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【クチコミ・感想】
5.《ネタバレ》 北欧の寓話に登場する“トロール”が、現代のノルウェーに出現してパニックを引き起こすというプロットを半笑いで見ながら、一体どんな映画だと懐疑的に鑑賞を始めた。
が、割と早々に本作の立ち位置は判明する。
ああ、なるほど、これは北欧ノルウェー産の“怪獣映画”なんだなと。
想定外に真っ当な怪獣映画であったことは、嬉しい驚きだった。
「ゴジラ」シリーズをはじめとする日本が誇る特撮映画を愛好してきた者のとしても、本作には充分に楽しみがいのある“特撮精神”の心得があり、日本の特撮に対するリスペクトも存分に感じられた。
無論、本作そのもののクリエイティブに特撮技術が用いられているわけではないけれど、きっとこの映画の制作陣は、日本の「ゴジラ」や、ハリウッドの「キングコング」を愛し、憧れているのであろうことはしっかりと伝わってくる。
そういうリスペクト精神を前提として、北欧の寓話や神話ではお馴染みの“トロール”を、未知なる巨大生物として描き出し、ノルウェー産怪獣映画に仕上げてみせたことはユニークだったし、独自性のあるエンターテイメントを生み出していたと思える。
また、個人的には、おそらく初鑑賞だと思われる“ノルウェー映画”に対する新鮮味も感じられることができた。
どこまでリアルなのか分からないが、ノルウェーの国防総司令部的な施設が洞窟を利用した秘密基地みたいな場所だったり、広大な自然環境や、公用語であるノルウェー語の響きの新鮮さだったりと、随所に垣間見える“お国柄”が、なかなか馴染みの薄い国の映画らしくで印象的だった。
ストーリーが収束する最終盤に至るまで、独特の雑多感も含めて楽しい映画だったことは間違いないし、最後の最後まで自分の中での高評価は確信されていた。
が、しかし、最終的な物語の帰着と、登場人物たちの言動の描かれ方が、ラストあまりにも残念だった。
人間のかつての蛮行や、現代の人間社会の自然破壊に起因して、目覚め、怒りの進行を展開するトロールが、太陽の光を浴びて絶命するクライマックスの展開自体は極めて良かった。
それは、「ゴジラ」や「キングコング」など、怪獣映画史の数々の傑作を踏襲するものであり、王道的とも言える描写だったと思う。
だが、それを目の当たりにした人間たちの描写があまりにもお粗末だった。
大怪獣の悲しい最期を見て、人間たちが自分たち自身の過ちを認め、悔い改めてこそ、映画的な余韻が深まるというものだが、本作のノルウェー人たちはそういう感情がほぼ皆無で軽薄に見えて仕方がない。
せめて主人公だけは、浮かれる人々の中で、悲しみに沈むなり、虚無感を感じるなりの描写で終わってほしかった。
そういう人間たちの情感も“お国柄”と言ってしまえばそうなのかもしれないが、もう少しで愛すべき怪獣映画として記憶に残りそうだっただけに、ラストの数カットのせいでそうならなかったことが、ただただ残念だ。 【鉄腕麗人】さん [インターネット(字幕)] 6点(2022-12-24 17:45:53)(良:1票)
4.《ネタバレ》 ノルウェー発、お子様向け怪獣映画とでも言うべき作品ですね。
怪物の登場は人間の自然に対する不敬に起因するもので、ゴジラを始めとする怪獣映画の王道的着想。怪獣は無闇矢鱈と暴虐の限りを尽くす訳ではなく優しさの一面も持ち合わせているというキングコングを始めとしたコレまた善玉的怪獣の王道的キャラ。
軍隊が登場して小型核爆弾的ミサイル発射にあたって首相は自国民の多大な死亡フラグに興味示さずあっさり意思決定しちゃうとか、無駄に狂暴な政府高官が首相を飛び越えてミサイル発射しようとした挙句、女性職員にぶん殴られて降参だとか、古生物学者が自らの役割立場乗り越えて活躍しちゃうとか、首相補佐官が小ネタ連発してスベリまくってるとか、早い話が主役の怪獣以上に全てが荒唐無稽。
つまりは、(ノルウェーの)子どもたちにとって、もしも童話でお馴染みの妖精が巨大化して怪獣になったら的なスゴさを良く出来たVFXで楽しめ、よくよく考えるとかなり悲しい物語なのに痛みや悲しさは殆ど表現されてなくてトラウマになったりすることもなく、親たちも殺し合いの惨さや戦争の悲惨さを感じ取ることもないだろうと子どもたちに安心して見せることが出来て等々、お子様向けとしては良いんじゃないですか?といった作品だと思いました。
そんな視点から、そりゃ―ないだろの連発の相当粗のある脚本と演出ではあるものの、それは脇に置いての5点献上とします。 【タコ太(ぺいぺい)】さん [インターネット(字幕)] 5点(2023-09-02 23:57:16)
