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第三の男

The Third Man
1949年【英】 上映時間:105分
ドラマサスペンスモノクロ映画犯罪ものミステリーハードボイルド
[ダイサンノオトコ]
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2020-04-20)【イニシャルK】さん
公開開始日(1952-09-03)


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監督キャロル・リード
助監督ガイ・ハミルトン
キャストジョセフ・コットン(男優)ホリー・マーチンス
アリダ・ヴァリ(女優)アンナ
オーソン・ウェルズ(男優)ハリー・ライム
トレヴァー・ハワード(男優)キャロウェイ少佐
バーナード・リー(男優)ペイン軍曹
ロバート・ブラウン[男優](男優)英軍MP(ノンクレジット)
リー・ストラスバーグ(男優)英軍MP(ノンクレジット)
ジェフリー・キーン(男優)英軍MP(ノンクレジット)
ウィルフリッド・ハイド=ホワイト(男優)クラビン
キャロル・リードオープニングのナレーター(英国<UK>版)(ノンクレジット)
咲野俊介ホリー・マーチンス(日本語吹き替え版【PDDVD】)
沢海陽子アンナ(日本語吹き替え版【PDDVD】)
相沢まさきハリー・ライム(日本語吹き替え版【PDDVD】)
中博史キャロウェイ少佐(日本語吹き替え版【PDDVD】)
江守徹ホリー・マーチンス(日本語吹き替え版【日本テレビ】)
小池朝雄ハリー・ライム(日本語吹き替え版【日本テレビ】)
山内雅人門衛(日本語吹き替え版【日本テレビ】)
西沢利明キャロウェイ少佐(日本語吹き替え版【日本テレビ】)
平田広明ホリー・マーチンス(日本語吹き替え版【NEM】)
本田貴子アンナ(日本語吹き替え版【NEM】)
鈴村健一ハリー・ライム(日本語吹き替え版【NEM】)
原作グレアム・グリーン〔原作〕(脚本原案)
アレクサンダー・コルダ(脚本原案)(ノンクレジット)
脚本グレアム・グリーン〔原作〕
キャロル・リード(ノンクレジット)
オーソン・ウェルズ(ノンクレジット)
音楽アントン・カラス
作曲アントン・カラス主題曲「ハリー・ライムのテーマ(The Third Man Theme)」
撮影ロバート・クラスカー
デニス・クープ(カメラ・オペレーター)
エドワード・スケイフ(カメラ・オペレーター)
ジョン・ウィルコックス〔撮影・1905年生〕(補足撮影)
製作キャロル・リード
アレクサンダー・コルダ(ノンクレジット)
デヴィッド・O・セルズニック(ノンクレジット)
配給東宝東和
特撮W・パーシー・デイ(マット・ペインター)(ノンクレジット)
美術ヴィンセント・コルダ(セット・デザイン)
ダリオ・シモーニ(ノン・クレジット)
編集ピーター・テイラー(assembly cutter)
録音ジョン・グレン(アシスタント・サウンド・エディター)(ノンクレジット)
ジョン・コックス〔録音〕(サウンド・スーパーバイザー)
その他アレクサンダー・コルダ(プレゼンター)
デヴィッド・O・セルズニック(プレゼンター)
アントン・カラス(ツィター(チター)演奏)
あらすじ
第二次大戦後のウィーンにアメリカからやってきた作家のホリーは、仕事を紹介してくれると約束した友達のハリーを訪ねる。ところが、ハリーはつい今しがた車にはねられて即死したという。途方に暮れたホリーは、ひとまずハリーの葬式に出席。葬式に参列していた警官から、ハリーは麻薬の売人で死んで当然の男だったという話を聞いた。とうてい信じられないが、ハリーの死に疑問を感じはじめたホリーは、ハリーの恋人アンナをはじめさまざまな人物に事情を聞き、独自に捜査を開始するが……。

元みかん】さん(2004-02-12)
全てのをあらすじ参照する

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【クチコミ・感想】

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181.《ネタバレ》 この映画を初めて観たとき、突然、暗闇の中からハリーが照らし出されたあの場面は、衝撃でした。繰り返し観てもくぎずけになる。
地下道での画面いっぱいに響く流れる水、人の声の響き、光と影の不気味さ。いい古されているけど、あえて言いたくなる素晴らしさ。
この監督の「落ちた偶像」と「邪魔者は殺せ」も、面白かった。どれも愛に対して一途な女性が出てくる。この映画のアンナも愛する人を死に追いやった人達は、許せない。待ち受ける男に、目もやらずに場面から消え去る。名シーンです。 kirariさん [DVD(字幕)] 8点(2021-09-20 20:26:35)

