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天国と地獄

HIGH AND LOW
1963年【日】 上映時間:143分
ドラマサスペンスモノクロ映画犯罪ものミステリー刑事もの小説の映画化
[テンゴクトジゴク]
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2021-08-12)【イニシャルK】さん
公開開始日(1963-03-01)


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監督黒澤明
助監督森谷司郎
松江陽一
出目昌伸
大森健次郎
キャスト三船敏郎(男優)権藤金吾
仲代達矢(男優)戸倉警部
香川京子(女優)権藤伶子
山崎努(男優)竹内銀次郎
三橋達也(男優)権藤の秘書・河西
佐田豊(男優)権藤の運転手・青木
木村功(男優)荒井刑事
志村喬(男優)捜査本部長
藤田進(男優)捜査一課長
東野英治郎(男優)年配の工員
石山健二郎(男優)田口部長刑事
土屋嘉男(男優)村田刑事
加藤武(男優)中尾刑事
伊藤雄之助(男優)馬場専務
中村伸郎(男優)重役・石丸
田崎潤(男優)重役・神谷
江木俊夫(男優)権藤純(ノンクレジット)
沢村いき雄(男優)横浜駅の乗務員
千秋実(男優)新聞記者A
菅井きん(女優)阿片窟の女
田島義文(男優)監守長
山茶花究(男優)債権者A
西村晃(男優)債権者B
浜村純(男優)債権者C
織田政雄(男優)税務署執行使A
名古屋章(男優)山本刑事
清水元(男優)内科医長
三井弘次(男優)新聞記者B
北村和夫(男優)新聞記者C
藤原釜足(男優)病院の火夫
島津雅彦(男優)青木進一(ノンクジット)
清水将夫(男優)刑務所長
松下猛夫(男優)税務署執行使B
野村浩三(男優)刑事
大村千吉(男優)病院の外来患者
大滝秀治(男優)新聞記者(ノンクレジット)
常田富士男(男優)麻薬街の男(ノンクレジット)
古谷敏(男優)
加藤和夫【俳優】(男優)鑑識課員
堤康久(男優)(ノンクレジット)
橘正晃(男優)
清村耕次(男優)魚市場の事務員
鈴木和夫(男優)(ノンクレジット)
梅野泰靖(男優)新聞記者(ノンクレジット)
熊倉一雄魚市場の事務員
原作エド・マクベイン「キングの身代金」(早川書房刊)
脚本小国英雄
菊島隆三
黒澤明
久板栄二郎
音楽佐藤勝
撮影中井朝一
斎藤孝雄
原一民(撮影助手)
加藤雄大(撮影助手)
玉井正夫(応援撮影)
上田正治(撮影助手)
逢沢譲(応援撮影)
製作菊島隆三
田中友幸
東宝
配給東宝
美術村木与四郎
録音下永尚(整音)
矢野口文雄
照明森弘充
その他野上照代(記録)
キヌタ・ラボラトリー(現像)
あらすじ
製靴会社ナショナルシューズの専務・権藤金吾(三船敏郎)が会社の持株買収を画策していた所に舞い込んだ一本の脅迫電話。ソレは「お前の息子を誘拐した。返して欲しくば3000万円用意しろ」という内容であった。果たして息子の純は無事だったのでイタズラかと思われたが、お抱え運転手の息子が同時に行方不明となっていた。犯人は間違えて誘拐してしまったのだ。しかし犯人は不敵にも「人違いだろうと構わない、お前が身代金を払え」と権藤に迫る。果たして誘拐犯は何者なのか??

