みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(7点検索)】
9.「モロッコ」「カサブランカ」に続いて「望郷」を見たが、こちらはフランス版でジャン・ギャバンの主演。前者の二つよりさらに異国情緒感が強く、入り組んだカスバの街並みは印象的。ペペがどうしてギャビーに惹かれたのか、宝石ではなかろうし、同郷のよしみというのもあったろう。私個人は捨てられたイネスの方がエキゾチックで魅力的だったけど・・・。それにしても主人公の名前を採っただけの原題を「望郷」とよくぞ名付けたものと感心。ところでけん玉というのは世界各地にあったんだなあ。 【ESPERANZA】さん [DVD(字幕)] 7点(2013-12-17 06:31:02) 8.《ネタバレ》 「カサブランカ」のようにエキゾチックな映画。 ぺぺ・ル・モコって名がかわいいし、若きジャン・ギャバンもかわいいけれど、役柄はコワイしズルイしでかわいいとはいえないネ。 彼の心をとらえるギャビーも宝石ジャラジャラ、眉は全然ちがうとこに描いてるし、ファム・ファタールらしく妖艶ではあるものの、彼らが惹かれあうのもそれ相応というか。 ぺぺが故郷パリの香りをふりまくギャビーにからめとられて身を滅ぼすのは哀れではあり、彼が身を寄せるおばさんが古いレコードをかけて自身の華やかなりし頃に思いをはせ、郷愁をかきたてる。 有名なラストシーンは、号泣でなくはらはらと落涙するのが情緒的。 【レイン】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-01-05 07:00:06) 7.《ネタバレ》 ペペはギャングの親玉。銀行強盗稼業で荒稼ぎ、殺した刑事は五人。フランス警察の手を逃れ、仏領アルジェリアのカスバに逃げこんでいる。カスバは建物が迷宮のように複雑に入り組み、各家のテラスがつながっていて、どこからでも逃げれる。男気があり、人情に厚いペペは手下からは崇拝され、住民にも人気がある。カスバはペペを守ってくれる一方で、暑くて、汚くて、混雑して、無秩序で、熱病のように人の心を蝕む。牢獄のような場所から逃れる事の出来ないペペの心は病んでおり、望郷の念に堪えきれなくなっている。そこへ現れたのが金持ちの愛人ギャビー。巴里流行の服をまとい、宝石をきらめかせ、色香ふんぷんで、聞けばペペと同郷、ペペの恋焦がれる総てがあった。彼は恋に落ち、ギャビーも彼にぞっこん。だが運命は二人に辛く当る。刑事の策略、部下の裏切り、情婦のタレこみ云々で、ギャビーを追って乗り込んだ船で、ペペは待ち構えていた刑事達に逮捕される。温情で見送りを許されるが、「ギャビー」と叫ぶ声を汽笛が消す。心憎い演出です。自由、恋、故郷、総てを失ったペペは自死する。「望郷」という和題が卓越。彼は望郷という病に憑りつかれていた。いつ来るかもしれぬ刑事のガサ入れ、警察との撃ち合い、仲間の裏切り、手下の死、包囲網下でカスバを出れない不自由さ、酷い暑さ、嫉妬する情婦など、心が休まるときが無い。これらが寄せては返す波となり、彼を望郷の念に駆りたてる。「若いころの自分を、古い写真を鏡と思って見つめるの」と言って古いレコードをかける元歌手の年増。ペペがカスバを降りる時のりゅうと着こなした服装と靴、背景の心象風景に映る故郷へ続く海など、実に抒情的だ。ペペの心とカスバの町(迷宮の象徴)が常にオーバーラップする。ペペは情婦イネスに飽きて、彼女をないがしろに扱っていた。イネスはペペを愛していたが、結果的に彼女の嫉妬心がペペの命を奪うことになる。ペペにとってのファムファタールはギャビーではなく、イネスだったのかもしれない。運命の女神は気まぐれだ。ペペが故郷に恋焦がれていたのは良い想い出があったからだろう。ペペの過去、がどうして悪の道に足を踏み入れるようになったのかが描かれていれば、より感情移入できただろう。現代の価値観でいえば、ペペは社会の屑にすぎない。それにしても、スリマン刑事はペペに毎日会っているのに逮捕しないのはよくわからないですね。 【よしのぶ】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-07-10 18:08:19) 6.《ネタバレ》 極めて面白そうなカスバの町並みが、装置として期待を超えていかないのは不満ですが、これはそれぞれの町を体現している女優の映画です。まるでカスバのように影が差し汗臭さすら感じさせるイネスに対し、宝石どころか服までピッカピカでパリを彷彿させる華やかなギャビー。