180.《ネタバレ》 アントン・カラスの『ハリー・ライムのテーマ』や長回しのラスト・シーンであまりにも有名な映画。あのラスト・シーンは、個人的には映画史上最高のラスト・シーンだと思っています。グレアム・グリーンが書き下ろした脚本は、ジャンルとしてはフィルムノワールに分類されるかと思いますが、本家ハリウッドのノワールとは趣を異にする英国風味が特徴。舞台が占領下のウィーン(まだオーストリア国家の主権が回復されていないころ)で、登場人物の国籍も米・英・ソ・墺・ルーマニア・チェコスロバキアと国際色豊かで、まだ瓦礫が方々に残っているウィーンでロケしているのも貴重です。オスカー受賞した映像は大戦後にドイツ表現主義を復興させたような完璧な構図の数々、とくに夜間撮影の素晴らしさも映画史上最高かもしれません。最近の下手クソな撮影監督による何が映っているのかさっぱり判らない夜間撮影に比すと、モノクロ撮影ながら闇は闇、淡いながらも光が当たる部分はくっきりと見せる匠の技、とくに闇の中からオーソン・ウェルズの異相が突然にスクリーンに映し出される瞬間は鳥肌ものです。あとハリー・ライムの共犯者たちやアパートの管理人などの脇のキャラに、癖の強い顔の役者を揃えてそのアップショットが多いのも特徴でしょう。いちおう主人公と言えるのはジョセフ・コットンが演じる三流作家なんですけど、こいつが事件解決の糸口を作るけどハードボイルドとはほど遠いグダグダな男で、ライムを警察に売ってしまうのはなんか後味が悪い。ラストでまだ未練たっぷりのアリダ・ヴァリに強烈なしっぺ返しを喰らったのは、当然と言えば当然の結末だと思いますよ(笑)。 S&Sさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2021-09-12 22:25:22)

179.《ネタバレ》 数年ぶりに視聴。名画と言われる理由は分かる。光と影のコントラストに、陰影に富んだ煙の描写、ところどころにハッとするショットを見ても、名作たらしめている雰囲気が伝わってくる。短い出演ながらオーソン・ウェルズの悪漢ながらも人間味を醸す演技が魅力的。ところが全体のストーリーに緊迫感がそこまでなかった。メインテーマは名曲だけど、どこか牧歌的で映画に合っていない。部分的に使った方が効果的だったかと。また、主人公が事件に首を突っ込む理由が弱いというのもある。長年会わなかった"親友"のためにここまでできるのか。ヒロインにはフラれたとしても、社会的責任で追い込まれる要素がない。そういうのもあって、雰囲気としては超一級だけどサスペンスとしては物足りないかもしれない。 Cinecdockeさん [インターネット(字幕)] 6点(2021-01-01 20:33:15)

178.《ネタバレ》 藤子不二雄A著「まんが道」で大きく取り上げられていたのを見た後に(ネタバレ状態で)観た
昔に観たときはさほど目を引く場面も、展開もなく、世に言われるほどの名画とは思わなかった
今改めて観て、劇的に印象が変わったわけではないが、味のある映画とは、思うようになった
アンナの人物設計は、事件との関連の強さと費やしたフィルムの長さのバランスがおかしい。
先を知りながら観ると、時に脱線しているような気持ちになった。アンナの過去が気になってハリーのことを忘れそうになる。
思えばヒッチコックの映画もそういう映画が多い。この時代の映画における女優の役割の大きさが窺い知れる。
ところがハリーがヌっと顔を見せる。それを知らないで観たら、ここでアンナのことなどすっ飛んでしまうくらいの驚きだっただろうか
おそらく、意外には思わなかったろう。予測可能な展開だ。事件の期待した結末とアンナとのロマンスが同時に失われ、ホリーはここで失意の退場をいったん決意した
ハリーに対するホリーの人物評は本当に親友なのか疑わしいくらい外していた。親友という表現を額面通り受け取るならば、いささか不自然かな、と思う
そして下水道のクライマックス。どこまで本物?(最大限本物と妄想しつつ)うわっ撮影嫌だなこれ!偉いよ!いいシーン!
流れるようにラストシーンへ。う~ん最高のエンディングだ。原作だと二人くっついちゃうみたいなんだけど、ここはこのラストが万倍いいよね
撮影当時ウィーンのバーで流れてた曲をそのまま映画の主題曲にしたそうな
つまり、これから売り出そうと企むタイアップ曲では絶対に生まれない、場面に見合った名曲というわけだ。
そんな背景は知らなくとも(それが仮に作り話でも)この音楽が映画に与えた好印象は計り知れない うまシネマさん [インターネット(字幕)] 6点(2019-10-13 12:23:15)

