みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
83.この映画を一言でいえば沈黙の美学。この作品はとにかく沈黙が多い、エヴァが出ていった後のウィリーとエディ、そしてエヴァの彼と3人で映画を見るシーン(かなり笑える)は特に沈黙が長い。もしそれを退屈に感じたのなら、残念ながら今作はあなたに向いていない。例えば、意味もなくテレビを見るウィリーとエヴァのシーン。話のかみ合わない二人はブラウン管から流れる異星人がどうのといったくだらない番組を意味もなく見る。そして生まれる沈黙の空間。なぜか無駄がない完璧なシーンに思え引き込まれる。それは人間のさり気ないしぐさ、ディテールまでこだわるジム・ジャームッシュ だからこそなし得た結果なのだ。仲がとりわけていいわけでもない、価値観も違う、すれ違いばかりの3人。人によっては、ラストに物足りなさを感じるかもしれない、それは結果ばかり求めて過程を楽しんでいない証拠だ。楽しいのではなく、楽しめるかどうかが問われている。個人的には何度も見たいと思わせる作品。 【ゆたKING】さん 10点(2003-03-25 09:05:03)(良:3票) 82.あのカラカラに乾いた雰囲気と、エヴァの素っ気無い態度がメチャメチャ好きです。面倒くさそうにしながらも、いとこのエヴァにワンピースを買ってきたり、ひとり歩きは危ないと心配したりするウィリーのキャラもいい。なにをするにもどこへ行ってもニコリともしない彼らを遠くから写すモノクロの映像も美しい。沈黙ばかりのシーンなのになぜかプっと小さく吹き出してしまうところがいくつかあるのよね。こんな感覚の映画は初めてでした。ジョン・ルーリーの歩き方がいいわ。 【envy】さん 9点(2004-09-17 15:18:12)(良:2票) 81.《ネタバレ》 「予定調和を壊す空気・間」を堪能する映画。 1986年4月、今は無き有楽町スバル座での単館ロードショー。 中学3年生の自分が始めて一人でチケットを買い、劇場鑑賞したのがこの作品。 といってもちろんジャームッシュも主演ジョン・ルーリーも、(字幕の)戸田奈津子女史 だって知るわけない、単に親離れして、大人じみた背伸びをしたかっただけの事。 当時の世評としては「映画ファンには大好評、一般的には?」というのが通説。 そりゃあそう、80年代はまだ「脱力系ギャグ」という笑いは認知されてないから。 観客が想像するストーリーをことごとく外していく、ずっこけロードムービー。 ズレというか不調和を楽しむ映画として、私は彼の映画が好きだ。 気付いたら最新作「デッド・ドント・ダイ」までちゃんとスクリーンで追いかけている。 ヴィム・ヴェンダースやニコラス・レイ、そして小津安二郎を知ったのもこの映画だし、 音楽(スクリーミン・J・ホーキンスとかジョン・ルーリー、後にトム・ウェイツ)なんかも 彼から知った気がする。 彼の文化的教養に、自分影響されまくり。 そして齢50代になりつつある私、この度リバイバル上映(ヒューマントラストシネマ有楽町) にて鑑賞。「この映画が人生最初の映画館(おひとりさま)体験で本当に良かった」、 心底思ったよ。 この映画はぜひ、スクリーンで見て欲しい。 特に若い映画ファンに。 【Nbu2】さん [映画館(字幕)] 9点(2021-07-11 19:36:53)(良:1票) 80.《ネタバレ》 “オフ・ビートの貴公子”ジム・ジャームッシュ作品の中でも、ジョン・ルーリーやトム・ウェイツが常連だった初期が自分は大好きです。その中でも本作はオフ・ビート感では最高で、短いシークエンスを繋ぐ暗転の多いことと言ったら、いくら5秒ぐらいでもこれだけあると上映時間の3%ぐらいにはなるんじゃないかな。全編モノクロで撮影されていることから来る印象だけでなく、とてもアメリカが舞台とは思えない風景ばかりが映されるところも狙っていますね。NYはともかくとしてもクリーブランドやフロリダにしてもとてもご当地とは思えない風景、「これがエリー湖だよ」とエヴァが案内するシーンがありますが、ただの白い雪原を見せているだけの感じで、「ほんとにエリー湖なの?」と疑いたくもなります。低予算だし、実はNY周辺の“なんちゃってロケ”で済ましてたりね(笑)。三人の登場キャラの会話は少ないまでは言わないにしても一文が極端に短く、この映画でいちばんしゃべってたのは、ハンガリー語しか話さないクリーブランドのおばさんでしょ(笑)。