みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(8点検索)】
3.《ネタバレ》 どこに視点を置くかでこの映画のイメージは変わりそうな気もしますが、僕にとってはこの映画は「異文化交流」の映画でした。もちろん、当時の世界史に明るければ、もう少しこの映画を違う視点から見ることもできるかもしれませんが。 ちなみに「異文化交流」としては最高の映画だと思います。 僕は映画を見るときマイノリティー側に自分を重ね合わせることが多く、この映画でもかなりシンクロしちゃいました。そのシンクロ率はかなり高く、いつもは3時間という長さの映画は敬遠しがちなのですが、その長さを全く感じませんでした。 そういえば、初めは白人としての主観で観てしまうのですが、気づくとネイティブアメリカンとしての主観で観てしまっているこの不思議・・・ 個人的には誰が見てもその世界に引きこまれる素晴らしい作品だと思います。 ただ、あくまで娯楽作品のフィクションだとして観るほうが良いかもしれないですけどね。最後にさもノンフィクションと誤解しそうなメッセージが出てきますから。 【たきたて】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-05-16 13:15:03)(良:1票) 2.《ネタバレ》 北軍の中尉だった男がたった一人で辺境の砦の警備の任にあたりながら、ネイティブアメリカン(NA)のスー族と交流を深めていく物語。交流の様子は繊細かつ丁寧に描かれていて大変よく分るのだが、肝心の中尉の人物像が不鮮明のまま。彼の成育歴や家族の事が一切描かれない。彼はどうして戦闘中に自殺行為の行動をしたのか、どうして辺境を見たいと思ったのか?情報がないのでこの人物を理解しようが無い。 ◆スー族の風習が描かれていて興味深い。狩の場面など出色だ。しかし食生活やスウェット・ロッジ、ビジョン・クエストなどの描写はなく、「大いなる神秘」などのスピリチュアルな思想も描かれていない。何を食べているのか、肉の保存はどうしているのか、定住して農作物を作らないのはなぜか等、基本的な部分が省かれている。この映画の目的の一つがNAの紹介であるのは間違いないのに、不思議なことである。中尉と彼らの交流は馬を盗まれることから始まるが、彼らにとって馬は貨幣のようなものであり、馬盗みはスポーツのようなものであることも紹介されない。彼らの価値観が紹介されないので、彼らの行動もなかなか理解できない。監督はチェロキー族の血を引いているので本作品を撮ったのだろうが、原作に頼り切って自ら調査していないのだろう。 ◆ポーニー族は好戦的に描かれるが、実際は白人の軍に協力をして斥候などで活躍している。友好的な一面もあるのだ。スー族にとっては白人もポーニー族も異民族。つねに小競り合いがあり、辺境は暮らしにくいところだ。 ◆「中尉の結婚相手が白人」に対するという批判がある。しかしこれは、人種差別露骨な過去の西部劇において白人がNAを娶る事がよくあり、それを打破するための回避策だ。 ◆終盤になると展開がおかしくなってくる。騎兵隊が中尉をNAと勘違いして撃ったりする。声を張り上げて名乗ればわかる話ではないか。捕虜になった中尉は反逆者とされ、処刑宣告される。これもありえない話だ。何をもって反逆というのか?兵隊の一人が勤務日誌をかってに持ち出すのもあり得ない。 ◆エンディングも温い。中尉は自分がいては白人に襲来の口実を与えるとして部落を去る。しかし本来中尉は白人とスー族の間に入って、争いをなくす努力をすべきである。最初からそうすべきだったのだ。彼以外の適任者はいない。白人の言語を話す人物がいなくなったスー族の未来は明るくない。 【よしのぶ】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-09-19 23:18:48)(良:1票) 1.ケビン・コスナーはマニフェスト・デスティニーと称してアメリカ人がインディアンにしてきた虐殺の歴史を重く受け止めなければならないと思っている人なんですよね。今までの西部劇ではインディアンは近代化して洗練されたアメリカ人を引き立たせるための未開で野蛮な存在でしかありませんでした。インディアンは街を襲い、人々を危険に陥れる危険な存在で、野蛮な側面でしか描かれていなかったのです。しかし、この映画はインディアンをなるべく真実に近い姿で描こうとしていますし、初めてインディアンの視点で開拓時代を描こうとした作品なのです。インディアンが弓と矢を持って闘う姿だけでなく、どんな家に住んでいたのか何を食べていたのかといったインディアンの生活や、インディアン自身に注目したことが新しかったし、なるべく真実に近いインディアンを描こうとしたその姿勢にはインディアンに対する敬意を感じます。アメリカ人にとっては開拓時代は痛快なアメリカ建国の歴史かもしれませんが、元々アメリカ大陸に住んでいたインディアンにとってはアメリカ人の言う開拓時代とは自分たちの虐殺の歴史でしかないのです。そういった悲劇を加害者であるアメリカ人自身もきちんと受け止めようという意思がこの映画からは感じられます。 【もっち~(←にょろ)】さん 8点(2003-12-07 01:20:52)(良:1票)
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