177.《ネタバレ》 後半の映像、光と影の映像が素晴らしい。挿入曲。そして、ラストシーン。感銘。 にけさん [映画館(字幕)] 7点(2019-01-06 16:23:59)

176.《ネタバレ》 違うヤツ担いで、墓の穴にぶち込んで死んだフリ。第三の男としてちゃっかり生きてるハリーくんの微笑。下水道での追跡戦。並木道を歩いて近づいてくるヒロインにシカトされるハードボイルドな、くわえ煙草のホリーくん。映画史に残る名シーンがい~っぱい。テーマ曲聞いてると、90年代のビールか何かのCMを思い出すよな。 獅子-平常心さん [ブルーレイ(字幕)] 6点(2018-02-17 18:54:01)

175.地下道の追跡劇の緊迫感は近年の映画に全く引けを取らない。
小説版も読みましたが、ラストはやはり映画の通りが良いと思いました。 TAKIさん [DVD(字幕)] 10点(2017-04-05 00:54:47)

174.今までに三回見た印象で言うと、見れば見るほど面白く見ることが出来る映画。しかし点数をつけるのは難しい。
ストーリーはしっかりしていて決して悪くないし、当時では画期的で芸術さをも感じるような構図や印象的なカットが沢山あって、後世に影響を与えたと言われているのも頷ける。
ただ、それが見事すぎるのか、自分自身であまりこの作品は楽しめる好きな映画とは言えないのである。筋書も仕掛けも素晴らしく感じるし見るたびに良い作品と感じるのだが、映画にのめり込めないし何だかお気に入りにはなりそうもない。
考えるに、カメラワークなどの演出が目に入る故に気が逸れてしまい、第三者目線で見てしまったので感情移入も出来なくて物足りない印象が残ってしまうように思う。
全てを充たす映画ではないが、映画が好きな人には一度と言わず幾度か見てほしい作品。 さわきさん [地上波(字幕)] 8点(2016-12-29 21:21:33)

173.《ネタバレ》 頭の良いハリーは希釈した盗品のペニシリン密売という道理に反した行為を、わざわざアメリカから呼び寄せたとしても愚直なホリーが首を縦に振ると思っていたのでしょうか。
甘言を与えてはいても観覧車のシーンを見て分かる通り、恐らく本人の代わりとなって墓に埋められたハービンと同様に手駒の一つとして利用して終わりという結末が自然だと思います。
友情関係は幻想で淡い恋愛感情も成就しなかったウィーンは純粋すぎるホリーにとっては敷居が高すぎたと思います。

本作はアントン・カラスのチターの調で始まります。
『The Third Man Theme』は楽器の音色や特性を活かして特出した印象的なメロディーラインを持った名曲だと思いますが殆どのシーンには合っていなかった様に感じました。
映画音楽としてはラウンジのBGM程度にしか使えない印象でした。

また、映像の方ではカメラのレベルを傾けたり、当時としては結構なワイドレンズを使ったり、コントラストや影のパースを強調したりとイギリス映画ですがアメコミの様な大胆なアングルを切っていて単体として見れば単純にかっこ良かったです。
しかし、それらの力の入ったカットとそうではないカットの落差が激しすぎたり、パンフォーカスを狙って何処にもフォーカスが合っていないカットもあり見ていて集中出来なくなったりもします。
もう少し全体的に丁寧に撮っていれば見易くなると同時に前述したカットも活きてきたと思います。

