みんなのシネマレビュー

パンドラの匣

Pandora's Box
2009年【日】 上映時間:94分
ドラマ青春もの小説の映画化
[パンドラノハコ]
新規登録(2009-07-04)【すぺるま】さん
タイトル情報更新(2014-05-26)【イニシャルK】さん
公開開始日(2009-10-10)


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監督冨永昌敬
キャスト染谷将太(男優)ひばり
川上未映子(女優)竹さん
仲里依紗(女優)マア坊
窪塚洋介(男優)つくし
KIKI(女優)大月キヨ子
洞口依子(女優)ひばりの母
ミッキー・カーチス(男優)場長
ふかわりょう(男優)固パン
原作太宰治「パンドラの匣」(新潮文庫刊)
脚本冨永昌敬
音楽菊地成孔
製作東京テアトル(「パンドラの匣」製作委員会)
ジェネオンエンタテインメント(「パンドラの匣」製作委員会)
制作東京テアトル
ユーロスペース
配給東京テアトル
編集冨永昌敬
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【クチコミ・感想】

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11.序盤は辛気臭い作品かと思ったけど、療養所に行ってからは独特の雰囲気に面白味を感じました。
竹さんの魅力はさっぱり理解できなかったけど、マア坊の愛らしさにはやられました。
布団部屋に誘われたときはドキドキしましたよ。 もとやさん [DVD(邦画)] 7点(2016-05-25 13:12:15)

10.手軽に太宰を楽しめた。
本は読みたいけど、時間があるとついついただごろごろ or 外に出たくなる僕みたいなダメ人間には文学に触れるいい機会。つい原作よみたくなった。又吉絶賛の太宰だもんなぁ。
文豪の文豪たるゆえんはテーマが重かったりしてもそれを飽きさせずに読ませてしまう技にあると思う。
この映画はその技に、原作に救われてそーだなぁ。
気合いを入れずにふわりと楽しめるいい映画。あたまぼけっとしてるときにみるといいかも。 おでんの卵さん [DVD(邦画)] 7点(2013-04-07 23:40:26)

9.《ネタバレ》 原作は未読、監督さんも初めての作品で予備知識ゼロで鑑賞、 「やっとるか」「やっとるぞ」「がんばれよ」「よーしきた」このセリフが忘れられない。独特のセンスを感じる作品でした、自動で勝手に録画されていたのですが得した気分です、その他の監督作も見たくなりました。 【追記】小説の方を読んでみましたら、低得点でレビューされた方の言う意味が分かるような気がしました、原作に絶対忠実であるべきとは思いませんが、思い返せば必要があったのか不明な変更点が気になりますね。もし原作未読なら映画を先に観た方が変に気にならなくて楽しめるかと思います。先に原作を読んでいたら1~2点低く設定したかもしれませんね。なので点数変更なし。1947年にも「看護婦の日記」のタイトルで映画化されているようですね、Amazonで検索したらエロいのしかHITしない^^; ないとれいんさん [地上波(邦画)] 7点(2012-11-30 10:10:47)

8.《ネタバレ》 「パビリオン山椒魚」という、私的には途轍もない駄作がありました。その駄作ぶりは全部監督の責任と言えるような内容でした。本作はその冨永氏が撮った作品なのだけど、これが同じ監督の作品かと驚きを禁じ得ない。演出の個性やアイデアが、映像作品の個性として見事に昇華されている。時折り挟まれる主人公の独白が面白い。その独白は映像の説明不足を補うナレーションではなく、連なる映像にさらに1カット分の意味作用をモンタージュしたような効果をと味わいを生み出している。文学とは元来、状況や感慨を文字に置き換えて概念世界に広がりを持たせる作業だが、こちらは映像と独白によって映画世界に見た目以上の広がりを持たせている。文学作品の映像化として良く練られた演出が成功していると思います。主人公の達観した視線に太宰らしい自己中な個性を覚えるが、自らを「新しい男」などと規定することが実はギャグで、そのズレ加減が可笑しい。若造がカッコ付けて素直になれず、結局は気になる女(竹さん)を取り逃がすという、実に他愛ない話なのだが、純文学的な風格を感じるほど真面目な体裁に仕上げたところが本作の味わい。「やっとるかぁ?」~「よ~しきた!」の定形コミュニケーションとその変奏も本作の個性を際立たせる。これ、レビュー数は少ないですが、テレビドラマの延長戦のような邦画に「ドラマで充分」というレビューをしている方々におススメしたい。映画らしい映画です。収穫でした。 アンドレ・タカシさん [CS・衛星(邦画)] 8点(2011-07-21 22:17:58)


7.月末の多忙さから逃避するかの如く、平日の深夜、偏頭痛を片手で押さえながら、この映画を観始めた。

この映画は、「違和感」に埋め尽くされている。
まず、明らかに作為的なアフレコの演出に大いなる違和感を感じ、戸惑った。
主人公のモノローグと映像と微妙にズレた台詞が交じり合い、違和感は更に深まり、冒頭からどこか奇妙な世界に放り込まれたような感覚に陥る。

そして、「やっとるか」「やっとるぞ」「がんばれよ」「よーしきた」と、まるで“記号”か“暗号”のように繰り返される言葉に対して、軽薄さを感じる反面、妙な居心地の良さを感じ始めた時、鑑賞前の偏頭痛はどこかに消え失せた。

太宰治の原作は未読だが、独特の繊細な心理描写を根底に敷き、彼ならではの“根暗”で、だけれども不思議な“陽気”さを携えた青春小説を、見事に映像化しているのではないかと感じた。