3.冒頭の女の子の容姿がグレタさんっぽいと思っていたらしっかり彼女について言及する台詞がありました(笑)。こういう映画ってたいてい登山の場面で始まりますよね。その後もずっとそんな調子で、軍隊の出動、科学者の会議、怪物に対し吠える犬、地響きで揺れる地面、ああこういう場面を怪獣映画で見た記憶があるなあというシーンばかり出てきます。舞台がノルウェーという点では新鮮さがあるのですが、既視感のある画やシチュエーションしか出てこない作品でもあります。一応描かれる親子のドラマもトロールと大して関係なくほとんどどうでもいい感じです。でも逆にこういう人物造形の薄っぺらさのようなダメなところも含めて怪獣映画を見ているなあという気分にはなれるんですよね(笑)。それに陳腐とはいえおとぎ話がもし本当だったらという想像力には単純に夢があるじゃないですか。製作者もトロールハンターの時のようなモキュメンタリーではない王道の怪獣映画を作りたいという以上の野心はなかったのでしょうし、王道だけに誤魔化しがなくVFXのクオリティは申し分ないです。上映時間も短くサクッと見られますし、これはこれでいいんじゃないでしょうか。 【Сакурай Тосио】さん [インターネット(字幕)] 6点(2023-09-02 21:54:10)
2.《ネタバレ》 やたらとNetflixに上がってきていたのと、モンスターパニックものはまんざら嫌いでもないので見てみることに。なんかまあ、びっくりするくらい何もなかったなぁ。。。
あの岩男の成り立ちとか、彼の目的はとか、そういった内面は一切掘り下げることはなく、
謎の生物現れましたー
対策会議開きましたー
とりあえず倒そー
武器通じませーん
「山へ引き返して静かに暮らしてー」
日光で死にましたー
「ティーデマン岩と名付けましょうか」
控えめに言って、ちょっと頭おかしい。
孤独で可哀想な岩男ではなかったのか。死んだ途端にみんなハッピーって、そりゃあないだろ。主人公も何ら有効な策を思いついたわけでもなく、父親と同様ただ岩男に語りかけただけ。あれが通じるんなら、上のような扱いはなおさら可哀想である。
唯一の見どころは背後の岩から目が動き出してトロールが全貌を見せるところかな。以上です。 【TANTO】さん [インターネット(字幕)] 3点(2023-02-04 21:38:38)
1.《ネタバレ》 北欧の神話や民間伝承に登場する恐ろしき怪物、トロール。人間などひょいと摘まみ上げて食べてしまうそんなモンスターが、山地開発をきっかけに現代に蘇ってしまった!前例のない驚くべき事態に人々は右往左往するばかり。政府や軍幹部、そして怪物を調査する古生物学者は果たしてこの危機を乗り越えられるのか?という、極めてシンプルなモンスターパニック映画。まぁバカバカしいっちゃバカバカしいんですけど、それでもCGで描かれたトロールの造形はけっこうお金がかかっていて暇潰しで見る分にはそこそこ楽しめました。このトロール君の見た目が何処か間抜けで、こいつが都会を破壊しながら練り歩くシーンは大真面目に作ってある分、なんか笑けてきちゃうのが本作のミソ。ただ、お話の方ももっとおバカに振り切っても良かったんじゃないかな。ところどころクスリとさせられるものの、中盤からはいまいち盛り上がりに欠けたまま終わっちゃいました。同じくノルウェー&トロールで言えば、今やハリウッドの第一線で活躍するアンドレ・ウーヴレダル監督の知る人ぞ知るカルト作『トロールハンター』があるけど、笑いも物語もあちらの方が一枚上手でしたね。以下余談。いかつい軍幹部がオタクっぽい首相補佐官に軍歴を聞いたところ、「あるよ。コールオブデューティだ」って答えたところが個人的にツボでした。 【かたゆき】さん [インターネット(字幕)] 6点(2023-01-23 06:15:25)
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【点数情報】
Review人数 |
5人 |
平均点数 |
5.20点 |
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1 | 0 | 0.00% |
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2 | 0 | 0.00% |
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3 | 1 | 20.00% |
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4 | 0 | 0.00% |
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5 | 1 | 20.00% |
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6 | 3 | 60.00% |
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7 | 0 | 0.00% |
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8 | 0 | 0.00% |
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9 | 0 | 0.00% |
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10 | 0 | 0.00% |
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