あれほど眩しかったら目がくらむのも当然で、登場時点でイネスには100パー勝ち目が無いと分かり可哀相になってしまいますが、ギャバンの喜び様を見るとパリへの甘美な誘惑はいかんともしがたいものです。 【ミスター・グレイ】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-07-08 18:44:53) 5.《ネタバレ》 今回が初見であり、特に思い入れがある作品ではない。 ジャン・ギャバンという俳優についてもよく知らずに鑑賞。 ストーリー自体は大したことがないが、古臭い作り、設定、雰囲気が逆に新鮮に感じられた。 それぞれの愛憎や嫉妬が渦巻き、それらによって悲劇を引き起こすという流れもそれほど悪くはない。 現在のアルジェリアの首都アルジェのカスバでは王様かもしれないが、カスバから街へ出ることができないという、力を持った無力の男という物悲しさも伝わってくる。 街へも自由に行けないのだから、フランスへ戻るということは夢のまた夢なのだろう。 彼の苛立ちから、うっくつした重々しい想いが感じられる。 ストーリーの鍵となる女性との関係や、邦題のタイトルである望郷への想いがじっくりと描かれていない点が本作の難しさだろうか。 じっくり描けば良い場合もあるが、逆に描かないことによって観客に何かを感じさせるという場合もある。 本作がそういう効果を狙っているのかどうかはよく分からないが、描かなくても様々な想いというものは本作から伝わってくるようになっている。 故郷やパリを想起させてくれる女性である「ギャビー」の名前を叫ぶセリフ一つだけで愛する女性に対する想い、故郷に対する想いが痛いほど心に刻まれるのではないか。 おばさんの歌からも同様のものを感じられる。 夢に描いた想いは叶わずに消えていく、“現実”ともいえる哀しさがどこか切ない。 【六本木ソルジャー】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-05-30 00:48:28) 4.《ネタバレ》 ペペが破滅へと至る過程に、因果応報であるという思いと、損得を抜きにした感情の迸りに対する強い羨望が入り混じります。ジャン・ギャバンといえばあの場面が真っ先に思い浮かぶ名演出が見事です。 【The Grey Heron】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2010-01-06 02:16:59) 3.今では世界遺産となっているアルジェのカスバ。その紹介映像のような冒頭のカスバの説明は余計ではありますが、巨大な迷宮のようなカスバ、そんなカスバの雑踏の奥深くで息をひそめて望郷の念を募らせて生きるペペ。そこに現れたパリからやって来たメトロの香りのする女。もうペペは惚れるしかない。最後も危険を承知であの行動に出るしかなかった・・・。そんなカスバとジャン・ギャバンが放つ魅力がたまらない。時に哀愁を漂わせ、時に凄んで見せるその面構え、映画の真ん中にどっかりと居座るその存在感はやはり圧倒的です。余りにも有名なラストシーン。「ギャビー!!」、船の汽笛、甲板上のギャビー、もう一人の女、そして・・・。やはり観る者の記憶に確かに刻まれる名ラストシーンです。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-01-05 21:15:08) 2.後半のたたみ掛ける展開に感情が揺さぶられました。それぞれ勝手な方向を向いた感情のベクトルが、うねりとなって一つの大きなベクトルを合成していく。このグルーブ感がたまりません。構成力の勝利でしょう。 【伯抄】さん 7点(2003-10-26 21:32:52) 1.ジャン・ギャバン全盛期のころの作品。彼の男くさい魅力があふれている。若い頃のギャバンはちょっとロバート・デニーロに似ているような気がする。ミレーユ・バランも美しくあこがれのミューズにふさわしい。迷路のようなカスバという町も珍しく、そこでパリを思い、「メトロの香り」のする美女に恋をする。でも町を出れば命も危ない。悩んだ末に女を追いかけ、階段を下りてゆく男。でも船は出て行く、男は波止場の鉄柵にしがみついて息絶える・・あぁ無情、切ない・・ 【キリコ】さん 7点(2003-05-11 20:20:18)
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