なさがこの映画にはある。 色々思うところはあったが・・・・・・一番はこのタイトル! この映画にこれ以上のタイトルは無いでしょう。 【おーる】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-07-27 14:08:51)(良:1票) 30.説明的なシーンやせりふも多く、まだ北野武色は影を潜めている感じです。とはいえ、エンディングの流れは1,2を争う出来と思います。 【njld】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-09-27 13:58:22) 29.すき。このころのたけし映画が一番あつい 【STEVE-O】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2008-06-09 01:58:44) 28.歩くシーンが多い。たけしがただ歩道橋を歩いているだけで、インパクトがある。これまで観てきたどの映画とも違う感覚。たけしは監督デビュー作で、既に異質な才能を発揮していた。公開当時、お笑い芸人が撮った暴力映画として酷評されていたが、故・淀川長治氏は絶賛されていたと聞いたことがある。海外で評価されるようになり、これまで無視していた批評家たちが、掌を返したようにたけしの映画を誉めるようになった。そんな連中に、たけしは心底うんざりしているのだろう。 【フライボーイ】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-05-15 22:42:55)(良:1票) 27.久しぶりに観てみると、初監督なのに切れ味に圧倒され、全く退屈せずエンディングを迎えられる。ストップモーションでない動かない演技を多用して、こっちの呼吸も止まりそうだ。 そういえば今のたけしは製作映画の内容が停止中! 【カーヴ】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-02-10 14:29:06) 26.北野作品では、「3-4X10月」の次にいい。というか、その二つしかいいのがない。「その男〜」は、純粋なエンタテインメント作品で、昔の日本テレビの「刑事もの」の匂いがします。よくできていると思います。楽しい映画です。 【コウモリ】さん [映画館(邦画)] 8点(2007-08-13 23:11:15) 25.主人公の行動原理は単純です。殴りたいから殴る。躾されていない子供のようです。自分は彼に賛同できません。暴力=悪だと躾られてきたから。でもその一方、無茶をする彼に爽快感も覚えるのです。しかし行き過ぎると、また眉をひそめてしまいます。この矛盾。戸惑い。それは社会が抱える矛盾でもある気がします。問題解決の手法としての暴力を人は認めています(もっとも、暴力という言い方はしません)。その代表が公権力=警察です。主人公が警官である意味が此処にあると考えます。人は生まれながらにして、問題解決手法としての暴力を獲得しています。教えなくても子供は叩くことを知っています。生まれ持ったものなのに、押し殺すように教育されのです。そもそも其処に無理があるのかもしれません。暴力を容認された警察でさえそう。力を振るえず、挙句チンピラに殺される姿は滑稽ですらありました。主人公の“正しくない”行動は、現代社会が抱える矛盾を明確に表していました。本作は北野武の初監督作品。処女作で、これほどスタイルが完成されているのは驚きの一言。監督の“人となり”が伝わってくるのも素晴らしいです。やはりベースは芸人「ビートたけし」の顔でしょうか。シニカルなコント風味の演出が、陰鬱な作品に上手く同調していたと思います。自分が特に気に入ったのは、たけしの蹴り。「バカヤロ、コノヤロ」と聴こえてきそう。芸人、監督、役者の顔が全て垣間見られる、見事な蹴りだったと思います。「長渕キック」と併せて『日本3大キック』と名づけたいくらい。残る一つは…後で考えます。暴力に対する問題提起はOK。これに対する監督の答えは何なのか。それが伝わってくれば、完璧でした。 【目隠シスト】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2007-06-15 18:07:28)(良:1票) 24.北野映画は、デビュー作から完成されていたのだと実感。とにかくすべてにおいて、すでに完成されていたのだな。後の作品は、すべてこの映画のヴァリエーションとすらいえるかもしれない。いや、もちろん、これは、誉め言葉。 【いのうえ】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2007-06-05 23:03:56)
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