みんなのシネマレビュー

旅人は夢を奏でる

ROAD NORTH
(TIE POHJOISEEN)
2012年【フィンランド】 上映時間:113分
ドラマコメディロードムービー
[タビビトハユメヲカナデル]
新規登録(2015-05-30)【とらや】さん

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監督ミカ・カウリスマキ
原作ミカ・カウリスマキ
脚本ミカ・カウリスマキ
音楽マウリ・スメン
製作ミカ・カウリスマキ
配給アルシネテラン
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【クチコミ・感想】

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3.《ネタバレ》 父親の言動と過去の所業が全く受け付けられない。息子が再生する結末が絵空事にしか見えず、余韻も胸糞感でいっぱいの残念な作品。 The Grey Heronさん [DVD(字幕)] 3点(2023-01-18 16:35:11)

2.《ネタバレ》 フィンランドのロードムービーである。邦題はどちらかというと意味不明で(「夢」はあるか?)、英題は北への道というような感じだろうが、原題では”pohjoiseen”が「入格」というのを使っており、単純に方向を示すのではなく“北の地へ入って行く道”というような意味だと思えばいいか。
移動の経路としては、国の南端にある首都ヘルシンキから北に向かってユヴァスキュラをまず訪れ、アーネコスキに立ち寄った後、セイナヨキを通って? ボスニア湾岸に出て? オウル経由で? 北上してロヴァニエミ(フィンランド北部のラッピ県の中心都市)に至り、さらに奥地のケミヤルヴィから北に入り込んだ場所を終焉の地にして終わっている。行程中で特に目を見張るような景観はなく、ただ淡々とフィンランドの普通の風景を映しているようである。

物語としては突然帰った父親が、かつての自分の所業のせいで混乱して停滞していたものをひっかき回してぶち壊して、結果的に息子の人生を立て直して家族を再構成した話に見える。
難しいのは父親の語る寓話のようなものの解釈で、うち孫に語ったスグリの実の話は、これまで永遠の40歳のつもりだったが何もできずに来た男が、世界最良のものに出会ったのが人生の最後だった、という状況を語っていたと思えばいいか。コメディめかしていながらどうも最初から陰気臭さが感じられて、自分としてはこのジジイの行末に不吉なものがありそうだとばかり思いながら見ていた。また「射手」の話はストーリーの根幹に関わるものだろうが、何と結末部分が語られないで終わってしまう。ここは息子なり観客なりがそれぞれ思ったことそのままでいいということか。
結果として悪い話ではないだろうが、個人的にはそれほど共感できる箇所もなかった。当然ながら世間では評判がいいらしく、こういうのをいいと思わない自分は映画好きとはいえないのだろうなと思った。

ちなみに今回勉強になったこととして、英語の”Earl”というのはフィンランド人にとっても発音しにくい言葉だったらしい。またホテルで披露されたピアノ曲「ねこふんじゃった」を台詞では”Kissanpolkka”と言っていたが、これは「ネコのポルカ」(kissa「ネコ」→kissan「ネコの」+polkka「ポルカ」)という意味である。フィンランド語の題名にもちゃんとネコが出ていることがわかって若干感動的だった。ついでにいうとジジイの孫はるみちゃんという子だったが、lumiというのは雪の意味である(ゆきちゃん)。 かっぱ堰さん [DVD(字幕)] 5点(2018-12-31 12:58:06)

1.カウリスマキ監督作。弟アキの作品は何本も見ているけど、本作はあまり見る機会が無いミカの作品です。
妻子に出て行かれた孤独な音楽家の男。その前に突然、3歳の時に別れて以来35年も音信不通だった父が現れる。
寡黙な息子と、豪快な親父。爆笑することは無い。
でも見る者を微笑ませてくれるような、正反対の性格の2人のちょっと可笑しく、ちょっとホロ苦さがある珍道中がいい。
2人はクルマで北へ、北へと向かう。旅先で出会う、息子にとっては初めて会う家族。
ぎこちなくも程よいあたたかさがある。
1つ1つの出会い、エピソードを重ねていくうちに、
最初はぎこちなかった2人が少しずつ空白の時を埋めていき、
無表情だった息子は気が付けばとてもいい笑顔を見せるようになっていく。
いつしか息子にとっては、父に連れられるまま、
自分が全く知らなかった家族の姿と自分のルーツを探し求める旅になっていました。
ただ、2人の旅を見ながら、親父は旅の最後にこういうことになるんじゃないかな?という嫌な予感はあったのですが・・・。
この結末だけが少し残念ですが、僕が好きなロードムービーの良さが随所に感じられる作品でした。 とらやさん [DVD(字幕)] 7点(2015-06-01 20:02:47)

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【点数情報】

Review人数 3人
平均点数 5.00点
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