みんなのシネマレビュー

ミッドサマー

Midsommar
2019年【米】 上映時間:147分
ドラマホラーサスペンスミステリー
[ミッドサマー]
新規登録(2020-01-13)【ぴのづか】さん
タイトル情報更新(2022-02-08)【イニシャルK】さん
公開開始日(2020-02-21)


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ブログに映画情報を貼り付け
監督アリ・アスター
キャストフローレンス・ピュー(女優)ダニー
ジャック・レイナー(男優)クリスチャン
ウィル・ポールター〔男優〕(男優)マーク
ビョルン・アンドレセン(男優)ダン
井上麻里奈(日本語吹き替え版)
前野智昭(日本語吹き替え版)
沢城千春(日本語吹き替え版)
落合福嗣(日本語吹き替え版)
脚本アリ・アスター
配給ファントム・フィルム
あらすじ
衝撃的な出来事で両親と妹を失ってしまった女子大生ダニー。恋人のクリスチャンは恋心が冷めかけていたものの、傷心の彼女が立ち直るきっかけになるのではと、男友達と計画していた旅行に彼女を誘う。目的地は彼の友人の出身地であるスウェーデンの奥地のコミューン。そこでは例年とは異なる特別な「夏至祭」が行われるという。白装束に身を包んだ住人に温かく迎え入れられたダニーたちは、90年に一度行われるという祝祭に参加することになるのだったが、そこでの生活や住人たちの様子から次第に不穏な空気を感じて行く。果たして祝祭とは? 「ヘレディタリー/継承」でホラー映画界に新風を吹き込んだアリ・アスター監督が、異文化の集団との接触によって恐怖の世界へと導かれていく若者たちの運命を描く。

タコ太(ぺいぺい)】さん(2021-12-04)
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未見の方は注意です!




【クチコミ・感想】

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51. 白昼夢のような映像の美しさ、検証欲を掻き立てられる世界観はたしかに魅力的だが、絵解きの前にまずきっちり楽しませてほしい。ゴア表現を抜いたら何も残らない内容で2時間半は長すぎる。

 『ヘレディタリー』もそうだったが、この監督は作品の門構えをスプラッターにしないくせに、結局のところ「グロさが話題に!」という流れを期待しているのがずるいと思う。「話術で怖がらせてくれると思わせておいて、いきなり殴りかかってくる人」という感じ。そんなことされたら痛いのは当たり前で、暴力でイニシアチブをとる歪んだコミュニケーションでしかない。

 殴られたときに出るアドレナリンは脳の防御反応でしかないのに、人はその興奮を「すごいものを見た!」という評価に繋げてしまう。これはただの狡猾なビジネスモデルだ。ホラー映画ファンだからこそ、0点をつけます。 ランデイさん [インターネット(字幕)] 0点(2021-11-14 02:07:42)(良:3票)

50.《ネタバレ》 全く初めての国に行って、全く初めて見る行事や儀式を、全く具体的な説明もされず、見ていて楽しいというのならこの映画も楽しめるかも知れない。はっきり言って私には全くはまりませんでしたが。それっぽい荘厳なBGMを付けてなんとか見れるものにしようとしていますが、もし自分がこれを現地でBGMもなしで見せられたらと思うとぞっとする。

ダンス大会の勝ちの基準もわからない。よそ者を取り込むためにうまいこと勝たせてあげただけでしょう。まああんなんで「あなたが優勝」とか言われても不気味だし一ミリも喜びなんて湧きませんけど。クリスチャンが薬を盛られて村の娘と性行するのも、薬のせいもあるのでしょうがあんな環境で果たしてその気になれるものなのでしょうか。色々宇宙過ぎてついていけない、いやついて行く気も起こらない。そんな映画です。

こういった宗教の集まりなどを見ていると、ある意味このように何十人何百人の集まりが一つの意思に統一して動くことができるというのは率直に言ってすごいと思う。自分なら「なんでこんなことしなければいけないのか」とか「これに何の意味があるんだ」とか思ってこんなに身をゆだねて宗教を信じ切ることは出来ないだろうな。というか、どうすればここまで何かを盲信できるようになるのか、そっちのメカニズムのほうが気になります。ストーリーそっちのけで、彼ら彼女らがあの宗教に入信するまでの過程が知りたいと思いました。 TANTOさん [インターネット(字幕)] 1点(2021-10-06 21:12:58)(良:3票)

