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愛を読むひと

The Reader
2008年【米・独】 上映時間:125分
ドラマラブストーリー法廷もの戦争ものロマンス小説の映画化
[アイヲヨムヒト]
新規登録(2009-02-20)【尻軽娘♪】さん
タイトル情報更新(2022-05-02)【イニシャルK】さん
公開開始日(2009-06-19)


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監督スティーヴン・ダルドリー
キャストケイト・ウィンスレット(女優)ハンナ・シュミッツ
レイフ・ファインズ(男優)マイケル・バーグ
デヴィッド・クロス〔1990年生〕(男優)若き日のマイケル・バーグ
アレクサンドラ・マリア・ララ(女優)若き日のイラーナ・メイザー
ブルーノ・ガンツ(男優)ロール教授
レナ・オリン(女優)イラーナ・メイザー / ローズ・メイザー
マティアス・ハービッヒ(男優)マイケルの父 ピーター・バーグ
カロリーネ・ヘルフルト(女優)大学の法科習生である女子学生
ブルクハルト・クラウスナー(男優)判事
スザンヌ・ローター(女優)マイケルの母 カーラ・バーグ
シルヴェスター・グロート(男優)検察審議員
岡寛恵ハンナ・シュミッツ(日本語吹き替え版)
宮本充マイケル・バーグ(日本語吹き替え版)
櫻井孝宏若き日のマイケル・バーグ(日本語吹き替え版)
原作ベルンハルト・シュリンク「朗読者」(新潮社)
脚本デヴィッド・ヘア
音楽ニコ・ムーリー
編曲ニコ・ムーリー
撮影クリス・メンゲス
ロジャー・ディーキンス
製作アンソニー・ミンゲラ
シドニー・ポラック
ヘニング・モルフェンター(共同製作)
製作総指揮ボブ・ワインスタイン
ハーヴェイ・ワインスタイン
配給ショウゲート
特殊メイクマシュー・スミス
特撮フレームストアCFC(視覚効果)
ダブル・ネガティブ社(視覚効果)
美術ブリジット・ブロシュ(プロダクション・デザイン)
衣装アン・ロス〔衣装〕
編集クレア・シンプソン
字幕翻訳戸田奈津子
その他アンソニー・ミンゲラ献辞(in loving memory of)
シドニー・ポラック献辞(in loving memory of)
ニコ・ムーリー(指揮)
あらすじ
15歳だった僕(マイケル)はある日帰宅途中に嘔吐し、30代の女性ハンナに介抱された。病気恢復後、お礼に行って僕は彼女と肉体関係を持つが、その後彼女は訪問する度に必ず文学作品を朗読するよう僕に命じた。だが、ハンナは突然街を去り、僕は大学法学部に進学して遡及効のナチ戦犯への適用を研究テーマにする教授のゼミに所属した。そして教授の引率で傍聴に行ったナチ戦犯の法廷で僕は被告席に座るハンナと再会した。記憶の中の彼女と法廷での彼女の答弁から彼女が文盲だと僕にはわかった。文盲をひた隠しにするハンナはどう裁かれるべきなのか。。。

かわまり】さん(2016-09-26)
全てのをあらすじ参照する

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未見の方は注意です!