脚本で言えば整合性は殆ど外してはいないのですが、前半の第三の男に迫るミステリーの本筋で問題を解決出来なくてもホリーに不利益が起こらないので緊迫感が全くありません。
その為、見ている私にも緊張感が持てない結果、物語に入り込めずに話を追いかけるだけの作業になってしまいました。
この辺りが高評価の妨げになった最大の原因だったと思います。
唯一、緊迫感があったのは講演会場まで拉致られるサイドストーリー的なシーンでした(ここは面白かったです)。

後半の地下水道という上下左右を構造物で制限された空間での映像的な緊張感が良かったのでストーリーそのものに緊張感がなかった事はとても残念でした。
他にもオーソン・ウェルズのキャスティングや彼の登場シーン、本作のラストシーンなど優れた要素が沢山あると思うのですが凡庸な印象の作品になってしまいました。
負け試合でのホームラン量産みたいな…。

105分というコンパクトなボリュームに仕上げられていますが、作品としては纏まった印象があまりないので映画の教科書というより資料集といった感じでした。 しってるねこのちさん [CS・衛星(字幕)] 5点(2016-06-14 23:43:57)(良:1票)

172.《ネタバレ》  オーソン・ウェルズという天才に触れるにあたって、監督としての彼を知るには「市民ケーン」が、そして俳優としての彼を知るには「第三の男」が、最も適しているのではないでしょうか。

 有名過ぎる観覧車での長台詞や、初登場シーンにおける不敵な笑顔にも痺れますが、特に記憶に残るのは、クライマックスにおける地下水道での姿。
 それまでの飄々とした「ハリー・ライム」の姿が嘘のように、這いつくばって階段を上り、暗い地下に光を齎す出口へと手を伸ばす姿が、とても印象深いですね。
 どうしようもなく「人間」そのものを感じさせるというか、これほど強烈に映画の中の人物に感情移入させてくれた場面は、ちょっと他には思い付きません。

 そんなハリーが、拳銃を手にした主人公を前にして、死を受け入れたように微かに頷く表情なんかも、これまた素晴らしいのですが、この映画の特筆すべき点は、最後の最後。
 これほどの存在感を放つ「第三の男」が画面から姿を消した後に、映画としての絶頂を迎えるラストシーンが待っている事にあるのだと思います。

 映画は娯楽作品であると同時に、芸術作品でもあると感じさせてくれる一分間。
 是非とも多くの人に体験して頂き、こんな作品があるのだという事を知ってもらいたくなる。
 そんな、特別な美しさを秘めた映画でした。 ゆきさん [DVD(字幕)] 10点(2016-04-04 07:58:31)(良:2票)

171.《ネタバレ》 自分が若い頃に見て,今も記憶に残って居る映画を纏めて評価します.
ウィーンの街,伸びる影,地下水路の追跡劇,せつないエンディング等,映画史に残るシーンの数々 ahiru3さん [地上波(字幕)] 10点(2016-03-28 22:28:05)

170.この映画音楽と、シュトラウス2世の「ウィーンの森の物語」が無かったら、ツィターなんていう楽器、名前も知らなかったかもね。で、久しぶりに『第三の男』を観て、この音楽を聴くと、つい口ずさみたくなり、何となくビールが飲みたくなってくる。でもこの音楽が何のビールのCMで流れていたのかは忘れたので、とりあえず両方を合わせて「第三のビール」を飲むことにする。何のこっちゃ。いや、好きですよ、ヱビスビール。
本作、内容的にはミステリー。友人ハリーからの手紙を受けてウィーンにやってきた作家ホリー(この名前が似ている点も、後の展開で描かれる三角関係にうまく織り込まれる)、しかし到着早々、ハリーが事故死したことを告げられる。だが、何やら曰くのありそうなヒトから無さそうなヒトまで、様々な登場人物が、その事故のウラに何かありそうなニオイを漂わせる。事故の現場にいたという3人の男、うち2人は判明しているが、では3番目の男は誰なのか。
前半に提示される謎に対して、その謎解き自体は比較的アッサリと行われますが、作品のもう一つの見どころはウィーンの街における追跡劇で、後半における大きな見せ場ともなっています。作品自体がウィーンの名所案内(表も裏も)みたいな要素もあって、表がプラーター公園なら、裏は下水道といったところか。さらに時代を反映して戦争による破壊の跡も残っていたりして。そういうちょっと迷宮じみた夜のウィーンに、追うものと追われるものの影が交錯する。
この映画、画面が頻繁に傾けられて、これも不安で落ち着かない感じを醸し出してます。いや実際、あまり頻繁にカメラ傾け過ぎなのかも知れませんけれど(笑)、ふとしたとき(ハリーが、「ある男」を追いかけて、見失った瞬間など)、傾いていない画面がかえってどこか、取りつく島のない感じを出していたりも。
という訳で、やっぱり面白いですねえ、この映画。オーソン・ウェルズの斜め前向きのワルそうな表情も、有名なラストシーンも、いいんですけど、最高の名演は、あのネコちゃんということで。 鱗歌さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2016-03-27 08:47:25)

