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BU・SU

1987年【日】 上映時間:95分
ドラマ青春ものロマンス
[ブス]
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2024-03-08)【イニシャルK】さん


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監督市川準
キャスト富田靖子(女優)森下麦子(鈴女)
丘みつ子(女優)森下雪乃
大楠道代(女優)胡蝶
伊藤かずえ(女優)揚羽
高嶋政宏(男優)津田邦彦
白島靖代(女優)怜子
広岡由里子(女優)桜子
室井滋(女優)ぽん太
イッセー尾形(男優)北崎
輪島功一(男優)トレーナー
中村伸郎(男優)
すまけい(男優)
大塚周夫(男優)
萩原聖人(男優)麦子のクラスメイト
小倉久寛(男優)
記平佳枝(女優)
山崎直樹(男優)
脚本内館牧子
音楽板倉文
作詞原由子『あじさいのうた』
作曲原由子『あじさいのうた』
團伊玖磨『花の街』
主題歌原由子『あじさいのうた』
桑田佳祐(主題歌プロデュース)
挿入曲原由子『トゥナイト・ザ・ナイト』
撮影小林達比古
製作東宝映画
プロデューサー中沢敏明
配給東宝東和
編集奥原好幸
あらすじ
『麦子は、あなただ』(公開当時のキャッチコピーより)海辺の片田舎から上京してきた、常に俯きがちで暗く「性格BU・SU」な森下麦子(富田靖子)。芸者置屋を営む叔母(大楠道代)のもとに身を寄せ、「鈴女」(すずめ)という名前で芸者見習いの日々を送る。新しい高校にも通いはじめた麦子は周囲との人間関係で、徐々に自分の殻を破り成長していく・・・。故・市川準監督のデビュー作。1987年キネマ旬報ベストテン第8位作品。神楽坂・渋谷・銀座など、当時の東京の街風景もみもの。

放浪紳士チャーリー】さん(2010-07-25)
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4.《ネタバレ》 森下麦子はキャリー・ホワイトである。ブライアン・デ・パルマ監督の『キャリー』は、家庭にも学校にも居場所を見出せない孤独な少女を悲劇的に描いた傑作だが、市川準監督は怒りと悲しみのなかで死んでいくしかできなかった少女キャリーへのレクイエムとして、この映画を撮ったのではないか。そう思えてならない。『BU・SU』の主人公森下麦子は、キャリーのようにいじめの標的にされるわけではない。むしろ陰湿ないじめを目撃すれば独り敢然と立ち向かうような少女である。つまり彼女の孤独は周りのだれかのせいではなく、彼女自身が選んだ自分自身で乗り越えなくてはならない問題として描かれていく。周囲の人々も、キャリーを助けようとした熱心な教師や同級生のような慈善的な人物は描かれない。彼女の叔母や担任教師ら大人たちの、柔らかくも程よく距離感をもって接するような描写が秀逸だ。麦子は決して救いの手を乞うているわけではないからだ。世界の片隅でじっと押し黙り所在なさげに生きるこの少女を、カメラもまた一歩引いた距離をおいて捉え続ける。切り取られた東京の風景、そこに異物として埋もれるように溶け込む麦子、あるいは学校の駅を乗り過ごし千葉の住宅街をあてどなく彷徨する彼女の姿は、孤独な青春の心象のように忘れがたい印象をのこす。文化祭の演目で失態を演じ、会場の笑い者となる麦子。市川は、『キャリー』においては悲劇の引き金となったそのシーンをそっとスライドさせ、その哄笑のなかにキャリーが決して見ることのできなかった、笑わず真剣に彼女を見守る幾人かの顔を映し出す。それはおそらく麦子を見つめる市川準の視線でもあるのだろう。その目はさりげなくも温かく、そしてとてもやさしい。キャリーのように体育館を火の海にすることなくファイヤーストームに火を灯す麦子。彼女にそうさせたのは同級生津田君の半ば強引な牽引なのだが、劇中麦子にだれかの手がさしのべられる唯一のそのシーンの、なんと力強く感動的なことか!青春とはバイオレンスのない闘いなのだろう。自分との孤独な闘いを一旦終え、晴れ晴れとした顔を蛇口で洗う麦子。青春は決して美しいものではない。けれどだからこそ最後の最後ではじめて見せる彼女の笑顔は、たまらなくいとおしい。個人的には、青春映画において森下麦子を超えるヒロイン像はこの先も出ないだろうと思う。 BOWWOWさん [レーザーディスク(邦画)] 10点(2009-07-20 00:11:26)(良:2票)