49.《ネタバレ》 盛大にネタバレしています。未見の皆様はご注意ください。

学生たちが訪れた村は、いわゆる『カルト教団』のコミュニティ。その特異な風習は、我々の価値観(ルール)の範疇から逸脱するものでした。しかし学生たちは当初『文化の違い』と捉えました。研究対象としての魅力に抗えなかったのでしょう。もちろんこれは誤りです。我々の社会が許容できない価値観を『文化』とは呼びません。『蛮行』、いや『習性』でしょうか。狼が小動物を食らい、小鳥がさえずるが如し。村人は良心の呵責を一切感じる事無く人を殺せました。同じ顔、同じ言語を話しても、基本的な価値観を共有できなければ、それはもう『別種の生き物』です。DNA的にはどうあれ、『野生動物』や『宇宙人』に同じ。この要点を見誤ったが故に、学生たちは命を落としました。彼らは危機に対して鈍感過ぎました。
『別種の生き物』とは共存するのが人類の基本戦略です。豊かな生態系を維持することは人類にとって有益だからです。人の多様性を認めるのも然り。しかしカルトは、人間社会にとって百害あって一利なしです。我々の文化・生活圏と隔離されているならまだしも、彼らは人間社会に足を踏み入れ『尊厳』を踏みにじりました。これは看過不可。『文化の違い』などでは決してなく、我々にとってはただの犯罪集団、というより『害獣』です。世間に気づかれたら最後、コミュニティの解体は免れません。にも関わらず、長年集団が維持されてきたのは、そのシステムが巧妙であったからと考えます。
(ここからは完全推論です)最重要ポイントは、村人全員がそこで生まれた者ばかりということ。第1期(誕生~18歳まで)は教育期間。村の『常識』を植え付けます。『常識』に理論武装は必要ありません。だから最強。異なる価値観に触れたところで揺らいだりしません。工作員の学生は「自分も親を亡くした」と口にしていましたが、これは主人公を取り込むための方便でしょう。村に親子の概念なし。全員が家族ですから。我々にとって村人が『別種の生き物』であるように、村人にとっては外界の人間もまた同様。役目が終われば全員廃棄でしょう。また、注目すべきは村の憲法『経典』を常にアップデートできること。彼らは常に外界の文化文明に触れていますから、古の理では満足できなくなること必至です。時代の流れに沿うように経典を書き換えられる制度設計が、村の維持に大きく役立っているのは間違いありません。そういう意味では『蛮行』が廃止になる可能性もゼロではありません。しかし『伝統』は『常識』に負けない強固な概念。簡単には覆せません。ちなみに、意図的に障がい児を作り出し『無垢なる王』に据える手法も見事な知恵と言えましょう。神輿の上は軽いほど良く、有力者に都合がよい「神託」を出す便利な道具であります。
 気づけばバッドエンド一直線の物語は恐怖でしかなく、ホラーとして一級と考えます。しかしその一方、サスペンスとしては選択肢がないため物足りません。学生たちには最低限、生きる為に足掻いて欲しかったなあと。これが本作に対する率直な感想です。同じ設定・脚本で、市川崑監督とか堤幸彦監督だったら、どんな物語になるのか見てみたい気もします。 目隠シストさん [DVD(吹替)] 7点(2020-11-25 19:24:15)(良:3票)

48.《ネタバレ》 原点は古いが、代々その時に更新されてきた聖典なるものに準じて生きる不思議な村(コミュニティ?)を訪れたアメリカ人大学生の運命を描いた映画。

だんだん怪しくなっていく《村の儀式》が主役とも言えるが、私見だがこれ、現代人を揶揄してるとも捉えられる。
二面性、高齢化批判、薬物常用、居心地よいコミュニティへの依存、人工授精、隠れエログロ、同属殺し、人体解体(猟奇)マニア etc...
極めつけは “くま○ン” 動物の毛皮(死体)を着る残忍性。

アリ・アスター監督の創作欲求の根源が正直わからなかったが、コレだろうと。
現代社会の“気持ち悪さ”に対する告発「この異常な集団がお前(オレ)たち人間だ!」じゃないかと。違う?
まあ、それが観客に伝わるかと言えば、伝わらない。ほとんどはポカーンか、映画テクニックへの称賛なんだろうな。

