みんなのシネマレビュー

永い言い訳

2016年【日】 上映時間:124分
ドラマラブストーリー小説の映画化
[ナガイイイワケ]
新規登録(2016-09-04)【イニシャルK】さん
タイトル情報更新(2024-03-11)【イニシャルK】さん
公開開始日(2016-10-14)


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監督西川美和
キャスト本木雅弘(男優)衣笠幸夫(津村啓)(小説家)
深津絵里(女優)衣笠夏子(幸夫の妻)
竹原ピストル(男優)大宮陽一(トラック運転手)
堀内敬子(女優)大宮ゆき(陽一の妻)
池松壮亮(男優)岸本信介(津村啓のマネージャー)
黒木華(女優)福永智尋(津村啓の編集者)
山田真歩(女優)鏑木優子(こども科学館の学芸員)
戸次重幸(男優)田原尚也(ドキュメンタリー番組ディレクター)
ジジ・ぶぅ(男優)増田耕作(バス会社社長)
康すおん(男優)大下潤之介
木村多江安藤奈緒美
マキタスポーツラジオパーソナリティー
間宮くるみ劇中アニメ「ちゃぷちゃぷローリー」
こおろぎさとみ劇中アニメ「ちゃぷちゃぷローリー」
原作西川美和「永い言い訳」(文藝春秋刊)
脚本西川美和
挿入曲手嶌葵「オンブラ・マイ・ライフ」
撮影山崎裕
製作川城和実
バンダイビジュアル(「永い言い訳」製作委員会)
アスミック・エース(「永い言い訳」製作委員会)
テレビ東京(「永い言い訳」製作委員会)
配給アスミック・エース
美術三ツ松けいこ
編集宮島竜治
録音白取貢
北田雅也(サウンドエフェクト)
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【クチコミ・感想(9点検索)】

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2.西川美和監督のファンになりました。
いい作品だとすぐに感じた作品は久しぶりでした、余韻にも長く浸れています。
悲しい物語ですが、日常から一気に非日常に移るところなど、むしろそれが現実的でした。

子供たちの演技もすばらしい、胸のひだの奥まで感情がしみて行きます。
本木さんはじめやっぱりいい演者さんたちですね、他の作品やこれからの作品も楽しみです。 HRM36さん [インターネット(邦画)] 9点(2021-01-14 11:04:53)(良:1票)

1.「後悔先に立たず」とは言うけれど、何かが起きて、すぐさま後悔できたのなら、それはまだ健全で幸福なことなのかもしれない。
後悔すらもすぐにできなくて、永い時間と、永い言い訳を要する。人間の人生なんてものは、往々にして無様で、愚かだ。
そんな“愚かさ”を肯定するつもりはないけれど、その有様を、辛辣に、そして優しく描き出したこの映画は、間違いなく傑作だと思えた。

主人公の男(本木雅弘)は、“自己憐憫”をこじらせ抜いており、ファーストシーンから只々“言い訳がましい”。
その男の髪の毛を、慣れた手付きでカットする美容師の妻(深津絵里)。
彼女の表情は、呆れているようにも、嘆いているようにも、嫌気が差しているようにも見えるし、それでもこの駄目な男のことを愛しているようにも見えなくはない。

妻は手早くカットを済ませ、親友とのバス旅行に出かける。その一方で、夫は不倫相手を家に呼び寄せる。
そして、ふと悲劇が起きる。

冒頭のその一連のシーンを観るにつけ、この映画が良作であろうこと明らかだった。
西川美和の監督作を観るのは、「夢売るふたり」を観て以来7年ぶりだったが、彼女の作品世界が益々成熟していることは明白で、「これは覚悟して観なければ」と姿勢を正した。

とはいえ、描き出されるストーリーラインは有り触れたものであり、主人公をはじめ登場人物たちの造形も、極めて類型的なものだと言えよう。
有り触れたストーリーに、類型的な人物描写、だからこそ紡ぎ出される感情の“容赦無さ”が殊更に突き刺さる。

本木雅弘演じる主人公の「行為」は勿論擁護できないし、妻の死後に訪れた“父子”との出会いによる“輝いているような”日々も、彼の自己憐憫の延長線上の「逃避」であることは否定できない。(池松壮亮演じるマネージャーは尖すぎるぞ……)

けれど、自己憐憫であれ、逃避であれ、その時間が、誰かの救いとなり、何かしらの“気づき”に至らしめたことも明白な事実だ。
ひどく痛々しくて、極めて愚かしいけれど、そういうことも含めて「生きる」ということだということは、この世界の誰しもが否定できないことだろう。



僕自身、主人公の人間性を肯定できないと言いつつも、バッサリと断罪することもできず、どこか彼の心情に寄り添ってしまうのは、他ならぬ自分自身が、弱く、愚かな男の一人であることの証明だ。
そんな一鑑賞者の“男”の心情にまで踏み込み、掻き乱し、より一層に背筋を正させるこの監督の「視線」は、つくづく“厳しい慈愛”に満ち溢れている。

西川美和監督の力量もさることながら、出演する俳優陣が、みな素晴らしい。
主演の本木雅弘は、各シーンにおいて「ああ、これは駄目な男(人間)だ」と観る者に確信させる絶妙な表情を見せつけ、主人公の心の機微を表現しきっている。
主人公と同じく、男やもめとなった父親を演じた竹原ピストルは、独特な風貌とフレッシュな間合いで、主人公と正反対のキャラクターを好演していた。
黒木華、池松壮亮、山田真歩ら脇を固める俳優陣、そしてストーリーの核となる幼い兄妹を演じた子役たちにも、隙が無かった。

そして、夫役である本木雅弘とはほぼワンシーンの共演ながら、その短い出演時間で、全編通して“妻”の存在感を保ち続けた深津絵里も無論素晴らしかった。

命を落とした妻の映像的な描写は、その後のシークエンスにおいて回想シーンすら挟まれず、主人公の想像上のワンシーンとラストの写真のみの登場に留められている。
それでも、彼女は夫の心に居続け、後悔すらもできなかった男の心情に「風穴」を開ける。

すべてを見通していたのだろう妻の“未送信メール”を目の当たりにして、それでも彼女は夫を愛していた………なんて思いたいのはやまやまだけれど、そんなものは情けない男の“エゴ”に過ぎない。

“永い言い訳”を言い終えた夫は、出かける妻に言われたとおり、粛々と「後片付け」をしながら、気がつくのが遅すぎた「愛」を只々悔やむのだ。 鉄腕麗人さん [インターネット(邦画)] 9点(2020-03-10 20:57:39)(良:2票)

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【点数情報】

Review人数 38人
平均点数 7.11点
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200.00% line
312.63% line
400.00% line
525.26% line
6821.05% line
71128.95% line
81334.21% line
925.26% line
1012.63% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 Review0人
2 ストーリー評価 Review0人
3 鑑賞後の後味 8.00点 Review1人
4 音楽評価 10.00点 Review1人
5 感泣評価 8.00点 Review1人

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