3.若かりし頃に一度見ているが、その時は何も感じなかった作品。そして本日、取り寄せていたビデオを再見。いや素晴らしかった。溜息のでる映像の数々と八百屋お七のキーワード「火」をうまくリンクさせた演出は流石の一言。作品として原由子の曲以外は文句のつけようのない出来でした。そして見事だったのは主演の冨田靖子。鬱積の溜まった社会に押しつぶされ、どこにも発散できない若者の感情を無表情でありながらも演じきっていました。モノクロでかぶさるエンドロールの成長した姿の対比もよかった。彼女は83'に「アイコ16歳」でデビューし、85'に大林宣彦監督「さびしんぼう」で主演。そしてこの市川準初監督作品「BU・SU」でも好演してみせた。主役を張る美しく上手な女優さんは数あれど、作品に恵まれる人は一握り。近頃の彼女を思うと心苦しいが、それでも一瞬の輝かしい時に名を残す作品で演ずることのできた彼女は本当に幸せな女優さんだと思う。80年代に二人の巨匠に見出された稀有な存在としても。それにしても彼女は時折、とても魅力的な表情をする。 カリプソさん [ビデオ(邦画)] 10点(2008-05-24 23:45:24)(良:1票)

2.地方の人間が東京に出てきた時に感じる、何とも表現しにくい「異空間的」都会の表情がよく出ていると思います。だから元々東京に住んでる人にはこの空気感は伝わりにくいのかも。自分はたまたま上京してきた頃この映画を観たんで、すごく共感出来ました。八百屋お七の逸話を地下鉄のホームで富田靖子が聞くシーン、隅田川の川ベりで踊りの練習をする彼女をトレーニング中の高嶋政宏が何気に見ているシーンが特に忘れられません。 (追記)故市川準監督作品が続々とDVD化された為、約25年ぶりに本作を鑑賞。確かに演出にところどころ舌っ足らず的な部分があるのは、初監督作品なだけに否めないとは思いました。でもそんな些細な瑕より、自分が上京した頃の、容易には地方出身者を寄せ付けくれないような、1987年当時の「東京の空気感」は、あの頃以上に強く感じ取れましたね。地下鉄自体が物珍しくって、何の用事もないのに東西線に乗り浦安方面に行ったヒロインの行動なんか、まさに自分がやってたのと同じ。青春時代の思い出の映画、唯一本だけという事なら、僕は洋画では「ファンダンゴ」、邦画ではこの「BU・SU」をチョイスします。嗚呼、泣いても叫んでも戻らない日々よ・・・。最近の自分はやたら感傷過多気味、ゆえに1点加点。BOWWOWさんの素晴らしいレビューに感服しました。 放浪紳士チャーリーさん [映画館(邦画)] 10点(2004-05-15 10:18:58)(良:1票)

1.《ネタバレ》 ものすごく好きで、一時期何度も繰り返し観ました。今でもセリフはところどころ言えるくらい。有名な俳優さんは数人出ていますが個性的な人が多いし、まわりの生徒役の人たちなどがほんとに普通っぽいところがこの映画をとてもリアルにしています。富田靖子が最初めちゃくちゃ暗くて複雑な事情を背負っているんだけど、没頭できるものを見つけてだんだん変化していく姿に静かな感動を覚えました。理屈でなく、この映画の持つ空気が大好きです。ただ、最後のシーンはいらない気がする。でも10点つけます! きょうかさん 10点(2003-10-16 01:17:38)

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【点数情報】

Review人数 21人
平均点数 6.57点
000.00% line
114.76% line
200.00% line
300.00% line
400.00% line
51047.62% line
600.00% line
729.52% line
8314.29% line
914.76% line
10419.05% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 Review0人
2 ストーリー評価 5.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 6.00点 Review2人
4 音楽評価 Review0人
5 感泣評価 Review0人

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