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オーソン・ウェルズのオセロ

The Tragedy of Othello: The Moor of Venice
(Othello)
1952年【モロッコ】 上映時間:94分
ドラマモノクロ映画歴史もの戯曲(舞台劇)の映画化
[オーソンウェルズノオセロ]
新規登録(2003-10-10)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2019-11-04)【イニシャルK】さん


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監督オーソン・ウェルズ
キャストオーソン・ウェルズ(男優)オセロー
マイケル・マクラマー(男優)イアーゴー
シュザンヌ・クルーティエ〔女優〕(女優)デズデモーナ
ドリス・ダウリング(女優)ビアンカ
フェイ・コンプトン(女優)エミリア
ジョセフ・コットン(男優)元老院議員(ノンクレジット)
原作ウィリアム・シェイクスピア
脚本オーソン・ウェルズ(ノンクレジット)
音楽アンジェロ・フランチェスコ・ラヴァニーノ
撮影アンキーゼ・ブリッツィ
製作オーソン・ウェルズ(ノンクレジット)
美術アレクサンドル・トローネ(プロダクション・デザイン)
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【クチコミ・感想】

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7.《ネタバレ》 「マクベス」「黒い罠」「審判」に並ぶウェルズの傑作。 「オセロ」はオーソン・ウェルズのシェイクスピアに対する尊敬と愛情を感じられる無骨な造り込み。 1952年に造られカンヌ・グランプリを飾った作品であったが、不幸が重なりフィルムは消息を断つ。 1993年に眠っていたフィルムが見つかるまで、数十年もその存在と価値が知られなかった。 「市民ケーン」以上の不幸、それを乗り越えて現在に復活した本作。 アメリカを追われたウェルズが、モロッコで4年かけて造った魂の結晶であり、ウェルズの「エンターテイナー」としてではなく、元来の「舞台俳優」としての自身と誇りを堪能できる。 ファーストシーンに満ちた「死」の空気。 イングマール・ベルイマンの死の雰囲気にも似ているが、細部へのこだわりの違い。 シェイクスピアの、ウェルズの重厚な「死」の空気が漂う印象的な幕開けである。 そしてその「死」は如何にして訪れたか。 それを90分間まざまざと魅せ、語っていく。 主人公オセロの「黒」、 妻デズデモーナの「白」、この対比の鮮烈さはモノクロだからこそより印象強い。 イアーゴ演じるマイケル・マクラマーも素晴らしい。 イアーゴの言葉で疑心暗鬼になっていくオセロ。 コンプレックスに悩んできたオセロの心の脆さ。 オセロにかかる黒き影は、オセロ自身の疑念に満ちた心を表現している。 自分の心の黒き闇に喰われていくオセロの哀しみ、デズデモーナの哀しみ。 ウェルズはシェイクスピアになりたかった。 誰からも愛され、誰からも妬まれ、誰からも意識される・・・そんな偉大な作家になりたかった。 「嘘」を「本物」にする男になりたかったのだ。 野心と情熱をたぎらせながら。 「市民ケーン」はそういう男の野心と破滅を描いた。 実在の人物を笑いものにする喜劇性、 そんな男が辿る末路を予想した悲劇性、 正にシェイクスピアの喜びと悲しみを帯びた物語だった。 今回のオセロはもっと凄みがあって面白い。 この作品は「よくあるシェイクスピアものの映画」などという一言で片付けてはならない。 ウェルズがいかに役者として演技に魂を賭けているか、こだわっているか。それをひたすら感じてもらいたい。 人種差別にも踏み込んだ骨太の作品。 すかあふえいすさん [DVD(字幕)] 9点(2014-01-31 11:12:22)(良:1票)

6.《ネタバレ》 この映画はちょっと凄い。ショッキングな映像の連続だ。 ウェルズは勿論だが、イアーゴ役が素晴らしい。『マクベス』と違って、殆どロケーション撮影。しかし、どこでこんな装置を用意したのだろう、アレクサンドル・トローネルの美術の素晴らしさよ。 ゑぎさん [映画館(字幕)] 9点(2017-03-28 06:12:17)

