みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
3.《ネタバレ》 常々「ファンタジーとは哲学である」と思っているが、これには度肝を抜かれた。ピーターパンといえば小さい頃に子供向けに編集されたものを読んだのと、アニメ劇場(ハ●スだったっけ?)で見ただけで、舞台も見たことがないし、一般のノベライズも読んだことがなかった。だがまさか、あのピーターパンがこんなにもバリバリの哲学ファンタジーだったとは!(原作にかなり忠実と言われているくらいだから原作もこうなんだと思う・・・) 腐るほどの財宝を持つが孤独なフックと、裕福とは言えないが家族に囲まれるウェンディの父(キャストは必ず同じでなければならないらしい)という大人ふたり。永遠に子供のピーターと、時計(=時間=死?)に追われ続けるフック。ピーター(子供)とフック(大人)の間で揺れ動くウェンディの心と行動。それから「大人になったウェンディの横にいるのはお前でなく”夫”だ!」というフックの突き刺さるような台詞。すげぇですよ。これが原作通りであるなら原作の質の高さも窺い知れるというものだが、それをファンタジックさを壊さずに無理なく映像化できたんだからこの映画化の意味は大きかったと思う。もっとも、エンターテイメント性よりは哲学を優先した気がしないでもないけど。 そんなわけだから、当然ながら子供向けとは断じて受け取れなかった。冒険活劇の要素は少ないから、子供が観てもあんまり楽しくないと思うし。それくらい哲学ですよこの話。 でもこの作品がピンポイントに心に来るのは、もしかしたら人生のある一定の期間だけなのかもしれないとも思う。そのピンポイント期間に観られたのは幸運だったかも自分。 【通りすがりのクラゲ】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-04-29 00:22:16)(良:1票) 2.子供の頃、家にはディズニー映画「ピーター・パン」をダビングしたビデオテープがあり、僕と妹はそれを本当に言葉どおり繰り返し繰り返し観たものだった。今考えると、それは僕にとっての一番最初の映画体験であり、映画に対するすべての基盤かもしれない。それから20年後、新たに僕の前に現われた「ピーター・パン」は、再度素晴らしい映画体験をさせてくれた。僕にとっての永遠のおとぎ話の実写化には、いささかの抵抗があったことは否めない。しかしそんな不安は見事に打ち消された。“完璧ではない”映像世界は、まさにおとぎ話にふさわしく、とても居心地が良かった。 僕はもうとっくに子供ではなくなり、自分でも気づかないうちに大人になってしまった。ふとそのことに気付くと、なんだかとても寂しい。だからせめて、「ピーター・パン」を観るときだけは、遥か遠い純粋さを取り戻そうと思う。 【鉄腕麗人】さん [DVD(字幕)] 8点(2004-09-19 04:02:37)(良:1票) 1.この手の映画にあれこれ理屈をコネるなど、野暮って言われそうなんで、代わりに「10点」満点を献上して、ぼくがこの映画から受けた感銘に応えたいと思います。何なら、「今年のベスト作品(のひとつ)」と言い切ってもいい。ビジュアル面では明らかにディズニーのアニメ作品に追従しているかもしれないけれど、この映画には、いかにもディズニー的な「アメリカン・」ヒーロー然としたピーターはいない。永遠に「子どものまま」でいるとは、「時のとまった者」のことであり、それは「死んだ者」のことだ。そして、ネバーランドとはまさしく「黄泉の国」にほかならない…という、深い、深い、深い悲哀の感情と感傷こそを、ぼくは本作から受けとめる。そう、12歳で死んだ子どもは、永遠に12歳のまま彼を知る者の心の中で“生き”続ける。それが、ピーター・パンだ。その透明な孤独を、純粋な哀しみを、それゆえの愛しさを、ぼくはこの映画とともに共有し、慈しみたいと思う。…ピーター・パンが「死んだ子ども」だって? そんなこと原作にだってどこにも書いていないじゃないか! とおっしゃるだろうか。あまりにも強引なこじつけだと。…ならば、こう言い直させていただこう。この、一見するとただ可愛らしいファンタジーには、少なくともそういった、見る者の感情を揺さぶり、内省へと導き、切ないまでの感動で打ちのめすエモーションが満ち満ちていると。美しい、本当に、心から美しい映画だ。(…理屈はコネないと言いながら、長々とスミマセン。) 【やましんの巻】さん 10点(2004-05-06 17:38:55)(良:1票)
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