【クチコミ・感想】

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78.《ネタバレ》 ポイントは2つ。なぜ彼女は死を選んだのか?なぜ彼女は文盲であることをひたすら隠し通したのか?文盲であることを知られるのが恐くて、裁判で死刑になるかもしれない罪を受け入れてしまう彼女の心理状態がよく分からない人も多いと思います。大抵の人はあの裁判所で偶然彼女を見つけたら「彼女は文盲だから無実だ」と叫んで救おうとするでしょう。しかしあのエロ青年はそれをしなかった。このときはじめて、こいつはただのエロじゃないと見直しました。この監督の「めぐりあう時間たち」をご覧になればさらに理解が深まると思いますが、人間は地雷で手足を失っても頑張って生きている人もいれば、第三者からみればこんな他愛のないことで?という理由で、あっけなく自殺する人もいる。それらの違いは、強い人間と、弱い人間の違いではありません。人が感じる不幸や屈辱は相対的なのです。彼女にとって文盲が他人に知られることは憤死に等しい恥辱であった─。少なくとも男は愛する女性のそういう本質を理解していた。ではなぜ彼女は自分を愛してくれた男と出会った直後に死を決意したのか?1つだけ言えることは、「坊や」と過ごした当時の彼女は、彼を愛していなかったことです。しかし、長い刑務所生活のなかで、男との生活が自分の人生のなかで一番輝いていたことを悟った─。多くの人間は、例外なく、「幸せ」を失ってから「幸せ」だったことに気がつきます。それが人生です。彼女は刑務所のなかで、はじめて彼を愛し始めた。それなのに出所の直前に男と出会った彼女は、もう自分が愛されていないことに気がつく。愛を読んでくれた男はいつのまにかクソジジイになり、自分はクソババアになっている。もう過去には戻れないという事実─。彼女は自分の人生にとって一番輝かしい過去の思い出を守るために死を選んだ。しかし、実は男は彼女を愛していたのである。男自身がその事実に気がついたのは、やはり彼女を失ってからでした。人は失ったあとに、失ったものの大切さに気がつく。これも人生です。 花守湖さん [DVD(字幕)] 7点(2010-03-04 19:38:02)(良:4票)

77.《ネタバレ》 予備知識が無かったので、考えてもいない方向へ展開するお話に驚きました。文盲(これって差別語なのかな?)から強制収容所へ繋げる構成に引き込まれました。でも、この作品の凄いところは、テーマとなるべきこれらの社会問題をただの背景として扱っていることだと思います。描かれるのはあくまで男女の関係です。
彼女の文盲を知る彼は、法廷で彼女を弁護できた。そうしなかった理由は、彼女にとっての「恥」を暴露したくなかったからです。しかし、その判断は量刑が確定した後に長い尾を引きます。彼女の名誉と自由のどちらを優先すべきだったのか。答えが出ない後悔です。では、彼が朗読テープを送り続けた理由は何でしょう? 私は愛情などでは無いと思います。自身の判断に対する中途半端な贖罪です。なぜ中途半端かと云うと、文盲を暴露した方が良かったという確信も持てないからです。そして、「贖罪」が救うものは彼女では無く彼自身です。彼は自身が抱える後悔の念を軽くしたくて朗読テープを送っていた。その後ろめたさが、彼女からの手紙に返事を書けなかった理由だと思います。
出所前に二人が対面した際、彼女は朗読テープが「愛を読んだものではない」ことを、彼の態度から察しました。それが彼女の自殺のトリガーだったとしたら、彼の態度は最後まで中途半端でした。でも、私は彼を責めようとは思いません。理屈と感情の狭間で妥当な行動を選択できず、他者や自分を傷つける。そんな、人間の弱さを描いた作品だったと思います。
彼が成人した娘に全てを語ろうとするところで映画は終わります。娘も彼の中途半端の犠牲になった一人です。事実を「明らか」に出来ずに悔恨を引きずった関係がありましたが、「明らか」にすることで修復できる関係もある。微かですが、光明を見せるエンディングに救われた気分でした。
私は邦題にケチを付けることが多いのですが、この邦題も酷いと思いました。テーマとして語られる内容を逆方向へミスリードしています。あの朗読を「愛」と解釈したら、その後の展開に不可解が累積します。私に言わせれば、愛を読むフリをする人、です。デリケートな内容だけに、邦題から主人公の心情を誤解している人も多いのでは…。 アンドレ・タカシさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-05-05 03:24:55)(良:1票)

76.映像の雰囲気が凄く好きでした。内容的にはなんでそういうこと言うのするのとイライラすることが多かったけど、とにかくこの作品はケイト・ウィンスレットだからこそ良い作品になったと思います。他の女優さんだったら普通の作品だったかも。 ネフェルタリさん [DVD(字幕)] 7点(2012-02-17 18:02:13)(良:1票)

