みんなのシネマレビュー

按摩と女

1938年【日】 上映時間:66分
ドラマコメディモノクロ映画ロマンス
[アンマトオンナ]
新規登録(2005-04-01)【mhiro】さん
タイトル情報更新(2022-12-12)【イニシャルK】さん
公開開始日(1938-07-07)


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監督清水宏(監督)
キャスト高峰三枝子(女優)三沢美千穂
徳大寺伸(男優)徳市
日守新一(男優)福市
爆弾小僧(男優)研一
佐分利信(男優)大村真太郎
坂本武(男優)鯨屋主人
近衛敏明(男優)ハイキングの学生
磯野秋雄(男優)ハイキングの学生
槇芙佐子(女優)ハイキングの女
三浦光子(女優)ハイキングの女
脚本清水宏(監督)
音楽伊藤宣二
製作松竹
配給松竹
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【クチコミ・感想】

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8.《ネタバレ》 按摩を主人公にした当時としては珍しい映画。
取り敢えずクレジットの「曳かれる男」にワロタ。

ストーリーは清水宏らしく至極単純、温泉宿にマッサージを生業としてやって来る按摩、
そんな按摩と東京から来たワケ有り女性とのロマンス。
そこに絡む同じく東京からやって来た男とそれに付きそう子供。
謎めいた女性に“嗅覚”が反応し惹かれていく按摩。
同じく子供の世話を一人でするのは大変だと洩らす男。
「奥さんは?」満更でも無い表情を覗かせる女性。
根っからのお嬢様である高峰三枝子の気品と色気が良い。

「按摩が人にぶつかるなんてたりめえだろぅが!」スゲー自己中。
挙句にぶつかっといて叩きのめすって・・・按摩強えぇー。後の「座頭市」である。
ラストの馬車を見送るシーンは超名場面です。
眼の見える人間には見えず、眼の見えない男に見えるもの・・・徳大寺伸の繊細な演技が光る。
・・・で、結局宿屋ドロボーは誰だったんだよ・・・。 すかあふえいすさん [DVD(字幕)] 9点(2014-03-06 14:35:45)

7.ちょっとしたストーリーに漂う情感、これが「ありがたうさん」の清水宏監督と知ってすごく納得。ある意味おもしろさではこっちが上かもしれない。目が見える者を追い越したり喧嘩にも負けない。特に8人半にはまいった。それでいて目の見えないハンディをユーモアたっぷりに表現する。漫才のような掛け合いで始まった映画が、実にしっとりした印象的シーンで終わる。 ESPERANZAさん [DVD(邦画)] 8点(2013-10-18 09:44:28)

6.《ネタバレ》 もう清水宏にぞっこん。この頃って、テレビがない頃だったから、こういう軽い気分で映画を観に行く文化ってあったんだろうな、そしてそういう気分にすっと入ってくる映画が多かったんだろうな、と思う。そういう意味で清水宏の世界は実にらく~に観られて、くすっと笑えて、ちょっと寂しい気分になれる。いつから映画が堅苦しくなったんだろう・・ トントさん [DVD(邦画)] 7点(2013-04-11 09:18:12)

5.ドラマの仕上がりとして、素晴らしいものになっていると思う。
撮り方も丁寧だし、各々の登場人物に愛着をもつことのできる好映画でした。
ただ、内容としては映画なんだけど映画には至らないような。
つまり、シナリオ6点、撮り方9点というような塩梅かなあと。
あと30分ぐらい分の内容があればなあと惜しい気持で一杯です。
タックスマン4さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2009-09-11 17:42:52)

4.《ネタバレ》 清水宏監督作品としては『有りがたうさん』を更に超える素晴らしさ。
温泉宿の旅情、高峰三枝子の妖艶たる美しさ、盲目の人に対する等身大の表現、日本映画的な素朴さ、その全てが実に良い。

これだけのものを1時間という短い尺の中で表現できるのが凄い。
ムダに長い映画はこの作品を見習うべきだ。

按摩の高峰三枝子に対する恋心。
これが痛いくらいに伝わってくる。
盲目というハンディキャップは間違いなくそこに存在する。
それをあるがままに描いた本作は、1930年代という時代だからこその成せる業であり、そういう意味でも貴重な作品である。
本作の様に、盲目の人のハンディキャップをあるがままに描いたら、現代では間違いなくバッシングされるだろう。
現代とは、いかに息苦しく、そして制約が多く、つまらない世の中だろうか。
綺麗ごとや、決まりきった常識やらが偉そうに闊歩する現代において、更に輝きを増す作品なのではないだろうか。 にじばぶさん [DVD(邦画)] 7点(2009-08-02 21:20:51)