【レビュー更新】

初見のレビューも書いたけれど、少々考え直したのでレビューを更新。
ただし公式サイトの完全解説や、他のレビューを見ずに書いています。
(正解探しではなく「私にはこう観た」という考察です)

このコミュニティ(村?)には色々と矛盾がありますね。
村人は外界と行き来があり、それなりに文化的生活をおくっている。にも関わらず、住人たちには自我が感じられない。
表面上は幸せそうだが、裏で強烈なルールに縛られ生活を制限されている。そこまでして、この環境に村人たちが依存する理由は何か?
古(いにしえ)からの経典を守って?近親相姦で生まれる奇形の王の存在?いずれもそこまでの強制力は無いように見える。
これが、文明社会と隔絶された未開の地の食人族ならそれもわかるが。
この村のレベルであれば、脱走や反抗、支配権を狙う革命が続発して、数年も保たずに体制が崩壊するでしょう。
そもそも過去にも同様の拉致殺害を行っているなら、外界の手で捜査され証拠がワンサカ見つかって、早々に強制解体という運命のはず(笑)
どう考えても《現実には成立し得ない》コミュニティです。

そう考えると、この出来事自体が「家族の不幸で心を病んだダニーが作り出した妄想」じゃないかと思えます。
村に踏み込んでドラッグを使った時点からの幻覚じゃないかと。
関係ないが、この村に来る道中の描写は「シャイニング」的ですね。主人公の名はダニーだし(笑)

それから、多くの映画は体制(多数派の強制)から脱しようと闘う個人の話ですよね。自由主義世界の映画ですから当然「自由=正義」な訳で。
しかし、ミッドサマーは真逆。「自由=悪」の世界。だから居心地が悪く、理解不能でとっても怖い。
多様性がなく均一的で思考の停止した世界。無感情に生きたい者が逃げ込む「精神的秘境」とも呼べる楽園。
それはダニーの精神世界であり、アリ・アスター監督の趣味の箱庭だと思います。
私は、その箱庭を「アリ・地獄」と命名します!(笑)

余談ですが、私が観た劇場では“オーバー72ダイブ”のシーンで、御婦人が2人 途中退場されました。お気の毒です。
映画の中にも外にも、それと知らずに「天国のような地獄」に踏み込んでしまった犠牲者がいる訳です。
ディレクターズ・カット版も近く上映されるとのこと。(R15+→R18+で 外道さグレードアップ?)

《 2020.3.5にfacebookの映画グループに投稿したレビューを転載しました。》 墨石亜乱さん [映画館(字幕)] 6点(2020-03-02 14:28:41)(良:3票)

47.オードリー春日がアフリカあたりの村に行き現地の祭りに参加して仲間になって帰ってくる…みたいな番組が、コロナ前にはちょくちょく放送されてましたが、あの春日の行動こそがフィールドワーク的に正しい姿。自分の常識は捨てて現地の風習を全力で受け入れ仲間になって参加する。これが文化人類学的に正しい行動です。
その真逆の行動を取って殺されてたのが、かつて太平洋の小島にまで上陸してキリスト教を布教しようとしてた宣教師のみなさん。
現地の価値観総否定なわけですから、それこそフィールドワーク的にやっちゃいけない行動の典型。そりゃ当然の帰結なわけです。

…なんて事を考えさせてくれる本映画。なんか文化人類学とかをやってる界隈で(いろんな意味で)好評だそうで、フィールドワークなんかをやってる方が観るととても面白いんだとか。

で、私自身はフィールドワークをやってるわけでもないので、この映画に関するそういう逸話を面白いなぁ…とは思うんですが、この映画自体は…「この監督の作品ですよね…」としか言いようがありません。

とりあえずめちゃくちゃ映画が長く感じます。 あばれて万歳さん [インターネット(字幕)] 5点(2022-02-07 16:51:45)(良:2票)

46.《ネタバレ》 これは困った。映像は美しいし、役者の演技もバッチリ決まっていて、それぞれの役を見事に演じている。しかし、独自の崇高な死生観を持った閉鎖社会の話かと思いきや、話があまりにもアレな方向に加速して、結局みんな殺されて生贄の儀式でしたって、ベタ過ぎる。前半の両親の死やデニーの心の葛藤は何だったの? ブッキングパパさん [インターネット(字幕)] 3点(2021-11-19 14:31:14)(良:2票)