75.《ネタバレ》 ドイツ原作で米独合作、少年時代のクロスはじめガンツ(教授)やクラウスナー(判事)らドイツ人俳優も出演していてアメリカが勝手に作ったわけではないのですが、微妙なホロコースト映画。 監督やメインの俳優がイギリス人の英語劇なのはマーケットを考えてか。 公判でも公平さを保ちつつもハンナを強引に罪人にしているような部分がありました、スケープゴートか必要悪として。 マイケルは刑務所のハンナに献身的に朗読テープを送り続けながら彼女の手紙には返信せず、出所にも戸惑いを見せるやや身勝手な男。 気難しく奔放だったハンナは老いてコンプレックスを克服するのだけど、そのきっかけを与えてくれた相手にとって自分がお荷物であるのを悟った時の選択はあっけなく、自責の念に駆られたマイケルの行為もさして感動はおぼえない。 性愛からのスタートなので関係が脆く、愛や知性よりプライドと自己満足が勝る彼らの人間的な弱さを戦争にかこつけているのはどうかなと思いました。 ケイト・ウインスレットが「いつか晴れた日に」から6度目のノミネートでオスカーを得たのは嬉しいけれど、それほどいい作品かどうかはわからないです。 レインさん [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-04-04 00:00:12)(良:1票)

74.《ネタバレ》 映画におけるアウシュビッツネタはあと何年続くのだろう・・
カップリさん [DVD(字幕)] 5点(2010-10-16 01:45:01)(良:1票)

73.《ネタバレ》 前半は「青い果実」みたいな話かと思っていたら、後半になって急に社会的なテーマが出てきて面食らった。▼ハンナ・シュミットという名前、ハンナは日本でいえば「花子」、シュミットは「佐藤」とか「鈴木」みたいな姓名だから、“どこにでもいる平凡な人間”のメタファーとなっているらしい。戦争裁判のシークエンスは、そんな平凡な人間をも戦犯として重罪に問うたという表層さあるいは悲しさを伝えようとしたのか。▼ハンナの刑務所出所が決まって、マイケルが会いにいったとき、マイケルが「昔のことを考える?」と尋ねたら、ハンナは「昔の二人のこと?」と聞き直すと、マイケルは「いや、そのことじゃない」と言った。このやりとりの残酷さ。どこまでも私的な人間である女に対して、男は社会的な人間に変貌していた(少なくともハンナにとっては)。おそらく、この会話がハンナの自殺の呼び水になったものと思われる。昔の出来事が男にとっては過去となっている以上、ハンナの存在はお邪魔虫でしかない。ならば、かつては男に知らせないまま引っ越し、こんどは命を絶った。娑婆に出られるとなって、死ぬしかなかった彼女の選択がやるせない。▼面白く見ることはできたが、他方、奥深そうに見えて、そうでもないようにも思え、映画を通して何を伝えようとしたのか、イマイチよく見えてこなかった(マイケルの心理描写が練りきれていないのが原因と思われ)。ラスト、マイケルが自分の過去を娘に語るというのはあり得ないシナリオで、作品全体を意味不明にしてしまっている。もし独りで墓参りしていたら+1点はあげられたと思う。 delft-Qさん [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-07-13 23:32:20)(良:1票)

72.《ネタバレ》 有罪か無罪かは「悪いことをした」かどうかではなく、その当時の法律で合法だったか否かで判断される。と、ゼミの教授は話していましたが、実際ハンナは無期懲役という重い判決を下されましたね。300人の命を見殺しにしたというのは確かに罪深いかもしれないですが、看守としての判断が法にかなっていたかどうかを見極めないといけないのでは。こんな判決アリ?と思ったものの、過去の判例を思えばあり得ますね。それにしても、この裁判が作者の意図するハンナの一生を作るための装置に思えてしまい、入り込むことができませんでした。ケイト・ウィンスレットの演技は素晴らしかったです。 まもせいさん [地上波(字幕)] 5点(2010-07-12 16:03:33)(良:1票)

