みんなのシネマレビュー

セブンス・コンチネント

The Seventh Continent
(Der Siebente Kontinent)
1989年【オーストリア】 上映時間:104分
ドラマ
[セブンスコンチネント]
新規登録(2006-08-01)【エスねこ】さん
タイトル情報更新(2010-09-21)【マーク・ハント】さん


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監督ミヒャエル・ハネケ
キャストゲオルク・フリードリヒ(男優)
脚本ミヒャエル・ハネケ
製作ファイト・ハイドゥシュカ
あらすじ
パパとママ、そして娘。3人の家族が、オーストリアの市街で暮らしていた。我々観客と同じようなごく普通の家に住んで、ごく普通に車でドライブし、ごく普通にスーパーで買い物する一家だ。だがある年、一家は海外旅行を計画した。いや、旅行というよりは移住。預金を全て引き出し、身の回りのものを処分し…オーストリアで起こった不可解な実話を、自然主義的な手法で再現した「ハネケ監督の原点」とも言える衝撃作。

エスねこ】さん(2009-05-01)
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【クチコミ・感想】

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10.《ネタバレ》 ◆20年以上前の作品なのにも関わらず、全く色褪せない。今でこそ実感する文明社会の病理を題材にしたハネケの先見性には驚かされる。今と比べればまだ荒削りではあるが、既にスタイルが確立しており、実験的で挑発的だ。何せ冒頭10分まで家族の顔を一切見せないのだから。この地点で閉塞的でモノに支配されている家族の肖像が浮かび上がる。繋ぎ目に挟み込まれる居心地の悪い黒い間、効果的に登場する数字(=規則性の暗喩か)、モノや人付き合いのしがらみから解放されたい家族の渇望を表しているようだ。◆そして家族は決行する。顔を映さないまま、家具やレコードや衣服を黙々と破壊していく。紙幣を便器に捨てるシーンからしても我々が如何にモノに支配されているか分かるもの。虚栄とモノに満ち溢れた世界を破壊する背信的なカタルシスがここにある。水槽を破壊して娘が悲しんでいるところでハッとしていれば、まだやり直しができたはず。もう後戻りは出来ない。◆何も映らないテレビの砂嵐の先にあるのは、黄泉の世界なのか、"無"なのかは誰も分からない。自殺するだけならまだしもモノを破壊する理由も誰も分からない。文明社会は本当に人々を豊かにさせたのか? それでも虚無感を抱えながら、社会を維持し続けるために"奴隷"を演じ続けるしかないのだろう。 Cinecdockeさん [DVD(字幕)] 7点(2015-05-05 21:37:31)

9. 何かが始まっているというのは途中からわかったのですが、それまでが長い長い。この映画って、そんなに長く日常をぶつ切りに映す必要があったのでしょうか。ストーリーも何もない日常を1時間近くも見せられては、思考がストップしてしまって、ラスト30分の衝撃も台無しです。(疲労のせいで感覚が鈍化してしまって・・・)
 実話だからこそ、見せ方が大事だと思います。
 眠気と本気で戦って、こんなに疲労困憊するとは・・・ たきたてさん [DVD(字幕)] 0点(2012-05-03 04:13:39)

8.《ネタバレ》 私はつくづくマゾだ。ハネケ監督の作品は観たくなる。鑑賞後の心のざわつき、何ともいえない不安感は観る前から確実に分かっているのに、観てしまう。そして案の定、それらにじわじわ苦しめられる。圧倒的ではない。緩やかに、穏やかに、真綿で首を絞められるというのはこんな感じか。本当に、凄い。往々にして、ある監督の一番有名な作品は、その監督のカラーが色濃く出ていないことが多いように思う。ハネケ作を全部観ていない私の感覚だが、「ファニーゲーム」のように、分かりやすく不快感を提示する映画は、監督らしくない気がする。この映画は、身も蓋もない表現をすれば単なる一家心中の話である。だが、それだけではない何かを観客は確実に受け取っている。どこにでもあるからこそ、分からなくもない。分からなくもないから、怖い。誰にでもある「日常」から、破滅が生まれるということだから。そして、このタイトル。破滅は希望なのか、始まりなのか。いや、そんな筈はない。だから、哀しい。虚しい。ハネケ監督の作品はなかなかお目にかからないが、機会があれば全部観たいと思う。でも、他の作品を観れば観るほど、多分、この「セブンス・コンチネント」こそが、ハネケ映画なんだ、という思いが強まっていくような気がする。 よーちーさん [DVD(字幕)] 8点(2010-06-15 10:41:04)(良:1票)

