みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
11.いやあ、ひさしぶりに変ッな映画だった。 明らかに屈折した「何か」を抱えつつ、バンコクの暗黒街を牛耳る兄弟。 わけも分からぬまま、狂気に取り憑かれたように暴挙に出た兄が、問答無用の制裁により惨殺される。 兄への偏愛に狂う母親に命じられるままに、復讐に駆り出される弟。 と、プロットだけを見ても、その偏執さは漂ってくるけれど、この映画は観客のその想定をも暴力的に壊してくる。 主人公の精神そのものを投影するかの如く、冒頭から各シーンの描写が倒錯する。 これは現実か?幻想か?自分が今観ているものは何なのか?まるで分からなくなる。 羅列されるシーンの一つ一つにおいても、描かれ方が“どうかしている”。 過激な暴力描写は嫌悪感を覚えるほどに凄惨で遠慮がない。 だがその反面、すべてのシーンに美しさを感じ、ときに恍惚としてしまうことも否定できない。 暴力の螺旋と、それに伴う罪と罰。 奇妙な“神”の如き存在を目の当たりにして、血塗られた両の腕を遂に差し出す主人公。 彼が迎えたラストにあったのは、絶望か、救済か。 一説によると、公開版のラストシーンの後に、主人公とヒロインが仲睦まじく“暮らす”シーンの撮影もされたらしいから、やはり彼は“血”によって宿命づけられた地獄から抜け出せたのだろう。 ただし、いかんせんそんなことは、この映画だけをフツーに観ていただけではまるでわからない。 偏執的な支配は、神によるものか、それとも悪魔によるものか。 おぞましくも美しい狂気と暴力の錯綜と混沌。 いくらそれっぽい言葉を並べ立てようとも、無意味だ。 いやあ、やっぱりわっけわかんねえ。 安易な「理解」など諦めて、奇妙な神の如く、無表情のカラオケに興じるべきかもしれない。 【鉄腕麗人】さん [インターネット(字幕)] 7点(2017-07-18 22:35:55) 10.《ネタバレ》 全く理解不能。めっちゃ強いオッサンの神々しさとライアン・ゴスリングの無表情だけが印象に残る。ホテルの赤い内装が子宮のメタファーだということに気づいた人は映画を見る目がある!私は気づきませんでした。 【カニばさみ】さん [映画館(字幕)] 3点(2016-07-05 01:53:26) 9.《ネタバレ》 フランスとデンマーク合作というのが、悪い方向に出た感じの仕上がり。 どこかの香港カンフー映画にも似た構成で、とにかくオッサン悪玉がつよいつよい。 あの年齢であの体型だと、間違いなく衰えているはずなんだけど、この作品世界の中では、無敵の強さ。 最後の最後まで、意味が分からなくて目を離せないのが、見所か?! そんな流れで、最後まで入り込めずに終わった人も多いはず。 バンコクの怪しさも全開なのも見所で、風俗や売春が盛んな街であることがよく伝わってくる。 にしてもだ。 主人公の母親は、前半で凄みを出している割に、肝心なところで肝がすわっていない。 もう少し最後は、抵抗しても良かったんじゃないだろうか・・・ 【にじばぶ】さん [DVD(字幕)] 5点(2016-03-20 00:47:19) 8.《ネタバレ》 『ドライヴ』の熱狂と期待の反動もあるのだろう、賛否両論の極致とも言えるカルトムービーの怪作として再評価されるかも。過去の作品群を見れば一目瞭然で、レフンはタランティーノとは対照的なアート寄りの人間だからだ。『ドライヴ』にあった最低限で効率的な脚本を削ぎ落とし、スタイルだけで勝負するもその限界を露呈させてしまう。とは言え、凡作とは決めつけられない画の圧倒的な強度には目を見張る。何かおぞましいことが起きるのではないか、という異常なまでの威圧感と緊張感に心身ともやられてしまった。主人公より遥かに目立つ元警官のチャンは、独自の倫理感でギャングのゴッドマザーですら容赦なく裁き、『ノーカントリー』の殺し屋を彷彿とさせる一方で、優しい父親で民衆からも慕われている絶対的な存在。主人公は彼に挑むが完敗し、同時に父親殺しの罪悪感と強権的な母に苛まれて、裁かれたい、真人間として生まれ変わりたかったのだろう。チャンはそういう生き方しかできなかった人間達に対して裁き、そしてカラオケで弔う。憎かろうが死ねば仏で人として供養する侍に近いというか、物凄く仏教的。笑ってはいけない神聖な儀式だろうけど、あまりのヘンテコさに苦笑いするしかない。ただ、自分はこの世界観は嫌いではない。一度観るだけで十分だけど。 【Cinecdocke】さん [映画館(字幕)] 6点(2015-06-09 19:45:23) 7.《ネタバレ》 いや〜、全く入り込めず。 自己満足の極地にしか観えない。 「ドライヴ」で期待した自分が間違いだったか? 【たくわん】さん [CS・衛星(字幕)] 3点(2015-05-24 18:33:16) 6.《ネタバレ》 犯罪者に俺様基準で制裁を加える警察官vs毒母の意のままに復讐を果たそうとする主人公。グロやバイオレンスの中に、シュールなカラオケシーンがあったり、登場人物のキャラが濃くて独特の世界観。それが独りよがりにも感じられて、あまり集中して観ることができなかった。 【飛鳥】さん [地上波(字幕)] 3点(2015-05-12 22:19:14) 5.