71.《ネタバレ》 彼女の秘密とドイツの歴史との絡み具合がよくわかんなかった。どうも私のなかでピントがピタリと合わない。時代の罪と個人の罪の関係、とか、本当の意味で違う時代を裁けるのか、といった話だけなら、日本にも引き寄せてよく分かるテーマなんだけど、そこに彼女の秘密が入ってくると、かえってぼやけて感じられた。法廷のシーンはいいんだよ。最初にハンナの声が入ってきて、次に遠景の彼女が見えて、という段取りもいいし、裁判長もそう権威的でなく、いかにも戦後の「ナチズムを反省した市民」の代表って感じで、彼の正義感もよく理解できるようになっている。そこで時代の溝が、映画として生きている。個人にとって歴史というものの冷酷さが感じられた(ただほかの元女看守たちはやや造形が雑だった気がする)。法廷のシーンは緊迫していた。でもあの「秘密」によって、話のポイントがずれて縮む印象。なんか重要な点を理解し損なったのかなあ。住まいを定めるときとか、仕事に就くときとか、どうしたってそれを世間に隠し通せない場面が今までにもたくさんあっただろうし、そもそもこの法廷に至るまでの裁判の過程で、告発する側も弁護する側も、それに気がつかないってのは不自然なんじゃないか、やたら書類にサインさせる社会で。それほどいいかげんな裁判だったのかも知れないけど。いや、そういう女性の物語としてそれだけで完結してるのなら作品の設定枠として受け入れられるんだけど、歴史の悲惨に絡んでくるとなると、疑問。 なんのかんのさん [DVD(吹替)] 6点(2010-05-23 12:05:33)(良:1票)

70.《ネタバレ》 原作は読書済み(薄かったし)。ハンナをどうケイト・ウィンスレットが演じるのか、スティーヴン・ダルドリー監督がどう映像化するのか、興味があり観ました。ケイト・ウィンスレットは素晴らしかった、の一言。特に、マイケルと一日郊外へ行く途中に立ち寄ったレストランでメニュー表を前にする場面では、観てるこちらにも彼女の不安がひしひしと伝わりました。裁判の場面でも、あの部屋で圧倒的な存在感で熱さを感じさせた以前のハンナとは異なり、小さく、でも凛と正していた背中を見せていたのには感心しました。しかし、原作ではセピア色に感じていたマイケルの少年期も、本作では結構明るいライティングだったりと、少しガッカリしたのも事実。何より、最後の会話となるハンナとマイケルの電話のシーンや、ハンナがプールの向こうで佇むシーンなど、原作の一部を端折られたのは残念な気持ち。そしてマイケルが、原作にはほとんど登場してない娘に語り次ぐという構成には、なんとなくマイケルが救われたようで、ちょっと納得できなかったです。苦みを抱えて生きるというところに、マイケルの意味はあったと思うんだけどな。 泳ぐたい焼きさん [DVD(字幕)] 5点(2010-05-04 23:35:22)(良:1票)

69.《ネタバレ》 戦後の西ドイツ、ふとしたきっかけで出会った15歳の少年と36歳の女。欲望のままに惹かれ合い、たった一夏の関係を過ごした二人。彼らの中ではじまった「朗読」という儀式は、一体何だったのだろう。

その意味は、決して単純に美しいものではないように思う。

過去の“業”を秘め無学をひたすらに隠そうとするアラウンド40の女と、目覚めた”性”を抑えきれず彼女に対する無意識下の蔑みを「愛」と盲目する少年、それぞれの脆さと愚かさを、「朗読」という行為で正当化しているような、そんな屈折した心証が見え隠れする。
キャッチコピーにもある通り、そこには、「愛」と呼ぶにはあまりに切ない二人の男女の関係性があったと思う。

時を経て、再び「朗読」という行為で繋がる二人の関係性は、20年前のそれとはまったく異なる。かつての感情の高ぶりを思い起こすと同時に、決して取り戻すことは出来ない過ぎ去った時間を感じ、二人の関係の本当の意味での“終幕”を迎える。

結局、この男と女は、一度たりとも心が通じ合ったことは無かったのではないかと思える。お互いが、無知と無学の狭間で盲目的に惹かれてはすれ違うということを繰り返し続けたのではないか。

それはやはり「愛」ではなかった。ただ、その関係性がイコール「悲劇」かというとそうではない。それぞれの人生において、「朗読」という行為は、“始める”意味でも、“終わらせる”意味でも不可欠なことだった。
それはおそらく当人たちでさえ説明がつかない心と心の“交じり合い”だったのだろう。