へちょちょ】さん(2004-03-14)
全てのをあらすじ参照する

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【クチコミ・感想】

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79.これをリアルタイムで見ていたら、もっと評価は高かったと思うけど、今見るとさすがに普通。内容的にも高度経済成長期における資本主義社会に対する警鐘なのか、主役の偽善性と犯人の独善性を含めた人間の不可解な深層心理に対する洞察なのか、どちらにしてもあまり深い含蓄は受け取れなかった。ラストで犯人が「自分がどんなに不幸だったか」みたいな事を得々と述べるけど、医学生というエリートが何を言ってんの?という感じ。十分勝ち組だと思うけどなあ。何があったかは知らんけど、そんな人に訳の分からない自己弁護的な泣き言を言われても、こっちは感情移入は出来ませんよ。しかも捕まってからだから余計にたちが悪い。完全に逆恨みでしょう。まるで自分ひとりがこの世の不幸をすべて背負っているかのような勘違い野郎としか思えない。まあそこら辺が、「誰でも加害者にも被害者にもなり得る」という現代的犯罪の開幕を看破した上での意図的な人物設定なのかも知れないが。 誘拐ミステリーとしてはきちんと纏まっているものの、これも今見ると「名探偵コナン」や「金田一少年の事件簿」レベルで、取り立てて特筆するような部分も無い。むしろ犯人の計算高さの割に、何をしでかすか分からない麻薬中毒患者を仲間にしたり、盗難車を普通に乗り捨てたり(完全犯罪を目指すなら、海に沈めるか、燃やすかすると思うけど)、子供を目隠しせずに連れ回したり、そのまま生きて帰したりと、妙に杜撰な部分が多いのが気になる。登場人物の妙に大げさな演技や、ラスト30分辺りのダラダラ感もマイナス。 FSSさん 6点(2004-05-26 10:12:19)(良:1票)

78.《ネタバレ》 今を遡ること30年、高度経済成長とオイルショックの明暗に時代が軋みをあげている頃、当時でも既にうらぶれていた蒲田の映画館で、公開から約10年ぶりに上映された黒澤映画を観た私は中学生だった。まだ、巷に民生用ビデオは存在せず、色々な情報から上映される映画を調べだして足を向ける『映画を観に行く』という行為そのものが映画への集中力を養っていた時代。そしてこの映画には圧倒された! 目を凝らし、意識を集中して、物語の深部へと入っていった。 そして今は昔・・・。当時の私と同じ年代を少しだけ過ぎた愚息に鑑賞後の印象を尋ねると『完璧!』と一言。 少し、嬉しかった(微笑)。 劇中、非常に重要な意味を持っている、浅間台の高台から見る横浜の景色は今はこの当時の面影を残さないが 「地獄」 は今でもその正体を華奢な栄華に身を包んで押し隠してじっと息を潜めている・・・。 予断だが、ゆうきまさみ(漫画作家・パトレーバー)は特車2課・後藤隊長のキャラクターを本作の戸倉刑事(仲代達也)に求めたのは間違いない!(笑) crushersyuさん 9点(2004-05-08 08:10:30)

77.《ネタバレ》  映画ってやはり残るのは映像、演出なのだと思いました。 長い間記憶に残っていたのは、パートカラーの煙の画面。 それを見たさに見出し、あれっ忘れてるこの人たちは誰?と 映画が進んでゆくのですが、面白い。 自分で思い出しながら推理していきます。 見たのに忘れてる、忘れてるけど見覚えはある・・ なかなか楽しく前半が過ぎた後、気がつきました。 グリコ・森永誘拐事件に似てないか? 他にもこんなのあったような・・? 昔の日本のモノクロ技術ですから、海外のモノクロとは 全く画像の質は違い、黒い部分はつぶれ非常に見にくい。 しかもすごい人数が出てて誰がしゃべってるかわからない。 カメラワークも3場面をひとつに撮るから、 よけいわかりにくい。前半の、大広間の主人公、廊下の刑事、 二階から降りる家族を奥行きを持たせ、 1カットで撮ってるんです。字幕を利用しました。 これでセリフに名前も書かれ、理解しやすくカメラも楽しめる。 病院での窓を枠にし、窓の手前には刑事。 向こうに階段を上る犯人と手のアップ。うまいよね~! もちろん特急列車のトリックもスピード感たっぷりで、 外の風景の誘拐犯がリアルで感動しました。 煙突の煙の色はずっと暖めてきた記憶のせいか、 えっ?こんな色だった・・?とちょっとガクリ。 後半のモノクロはかなりごちゃつき黒がつぶれてた。 肝心のお話についてですが、見終わった後いやな気分になり、 こんな後味の悪い映画だったかなあ・・と。 でもその気持ちを問い詰めすっきりしたいために考えました。 犯人は権藤をなぜ呼んだのか?罵倒してほしかった。 そうすれば救われるのでは?救われなかった犯人は、 ラストのシャッターにより境をつけられる。 天国から地獄に高台の金持ちを落としてやった。 自分は地獄のままの位置にいる。ののしり罵倒しろと。 だが権藤は地獄から天国に這い上がろうとする 自身の希望を説く。貧困の問題でなく、心の位置なのだ。 前半から中盤までの高台の屋敷の中で、 被害者でありながら主人公の位置が変わるのが面白い。 十二人の怒れる男を思い出しましたよ。 私がすごいなと思ったのは、この作品に恐ろしいくらいの 庶民性を感じることです。 時代は違えど、日本のどこでもあるかもしれない風景に。 高台の金持ち、電車(江の電がいいね)、新興住宅地の 影に隠れたアパート・・ アルメイダさん 10点(2004-04-29 07:44:02)(良:1票)