7.幕間(と言っていいのかな)の3秒ほどの真っ黒な画面が、見ている者を不安にさせる。不快指数の高い映画はイロイロあるが、ハネケの作品にそれでも引力を感じるのは、やっぱり、この人は見る側を基本的に信頼しているからだと思う。材料は提示する、あとはお好きに解釈を、ということは、見る側に理解力があると信ずればこそのものなわけで。観念ゼリフの応酬だけの屁理屈映画には到底できない芸当。そして、提示してくる材料が、これまた「圧倒的」な「負のパワー」を持っているので恐れ入る。別に、負のパワーをイメージさせるものをあえて作り込んではいないのに。後半30分は精神的にかなりheavy。もちろん、一家心中に至る理由も過程も何も描かれないが、これが必然の帰結だったかのように、それまでの描写が効いて来る。ここが、やっぱりハネケの恐ろしいところだと思う。 すねこすりさん [DVD(字幕)] 7点(2009-07-14 16:29:51)(良:2票)


6.《ネタバレ》 この監督は、映像を通して我々の感情をコントロールすることを楽しんでいるのではないか・・・。そう思ってしまうくらい、心の奥底まで突き刺さってくるような映像作品です。描かれているのは、どこにでもいそうな普通の家族の「日常生活」の姿とその「日常生活」を自ら破壊していく過程であって、正直ドラマ性なんてものは無きに等しいです。

 「○○だから、こうなった」というような前提の説明が排除されているんで、この作品を理解しようとすると、その原因探しを自らの経験、知識に求める以外にないので、他人事もしくは作り話として観ることができなくなってしまうんですよね・・・・・。まあ、いろいろと考えさせられました。
TMさん [DVD(字幕)] 7点(2008-05-10 22:07:01)

5.ハリウッドでリメイクを作ろうなどとは決して思われない類いの、大衆娯楽とは無縁の作品。一般受けはしないけれど、その映画表現の強さ、問題提起の深さ、そして三島由紀夫にも通じる完成された様式美、いずれをとっても間違いなく映画史に残る傑作だと思います。私はハネケ作品を見てから、映画の持つ可能性に対する認識が大きく変わりました。 杜の都の映画好きさん [DVD(字幕)] 9点(2007-07-22 22:16:08)

4.《ネタバレ》 これはデビュー作になるのかな?ハネケの作品の中では一番面白かったかも。面白いという表現が極めて不似合いな作品ではありましたが。身の回りの何もかもを捨て去って心中した家族、という実際にあった事件を描いてはいるが、なぜ心中に至るのかその原因は描かれない。その原因を誰も知らないから。知っているのは何もかも捨て去ったという事実だけ。映画はその事実だけを映す。つまり捨てられ、壊された物を。あるいは捨てられ、壊される以前の物を。扉を開ける人は映されず、廻されるドアノブだけが映される。朝食をとる人は映されず、スプーンで運ばれるフレークが映される。生活はひたすらシステマチックに見え、画面は常に無機質で無感動を装う。しかしいよいよ最終局面というところで死のうとするその「必死さ」が痛々しく飛び込んでくる。意図されたものかは知らないが、機械的な生と人間的な死が豊かなコントラストをもって描かれている。痛々しく描写する、、、ということは、第七の大陸を目指したこの家族をこの映画は否定していると言えるのだと思う。救いを見出すとすればそれだけである。 R&Aさん [DVD(字幕)] 7点(2007-06-25 13:56:33)(良:1票)