45.《ネタバレ》 不幸な出来事により一夜にして家族全員を失ってしまった女子大生、ダニー。以来精神安定剤が手放せなくなるほど不安定な状態になった彼女は、彼氏や友達に誘われるまま、スウェーデンへと二週間のバカンスに旅立つことに。目的は、北極圏に近い地域で自給自足の生活を続けている閉鎖的なコミューンを訪れるため。長い間外部との接触を絶ち、独自の文化と風習を継承してきたそのコミューンに、ダニーたちは戸惑いながらも徐々に受け入れられてゆくのだった。だが、二日三日と過ごすうちに彼らは拭いようのない違和感を覚え始める。みな同じ民族衣装を着てみな同じような笑顔を見せる住民たち、いたるところにある立ち入り禁止区域、明らかに幻覚作用のある物質を含んだお茶……。いつまでも太陽の沈まない白夜を迎えたこの季節、コミューンでは約90年ぶりとなる祝祭が開かれるという。なしくずし的に祝祭へと参加させられるダニーたち。やがて彼らは知ることになる。このコミューンには恐るべき秘密が隠されていることを――。長編デビュー作となる前作『へレディタリー 継承』で強烈なインパクトを残してくれたアリ・アスター監督待望の新作は、そんなカルト集団たちの恐怖を独自の手法で描いたサスペンス・スリラーでした。いやー、この監督独特のもう身悶えするようなねちっこ~~~い描写は相変わらず健在でしたね。とにかくこの世界を覆う異常なまでの白さはもう見れば見るほど気が狂いそうになりますわ。どこまでも連なる山々や緑あふれる草原、木造の掘っ立て小屋に少女たちが冠る花かんむりと、普通に見ればなんとも牧歌的な世界なのになんなんでしょう、このいやーーーな感じは。「アルプスの少女ハイジ」に完全に喧嘩売ってますね(笑)。このなんとも禍々しい世界観は男性より女性の方が嵌まるんじゃないでしょうか。倒れるまで踊り続ける少女たちやクマの毛皮を着せられた彼氏など、もはやメルヘン・ホラーといった趣きです。最後、全身花で飾られた衣装を身に纏った主人公が満面の笑みで迎えるラストシーンは、あまりにも狂気染みていて鳥肌ものでした。ただ、多少長いかなってのはありましたけど。もう少しコンパクトに出来たような気がしなくもない。それでも僕は充分楽しめました。なかなか癖が強いので観る人を選ぶとは思うんですけど、この監督の作品はこれからも要注目です。 かたゆきさん [DVD(字幕)] 8点(2021-02-18 02:14:55)(良:2票)

44.《ネタバレ》 衝撃的な作品でした!

大学生一行が、倫理観がぶっ飛んだやべー奴らの儀式に巻き込まれるお話です。
最初は、何か起こらなそうで何も起こらない…。
じれったいなあ…なんて思いながら見ていたわけですが。
老人が手を刃物でサクッといって、血をベットリと塗りたくるあたりから目が釘付けになります。
おもむろに老人は崖からダイブ。
頭から落ちて即死。
破裂したスイカみたいな頭部がバッチリ映ります。

狂ってる!俺は帰る!

外から来た常人はそう言います。
ですがそんなことを言ったら最後、どうなるかは予想の通り。

さて、これは薬(ハッパ?)で幻覚を見た女子大生の妄想なのか。
それとも、現実に起こり得えたことなのか…。
共同体の作り込みの凄さに驚かされます。
監督は、相当に取材を重ねたことでしょう。 アーウーマンデさん [DVD(字幕)] 7点(2021-01-24 23:03:48)(良:2票)

43.高評価のかたがたくさんいらっしゃいますが、私にはただただ嫌悪感しか感じない映画でした。 まっかさん [DVD(字幕)] 4点(2022-02-09 23:35:04)(良:1票)

