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バルタザールどこへ行く

Balthazar
(Au hasard Balthazar)
1964年【仏・スウェーデン】 上映時間:96分
ドラマモノクロ映画
[バルタザールドコヘイク]
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2008-10-27)【にじばぶ】さん


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監督ロベール・ブレッソン
助監督クロード・ミレール
キャストアンヌ・ヴィアゼムスキー(女優)マリー
脚本ロベール・ブレッソン
音楽ジャン・ウィエネル
撮影ギスラン・クロケー
製作マグ・ボダール
配給ATG
フランス映画社(リバイバル)
美術ピエール・シャルボニエ
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【クチコミ・感想】

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1


18.《ネタバレ》 冒頭、家族の死が描かれる。
マリーは、死の匂いのする少女。
ロバのバルタザールをかわいがるのだが、
彼女が堕ちていくのを、バルタザールは何もできない。
ただ大きな黒い瞳で、人間界の様子を黙って見ている。

マリーの周辺のチンピラが容赦ない。
聖歌隊の青年が救いであったのだが、ラストは無残。

だが、心にすごく突き刺さる映画だった。 トントさん [DVD(字幕)] 10点(2023-09-18 12:22:06)

17.《ネタバレ》 これほどまでに美しいモノクロ映像は滅多に出会えない。
1960年代だからこその完成されたモノクロ映像と自然な美しさ。
そしてそういった技術的な意味だけでなく、本作の寓話的でどこか現世離れした雰囲気が、本作をより一層、神秘的な美しさへと押し上げている。

主演の女優は当時17歳であったらしいが、単なる美人ということではなく、儚げで世を憂うような不思議な魅力を発揮している。
薄幸の美人、いや、少女というか感じだろうか。

カメラは執拗なまでに少女のスラリとした脚を映し出す。
これが何ともエロティック。
そんな映像を見せ付けられていると、見てはいけないものをじっと見せられている感じがしてきて、なんか気まずくなってくる。
しかし、じっと見てしまう。
眼が釘付けになる。
画面いっぱいに発散される厳粛な雰囲気、そして、少女の危うい魅力。
ブレッソンのカトリック的な表現手腕が遺憾なく発揮されている。

少女の可愛がるロバも、また印象的。
特に最後の息を引き取るシーン。
なんとも切ない。
涙が出そうだ。

欧州独特の優美な雰囲気が画面に現れ、そこにカトリック的な厳粛さと悲劇、人間が持つ残忍性、そして何より少女の肢体が放つ自然の美たるものが複雑に絡み合い、本作を奏で上げている。
本作はそういう意味で、完成された総合芸術品だといえるだろう。

とにかく何度も観てみたいと思わせる、息をのむ美しさを持つ作品である。 にじばぶさん [DVD(字幕)] 9点(2022-12-15 20:39:06)(良:1票)

16.《ネタバレ》 お気楽なハッピーエンドの感動押し付けハリウッド映画とは対極にあるような映画。
少女マリーもロバも幸薄くて救いのない話。
マリーは目を惹く美少女なのだが、その言動が好きになれない。
悪の象徴のようなジェラールにホイホイ付いていくなど、まったく共感できない。

ストーリーは省略が多くて話が飛ぶ。
行間を読ませる作りなのはわかるが、説明しすぎるのもウザイけれどこれだけ省略されると不親切に感じられる。
芸術ぶったスノッブなところがチラリと見え隠れして好きじゃない。
観念的というか哲学的で宗教的、また、寓意、メタファーも散りばめられているようで、こういうのは苦手。

ド素人みたいな演技だなと呆れていたら、本当に素人を俳優として使っていた。
監督の意図は芝居臭さを嫌ったからだろうが、臭すぎるのも嫌だがここまで棒なのもどうか。
特にロバを皆で殴るシーンは学芸会のようだった。
全編を通してロバが一番自然な良い演技に見えた。 飛鳥さん [DVD(字幕)] 2点(2018-12-26 22:34:32)

15.バルタザールではなく、この映画はどこへ行くんだ? と思うような内容。とりあえず人間関係も不明瞭で、たいした説明もないためか、根本的に理解できませんでした。「芸術ぶりっこ映画」という感じ? アングロファイルさん [CS・衛星(字幕)] 4点(2018-09-30 16:08:32)

14.人間の本性を追い求めているのかもしれないですが随分独善的で偏っていませんか?こんな人たちもなかにはいるんでしょうけど、思わず「違うだろ」って言いたくなるような映画でした。 ProPaceさん [CS・衛星(字幕)] 2点(2018-04-01 08:19:42)

13.《ネタバレ》 ものすごく淡々とした演出が印象的だった。
肩を出したマリーはとても色っぽかった。
バルタザールの最期は、、、とても可哀想だった。 あろえりーなさん [CS・衛星(字幕)] 6点(2018-01-30 18:42:53)