76.これがホントのジェットコースタームービー、と勝手に言います。前半の静と後半の動。権藤邸のシーンは、カチャカチャと少しずつてっぺんへと近付くジェットコースターの助走の緊迫感そのもの。パンフォーカス、長まわしで人物全体にスポットをあて(ついでに犯人の声にもピントがあっているかのよう)、観客は、登場人物たちの部屋の立ち位置と物語上の立ち位置、その両方を画としてじわじわと見せられます。で、てっぺんに到達したら後は一気に動へ。犯人を追い詰める刑事たちの動。クロサワ的メリハリがコントラストをきれいに描いています。「完」でコースターのベルトを外した時にはまさにまだ体が揺れているような感覚でした。ラストで犯人が揺すっていたのは金網ばかりでなく、見る者をも揺すっていたのでした。終わり。 彦馬さん 8点(2004-04-29 07:43:39)

75.後に「よーし、わかった!」という名台詞を残す加藤武もこの時は平の刑事…。若い頃に仲代警部の手腕を身近で見てたんだから、後の「犬神」や「獄門島」事件もスパッと解決せんかい…。なんて思いながら見てしまった。で、この映画ですが、さすがは黒澤という映画です。前半の誘拐から犯人特定まで、観客を飽きさせる事の無い様に工夫が凝らされ、小船で激流を駆け下るような速度感と緊張感をもって物語りは展開します。私はここまでは大好きです。しかし、後半の社会派パート(勝手に名付けました…)に入ると急に現実味を感じなくなってしまうのは、あの当時の社会情勢を体感していないからなのでしょうか…。 クルイベルさん 8点(2004-04-21 09:36:31)

74.面白かったです。もうちょっと役者の表情がわかるように写してほしかった。 ぷー太。さん 6点(2004-04-08 13:09:33)

73.無駄のないストーリー。犯人の巧妙な手口、主人公の心理、 警察の捜査など、観客を楽しませる内容がギッシリ詰まっていて、 さらにテンポが良く、とても観やすかった。 ボビーさん 9点(2004-03-26 07:22:34)

72.はっきり言って見にくい。誰が誰だか区別がつきにくい。(特に刑事)題名にしっかりとした意味があり、それは観ていて面白かった。ミステリというよりは社会派ですな。ちょっとあざといかも。いい加減白黒でしんどいのに、ちょっと長いって。 ぷりんぐるしゅさん 4点(2004-03-18 20:19:50)(良:1票)

71.《ネタバレ》 ものすごいテンポの良さ。3時間近い長さをまったく感じさせない。グイグイ引き込まれて、本当に楽しめる。作品にみなぎる緊迫感、映像の持つ温度感も凄まじい。犯人の動機をもう少し細かく描いてほしい気もしたが、面会シーンに圧倒されてしまった。後味が悪い。しかし素晴らしい映画。 アイカワさん 9点(2004-03-13 14:36:27)

70.《ネタバレ》 映画館のスクリーン(ワイド)を考えて生み出された構図の妙。何で、こんなにも絵的にバランスが良いのだ!そこには、視覚的に見せるという、黒澤の娯楽としての基本姿勢が徹底されているのでしょう。パンフォーカスという手法にしても、一筋のピンク色の煙りにしても、画面構成のテキストみたいにカチッとまとまっています。職人の仕事というより、神の手技みたいなものを感じます。それにしても凄い緊迫感。そして焦燥感。追う刑事。追い詰められる犯人。ラストの対面。どの場面にも、説得力の有る構成が成されていて、見ていて息がつまりそう。そして、それが「映画」を見る快感なのだと、気付かせてくれるのです。やっぱり、黒澤監督、凄いです。 映画小僧さん 9点(2004-03-08 15:31:17)

69.展開に無駄なところがないです。 三船の演技も去ることながら、当時新人の緒方拳が名演です。 途中、煙突から出てくる煙がピンクで、白黒で表現して欲しかった と思うところですが、それを差っぴいても10点です。 T-zenさん 10点(2004-02-03 14:32:35)