3.《ネタバレ》 映像特典のインタビューで、監督が「この家族に何が起きたか、その答えは観客それぞれが見つければいい」というようなことを言っていましたが、まあそれはそうなんですけど、でもやはり再現VTRじゃなくて映画である以上、まずは監督自らが思うところを観る側に提示して見せるのが先なんじゃないですかね?まずは監督さん、あなた自身は、この家族に何が起きたと思うのかを表現してもらわないと。それ無しに、ただ観る側に振られてもねえ…。インタビューでは、続けて「それに気付いたら、とても楽に脚本が書けた」って言ってますけど、そりゃそうでしょう(笑)。何も考える必要ないんだから。でも、それって、つまり手抜きっていうじゃないんでしょうか(笑)。 鳥居甲斐守さん [DVD(字幕)] 5点(2007-06-08 22:40:40)

2.ミヒャエル・ハネケの意図的なカメラの撮り方、怖い。ワンカット・ワンカットがロングショットで取られて黙々と淡々と行動を起こしている主人公3人の表情が写らない所が怖い。ハネケ映画は初めて見たけどこれほど衝撃だとは思わなかった。時々出てくる海岸の画、あれがセブンス・コンチネント、「第七の大陸」なのか。監督がこの映画の中で色々なところで問題を出しているような感じがしてたまらなかった。こんな映画、テレビで放送できるわけないと思うけど一度皆に見て欲しいと思う。 M・R・サイケデリコンさん [DVD(字幕)] 7点(2007-05-14 20:09:38)

1.この映画で描かれていないものが一番重要なキーポイントである、という騙し絵みたいな映画。
じゃあこの映画で描かれていないものは何か? …それは宗教(娘の就寝前の祈りのシーンがあるじゃないか! と言う方もいるでしょうが、最終章でそれは無効になったと見た方がいいでしょう)。
ミヒャエル・ハネケはロベール・ブレッソンみたいな(つまり無印良品みたいな)描き方をする監督ですが、ブレッソンのように宗教家ではなく哲学者です。西洋で「哲学者である」というのは何を意味しているかというと、それは「神の存在を疑う人」つまり論理が全てを決める人であるワケです。そういう彼が『セブンス コンチネント』という、こういう題材を選んだ。
なワケで、神が必要な場面に、この映画の中では頼るべき何者も描かれない。
じゃあこの映画で描かれているものは? 家具と日用品と車と洗車機。そして親父さんの職場であるでっかい工場。物質、機械ですな。学校の先生なんか、あんだけセリフがあるのにほとんど顔も出ないです。
この映画は物質文明の到達点を描こうとしているワケです。家族が力を合わせて文明(いや物質)から逃げ出そうとする映画。哲学者であり、主人公たちと同じように神の存在を重視していない監督は、それを肯定も否定もしない。行動を淡々と追っていく(同時に物質との関わりも描く)。洗車機の中で自分の「無力」を感じた事のある人間なら、この映画をポジティブに受け取る素養があるかも。

オイラはまだ、この映画に抵抗するだけの余力が残ってます(注:うーん。観てから一週間、実はけっこうダメージ受けてるかも…)から、この点数にしますが(注:2点UPしました)…神なき時代において、先進国の神なき人間の全てに、同じ立場の求道者として「生の意味」を問い掛けたすざまじい映画が、20年近く前に撮られていた事は間違いないのです。 エスねこさん [映画館(字幕)] 8点(2006-08-01 01:49:52)(良:3票)

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マーク説明
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【点数情報】

Review人数 10人
平均点数 6.50点
0110.00% line
100.00% line
200.00% line
300.00% line
400.00% line
5110.00% line
600.00% line
7550.00% line
8220.00% line
9110.00% line
1000.00% line

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