みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
105.映画の冒頭、カメラが捉えるのは線路脇に建てられた小さな十字架群。 日本映画『ビルマの竪琴』が日本人犠牲者のみを弔うように、英米映画『戦場にかける橋』が悼むのは、当然ながら欧米人犠牲者のみである。 元来がこの泰緬鉄道自体英国の計画なのだから、日本も英国も同じ穴のムジナでしかないのだが。 この悪名高い突貫工事に従事させられ最も犠牲となったのは、日本軍・連合軍捕虜以上にタイ・ミャンマー・マレーシア・インドネシアの膨大な労働者達だが、「自惚れ鏡」たるフィクション映画にそれを描く義務など当然ないし、それを描写しないから駄目な映画であるとも限らない。 が、観る側が戦争の具体的イメージを欠落させている限りフィクション映画は一面で有効な「汚点隠し」あるいは「責任回避」としても機能してしまうのも確かだろう。 日本国側にとっては「理性的」戦争犯罪行為を、英国側にとっては元来の「理性的」植民地政策を。映画は案の定、口当たりの良い「madness」へと一般化し、その免罪符と共にラストの俯瞰の視点へと逃げ込む。 この映画が小状況としての日英の友好を描こうとしたとしても、両軍が橋の建造を「協働」する具体的な画面はほぼ絶無といって良い。あるのは協力しあったという意味・記号だけだ。それは映画ではない。 ウィリアム・ホールデンらに随行するのが現地の娘たちであることには故がある。 現地男性の不在。その見えない部分にこそ、この映画の題材の本質的問題性がある。 だからこそ、「不可視」の戦争論は、映画論とは区別しなければならない。 強いてこの映画で「戦争の虚しさ」なるものを突きつけるシーンを挙げるなら、爆破工作員らがあっけなく射殺されるのを、彼らに好意を抱いていた現地女性たちが目撃する2つのカットである。 【ユーカラ】さん [DVD(字幕)] 5点(2011-04-30 19:23:57) 104.勇気という言葉に酔いしれているウィルソン大佐、というウィリアムホールデンの言葉が最も印象に残った。まさにその通りで、彼の行動を賞賛する気にはまったくなれない。人間らしく生きることが一番大切だ、というウィリアムホールデンこそが人間らしく生きた人だ。奴隷にならずに軍人として生きることは大切かもしれないが、人間として生きることが一番大切なのだ。 【Balrog】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-04-26 12:49:04) 103.《ネタバレ》 正直言って、初見では本作の良さがよく分からなかった。 この映画が言わんとしていることを上手く感じ取ることができずに混乱したが、そのような“難しさ”が本作の良さかもしれない。 戦争というものは、単純に割り切ることができず、不条理なものということか。 捕虜であっても、軍人としての“誇り”を失わずに規律に則って自己の職務を全うするということは感動的でもある。 捕虜であっても奴隷ではない、我々は規則を守る文明人である、人間として何かを成し遂げたい、という主張が大佐からなされており、その主張は立派であり、心を打った。 『敗北しても勝つことは出来る』というイギリス人の“誇り”が、日本軍の斎藤をも変えたと捉えることができる展開だ。 欧米風の騎士道と東洋風の武士道の“融和”のような感触も得られる。 綿密な計画を立てて能率的なイギリス人と、「お茶!」の伝言を繰り返す非効率の日本人、失敗したら切腹しようとする精神論的な日本人の対比も見事である。 しかし、最後の展開によって何もかもが崩壊してしまったような気がする。 誰と戦っているのか、何のために戦っているのか、そもそも戦いとは何か、戦争とは何か、その様なことが何もかも分からなくなるようなラストだった。 もし、大佐がイギリス軍の作戦の意図を感じ取り、自らが精魂込めて築いた橋を自らの意志で大義のために破壊したのならば、最高の軍人として理想化されるような映画的な展開になるのだが、そのような展開にしなかったことが本作の良さかもしれない。 本作は映画らしくなく、観客に“混乱”を巻き起こすラストではないか。 自らが築いた橋を壊そうとするイギリス人に反抗するイギリス人大佐の姿、誰もが死に何もかもが破壊された姿をみて、医師同様に「狂っている」とつぶやきたくなるようなラストだった。 確かに、戦争というものは、美しい友情が築かれるものでもなく、感動的な秘話や美談が語られるものでもなく、そういう狂ったものなのかもしれない。 自分にはそこまで深いものを感じ取ることができなかったが、この不条理感は心に残り続けるだろう。 【六本木ソルジャー】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-04-23 21:48:11) 102.《ネタバレ》 音楽のせいか、どことなく明るさもありながら、きっちり反戦映画として完成されている。1950年代の映画だから、日本人は相当ひどく、また奇妙に描かれているのではないかと心配したが、そこまで不快に感じる点は無く、逆に早川雪洲の貫禄ある演技には嬉しさもあったりで…。