この物語の真意を100%理解出来たとは思えないし、完全に理解することなどは不可能だと思う。
なぜなら、主人公の女が死を覚悟してまで文盲であることを隠し続けたことが如実にあわらすように、人間の心理は千差万別であり、一つとして完璧に重なり合うものはないからだ。
そういう人間の複雑さを映画として情感たっぷりに描き出した優れた作品だと思う。 鉄腕麗人さん [DVD(字幕)] 8点(2010-03-22 09:26:35)(良:1票)

68.《ネタバレ》 やられた、という感じですね。「めぐり合う・・」でも確かに時代の変化と主人公達の変化をうまく絡ませて味わい深く表現していたんだけど、これは秀逸です。ケイトの演技はさすがですが、マイケルの役の二人もこの主人公の心情を旨く表現していたんじゃないかな。若いときの一途な愛と真実を知ったときの苦悩、そしてそれらの過去を体験として冷静に受け止める年齢になった時の複雑な心境と自らの家族関係を踏まえた生き方なんか、主人公の気持ちがスーと入ってくる感じでした。出所を控えて再会した時のすれ違いには、予想できた事とは言え、グッとくるもがあった。女は過去が未来へと繫がって欲しい希望を見出そうとしたけど、男にとっては過去は思い出でしかないという現実を確認することになっていまった。再会して、又何かが起こるのではという双方の気持ちに、結局は決定的な亀裂を生じるという悲劇が目の前に突きつけられたのだ。教会で賛美歌に聞き入るハンナのエピソードをもう少し掘り下げたらさらに良かったんだが、それでも、まいったなあ。 パセリセージさん [DVD(字幕)] 10点(2010-01-10 00:06:59)(良:1票)

67.《ネタバレ》 原作を初版時に読破。しかし、細かいストーリーは、ほぼ忘却。(古本屋に売ってしまって読み返しもできず・・)そして、心に深く刻まれていたこの小説の記憶は、愛とか戦争責任の問題ではなく、「人間の尊厳」についてでした。
この映画では、性描写の多さに「こんな原作だったかいな?」と、途中で頭を傾げながらも、ハンナの最期を看取り、当時の読後感がエンドロール時に約10年ぶりに蘇り、鳥肌を立てておりました。
無知・無学な色狂いの中年女性の日常を演じつつ、重い過去への自己責任を毅然と表現したウィンスレット。他人には絶対に知られたくない秘密~なぜ無期懲役よりプライドを守り抜く事が重要なのか?~それは他人には理解できない。~プライドとは人それぞれのモノだから~素晴らしい演技でした。この女優でなければ、原作の再現と作品の成功はなかったでしょう。 つむじ風さん [映画館(字幕)] 7点(2009-08-10 03:13:40)(良:1票)

66.《ネタバレ》 好き嫌いは分かれるかもしれないが、個人的にはかなり気に入った作品だ。ほとんど飽きることがなく、映像にチカラがあるため、完全にこの世界に引き込まされた。本作は、このストーリーを映画化した際における最高のデキといえるのではないか。これ以上のモノを作れる者はほとんどいないだろう。それだけ、スティーヴン・ダルドリー監督の手腕が光っている。セリフで何かを説明するのではなくて、様々な“行為”で多くのことを語らせている点が秀逸だ。脚本に書かれていること以上のことを映像化できる監督は評価されるべきだ。アカデミー賞監督賞に連続ノミネートされているのも納得といえる。
本作を一言で言えば、“愛”を映像化している作品だ。“愛”というものは形が定まっていないだけに、上手く映像化することはできない。しかも、その難しいことに成功しているだけではない。
“愛”の純粋さだけではなくて、“愛”の奥深さや複雑さをも描き切っている。
「人生」や「男と女の関係」は“愛”だけでは簡単には割り切れないことをよく分かっている。「世の中」というものは、一般的な映画のようにそれほど単純ではない。
単純なハッピーエンドでもバッドエンドでもない、どちらとも解釈が可能となるグレイの部分を描いている。本作の時代背景はかなり古いが、現実世界における“厳しさ”“深さ”に通じることを描いているようにも感じられた。
本作には色々と説明が足りないところが多く見られる。「なぜそうなるのか」「どうしてそうしたのか」「どういう想いが込められているのか」といったことが映像を観ただけではよく分からないと思う。主人公たちに簡単に感情移入できるほど単純な映画ではなく、彼らの行動を全て“理屈”で説明することができない。
しかし、人生や愛とはそういうものではないか。説明が足りないからこそ、より“深み”が増したようにも感じられる。本作には余計な「説明」も「答え」も要らない。
観た者が感じたことを色々と想い巡らせればよいだろう。
むしろ、これ以上何かを説明しようとすれば、“蛇足”となるのではないかと思う。
ケイト・ウィンスレットもアカデミー賞主演女優賞獲得が納得できる演技をみせた。
監督や脚本の意図を汲み、“深み”のある演技をみせている。セリフや説明が少ない分、微妙な“感情”や“表情”で内面を表現して観客に何かを感じてもらおうと努力している点を評価したい。 六本木ソルジャーさん [映画館(字幕)] 8点(2009-07-31 00:37:55)(良:1票)