12.何が怖いって、肝心のロバが、走るとか顔を向けるとかとにかく何かするとか、リアクションらしいリアクションを何もしないのですよ。常にただそこに「いる」だけ。だからこそ醸し出される怖さ。そのインパクトは大でしたが、一方、話の内容の方は、やはり観念的で散漫になってしまいました。あと、それとは別に、邦題は秀逸です。 Oliasさん [CS・衛星(字幕)] 5点(2018-01-26 23:43:47)

11.おそらくキリスト教に通じていないと十分に理解できないであろう作品である。
バルタザールを愛しく思うほどに、バルタザール目線で感情を考えてしまう。感情を露わさないロバ故に面白味がある。
しかし、作品全体で考えると面白くない。ただただ空しさが残るだけ。加えて、幼少期に持っていたロバの大きいぬいぐるみを捨てたことを後悔した。もっと早く見ていればあのロバの運命も変わっていたかもと思うと、さらに空しくなった。 さわきさん [CS・衛星(字幕)] 5点(2018-01-23 15:01:28)

10.《ネタバレ》 「少女ムシェット」以上に残酷な映画だ。
ロバのバルタザールは、美しい野原の光景と共にやって来る。
マリーやジャックに可愛がられたバルタザールは、不幸が重なって別れてしまう。
再会したバルタザールは、美しく成長したマリーに“惚れて”しまう。
だが、同じくマリーに好意を見せる不良のジェラールに“嫉妬”されてしまう。
マリーがジェラールに襲われる場面で、バルタザールは虚ろな瞳で傍観するしかなかった。痛めつけられるバルタザールの無力さ。バルタザールは、黙って見守るしかない我々観客でもある。
マリーは何処に行ってしまったのか。バルタザールの瞳は、彼女の行方を知ってか知らずか、ただただ虚空を見つめるのみ。
とても悲しい映画だが、悲惨さを優しく包み込む美しい原風景には癒される。 すかあふえいすさん [DVD(字幕)] 9点(2015-01-02 23:29:49)

9.ラスト、羊の群れがやってきてバルタザールを囲んだあたりで泣けてしまった。今まで荷や水を汲み上げる装置やらに常に囚われ囲われ包み込まれていたロバが、ここで初めて柔らかな羊の毛に包まれる。囚われでなく保護されるように。そして本当の最後、バルタザールの死骸がごろっと転がっているカットになる。キリスト教的には、天上の祝福に対する地上のむくろ、ってことなんだろうが、自由と孤独が壮絶に一体になったようにも見える。ずっと自由を希求していたロバが、孤独によってそれを得た、って。全編を貫いていた「生きることの苛酷さ」がここで救われた、というのとも違う、ある種の納得というか、心構えというか、一つ高い認識に至った気がする。監督のスタイルが一番素直に感銘に至った作品でした。 なんのかんのさん [映画館(字幕)] 9点(2013-01-06 10:11:56)

8.《ネタバレ》 ブレッソンの映画は、映像が身体に染み入るように流れてくる。それはカットのリズムと劇的さの排除によるところが大きい。この「バルタザールどこへ行く」においてもその二つの要素がもちろん基底にはあるが徹底はされてない印象だ。素晴らしくリズミカルなシークエンスもあれば、もたついた鈍い足取りの場面もある。乾いた物音だけが響く心地よい静寂もあれば、べとつくように甘いシューベルトの音楽が流れもする。しかし驚くほどに高精細なモノクロ画面や、光量の高い画面作りなどブレッソン映画のなかでも特筆すべき点もある。高精細なのにどこか靄がかかったように幻想的な画面なのだ。特にヴィアゼムスキー演じるマリーの横顔を捉えた素晴らしく美しいショットには眼が釘付けになった。このショットはストローブ=ユイレの絵作りにも影響を与えたのではないか、とひそかに推測している。 吉田善作さん [DVD(字幕)] 6点(2012-12-26 23:02:07)

7.面白いかどうかという問題ではなく、全く意味がわからない。
どうして、こんなに点数が高いのだろう?
主人公が全編通して出てこないのだから、どうしたって理解しづらい。
他の登場人物の行く末も全く描かれてないし。
私以外に7名が高評価を出しているが、これから先、多くの人が観賞したら点数は変わっていくと思う。
そういう意味で是非観賞してもらいたい作品だ。 クロエさん [DVD(字幕)] 1点(2010-02-07 22:02:49)