いちおうこの映画は三部構成、“序・破・急”というか三題噺みたいになっていて、とくにラストはまるで落語のオチですよ。だいたいフロリダの田舎空港からブダペストに直行する航空便なんてあるわけないじゃん(笑)。 とくに何も起こらないけど尺も丁度良い感じで不思議と退屈せずに引き込まれてしまいます。ロード・ムーヴィーならぬ“ロード散文詩”という感じでしょうか。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2021-01-15 23:27:20)(良:1票) 79.《ネタバレ》 これ「鬱陶しいのはごめんだよ」という若者たちの物語ね。親戚づきあいは鬱陶しい。「横丁の向こうまで行っちゃいけないよ」と忠告されるのも鬱陶しい。一人、大いに結構、という若者たち。でもエヴァに覚えてもらってると、エディは喜ぶわけ。第一、わざわざ一年たってからクリーブランドまで行くんだもん。内に閉じながら、ビクビクと触角を伸ばしている感じに、現代っ子を見ている。ロッテおばさんがいい。ドシーンと椅子に座っているとこ。ハンガリー語だけで押し通して暮らしてきた重み。湖を見に行くシーンがおかしい。何かハンガリー語で非難を続けるロッテおばさんを残してフロリダへ。不意に大金が転がり込んでくるところも実におかしい。黒味があることで、ワンカットワンカットを三人がそれぞれの場所で回想しているような感じになって、奇妙な叙情が出てくる。何かまたすぐに会えるんじゃないか、この連中、って気がするのは、その回想的であることと関係があるんだろう。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 8点(2010-12-12 09:28:46)(良:1票) 78.《ネタバレ》 これは本当に映画の世界なのか?と疑わしくなるほど現実的でくだらない陳腐な日常を映し出しています。場所が変わろうが変わらぬ三人は、おそらくマイアミ・ビーチに辿り着けていたとしても変化は訪れずあの調子なんでしょうね。こんな何でもない物語で、格別お涙頂戴シーンを用意するわけでもなく、とりわけ感動的なセリフがあるわけでもないにもかかわらず、ところがどっこい最後にはすっかり胸に響いてしまうのが本作の凄いところです。ワン・シーン、ワン・ショットで撮影し黒画面でぶつ切りする形式は、登場人物たちの日常の断片を覗いているような感覚で、肩肘張っていない彼らに次第に親近感が湧いてきます。モノクロの効果も絶大です。ワンピース一つで三人の性格が窺える面白さや夜通し永遠TVを観続けている場面、オチどころかほとんど何も覚えていないジョークを話そうとするシーン、カンフー映画を観る風景がたまらなく愛しい。 【ミスター・グレイ】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2007-11-16 18:30:12)(良:1票) 77.ジム・ジャームッシュ最高ですね!!ワンカット目から感動してしまいました。音楽もいいですし、三人のグダグダなコンビネーションも味がありました。映画なんだけど、「あるある!」っていう日常の雰囲気よかったです。弾まない会話とか。どのカットをもっても画になる映画って本当にすごいと思います。 【kaneko】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-11-29 14:45:11)(良:1票) 76.最っ高に癒される作品。居心地最高。出来合いな恋愛映画ばっかり見てきたから、この映画を見たときの嬉しさはとんでもなかった。ウィリーとエヴァがテーブル挟んで向き合って話すシーンとかマジでリアル。ウィリーが一生懸命楽しい話しててもスゲー不器用で伝わらなくて、そんな話にエヴァは戸惑いながらも何とか合わせてあげたい、ってあの空気。うわぁ辛いなぁ(笑)って感じ。こんな二人の良い緩衝材として働くエディも生かされてる。もっと言えばウィリーとエディの関係もマジでリアルな良い友達だし。モーテルでのウィリーのベットが無いシーンとか大好き。この映画に潜んでいるフッと通り過ぎていく自然な笑いの落っことし方は天才的。観終わってすぐに二回目観たのを覚えてる。 