65.《ネタバレ》 前半部分だけでも、年上のお姉さんと少年の一夏の想い出的ロマンスとして十分成り立っているし、そこだけで作品にすることも可能なボリュームがあるのですが、「その後」「さらにその後」までしっかりと一つの世界にしてくれているのが嬉しいではないですか。同じ監督・脚本の「めぐりあう時間たち」同様、余韻と間を大切にする演出と、一つ一つの言葉に意味を込めている脚本が、それを支えています。また、各シーンを的確に彩っている照明のセンスも印象的で、特に、最後のファインズとレナ・オリンの対面の場面の希望に満ちた明るさは、物語自体はアンハッピーエンドであるにもかかわらず、未来への拡がりを感じさせてくれます。 Oliasさん [映画館(字幕)] 7点(2009-07-06 00:09:14)(良:1票)

64.《ネタバレ》 「レイフ・ファインズ」目当てで、観にいってしまいました。厳格な家族の中でも、学校でも、「いまいち」な立場のマイケル君がハッスル(笑)して、ドンドンと自信をつけていく様子は微笑ましいものがありました。前半はマイケル君の成長が可愛くて楽しい切ない映画・真ん中に法廷シーンでは、大学生になったマイケル青年の苦悩と後悔がリアルでとても良かった。後半はレイフ・ファインズに替わって、大人になったマイケル氏も渋くて良かった。しかしケイト・ウィンスレッドはすっかり演技派になりましたね。ブルーノ・ガンツ、レイフ・ファインズ、ケイト・ウィンスレッド・・と演技派の競演が見ごたえがありますが、若いマイケル君役の子が最も鮮烈かもしれない・・。 グレースさん [映画館(字幕)] 9点(2009-06-23 18:34:55)(良:1票)

63.《ネタバレ》 原作を読んでいないのですが、原作から大事な部分をカットしてるのかな?
マイケルの描写がとても薄っぺらいと思います。
ハンナと睦み合うシーンをいくつか削って、マイケルという人物を描いたほうが・・・

マイケルはハンナが文盲であることに法廷中に気付き、自らが学ぶ大学で教授と
話すシーンがありますが、結局何も行動を起こさないまま、ハンナは服役。
大人になったマイケルが法廷に出席するシーンもありますが、何かの伏線かと思いきや、
物語への影響は語られていません。

服役したハンナに向けて、マイケルは自らが朗読したテープを送るのですが、
それに対してハンナから送られた手紙には、さしたる心理描写もないまま返事をしない。

上映前の宣伝に、こうあります。「少年の日の恋が、無償の愛へと変わるまで」
私には、マイケルのとった行動は、
違った判決が出たかもしれなかった裁判に対し、何も行動をしなかったことへの【贖罪】
に近かったように思えます。

マイケルという人物を、ちょっと乱暴に映像化しすぎた感を拭えません。
法廷で驚き苦悩するマイケルと、ハンナが服役してからのマイケルが別人のようです。

ハンナが裁かれる罪、その背景にあるものは、戦争の被害者である方々にしかわからない
壮絶な時代背景があると思います。
しかし、作中で語られる罪について、ハンナを除く看守達が裁判中にとった行動・彼らに対する
法廷内での扱いは、不当に甘いような気がします。
作者の出身・思想は、どの辺りにあるのでしょうか?
ちょっと穿った見方をしてしまいました。
hyamさん [映画館(字幕)] 6点(2009-06-23 04:45:07)(良:1票)