42.《ネタバレ》 評価が大きく分かれる作品だと思います。
ホラー映画らしからぬ明るく美しい風景に、狂気さえ感じてしまう異文化のエッセンスが散りばめられた独特の映像は、細かく書けばキリがないぐらい観る度に新たな発見があるという、凝りに凝った拘りたっぷりの作り込み。冒頭ダニーに降りかかる厄災には何の意味があるのかと途中まで思っていましたが、観ていくうちに、その事件こそが、エンディングまでその影を落とし続け、それがなければこのストーリー自体が成立し得ないという重要なファクターであることに気付きました。スクリーン上の色彩のとおり、ダニーが暗闇から這い上がり、日の落ちることを知らない白夜の中、魂が白日の下で蘇っていくという物語、というところでしょうか。狂気を帯びた歪なハッピーエンドですね。モチーフを少々変えることで、青春ドラマや人間ドラマとしても成立しそうなストーリーに思えます。
しかし、敢えて衝撃的だったりグロテスクだったりするシーンを差し込んでいるところがこの作品をホラー映画たらしめている訳で、そっと忍ばされたソフトなタッチの恐怖描写のひとつひとつまで拾い上げて行くと、とんでもなく不気味で恐ろしいホラー映画であることに気付かされます。
カルト的なコミューンを題材に持って来たというところで何でもありの世界になっていて、無理難題、現代の法治国家でこんなことまかり通るのか?という部分をクリアしているあたりは決して好むところではありませんし、次から次へと死亡フラグ立ちまくりの登場人物たちにはほぼ感情移入不能ですが、綿密に練り上げられた隙のない映像表現はホラー映画の新たなスタイルを感じさせてくれるもので、このレビューを書きながら自分の中での評価が次第に上がって行った結果、7点献上します。
ちなみに、飛び降りやとどめ刺しシーンは入村後の最初の衝撃シーンですが、監督の作品全体を通した映像表現への拘りのひとつかなと思いつつ、ゴム人形感が強く、デジタル的によりリアルに加工するとか、逆にもう少し直接表現を抑えるとか、正直自分的にはあまり衝撃を感じませんでした。また、私の観たバージョンではクリスチャンの性交シーンにボカシが入りまくってましたが、エロティックな意味ではなく異文化に内在する狂気が現れているシーンであり、ボカシは表現をかなり損なっているかなと思いました。 タコ太(ぺいぺい)さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2021-12-04 13:14:51)(良:1票)

41.《ネタバレ》 これまでのホラーの文法がことごとくハマらない演出が目を引きます。暗さは必須。なので夜に何かが起きることが定番でしたが、本作はほとんど昼間に事が起き、というか白夜の北欧が舞台なのでそもそも「夜の暗さ」をハナから排除しています。
廃墟とか不潔感が一切なくて、明るく清潔。色とりどりの花も木々の緑も人の笑顔も(一見)美しい。この白さ、光源の多さが暗がりよりもいっそう鮮血を禍々しく見せてしまうアンビバレンツ。
ヒロインも絶叫しません。恐怖で声が出るのは、‶それが怖いものだ”と「瞬時に」悟るからなのですね。今作ではF・ピュー演じるダニーは冒頭からじわじわと精神を追い詰められてゆきます。彼氏が信頼に足る人間ではないのではないか、参加者が減っている、変だな変だなと思いながら叫ぶ機会を逸しているのです。
そう、叫ぶというより慟哭する場面が終盤にあります。彼女の嘆きに共鳴する女たち。この芝居がかった正常とは思えない共感反応。親切そうな彼女らが実はガチでヤバイ、と気づいたときはすでに我々もダニーも時遅し。ラスト、完全に精神がぷっつりと逝ってしまったダニーの表情をなすすべなく見つめるしかありません。
監督はかの「ヘレディタリー」で趣味の悪さを明らかにしていますが、今作ではさらに見せ方が洗練されました。美術も一級です。
F・ピューは素朴な顔立ちで下半身がしっかり体型の、ぱっと見骨太健康女子です。それが北欧の白く華奢な腺病質ぽい連中に取り巻かれて、さしもの健康な肉体がじわじわと殺されるように見えました。フローレンスの起用は残酷さを際立たせるのに上手く機能したように思います。
アリ・アスターはもちろん「観なきゃ良かった」系の映画監督ではあるけど、テーマは抽象的ではなく分かり易いホラーです。観る者にやな思いをさせたあげく、自己満足のみの哲学系作品よりはよほど親切と言えるでしょう。現代ホラーの最高点に置くことのできる監督と思います。嫌だけど。 tottokoさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2021-09-10 23:58:50)(良:1票)