【ハッシーふりかけ】さん [DVD(字幕)] 10点(2006-04-19 22:06:13)(良:1票) 75.《ネタバレ》 この映画の登場人物たち、1時間半の上映時間の中で楽しそうにしている場面がほとんど無い。さしずめウィリーとエディがエヴァのバイト先を訪ねて来たところぐらいか。後半のバカンスと言ってフロリダに行くシーンでも、全くと言っていいほどバカンスを楽しんでいる気配がなくて笑えてくる。そんな若者たちの日常を描いた映画なんてカッコ悪そうにも思えるけど(実際カッコ悪いっぽいけど)、ワンシーン・ワンショットが実に面白可笑しくカッコ良く、どの場面を取っても必ず絵になるような構図になっているのが凄い。さすがカンヌ国際映画祭カメラドール受賞。劇中に「晩春」や「東京物語」といった名前の競走馬が出てくる辺りでまた、ジャームッシュが小津安二郎などの監督から影響を受けていることがよく分かります。 【かんたーた】さん 7点(2004-01-27 22:41:44)(良:1票) 74.ジャームッシュの映画は言葉が上手く通じないもの同士が集まる話しが多い。その為生じるすれ違いやら勘違いやらがまた可笑しいのだが結局根っこでは通じてるんだよね。彼の映画には言葉じゃなくて目線や仕草や風景を見て、或いはその独特のリズムを感じて、その場の空気を体感し想像する楽しみがあるのだ。 【黒猫クロマティ】さん 8点(2003-12-17 12:06:12)(良:1票) 73.「パリ」を「巴里」と書きたい方におすすめ 【ポジティブ】さん 8点(2003-11-03 19:08:28)(笑:1票) 72.《ネタバレ》 【前置き】 コロナウィルス感染防止の為に施行された緊急事態宣言が解除され、久々に映画館で観た映画は「Dead Din't Die」だった。 「パターソン」が思いの外良かったので、久々の劇場体験に相応しいと思ったのだ。 だが… 残念ながら「Dead Don't Die」は正直今一つだった。 辛口のレビューを上梓しようと思っていたのだが、一風変わった作風を持ち味とした監督さんの作品をたった2作観ただけで 偉そうな批評を書くのは余りにも無礼だと思い、いわばルーツとも言える本作の鑑賞を決めた次第。 【本題】 本作と「パターソン」、笑える位に作風は変わっていないと感じた。 映画に対する監督の少し冷めた、でも愛情の有る視点も同じ。 異なるのは色が付いた事と俳優陣が豪華になった事位では。 まるで隣の気のいい兄ちゃんの生活をそのまま再現している様な話の流れ、 人が死ぬ等の事更に観る人の感情を煽る様な描写は皆無。 物語(?)は少数の登場人物が繰り出す必要最小限な朴訥且つシニカルなセリフと比較的短いカットで紡がれていく。 予備知識無しの場合、恐ろしく退屈な映画なのではないか?と思ってしまいそうだが、 絶妙な存在感の叔母さん(恐らく素人さんでは?)やヒロイン:エヴァ役を演じる女優さんのエスター・バリントを筆頭に、 何故か飽きずに最後まで見届けてしまう。 悲劇とまでは言わないけれど、落ちの付け方も面白い。 この絶妙な空気感はあざとく狙って出せる物では無い。 ジム・ジャームッシュ監督が不世出の存在で世界中の業界人から愛されている理由の一旦を垣間見た気がする。 さて、それでは"Dead Don't Die"のレビューに取り掛かる事にしましょうか。 【たくわん】さん [インターネット(字幕)] 7点(2020-06-11 13:14:58) 71.《ネタバレ》 極めて少人数の編成、かつ基本的に普通の室内・車内ばかりで展開される会話劇で(数少ない屋外のシーンも人気の無いそこら辺が殆ど、という)、見るからに低予算である。その会話にしても、内容的にも文字数的にもこれもホントに何の変哲・含蓄も無いというか、何とも省エネな映画だと思う。 しかし、そんな中に慎み深くも表出される登場人物の感情の錯綜が率直に非常に面白い。出色は何と言ってもエヴァで、自分が「可愛い」ことを骨の髄まで知り尽くしているが為、自分が男に対しては絶対的に優位に立てることを完全に理解している、という謂わば「猫」。やはり本作、まずドレスの件が実に味わい深く感じられるし、あと面白かったのが4人が居並んだ映画館のシーン。「その並びなの?」しかしエディとウィリーは明らかにそのつもりなので、これは必然なのである。誰もなにも喋らないが、その頭上に垣間見える火花が出るほどの感情の錯綜がこれも面白い(エヴァは多分なんも考えてないだろうけど)。