この映画は橋を建設する側、橋を爆破する側、双方に結構な時間が割かれているのが特徴でもあるが、爆破する側に関してはもうちょっと削って、全体を2時間20分程度でまとめられれば、なお良かったと思う。橋の爆破シーンは圧巻の一言。 【リーム555】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-02-21 18:37:23) 101.《ネタバレ》 日本人とアメリカ人にイギリス人、それぞれの軍人の置かれている立場、誇りのようなものが上手く描かれていて感心させられる。その各、国の軍人魂、心の叫び、ラストで一人だけ生き残ったクリプトン軍医の叫び「狂気だ」こそが正に戦争というものの恐さを語っている。あの例の音楽がいつまでも耳に残って離れなくなりそうです。デビッド・リーン監督による大作の中の一つであり、名作の名に相応しい映画であることは否定しませんが、個人的好みからしたら「アラビアのロレンス」や「ライアンの娘」の方が好きです。それにしてもこの監督は長い映画を撮ってもダレルことなくきちんとした映画を撮れる監督であることがこの映画でも証明されていて、恐らく大作を撮ることに関しては世界でもナンバーワンの映画監督かもしれない。 【青観】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-12-19 17:16:40) 100.《ネタバレ》 これは、ニコルスン中佐のキャラクター作りがすべてでしょう。この方、相当イギリス人としてのプライドを持っていて、正直アジア人を見下している。だから日本の捕虜となっても、自分(たち)の方が優秀であるという信念を捨てない。ジュネーヴ条約を盾に取っていますが、実のところ日本人から高圧的に命令されるのが嫌なだけで、その証拠に自分が指揮を執って期日に間に合わないとなると、将校に仕事をさせるし傷病兵も駆り出す。橋を造る会議の時も、全部自分たちで仕切って斉藤大佐たち日本兵は聞いているだけ。そうやってイギリス人の優秀さを見せつけようとしたあげく、目先のことだけにとらわれて大局をを見失ったわけです。戦争にあっては、個人のチンケなプライドなどたいして意味をなさない。捕虜になればなおさら。まさに戦争は“Madness”であります。 少々長いですが、前半のニコルソン対斉藤、中盤におけるシアーズの立場の変化(けっこう笑える場面が多い)、終盤でのジャングル進行と、それぞれ見どころがあって飽きませんでした。特に日本兵に見つかって追跡するところは、サスペンスもありよかったです。しかしいずれにせよ、列車が来るまでの10分間が見ものであることはたしかです。 【アングロファイル】さん [映画館(字幕)] 8点(2010-09-17 19:54:10) 99.いい映画だという方が多いのはわかります。ただ今観てみるとやはりストーリーの中身の割には長いかな。 【東京ロッキー】さん [DVD(吹替)] 6点(2010-08-11 14:42:16) 98.《ネタバレ》 任務を果たせないと自分の命が危ない日本軍の大佐、そして捕虜でありながら信念とルールを曲げない頑固なイギリス人の大佐の対立から始まり、橋の建設物語と敵対者同士の友情が描かれると思いきや、今度は脱走に成功した米兵がまた戦地に戻され橋の爆破をしにやってくる…という盛り沢山なストーリーなので二時間半を超えても飽きることなくみられた。 あらゆる登場人物がしっかりと、それぞれの思惑を持っていて、ステレオタイプな悪人が描かれていないのも戦争モノとしては好感度が高い。日本代表斉藤のオッチャンも鬼畜みたいな描かれ方をしていなかったし(まぁ、無能だし、中盤以降の存在感は薄かったが)。 戦争アクションや人間ドラマの風味もあるが、横暴な上司に無茶な仕事を強要されたけど、効率の良いやり方で達成に向け努力する…といった現代のビジネスにも当てはめられるところが面白い。 しかし、やはり戦争はビジネスとは違って最後は…。大きな虚無感に襲われました。 【すべから】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-05-16 03:59:41) 97.本当にラスト数分にすべてが集約されていて、それまでの長丁場はなんだったんだ…なんて。この監督は長尺の作品が多いですね。日本人の立場では複雑な見方をせざるをえなかったのが残念です。 【色鉛筆】さん [地上波(字幕)] 6点(2009-10-12 19:06:29) 96.この時代は、戦争をこういう描き方をしても説得力があったのだろうか。ウォーデン達が、現地の美人にマンツーマンで世話をされてジャングルを移動するあたりも、今じゃあ、フェミニストでなくとも、鼻白む。最後のシーンは、当時としては、斬新だったのだろうけれど。 【みんな嫌い】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-08-17 00:02:01) 95.