みんなのシネマレビュー |
|
|
| スポンサーリンク
ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
4.《ネタバレ》 誰が"聖なる蜘蛛"を育てたのか? 犯人逮捕後の終盤が本番。 法の上に宗教があり、その強大な神のもとに"浄化"を許している腐敗した社会。 犯行手口の杜撰さにいくらでも証拠があったのにも関わらず、16名の死を許してしまった。 「女性だから」「娼婦だから」と手のひら返しが当たり前で、 アップデートされずに何百年も続けられてきた慣習が"男性の理想像"を求められている女性を縛っている。 恥部をストレートに描いた本作は当然イランでは撮影許可が下りず、劇場公開されたのかも怪しい。 行きつく先は社会問題を直視せず、責任転嫁をしないと宗教がアイデンティティの国家とその国民が一気に自壊するからだろう。 強固にデコレーションされた意識を変えない限り、第二・第三の"聖なる蜘蛛"が現われる。 息子の再現ビデオが下手なホラーよりも恐ろしい。 だが、歪んだ価値観はイスラム教だけの、イランだけの問題なのか? トランプ信奉者然り、日本の某政党支持のインフルエンサー然り、誰もがその雁字搦めに陥る可能性がある。 【Cinecdocke】さん [インターネット(字幕)] 8点(2025-06-19 23:02:56) 3.《ネタバレ》 連続娼婦惨殺事件が描かれており、犯人は早くに分かって、あっさりと逮捕されて 淡々と眺めていましたが、そこからの展開に「ホンマですか?」 需要があるから存在する娼婦を殺しても無罪じゃ!って そこに何時もながらの神さん理論が絡んで、もうウンザリ。 ラストの息子の演出にはアホクサとしか思えず。 【The Grey Heron】さん [DVD(字幕)] 6点(2024-01-08 02:21:01) ★2.《ネタバレ》 この監督の過去作はファンタジー的題材をリアリズムをもって描くという作風だったので、こういう実際の事件を題材とした作品は向いているのかなと不安だったのですが、演出に関してはバッチリでしたね。感情を大きく揺さぶるような事件だからこそ、抑制され冷静さを保ちながら現実を見つめさせるスタイルは正解だったと思います。ただ、お話に関してはちょっとどうなのかなと気になるところがありました。主人公のジャーナリストのラヒミの物語よりも犯人のサイードの人物像を描くことに多くの時間が割かれているのはバランスが悪いのではないかと思います。これでは彼女がイラン国外の人間が感情移入するための器のようでしかなく人間味が感じられません。警察や宗教者が犯人とグルなのではという疑惑を抱かせながらストーリーは進むのですが、実際にはそんなことはなくサイードは普通にイランの司法の下で処刑されてしまいますし、ラヒミは組んでいた地元の記者といい感じになってめでたしめでたしみたいな空気になるので拍子抜けしてしまいました。基本的に大衆は殺人鬼は怖いという態度で、イスラム教徒全員が犯人に賛同しているわけでもない部分は劇中でも描かれています。それはそれで正しいのでしょうが、これがイラン社会への批判が目的なら犯人とその賛同者の異常性だけを強調しすぎている気がします。親から子への悪の継承を示唆するラストも問題を社会全体よりも血筋に押し付けているような違和感があります。映画自体の内容よりもイラン本国で撮影を拒否されバッシングを受けたこと等、製作過程や現実の事件の方が興味深いというのが正直なところですね。 【Сакурай Тосио】さん [DVD(字幕)] 6点(2023-10-28 23:54:56) 1.《ネタバレ》 今作、舞台はイラン第二の都市・北東部に位置するマシュハドで、ここは実際イスラム教シーア派の聖地の一つだ、とのこと。そして2001年に彼の地で実際に起こった連続殺人をベースとした映画であって、かつ描かれる犯罪事象そのものと、そして解決後の顛末はほぼ実話どおり、ということらしいのですね(⇒主人公の女性ジャーナリストの行動の部分が少し脚色されている、てことかなと)。実話ベースなのでサスペンス的には比較的にもシンプルな内容に思えますが、その面に関しても実話由来の凄みに加えて(サスペンス)映画としての技術的なクオリティも中々だったかな…と個人的には思ったりしますかね(演出・撮り方等、全般的にやっぱ巧かったです)。 加えて二点、まずは(コレも実際に事件当時発生した)イラン国内の事件に対する諸々の反応や、そもそもこのイスラム教の国・社会における女性の扱い、だとかいったモノを描き出してゆく「社会批判」的な部分にも、映画としての端的な「観る価値」が在ったと確実に感じるトコロであります(⇒これ故、今作はイラン国内では製作できず、実際の撮影はヨルダンで行われたとのこと)。あともう一つ、その犯人サイードを演じるメフディ・バジェスタニの演技についても、コレが中々に出色なクオリティでした。宗教的な動機が根底に在る人物だとは言え、それでも多分に快楽殺人的・精神異常的な様相を含む複雑なキャラクターの表現がかなり見事だったと思いますし、その「病んでいる」ことこそがまた、真に描き出すべき「社会病理としての犯罪」ということ(事実)なのではないかな、と思う迄に至りました。プラス、もうお一方の女優さんの方も同じく好かったと思います(+スゲー美人だったし)。ワリとオススメな作品ですね。 【Yuki2Invy】さん [映画館(字幕)] 7点(2023-04-26 22:49:51)
【点数情報】
|