終盤はテンポが上がってかなりドタバタしているが、ここも笑えた(「予感」の話とかもとても好み)。 様々な無駄を削ぎ落すことで旨味だけを際立たせた様な、真に監督の力量が知れる映画だと思う。一級品の上質なコメディ。 【Yuki2Invy】さん [DVD(字幕)] 8点(2020-06-08 00:43:10) 70.ジャームッシュ初期の作品ですが、変わることの無い彼らしいテンポと空気がある作品です。 1つ1つの台詞が短い。そして微妙な沈黙という間が繰り返される。 行間と隙間だらけの作品ですが、その行間を読み取らなければならないという小難しさも無い。 その微妙な間、行間に漂う空気に独特の可笑しさがあるジャームッシュ流コメディ。 例えば、ウィリーがエヴァにジョークを披露する。そのジョーク自体は別に面白くも無い、短いシーン。 しかし、ジョークを披露するウィリーとそれを聞くエヴァ、そこに流れる微妙な空気の可笑しさがいい。 些細なきっかけで3人がそれぞれの思いとは裏腹にバラバラになってしまう、あっけないラストも印象的。 同じく3人組がそれぞれの意思をもって別れ行く次作「ダウン・バイ・ロー」とはまた異なる余韻を残します。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 8点(2020-04-26 13:53:54) 69.《ネタバレ》 若者たちが、ただ暇つぶしをしているだけの作品(笑)。 ダウン・バイ・ローと続けてみましたが、あっちの方が好きかな。 わざと王道を裏切っていくかのような、退屈さを提供していくかのような、 稀有なアウトロー映像作家なんだなと。 【あろえりーな】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2019-01-15 17:46:07) 68.何度か見てる映画だけどこれは詩なんですな。 『彼がサラダがおいしいねと言ったから今日はサラダ記念日』 ・・・。 この間も含めて全体が詩なんですな。 【michell】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-12-16 20:54:13) 67.どうでもいいストーリーだが、何故か目が離せない。不思議な映画。 エヴァがいると楽しい、というのが伝わるが、これがまさに青春の感覚なんだろうと思う。 【simple】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-07-08 20:51:56) 66.《ネタバレ》 〇ジム・ジャームッシュらしい何となく観ていられる感じはあるのだが、また観てみたいと思うような面白さはない。 【TOSHI】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2017-11-25 18:22:07) 65.白黒でかつ地味極まりないテイストだけど、なーんか独特のモノがあるよね。一回一回場面が切れていく構成もなーんか変わっていて意外にありそうでない作風。ぶっちゃけ大したことは発生していないwんだけど面白かったですハイ 【Kaname】さん [DVD(字幕)] 6点(2016-06-01 09:36:28) 64.《ネタバレ》 この映画一歩間違えたら大駄作になっていたでしょうな。 でもそうはならなかったのは、先ず行き当たりばったりのこの三人のキャラ。面白いし格好良いし、特にエスターバリントが可愛い。 それから余分な会話がなく、色も無く、そして "間" が良い。見る側に想像させる演出なのでしょうか。出かけて行ったとしたら次のシーンではもう帰ってきている。この辺も色々と想像させてくれます。 さらに、男2人の帽子が印象的だと思ったら、エアスターも帽子で大金をせしめるところも面白かった。 ラストで三人がバラバラになってしまうなどは最高の締めくくりでした。 全編に溢れる気だるい空気感は私の大好物です。 Jin 【仁】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2016-02-14 00:26:45)
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