40.《ネタバレ》 アイデアや映像はとっても良い。ストーリーはイマイチでした。
飛び降り自殺儀式までは快調。更にこの後も常軌を逸した命懸けの儀式が続き(本当に死ぬまで踊り続けるとか)、それに主人公たちが巻き込まれていくんだろな・・と思ってたら、全然違う話。
ラスト、お父さんを殺してしまって新しい命は共同体で育てる・・って事なんだろうけど、これ社会主義ですね。子供を親から引き離して共同体で育てるというのはポル・ポト時代のカンボジアが有名ですが、北朝鮮も今だにそういう事やってるかもしれない、要は伝統を騙った新興宗教。考えてみれば最初の方で「僕はコミューンで育ったんだ」とネタバレしてますね。(フランス以外で「コミューン」というのは「社会主義共同体」という意味。「コミュニスト」とは「社会主義者」。崩壊したソ連や資本崇拝主義と化した中国を始め、あらゆる実験が完全に失敗してるのになお信奉しようとするのは、科学でなく宗教以外の何物でもないです。)これなら冷戦の影に脅えた70年代辺りに、もっと出来の良い怖い話が腐るほど有りそう。
結局学生たちは最初から犠牲になる運命だったのか、オイタをしたからああいう事になってしまったのか、見てても何か良く判らない。
地元の大切な祭りにヨソ者が入り込んで優勝してしまうという図々しさ、あれだけ友人たちから庇ってくれた恋人を簡単に裏切ってしまう薄情さ。ヒロインの自己中ぶりも何だか不快。
そもそも白夜という設定が生きていない。夜は閉め切った真っ暗な小屋で寝るので、夜寝て朝起きる普通の生活と同じ。「明るいのが怖い」ってキャッチコピー通りになってない。
結局この監督、ストーリーや演出で怖がらせるという能力が決定的に足りない。だからショッキングなシーン(自殺した妹の白目向いた正面顔や、老夫婦の顔面崩壊)でポイント稼ぎしてるだけって感じ。
次はもう観る事ないだろな・・。 番茶さん [DVD(字幕)] 6点(2021-08-13 00:21:01)(良:1票)

39.《ネタバレ》 ダニーの体型が昭和時代の女子高生っぽくてかわいらしい。あ、でもそんなことよりも、映画のメイキングを見てるとよくエンディングシーンのカット割りを先に撮ってしまってるってのをよく見かけるんですが、これの場合ってやはりあれなんでしょうか 彼氏役のクリスチャンって、やっぱ、フリチンスタイルから撮影始まったのでしょうか もしくは、クマの着ぐるみ着せられたとかろから始まったのでしょうか どちらにしても恐怖ですね はたしてどちらから撮影始まってたのでしょうか 気になるな〜 3737さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2021-08-11 22:43:24)(良:1票)

38.前作同様、短編小説ですませるぐらいの陳腐なストーリーを不必要なゴア描写で味付けただけ。主人公に感情移入しやすかったのと、村の作りこみが素晴らしかったので、少し甘めに採点しました。 代書屋さん [インターネット(字幕)] 5点(2021-06-25 00:48:27)(良:1票)

37.《ネタバレ》 R15+でもきついんじゃ、もう見とうない~。でも最後まで見てしまった、画像がきれいすぎるのに中身がぐろい。白夜のせいでもある。
いつしかこちらまでも暗示にかかったかのよう、カメラ、特殊効果で酔わせている。
アリ・アスター監督いわく「映画はダニーが家族を失ったときに始まり、ダニーが家族を獲得したときに終わります」。ラストの笑顔が薄気味悪いフローレンス・ピュー…続編があったりしないよね。
ちなみにカットされた行方不明者に関する儀式はディレクターズカットで確認できるらしい。。。 HRM36さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2021-02-27 10:04:23)(良:1票)

36.はいはい。

あなたがとても才能のある人で、みんながモヤモヤモヤモヤ感じてることをすごくうまく映像化できるということはよ~くわかったから、今度はもうちょっと役に立つもの撮ってね。 アンギラスさん [映画館(字幕)] 7点(2020-04-12 21:26:02)(良:1票)