169.《ネタバレ》 これも数十年ぶりに見ました。デジタル・リマスターされたのか、画もきれいで音声も聞き取りやすく、ついでに字幕も新しくなったようで、元から評価の高い作ですが、個人的には面目を一新したというところ。これまでは、ハリーが単独で犯罪を行っていたと思っていたのですが、実は組織のボスたっだと判明。終盤も男同士の友情と女の愛情に犯罪捜査がからみ、なかなか渋い展開でした。戦後ウィーンにおける人種の問題にもちょっと触れていて、みんなアンナをしぶしぶ逮捕しているところが印象的でした。映像的にはモノクロのコントラスト、光と影の使い方がうまく、まさに芸術的。このような作品を見ると、もう映画はモノクロでいいんじゃないかとまで思えてきます。

カメラを斜めにした構図は面白いのですが、ちょっと使いすぎてインパクトが弱くなってしまいました。それと、肝心なところでホリーの心情が簡単に変わってしまうため、人物像が軽すぎるように思われました。それ以外は、とぼけたユーモアもあってかなりよかったです。 アングロファイルさん [CS・衛星(字幕)] 9点(2016-03-04 20:00:10)


168.戦後間もない連合国による四分割統治下のウィーンが舞台です。恵比寿駅メロディーと観覧車シーン程度の予備知識しかなく、前半のミステリーな展開にはそそられますが、サスペンス感が緩過ぎでした。撮影・監督・編集的には名作なんでしょうがホリ―やアンナがリスクを冒してまで庇おうとした悪人ハリーの魅力が全く伝わってこないのも脚本的に不満です。 ProPaceさん [CS・衛星(字幕)] 6点(2016-02-03 23:36:14)

167.予備知識一切なしで鑑賞しましたが、感想は一言、「古典だなぁ」です。それより上でも、下でもありません。 川本知佳さん [DVD(字幕)] 6点(2014-12-07 13:43:27)

166.《ネタバレ》  第二次世界大戦後のウィーンの街、その地政学的な状況がひとつの大きな背景であり、そしてもうひとつ、アントン・カラスのツィターの音楽もまた、決定的な背景を形成している。

 さいしょにオーソン・ウェルズがその顔を見せる場面は、「シャイニング」のジャック・ニコルソンぐらいの、あるいはそれ以上のインパクトがあるかなあ。映画史の中の名シーン。地下水道の追跡(ここは短いカットの積み重ね)、そしてあのラストシーン(長回しだ)などもすっばらしいんだけれども、わたしはアンナ役のアリダ・ヴァリが、警察に連行されてのシーンの演出が好き。「おお、映画やなあ」と、うならされる。

 前半の叙述が今の映画とはずいぶんと異なる感じで、そういうところでは現在の映画文法でリメイクされたものを観てみたい気もする。監督は、そりゃあデヴィッド・フィンチャーに決まってる。 keijiさん [CS・衛星(字幕)] 9点(2014-11-22 12:30:52)

165.《ネタバレ》 すでに数回鑑賞してのレビューです。
男も女も実に粋で格好いいハードボイルド作品でした。あまりにも有名な作品なので今更かと言われる様なレビューになりますが、光と影の芸術と言われる意味がはっきり解りますな。特にハリーの登場シーンはドッキリしたほどです。しかし細かいことを言えばアパートの窓を開けただけであんなに光を浴びるとはちょっと不自然でしたが。そこかしこに貼られた付箋とその回収は見事に決まり、ラストのシカトする女とされる男の長回しシーンは頭にこびりついて離れません。 さん [DVD(字幕)] 9点(2014-10-06 10:36:21)

