みんなのシネマレビュー

火星人地球大襲撃

QUATERMASS AND THE PIT
(Five Million Years to Earth)
1967年【英】 上映時間:98分
SFシリーズものTVの映画化
[カセイジンチキュウダイシュウゲキ]
新規登録(2005-03-17)【なにわ君】さん

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監督ロイ・ウォード・ベイカー
キャストアンドリュー・キア(男優)バーナード・クオーターマス教授
ジェームズ・ドナルド〔1917生〕(男優)ロニ―博士
バーバラ・シェリー(女優)バーバラ・ジャッド
原作ナイジェル・ニール(原案)
脚本ナイジェル・ニール
撮影アーサー・グラント
製作アンソニー・ネルソン=キーズ
ハマーフィルム・プロダクション
特撮レス・ボウイ
美術バーナード・ロビンソン
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【クチコミ・感想】

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4.《ネタバレ》 「原子人間」(1955)、「宇宙からの侵略生物」(1957)に続く、いわゆる“クォーターマス・シリーズ”の劇場版第3作である。前回から間が空いてしまったために今回はブライアン・ドンレヴィ氏が出ておらず、そのせいもあってかクエイタマス(クウェイタマス)教授がわりと普通の人のように見える。しかし原作・脚本は同じ人物であり、このシリーズらしい硬派でミステリー風の雰囲気は出ているものと思われる。

今回は邦題のとおり火星人の侵略を扱っているが、500万年前という設定のためそれほど荒唐無稽な印象はない。地質年代の過去を語る一方で歴史時代の記録も紐解く形にし、単なる大風呂敷でない堅実なスケール感を出している。人類の起源に関する説明の部分は普通にSF風だが、科学者は超常現象を信じないという割に透視力・念力・悪魔・ポルターガイスト・神話・呪術・魔女まで科学の領域に取り込もうとしていたのが貪欲な感じで、こういうところが主人公らしさということかも知れない。
しかし火星人の意図が何だったのかは正直よくわからなかった。自分らの品種改良の手法(優生学を背景にした民族浄化?)を地球生物にも適用して都合のいい種族を作ろうとしていたのかも知れないが、それが火星人にとってどういう役に立つのかがわからない。教授も人間なので徐々に考えを深めていく過程だったのだろうが、結局最後まで説明不足に終わっていた気もする。
また特殊撮影は明らかに貧弱だが、終盤で光る像が窓から見えているあたりは逃げ場がない感じで少し怖かった。ラストは物悲しい音楽が余韻を残す終幕だったが、これはもしかすると生涯の盟友になるかも知れなかった理解者を失った悲しみということかも知れない。全体としては力の入ったTVドラマという程度にも見えるが、こういう実直な作りのものは嫌いでない。

ちなみに問題のホッブズ通りというのが一体どの時代まで遡れるのかと思いながら見ていたが(東京なら江戸時代よりも前に遡れない)、1763年はともかく1341年の段階でも「ホッブズ通り」という言葉が出ており、その時代からすでに都市街路として存在していたことになっていた。ローマ時代の伝承も残っていたようで、最初からローマ都市ロンディニウムの城壁内だったのかも知れない。教授によれば「あの一帯は沼だった」とのことだが、そもそもロンディニウムという都市名自体が沼地に由来しているとのことである。 かっぱ堰さん [DVD(字幕)] 6点(2016-09-17 19:59:42)

3.これは邦題に引っかかったなぁ(苦笑)

なかなかコアなお話しで、クリーチャーに期待した私はちょっと拍子抜け。

見方を変えれば、壮大なお話だとも言えます。

この作品が分かるには、まだまだ修行が足りない私と反省いたしました。

たんぽぽさん [DVD(字幕)] 3点(2009-06-12 22:45:04)

2.ちょっと期待しすぎてもた。古い映画やなってのを思い知らされた感じやねん。最後の宇宙人大暴れまでなんかダラダラしてて今一つ映画にのめりこめんかった。これは俺が悪いんかな。期待しすぎた俺が悪いんかな。ごめん。最後の宇宙人が町を襲う特撮も、なんかコジンマリした感じで、イマイチ臨場感がないってゆーか。この映画、一般的にはどーなんやろ?おもろい方なんやろか?おもしろいとゆう人のレビューも読んでみたいです。<追記>なるほど~。やましん様の熱意ある文にほだされまた観たくなってきましたよ。観たのは一年ほど前なんですけどね。また違った角度から観れて今度はもっとおもしろいかもしれません。
なにわ君さん 3点(2005-03-24 00:29:10)

1.《ネタバレ》 【なにわ君】さん、ぼくはかなり以前に見たっきりですけど、この映画が大好きなんです! 地下鉄工事現場で謎の宇宙船が発見され、触れた者は奇怪な幻覚に錯乱状態になるという序盤から、何となく『ミミック』を想わせるサスペンスフルな趣にもうワクワク・ドキドキ。やがてその幻覚が火星人の「思念パワー」によるもので、宇宙船の中から巨大な昆虫型の火星人の死骸が現れ、博士が火星での「最終戦争」のカタストロフィを“幻視”するあたり、「ああ、エメリッヒの『インデペンデンス・デイ』でもこの設定を頂戴していたっけ」と、もう完全にストーリーに没入。そして火星人の思念パワーが全開となり、ロンドンの街に邪悪なエネルギーが実体化して人々を狂乱させるクライマックスは、トビー・フーパーの『スペース・バンパイア』と同じじゃん! と大興奮でありました。何より、あのゆらゆらとそびえるエネルギーの塊の、実に「悪魔」的な視覚イメージの卓抜さ!

そう、このたいして予算もかかっていそうにないSFスリラーは、前述の通り、その後に作られた数々の大作映画の「原典(オリジン)」として、未だその魅力を喪っていないとぼくは思っています。いわゆる「侵略ものSF」でありながら、エイリアンを未知の怪物とせず、“攻撃本能”と“憎悪”の感情の増幅されたもの、とするあたり、これがまぎれもないH・G・ウェルズの『宇宙戦争』の、巧妙な翻案であることを証明するものでありましょう。そしてウェルズの小説が、戦争と破壊の「黙示録的世紀」だった20世紀への予言と警鐘として読み得るように、この映画もまた、ひとつの「アポカリプス」の現前化として創られていることを、ぼくは信じて疑いません。

…クライマックスで、あの巨大なエネルギーの塊を「アース線」の原理で“消滅”させるあたりも、戦いの神「マルス(=火星)」に対する地球(=アース)の勝利を謳う《寓話》としてお見事! 怪奇ゲテモノ映画専門のハマー・フィルム製作であるこの作品、なかなかどうしてスミに置けない小さな大傑作だと思いますですよ。 やましんの巻さん 8点(2005-03-23 18:52:34)(良:1票)

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【点数情報】

Review人数 4人
平均点数 5.00点
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6125.00% line
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