5.壮観のロケーションとアレクサンドル・トローネによる厳かな美術が目を奪う。 そこでは太陽光や雲の形状や風や波など、ロケ撮影の特長が強調されている。 城砦上を並び歩くオーソン・ウェルズとマイケル・マクラマーの 会話と移動を延々とフォローしてゆくカメラワーク。 あるいは、遠近を強調した極端な縦構図とパンフォーカス。 要所要所での仰角アングルや、人物の表情のクロースアップの効果。 黒い闇に侵食されるウェルズと、白布に象徴される清楚なシュザンヌ・クルーティエとのハイコントラストを強調した光学効果。 あらゆるショットが舞台劇では表現し得ぬ画面効果を目指しており、 映画としての徹底した差別化が目論まれている。 自らのルーツである戯曲へ敬意を払いつつ、それをいかに映画表現するかの苦心の痕跡が全編から窺える。 ユーカラさん [DVD(字幕なし「原語」)] 9点(2014-10-29 23:56:06)

4.オセロの物語自体が好きでないので評価しづらいが、映画には鬼気迫るものを感じる。主人公オセロはもちろんのこと対するイアーゴもなかなかのもので、舞台劇らしい迫力はすばらしい。光と影を強調したいかにもウェルズらしい映画だと思う。 ESPERANZAさん [DVD(字幕)] 6点(2014-04-10 20:51:41)

3.《ネタバレ》 ひたすら構図の美。キャシオとの喧嘩のシーン、水を張った酒蔵(?)の美しさ。反射の美しさ。犬が最後に歩く。嫉妬に狂いだしてからは、影が前面に出てくる。本人の影だけでなく日覆い(?)の交錯する線の影から、やがてイアーゴを吊るすことになる檻の影まで。それにしてもイアーゴの情熱の拠ってきたるところは何なんだろう。ただ副官になりたいってだけじゃないんだよね。もっと芸術的衝動というか。砦の上で並んで歩きつつ、たぶらかしていくあたりの丁寧さ。シェイクスピアお得意のところ。人を操る楽しみ。自分が「運命」になる喜び。イアーゴは自分のことをI am not what I amと言い、狂乱のオセロのことをhe is that he isと言う。 なんのかんのさん [映画館(字幕)] 7点(2011-10-20 09:40:51)

2.とにかく映像が素晴らしい。構図の大胆さ。これは、もう一級品。でも、それだけ。これだけ短くずたずたに切り刻まれてしまっては、シェイクスピアの物語も立ちあがってこないよ。 いのうえさん [ビデオ(字幕)] 5点(2007-06-17 15:01:52)

1.「オセロ」なぁ・・・。表から見るとほんっといいんだけど、裏から見たら調べて見れば見るほどグダグダなんだよね。ゼミ論書いた自分から見たらめちゃ評価しにくい。劇出身のためか妙な間が多々見られるしあまりにも編集が雑なので風呂場でどう刺したのかわからん&オセローがどうやって死んだのか分からん。一語一語調べて原作と比べたけどものすんごぃ省略してる&順番がぐちゃぐちゃ。彼の得意な「光と影」と「カメラアングルのこだわり」は天下一品なものがあるけど「光と影」がそのシーンを潰して分からなくなってるところがあるから妙に分かりづらい。個人的にモノクロは好きなんだけど、どうも評価しにくいです。 M・R・サイケデリコンさん 5点(2005-02-04 16:55:50)

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【点数情報】

Review人数 7人
平均点数 7.14点
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【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 9.50点 Review2人
2 ストーリー評価 9.00点 Review2人
3 鑑賞後の後味 9.00点 Review2人
4 音楽評価 9.00点 Review2人
5 感泣評価 9.00点 Review2人

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