3.《ネタバレ》 日本人にとっての温泉、日本人が最も安らぎを感じる場所、旅先が温泉ではないでしょうか?そんな温泉という場所で起きる謎の事件、謎の女と按摩さんとの物語だが、ストーリーそのものよりもまずはどこを見ても正しくこれが日本だと言わんばかりの風情を感じる映像美とカメラワーク、とても70年以上も昔の映画とは思えないほどの新鮮さを感じることが出来る。冒頭の按摩さん二人がとことこと山道を歩いてる場面、二人の按摩さんを追い越す馬車の中から現れる謎の女高峰三枝子との最初のすれ違うシーンでの緊張感、一つ一つのシーンに何だか不思議なほどの緊張感と味わいを感じるのは何故だろう?やはり謎の女を演じているのが高峰三枝子だからか?私にとって高峰三枝子と言えば「犬神家の一族」の松子夫人である。だから高峰三枝子がそこにいるだけで只ならぬ緊張感、不安、恐ろしさ、これから何かとんでもない事件が起こるのではと思ってしまうのだ。この映画の凄い所は主人公が按摩であるという所である。つまり眼の前に現れた女の素顔が見ることが出来ない。想像するしかないのである。想像すればする程、女の正体、素顔が知りたいと願う按摩の気持ち、揺れ動く心というものを見事に捕らえている。ラストの高峰三枝子の謎の女が去っていく場面のあの川の道を映した時の映像なんて正にそこに日本の良き姿を覚え、この映画を言葉で表すとしたら「音と匂い」の映画である。息を飲むほどの全編オールロケによる撮影とそして、何よりも謎の女を演じて見せた高峰三枝子の美しさに眼を奪われる。作品の雰囲気などは正しく小津映画を思わせるような味わい深さたっぷりの素晴らしさ、清水宏というこの監督さん「有りがたうさん」で初めて知ったけど、特別凄い映像なんてなくてもうるさい音楽など流さなくても役者に大げさな演技、台詞を言わせなくても伝わるということをしっかりと心得ている監督さんだ!これまた間違いなく傑作! 青観さん [DVD(邦画)] 9点(2009-02-22 21:46:37)(良:1票)

2.温泉宿というのは湯上りの艶かしさから「男」と「女」の危うい関係を湯煙の向こうに垣間見せ、フィルムに湿った情感を貼り付けます。清水宏さんは、後年にも温泉宿を舞台に『簪(かんざし)』を撮ったり、温泉情緒が好きだったようですね。さてこの作品ですが、按摩さんを主人公に「目が見えない」ことを語るのは、今の世俗の価値観ではまぁ考えられません。『菊次郎の夏』でたけしが杖を振り回すような意味(ギャグ)を持つのではなく、ここでは按摩さんが実にのびのびと自然に杖を振り回し、そこには意味がないのです。「目が見えない」按摩さんが普通にいるのです。その按摩の前に登場するのが、高峰三枝子。そこにいるだけで「女」を意識させますな~、あの和服、傘。そして子ども。男女の機微に盲目な子どもの自然な振る舞いと台詞が「男」と「女」をさらに意識させます。目が見えないから心の目で真実が見えるといった常識に落ち着かず、ラストの雨。温泉場の湿った情感に、さらに潤いと艶を与えるこの雨のラストに「男」と「女」、そして清水宏を感じるのです。 彦馬さん [ビデオ(字幕)] 9点(2005-11-09 17:15:48)

1.山道を歩く二人の奇妙なさま。やがて彼らが盲目であるということがわかるのだが、なんというか、自分はそのことに奇妙さを感じたのではなくて、ハンディを持つ彼らに対してこの映画は何の気も使わずに奔放に振舞わせていることに、それを感じ取った。平等という言葉を履き違え、均一であろうとすることを良しとする世の中でこそ生じる、あの吐き気を催す差別がここにはまったくない。この映画には「いき」を感じる。それはもちろん高峰美枝子が匂わす媚態にも。66分で終わってしまうには、あまりにも惜しい。でも「結局何も起こらなかった」美しい雨のラストに何度も立ち寄りたくなることは間違いない。 Qfwfqさん [映画館(字幕)] 10点(2005-09-13 01:28:57)(良:2票)

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【点数情報】

Review人数 8人
平均点数 8.12点
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300.00% line
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500.00% line
6112.50% line
7225.00% line
8112.50% line
9337.50% line
10112.50% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 10.00点 Review1人
2 ストーリー評価 9.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 10.00点 Review1人
4 音楽評価 10.00点 Review1人
5 感泣評価 10.00点 Review1人

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