みんなのシネマレビュー

明日への遺言

Best Wishes for Tomorrow
2007年【日】 上映時間:110分
ドラマ法廷もの戦争もの小説の映画化
[アシタヘノユイゴン]
新規登録(2008-02-08)【イニシャルK】さん
タイトル情報更新(2021-04-20)【イニシャルK】さん
公開開始日(2008-03-01)


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監督小泉堯史
キャスト藤田まこと(男優)岡田資
富司純子(女優)温子
蒼井優(女優)守部和子
西村雅彦(男優)町田秀実
田中好子(女優)水谷愛子
頭師佳孝(男優)相原伍長
児玉謙次(男優)杉田中将
加藤隆之(男優)岡田陽
近衛はな(女優)小原純子
金内喜久夫(男優)
竹野内豊ナレーション
原作大岡昇平「ながい旅」(角川文庫刊)
脚本小泉堯史
音楽加古隆
作詞森山良子「ねがい」
作曲森山良子「ねがい」
主題歌森山良子「ねがい」
撮影上田正治
清久素延(撮影協力)
製作アスミック・エース(「明日への遺言」製作委員会)
テレビ東京(「明日への遺言」製作委員会)
WOWOW(「明日への遺言」製作委員会)
プロデューサー原正人(プロデュース)
配給アスミック・エース
特撮大屋哲男(合成)
美術酒井賢
衣装黒澤和子
録音紅谷愃一
照明三善章誉(照明助手)
その他文化庁(支援)
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1.連日、厳しく罪状を追及してくるアメリカ人検事に、主人公はある朝、こんな風に声をかける。 「おはよう、検事殿」 あくまで何気なく、何のふくみもない平凡な朝の挨拶。それに対して検事は、思わずニッコリと微笑むのだ。 時間にして1秒にも満たないかのような、検事の微笑。そこから、全編が裁判所内というこの映画のなかの「空気」は、少しずつ“軽さ”をーーあるいは“すがすがしさ”へと変わっていく。それは、「裁く/裁かれる」という対立の構図ではなく、かつては(あるいはその時も)敵同士だった者たちのあいだに、連帯が、むしろ〈友愛〉そのものがうまれたからである。 そう、藤田まこと演じる主人公の岡田中将は、何も部下たちを救ったからだとか、日本人としての「品格」とやらを示したから称賛されるのではない。この映画はそんな程度のもの(と、言ってしまおう)を描こうとしているのではあるまい。ここには、戦争犯罪人という立場でありながら、日本人とアメリカ人、原告と被告、敗戦国と戦勝国、正義と悪といった対立軸を超えて、この法廷をただ正々堂々と戦い抜こうとする岡田中将と、同じく正々堂々と戦うアメリカ側という〈構図〉があるばかりだ。その〈構図〉を、フェアネスな“空気”を実現してみせたことにこそ、岡田中将という人の真の偉大さがあった。 映画は冒頭で、醜悪で悲惨な戦争の非人間性を記録フィルムで観客に示す。そのことで、岡田中将の“もうひとつの「戦争」”が、むしろ「人間性」をあらためて信じ、取り戻すためのものであったことを、この映画は見る者の心に鮮明に焼きつける。そう、この映画は人を(あるいは国家を、歴史を)裁くのでも、告発するのでもない。日本側・連合国側を問わずこの法廷にいる者たちは、人間というものの持つ真の「崇高さ」のために、共に共闘しているのだ。そういった姿を通して、人間というものの「美しさ」を、ただそれだけを映し出そうとしたものだったと、今ぼくは確信している。  確かに、一見すると地味で派手さのかけらもない、「映画的」ですらないと思われもするかもしれない。しかし、映画がここまで「人間」の美しさ、その精神の「崇高さ」を見つめようとしたことにおいて、本作は、ぼくにとってたとえばジャン・ルノワールの作品に比するものだ。 ・・・最後に。小泉堯史監督、貴方の映画と同時代の観客でいられて、ぼくは本当に幸福です。 やましんの巻さん [映画館(邦画)] 10点(2009-02-03 19:23:13)(良:1票)

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【点数情報】

Review人数 21人
平均点数 5.48点
000.00% line
114.76% line
214.76% line
3419.05% line
400.00% line
5419.05% line
6419.05% line
7314.29% line
829.52% line
914.76% line
1014.76% line

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