35.《ネタバレ》 いろいろと勿体ぶってるだけでやたら冗長に感じましたね。コレが面白い感じに見えるのは、ただ単に白夜の太陽の元に美しい花々が咲き乱れた北欧で民族衣装に身を包みアーミッシュのような暮らしをしている小奇麗な白人がやっている夏至の祭りが舞台で珍しいってだけで、さんざん見飽きた系の未開の地の部族がやっているような血肉を捧げる怪しげな儀式と中身は何ら変わりないな、と。手始めに冬を迎えたジジババが飛び降りて己の命を捧げてましたが一人目が成功し現代社会から誘い出された来訪者が慄いてるトコで、二人目は臆したのか足から落ち失敗し村人が止めを刺すってのも村の異常性を強調するのに見え見えすぎた。その後の流れも「そうなるだろうな」的に思えてなんかノレませんでしたね。最後、生贄の予定だった主人公は勝ち抜いて様々なモノから解放され、憑き物が落ちたような笑顔を浮かべ異常な村で女王になっていましたが、数多く飾られた歴代女王の写真を見た感じだと次の人たち来たら終わりなんだろうなと思いました。 ロカホリさん [映画館(字幕)] 4点(2020-03-09 21:00:52)(良:1票)

34.《ネタバレ》 私の率直な本作の感想は、気味の悪いホラーを観たと言うより、とある異文化の記録映像をタップリと観せられたが、それが非常に文化的・美的で、ある種芸術的でもあった、である(その異文化の様相は、ある人には気味悪く、またある人には滑稽に、私にはあくまで「そういう世界があるんだなあ」と映った、ということだと思う)。

要点を端的に言うと、今作で描かれる映像世界が、地に足を付けたリアリティと、実存世界から離れた純粋芸術的な美しさを兼ね備える非常に優れた出来だった、ということだ。まず、村の情景や衣装等の美術、儀式の内容などは、実際にこういうコミュニティが存在している様な錯覚を覚えるほどに良く出来ていた。そして、明るく、広々として、そして地球上の実在のどんな場所より「白い」景色は実に美しかった。一番美しかったのはやはりあの崖である(その見渡す限りの白さと、弾け飛ぶ人体の赤を含めて)。

正直「観たかったのとはだいぶ違う」映画に思ったし、面白いという作品とも違うと思うのだが、特に映像面の出来の良さが非常に鮮烈に感じられた。そこに1点を加点して、この評価としたい。 Yuki2Invyさん [映画館(字幕)] 7点(2020-02-26 00:09:57)(良:1票)

33.《ネタバレ》 ディレクターズカット版で鑑賞

もう少し時代設定古くした方が説得力あって良かったと思う。今の時代まで外部からこんな雑に人呼び込んで知られずにいるのはちょっと無理がある。エログロだよりであんまりリアリティも無いので怖さもイマイチ。この監督の前作もイマイチあわなかったから相性悪いみたいです。ただ序盤のメンヘラダニーと他のメンツとのやり取りはちょっと面白かった。 映画大好きっ子さん [インターネット(字幕)] 5点(2024-01-27 22:30:35)

32.《ネタバレ》 観る者を不快な気持ちにさせたくてしょうがないことで有名なアリアスターさん。今回は芸術面で好き勝手やってます。なぜ背中を開いた人を鶏小屋に吊るす必要があるのか。なぜ生贄を熊に詰めるのか。なぜギャラリーがみんな裸なのか。なぜ足だけ植えるのか。観ていて感じる「なぜそんなことを」という疑問をすべて宗教上の理由で片づけてとにかくインパクトのある絵面を優先。最後の10分くらいで堰を切ったようにその芸術性を解放させてるのはヘレディタリーと同じですね。ヘレディタリーでの死体放置シーンに匹敵するような、心理描写で観る者を刺しにかかってくる表現がなかったのがちょっと物足りなかったところです。しいて言えば浮気したせいで生贄に選ばれる展開がアイロニカル。芸術性の高い作品なのにオチは理屈っぽいんですね、と思ったんですけど、ヘレディタリーも各所に伏線を散りばめてあって、アリアスターってストーリーは意外と理屈を通すタイプなのかなと。 Jar_harmonyさん [インターネット(字幕)] 5点(2023-12-31 15:06:22)

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マーク説明
★《新規》★:2日以内に新規投稿
《新規》:7日以内に新規投稿
★《更新》★:2日以内に更新
《更新》:7日以内に更新

【点数情報】

Review人数 51人
平均点数 5.78点
011.96% line
111.96% line
211.96% line
335.88% line
447.84% line
51019.61% line
61019.61% line
71529.41% line
835.88% line
923.92% line
1011.96% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 7.66点 Review3人
2 ストーリー評価 6.33点 Review3人
3 鑑賞後の後味 7.66点 Review3人
4 音楽評価 8.00点 Review3人
5 感泣評価 6.00点 Review2人

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