164.《ネタバレ》 渋い映画。久し振りに観たが、もっとどんでん返しがあったかと勘違いしていた。
この時代なら凄い...と思うことも多いが、基本的に現在の自分の感覚で判断すれば、ちょっと退屈な面が多い。
全体的によく出来た作品だとは思う。特に最後のシーンはなかなか秀逸な渋さで、これを超えるものはその後もあまり無いかも。 simpleさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2014-08-10 21:20:14)

163.《ネタバレ》 キャロル・リードは「二つの世界の男」と「フォロー・ミー」は文句なしの傑作だと思うが、この「第三の男」はやや完璧すぎるし、影の演出のあざとさも気になる。
淡々と謎を解き明かしていく流れ、オーソン・ウェルズの登場シーンや地下水道での追走劇も計算され尽くしている。
加えて、プロデューサーのデヴィッド・O・セルズニックの演出。
この男はどんな作品でも必ずと言っていいほど三角関係をねじ込んでくる。
「キングコング」で怪獣、男、女の三角関係を描いた男だ。当然「第三の男」も小説家、女、闇の住人の三角関係に発展していく。

第二次大戦後の暗い影が付きまとうこの映画。
戦後の新しい時代の白い「光」、社会の黒い「闇」の世界。
日夜問わずにこの白と黒がせめぎ合うサスペンス。
そこにシンプルな音楽の調べが何とも言えない雰囲気を作り出す。

友人の不可解な「謎」を追ってウィーン市内を渡り歩く主人公。
事件の真相を追うのは友情か、それとも作家としての好奇心か。
途中で出会った謎の女性。
友人について知っているらしいが、彼女にも暗い影が見え隠れしている。

様々な国が入り乱れて統治するウィーンの街は、戦後の混沌を表す良い見本だ。

そして主人公の前に現れる「第三の男」。
音楽のリズムが一気に変化し、暗闇から姿を表す。
こんなにドキドキする登場シーンはそうそうないぜ。

主人公と「第三の男」との駆け引きは徐々に激しさを増し、下水道を縦横無尽に駆け巡るラストまでの流れは惚れ惚れする。

光の中に生きる者と、闇にしか生きられなくなった者、それぞれの顛末。

それはコインの裏表のように、常にひっくり返される存在なのだ。

ラストの舗道のシーンは良いね。何度見ても。 すかあふえいすさん [DVD(字幕)] 8点(2014-01-25 13:23:33)

162.《ネタバレ》  なるほど、『霧笛が俺を読んでいる』のネタ元ですね。事件そのものの詳細、特に3人目の人間がいた・いないの件はちょっと判りにくい上に水掛け論的でイマイチ。門番が証言を覆す心情もちょっと雑っぽい。

 だが、終戦後たった4年という時期の、敗戦国扱いと見紛うばかりのオーストリアでの出来事にしては、アメリカ人の妙な正義感が上滑りしている物語が良い。どこか倫理的な価値観による男の行動原理と比べると、女のそれはそういったモノとは違う感情に基づいており、「んー、いつの世も女は女なんだな」と、分かったような分からぬような事を思わせる。

 正直なことろ、話としてはそれほど面白くは思えなかったが、後から振り返った歴史認識ではドイツに侵略されたと思っていたオーストリアが、終戦当初はドイツ側(合併したからか)である敗戦国扱いだったという事を知ったのが、これを見て一番勉強になり、驚いたことだった。 Tolbieさん [DVD(字幕)] 6点(2013-07-25 22:44:10)

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【点数情報】

Review人数 181人
平均点数 7.54点
000.00% line
100.00% line
200.00% line
321.10% line
463.31% line
5147.73% line
63217.68% line
73519.34% line
82916.02% line
93418.78% line
102916.02% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.22点 Review18人
2 ストーリー評価 7.73点 Review23人
3 鑑賞後の後味 7.81点 Review22人
4 音楽評価 8.45点 Review24人
5 感泣評価 6.37点 Review8人

【アカデミー賞 情報】

1950年 23回
監督賞キャロル・リード候補(ノミネート) 
撮影賞ロバート・クラスカー受賞(撮影賞(白黒) として)
編集賞 候補(ノミネート) 

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