62.《ネタバレ》 ブンガク的な映画を見にきたつもりが、ケイト・ウィンスレットが『青い体験』のラウラ・アントネッリや『課外授業』のキャロル・ベイカーや『プライベイト・レッスン』のシルビア・クリステルと肩を並べちゃってるようなノリのエッチな映画だったりして、ぎゃあああ、そういう映画だったの?ってカンジ。でもそれは前半だけで終わったので良かった良かった(むしろ残念?)。読むこと、文章に触れることを通して描かれるヒロインの哀しさが響いてくる映画でしたけれど、一方であまりのケイト・ウィンスレットの好演のせいか、私がホロコーストに対する認識が浅いせいか、はたまた脚本がキチンとその罪悪を描かず既存のイメージに頼ってしまっているせいか、彼女をそこまで忌避しなければならない、そこまで弾劾されなければならない理由というのがハッキリ見えてこないんですよ。主人公がヒロインを避けなければならなかった、最後に今更ながらにやっと真実を明かす気になった流れが、どうもピンと来ず、ダメな男にしか見えませんでした。悲恋物語としてはともかく、戦争という大きな渦の中にある個人の罪を問うには力不足な映画と言わざるを得ません。主人公の曖昧さがそのまま映画の曖昧さに繋がってしまったような映画でした。 あにやん‍🌈さん [映画館(字幕)] 6点(2009-06-20 19:47:24)(良:1票)

61.《ネタバレ》 見終わって腑に落ちなかった点がヒロインが文盲を恥じる点ですが、他のレビュアーさんの原作を踏まえての評価を見て、なるほど納得はしました。演出やナラティブは非常にスムーズで静かな感動を覚える点など、さずが、スティーブン・ダルトリー才能あるなと感心しました。ただ、原作を読んでから見たほうがさらによりその描いているものの深さがわかったので、映画だけではこの点数とします。あと、不謹慎かもしれませんが、生き残った告発者がアメリカで成功し、ハンナは獄死するこのコントラストも監督は狙ったのかな?(原作を読んでないのでわかりませんが) エリア加算さん [インターネット(字幕)] 7点(2020-07-25 22:56:23)

60.予備知識なしで視聴。
最初はエロい展開有りの、恋愛ものかと思いながら見ていたが、ハンナの少々エキセントリックな部分(吹き替えの声がイメージと合わなかったせいもあると思う)に嫌気がさしていたが、中盤からのガラッと印象が変わる展開にハマってしまった。
ハンナに対する印象は最後まで変わらなかったが、いろいろ考えさせられる良い映画だったと思う。
主人公が最後、本当は誰かに話したいのに誰にも話せない、安易に話せない秘め事を最愛の娘に話す気持ち、良く分かるな。 misoさん [地上波(吹替)] 8点(2019-06-19 23:48:28)

59.序盤の展開に、そういう映画かと思ったら実はシリアスで真面目な作品だった。 simpleさん [地上波(吹替)] 6点(2019-05-19 20:38:15)

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【点数情報】

Review人数 78人
平均点数 6.65点
000.00% line
111.28% line
200.00% line
300.00% line
456.41% line
51012.82% line
61620.51% line
72532.05% line
81417.95% line
956.41% line
1022.56% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 5.00点 Review8人
2 ストーリー評価 7.57点 Review7人
3 鑑賞後の後味 7.60点 Review5人
4 音楽評価 7.25点 Review4人
5 感泣評価 7.33点 Review3人

【アカデミー賞 情報】

2008年 81回
作品賞 候補(ノミネート) 
主演女優賞ケイト・ウィンスレット受賞 
監督賞スティーヴン・ダルドリー候補(ノミネート) 
撮影賞クリス・メンゲス候補(ノミネート) 
撮影賞ロジャー・ディーキンス候補(ノミネート) 
脚色賞デヴィッド・ヘア候補(ノミネート) 

【ゴールデングローブ賞 情報】

2008年 66回
作品賞(ドラマ部門) 候補(ノミネート) 
助演女優賞ケイト・ウィンスレット受賞 
監督賞スティーヴン・ダルドリー候補(ノミネート) 
脚本賞デヴィッド・ヘア候補(ノミネート) 

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