《ネタバレ》 ○捕虜は軍人らしく生きるため敵の作る橋を全力で作り上げる。一方でシアーズらは敵の勢いを止めるため敵の橋を破壊しようとする。皮肉と言うべきか、素晴らしい脚本構成。○ニコルソンがシアーズと再会し、「自分は何をやっていたんだ」と感じ、あっけなく橋は爆破されてしまう。皮肉にも、偶発的だが橋の建造を指揮した自分で。 【TOSHI】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-07-04 09:47:25) 94.ラストシーンが秀逸。正直そこまでが最高にテンポが悪く退屈すぎて仕方がないのですがラストシーンのためにあったと考えればまあ最悪ではないと思います。儚さ、虚しさをたった数分のラストシーンで描いています。 【ケ66軍曹】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-06-02 19:57:22) 93.撮影、美術、そして音楽関係の凝りようには唸らされますが、内容的には、同じようなシーンが繰り返されたり、2分で済む描写を5分ぐらいかけたりというのが続いていて、えらく長く感じました。台詞だけを聞くといろいろ緊迫した状況のはずなのに、画面全体からそのような追いつめられた空気が感じられなかったのも残念です。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 4点(2008-02-29 03:47:22) 92.《ネタバレ》 戦争というものが、いかに様々なものを容赦なく破壊していくかを描いています。この作品で破壊されたのは、橋だけではありません・・・・・。 ストーリーだけでなく、半世紀たった今でも色あせぬ映像や俳優陣の素晴らしさ、あまりにも有名な「クワイ河マーチ」等々まさに「不朽の名作」と呼ぶにふさわしい映画です。 【TM】さん [地上波(吹替)] 8点(2007-12-19 12:52:54) 91.名作ということで予備知識なしにみて、見終わるまで非常に苦労したという印象。 大して必要もないと思われるシーンがまったりとテンポ悪く進む印象で、中だるみの一歩手前が延々続くような感じだった。しかしながらあの切ないラストはやはりすばらしかった。どうしても深読みしてしまうラストだが、本当はそれほどの意味はなかったのかも。 【Jane.Y】さん [DVD(字幕)] 5点(2007-09-08 07:01:02) 90.アレック・ギネスの名演ぶりに十分惹き付けられた。昔の戦争映画は緊張感があったのでくだらない作品が少ないので良い。 【あるまーぬ】さん [地上波(吹替)] 8点(2007-08-29 01:40:44) 89.昔は、こういう物語として良くできた映画があったなあ、とつくづく思わされます。一応戦争映画なんですが、個人的には「組織のあり方とは何か?」ということを色々考えさせられた作品です。組織を動かすためには明確なゴールと強烈なリーダが必要で、ホールデンのような組織プレーを邪魔する者を排除してでも前に進み、誤ったゴールであることに気付きにくく、だれを敵とみなし、だれを味方とみなすのか、正しく判断するには何が必要なのか…。何度観ても答えはないのだけれど、自分が年を取るに従って、観終わった後に感じることも微妙に変わっていることが感じられ、そこがまた楽しいのです。 【かねたたき】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2007-08-18 15:46:51) 88.《ネタバレ》 日本軍と捕虜側、そして捕虜側の中でも反乱を企む者たちと、それぞれの立場の心情が非常によく汲み取れた作品だと思いました。予備知識無く観たので、橋を造るまでにあんなにすったもんだあるとは知りませんでした。しかし最後の橋の爆破シーンはあんなに切ない展開だったのですね、もっとスッキリ爽快感があるのかと思ったら、犠牲者は多いし、壊してどうなったワケでもなく、なんだか切なくなりました…。しかし収容している側と捕虜側との緊張感って実際あんなものなのですかね?戦争映画で一番疑問に思うのはそのリアリティです。「ディア・ハンター」的な緊張感が本当かなとか思うのですが…。 【まさかずきゅーぶりっく】さん [地上波(吹替)] 6点(2007-08-17 16:00:48) 87.何度見ても、エンディングが虚しい…。 【山椒の実】さん [地上波(吹替)] 5点(2007-08-16 23:42:40) 86.《ネタバレ》 悲惨な描写で同情を煽る反戦映画なんてのに閉口してしまう自分としては、正解に思える逸品。個人的には橋が爆破されるだけで、最後のあんなに人が死ぬ展開はなくてもいいと思う。苦心の作である橋が破壊される無常観だけで十分じゃないかな。 D・カーネギー著「人を動かす」的ノウハウも織り込まれているので、管理職の方が観ても損のない内容。 【カラバ侯爵】さん [地上波(吹替)] 8点(2007-08-16 23:25:49)
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