68.ん~犯人の動機に問題があるのでは・・・それ以外は満点です。 ボバンさん 8点(2004-01-27 23:50:15)

67.今、初めて観たとしたら、6点くらいかな... コナンが一番さん [ビデオ(邦画)] 6点(2004-01-21 12:26:11)

66.前半はいいけど後半がなあ…そこまで面白いものではなかったっす。最後の犯人の絶叫はいい Keith Emersonさん 3点(2004-01-17 22:28:27)

65.《ネタバレ》 すごいですね。単なる誘拐事件ものと思いきや奥が深い。天国と地獄っていうタイトルも何でだろう?って思ってたが、山崎と三船のやりとりでなるほどと思った。鞄を窓から投げるシーンも見応えがあったが、その鞄を燃やせばわかるようになってるのもまたおもしろかった。若い頃の山崎氏はかっこいいですね。なかなか頭のよさそうな犯人役にピッタリであった。暗黒街で出てきたヤク中の菅井きんにはびっくりしました。 fujicoさん 8点(2004-01-16 15:20:42)

64.「生きる」もそうでしたが、ちょっとかったるいし古臭い。「七人の侍」は好きですが、これはトータルで考えると普通ですね。評価は、「5:可も不可もなくってとこ。損も得もしてないっすね。ビデオでも良い感じ。」に準じて、5点です。 もえたんさん 5点(2004-01-14 18:40:25)

63.《ネタバレ》 全編に渡り秀逸なのは言うまでも無いのだが、特に頭から特急列車に乗って身代金を窓から投げ捨てる実行シーンまでは本当に息付く暇も無いほどの緊迫したシーンが続いた。一切の無駄が無い ワトソン君さん 8点(2004-01-13 20:55:04)

62.一番最初に観た黒澤作品だけに、思い入れがある。 練りに練った脚本に、最高水準の映画技法、強力な俳優陣、 効果的な音楽など、すべての要素に文句のつけようがない 第一級のサスペンス。題名も、いい。 サラウンダーさん 10点(2004-01-09 18:30:31)

61.《ネタバレ》 前半の緊張感はリアルで凄い!後半ちょっと退屈ですが、ラストの犯人との面会シーンは強烈に印象に残りました。見る前には「誘拐モノでなぜ『天国と地獄』?」と思ったけど、そういうことか~! ゆうろうさん 8点(2004-01-06 17:43:32)

60.《ネタバレ》 物語は人質を救い出すまでと、その後に犯人を追いつめていく過程とに分けることができますが、後半の「犯人に死刑を」という捜査官の異様なまでの執念は、誘拐という罪に対する量刑の軽さに抗議するとともに、犯罪を徹底的に処断するという黒澤監督自身の執念の現れでしょう。犯人を泳がせて犯行を再現させるという、いささか強引で不自然な展開はこの執念によって生み出され、ついには「これで貴様は死刑だ」という台詞にまで踏み込んでいきます。全編に渡ってパンフォーカスが駆使されていて、特に権藤邸のシーケンスにおいて、同情する警部や思惑を持った権藤の秘書など、台詞を語る人物以外の表情を同時に映し出すことで観客の感情をかき立てていきます。ラストシーンで犯罪者と権藤を対面させ、動機を語らせますが、ここでも犯罪に対する同情的な眼差しは一切ありません。わめきちらす犯人を鉄格子を降ろして突き放します。著作『蝦蟇の油』の中で黒澤監督は「犯罪者を生み出したのは社会の欠陥だとする理論には一面の真理はあるにしても、それを根拠に犯罪者を弁護するのは社会の中で犯罪に走らずに生きる人達を無視した、詭弁に過ぎない」と語っていますが、この映画はまさにこの考え方をそのまま映像化した作品と言えるのではないでしょうか。 スロウボートさん 8点(2003-12-31 02:52:03)(良:2票)

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【点数情報】

Review人数 219人
平均点数 8.21点
000.00% line
100.00% line
210.46% line
310.46% line
441.83% line
583.65% line
6188.22% line
72310.50% line
85726.03% line
95726.03% line
105022.83% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.40点 Review20人
2 ストーリー評価 8.57点 Review28人
3 鑑賞後の後味 7.30点 Review26人
4 音楽評価 6.75点 Review16人
5 感泣評価 4.31点 Review16人

【ゴールデングローブ賞 情報】

1963年 21回
外国語映画賞 候補(ノミネート)(外国映画賞として)

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