《ネタバレ》 正直よくわからない。セリフも少なく内容も不思議な感じだがストーリーが進むにつれどんどん引き込まれ魅了された。飽きることなく観れたから面白かったのかな?何とも言えない作品だった。ただ警官のカラオケはシュールすぎる。 【ぷるとっぷ】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-02-04 00:09:54) ★4.《ネタバレ》 タイ、バンコクでキックボクシングのジムを経営しながら、陰で麻薬取引にも関わっているジュリアン。ある日、彼の兄が不可解な変死体となって発見される。14歳の売春婦を犯した挙句嬲り殺したその死体の隣で、変わり果てた姿で横たわっていたというのだ。激怒した彼は真相を探るべく欲望渦巻くバンコクの裏社会へと繰り出してゆく。浮かび上がってきたのは、独自の歪んだ正義感を持ち強烈な力で裏社会を牛耳るある一人の警察官の存在だった――。事件の真相を知って、「兄貴は自業自得だ」と身を引こうとするジュリアンだったが、アメリカから自己愛の権化のような彼らの母親がやって来たことから事態はますますいびつに歪んでいく……。デビュー以来、独自の世界観を圧倒的な暴力描写で表現してきたレフン監督が新たに創出したのは、そんないかにも彼らしい濃密なバイオレンス・ノワール作品でした。確かにこの監督にしか表現しえないであろう、唯一無二の独自の世界観を構築した作品であることは認めます。無駄を削ぎ落としたシンプルなストーリー、哲学的なテーマ性、全編に横溢するピリピリとひりつくような緊張感、倫理観を踏み外しまくったあくの強い登場人物たち、吐き気を催すほどに繰り返されるグロ痛い暴力描写(特に母親の腹を切り裂き、自分がかつて居た子宮に手を差し入れるシーンは良くも悪くも強烈!笑)。とはいえ、最後まで淡々と展開される、ともすれば冗長とも批判されかねないこの独自の作風なのですが、正直に言わせてもらえば、僕の感性とはまったく合わなかったですね。レフン監督の過去作もひととおり観たのだけど、その良さがさっぱり分からなかった自分としては、その世界をますます深化させたような本作もやっぱり理解できませんでした。ただ、彼のその映画監督としての傑出した才能は――好き嫌いはべつにして――充分に認めざるをえないのよね~。なんで、「この監督の映画はもういいや」と簡単に切り捨てられないのが辛いところ。かつて同じように嫌いだったデビット・リンチ監督が急に『マルホランド・ドライブ』という傑作を撮ったことを思うと、どうやらこれからもチェックしていかなければならないようです(面倒臭いですけどッ笑)。という訳でレフン監督、そんな僕のくだらない感性など力ずくで捻じ伏せるような凄い作品をいつか撮ってね☆ 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 5点(2015-01-19 20:58:59) 3.観ている最中、拷問を受けているような錯覚に陥りました。しかし、それは「何でこんな面白くないものを観ないといけないんだ!」みたいな意味ではなくて、「自分は一体何を観ているんだ・・・」という感じ。最後までとにかく不安な気持ちになるんです。でも、それが結果的に満足感に繋がりました。濃厚な時間を味わえたし、物凄く感覚が研ぎ澄まされた気がします。映像は大変美しく、色彩も豊かで良かった。赤が映えていました。内容は正直よく分かりません。母と子の関係の話なのかな?そして、あの警官。ノーカントリーの“あの人”を彷彿とさせます。罪人に制裁を与える絶対的な力。ゴスリングの「早く脱げえええ!!」には笑いました。 【Y-300】さん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2015-01-10 16:58:30) 2.ストーリーは特になくセリフも動きを少なく、演出で魅せようっていう玄人好みで、カンヌだったりがいかにも好きそうな映画だなって思った。 「ドライヴ」が面白くて、同監督だからという理由で本作を観た人は確実に好きになれない作品なので要注意。 【amier】さん [ブルーレイ(字幕)] 4点(2014-10-30 21:50:03) 1.《ネタバレ》 ゆーっくりズームとか、ゆーっくりパンとか、ゆーっくり歩いたり、とくに何の動きもない場面を何秒も見せたり、そういうタメのカットで全編出来上がっててイライラしました。なんか深遠なことしてるつもりになってるんでしょうけど、観てみれば馬鹿馬鹿しい限りのお話でした。普通に撮れば1時間内で収まるでしょう。街の警察を牛耳ってるおっさんがスゴイのだけは印象的でしたが「結局本当のところ誰を描きたかったの?」というくらい他のキャラに魅力がなく印象薄い。で、『エル・トポ』なんかで有名なホドロフスキーに捧ぐとか大きく字が出て終わる。なんか、「人を殺してみたい」とか言うような人間が、それの代わりにフィルムをオモチャにしてるのかな? と思いたくなるような作品でした。 【だみお】さん [DVD(字幕)] 2点(2014-08-05 18:00:15)
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