6.ロバの憂いをおびた瞳が印象的。もちろんロバが演技をしているのではなくそう見えるようにしているのだ。これが演出というもの。ロバの歩く足元のアップが映される。道を変え、速度を変え、足が太くなり、、と次々とロバの歩く足元のアップが映される。冒頭シーンから数年後に舞台が移ったこととその数年の時間の重さを言葉以上に知らしめる。プロの俳優を嫌うブレッソンの映画をきっかけにこの世界に入った女優の一人で、後にゴダールのミューズとなるアンヌ・ヴィアゼムスキーの初々しさと初々しいからこそのエロスが淡々とした画面に潤いを与え、また全裸に剥かれた姿がいっそう痛々しく映される。と、ここまでは絶賛。例えばロバをこき使うという行動、女を手篭めにするという行動、金を盗むという行動こそを映像に置き換えるのがブレッソンの映画であって物語を映像に置き換えるものではないというのはよく解かるが、その物語がシンプルならそれでもいいのだが、これはちょっと散漫にすぎないか。よくわからない箇所がちらほらとあって困った。もちろん私の理解力にも問題があるのだろうが。父親の訴訟のいざこざも3度見てやっと(それでも漠然と)わかった。人殺し呼ばわりされてた酔っ払いのおっさんはいまだによくわからん。 R&Aさん [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-05-20 17:56:52)

5.《ネタバレ》 人間の「罪」を見つめながら最後は羊の群れの中で生涯を閉じるロバの姿に、殉教したキリストの姿が重なり静かな感動を覚える。人間と言うものは元来「性悪説」的な生き物だけど、だからこそその中で行う「善意」の行動に胸打たれるのだ、と思う。このロバもそんな愚かしい人の行動を見据えつつ、その罪を背負い人間の持つ「愛」(としか説明できん)の可能性に殉じたのではないか、という感想をもちました。ただこの映画、非常に厳しい。またキリスト教徒でない私には本当の意味をわかってないかもしれません。よってこの点数。 Nbu2さん [映画館(字幕)] 9点(2008-08-15 15:07:59)(良:1票)

4.《ネタバレ》 ロバの視点から、次々と現れては消えていく人間たちの愚かさや残酷さを描いています。己の欲望が満たされることばかり考える人間たちは、何も言わないロバを甚振り、いいように扱います。その姿を見ていると、腹立たしくなり、自分自身も同じ人間かと思うと、悔しくなります。ロバの目は、どんなに酷い扱いをされようとも無表情で変わりなく人間たちを見つめます。どことなく人間を哀れむようにも見え、また罪深き人間たちを赦しているかのようにも見えます。どうとも取れるロバの眼差しに、様々な考えがよぎりました。悲しいのだろうか。苦しいのだろうか。あるいは憎いのだろうか。言葉にすることなどできないロバの感情を、ある意味描いている作品。人間は人間でしかないが、あのロバの眼差しを見ると、そこにいるのは宗教的な赦しにも思えてくる。とにかく、凄い作品。 ボビーさん [ビデオ(字幕)] 9点(2008-08-13 18:39:22)(良:1票)

3.ブレッソンの映画は、20年以上前に何本か見たけど、若かった
せいか、素人の演技とテンポの遅さが気になって、楽しめなかった
(勿論、楽しい映画じゃないけど) DVDで久々に彼の映画を見て、なんというか凄いですね。感動とかではなく、信仰してしまいそう、聖なるバルタザールを。でもどっかで、電波少年のロシナンテの姿がダブリます。 take2003さん 9点(2003-10-12 10:58:17)

2.うーん。シューベルトの引用といい、どうも感傷的すぎるような・・・。この曲を聴くと何とも気が滅入ってくるのですが、どうやら、この映画がトラウマになってるらしい!でも真に強い感銘を呼び起こすには、もう少し何がしかのバランス感覚があっていいと思うのですが。光あっての陰、希望あっての絶望、ではないでしょうか。 鱗歌さん 6点(2003-06-07 01:07:52)

1.乾いてると思えるほど何の感情も感じさせない淡々とした撮影が、最後に捉えたロバ(僕の事ではありません)のバルタザールの瞳をとても情感深く映していたように思えたとき、清々しいほどの突き抜けた虚無感を感じました。功罪や愛憎なんてものですら、人間のちんけな部分のエゴにすぎないのかもしれません。観終わった後しばらくは爽やかに鬱生活を送れる方が多いと思います。 ロバちゃんさん 8点(2002-10-16 21:11:33)(良:1票)

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マーク説明
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《更新》:7日以内に更新

【点数情報】

Review人数 18人
平均点数 6.39点
000.00% line
115.56% line
2211.11% line
300.00% line
415.56% line
5211.11% line
6422.22% line
700.00% line
815.56% line
9633.33% line
1015.56% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 6.00点 Review2人
2 ストーリー評価 5.50点 Review2人
3 鑑賞後の後味 5.50点 Review2人
4 音楽評価 5.50点 Review2人
5 感泣評価 5.50点 Review2人

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