そもそもは、仲里依紗目当てで食指が動いた映画だった。ただ、拭いされない大いなる危惧もあった。
それは、監督が冨永昌敬という人だったからだ。彼は「パビリオン山椒魚」という映画で、結婚前のオダギリージョー&香椎由宇を主演に配し、あまりに倒錯的な酷い映画世界を見せつけてくれた監督である。

今作も、ある部分では倒錯的で、間違いなく“変てこ”な映画である。
ただし、今回はその倒錯ぶりが、太宰治の文体と絶妙に交じり合って印象的な世界観が生まれていると思う。非凡な映像センスと、独特の編集力が、純文学という創造性の中で見事に融合している。

明日はまた朝から仕事だけれど、深まる秋の夜長、こんな夜更かしも悪くはない。
そう思わせてくれる意外な秀作だと思う。
鉄腕麗人さん [DVD(邦画)] 8点(2010-10-01 01:33:14)

6.《ネタバレ》  かなり原作のイメージを崩さずに映像化した印象を受けました。キャスティングも良い感じではまってましたね。特に川上未映子の起用は大成功だと思います。

 ただ、ちょっと中だるみ気味なところもあって時間が長く感じましたね(そんなに長い時間ではないのですが・・・)。

TMさん [DVD(邦画)] 6点(2010-09-14 00:25:33)

5.《ネタバレ》 太宰治は、大半の方がご存知の通り、自虐的で破滅志向の生活を繰り返した作家です。彼の代表作は、初期と晩年のものが多いですが、どれも彼の人生を反映させた、暗く激しいものがほとんどです。その中で今作品の原作は、学園モノを彷彿させる明るさに満ちた作風で、その甘酸っぱさと清々しさに、私は何度も心を洗われたものでした。さて、映画のレビューですが、私は観ていて本当に辛かったです。登場人物も同じ、時代設定も、台詞もほぼ同じであるにも関わらず、原作の良さを少しも汲み取っていないから。劇中でもひばりの台詞にあったと思うのですが、松尾芭蕉の「かるみ」が、このストーリーの根幹にあるんです。恋心を抱いたり、仲間と喧嘩をしたり、団結したり、そういう日常の些細なやりとりの中で、ひばりはこれからの人生に希望を見出す。言っちゃえばそれだけなのですが、それこそが最も描くべきところじゃないですか。製作者は「俺は俺の『パンドラの匣』を作ったんだ、こういう形だってアリだろう」と言いたいのでしょうけど、だったら「かるみ」を持ち出さないで欲しい。変に原作通りの台詞で終わらせないで欲しい。親友と決別するような展開は、明らかにおかしいです。竹さんの描き方も酷いものですね。なぜタバコを吸ったり、こけし人形を持ちながら、卑猥な台詞を言わせたのでしょう。必要ありますか?マア坊との布団部屋のシーンは愕然としました。ひばりはサキュバスと戦っているのかと思いましたよ。かっぽれが死ぬ必要があったのかも理解できません。「太宰の原作は詰まらない。深く重く面白く、俺のやりたいように作り直すぞ」と思ったかどうかは分りませんが、それに近い傲慢さと勘違いが、終始ちらつきました。配役は悪くないのに、作り方の点ですごく悲しかったです。 デルフトさん [DVD(邦画)] 3点(2010-08-10 14:20:29)

4.なんとなく違和感を感じながら見ていると、この作品の舞台となる結核療養所へと画面が変わり、そこに映し出された窪塚洋介に対する「がんばれよ」とそれに応える「よーしきた」の日常会話から遠く離れたトーンの掛け合いが違和感をより加速させる。その後何度も出てくるこの掛け合いが端から日常会話なんかではなく一種の号令みたいなものだとわかると、違和感は一時薄れはするものの、川上未映子の登場で違和感が再び顔を出す。その聞き慣れたはずの大阪弁の不自然さに不思議な感覚を覚えたのだが、その不自然さの正体、違和感の正体はおそらくオールアフレコからきたものと思われる。昔の映画なら当たり前の、またけして音と映像がずれているわけでもないこのアフレコが独特の違和感を生んでいる。セリフを交えたナレーションにまるでミュージッククリップのようにイメージ画像をはめ込んだような感じ。「言葉自体の軽薄さ」を表す方法としてのアフレコという【ザ・すぺるま】さん のレビューに目から鱗ですが、そこに気付かなくともなんとなく映画に感じた違和感そのものが魅力となっているような気がします。とは言うものの仲里依紗の布団部屋の声は違和感が突出しすぎてもはや違和感ではなくなり異様にすぎる。「いやらしい」と「いじわる」の連発はその言葉が発せられるたびに個人的な記憶の角をつつかれているようなこそばさがあってけっこう好きなんだけど、その言葉に対する主人公の解説はべつにいらないかと。 R&Aさん [映画館(邦画)] 6点(2010-02-01 16:48:33)

3.《ネタバレ》 途中でその手の会話・接触がないにもかかわらず、主人公の竹さんに対する気持ちが十分に感じ取れる。それだけで成功ではないかと思うのだ。
【以下バレ】
しっかりものの年上女性に惚れる、男なら誰でもするだろう経験が映像のみでよく描けてる。川上の好演が大きいのか。ただ逆に、なんで竹さんが主人公のことを好きなのかはさっぱりわからなかったが、まあ女性の意見は違うのかも。
物語的にはそれ以上盛り上がることなくあっさり終わるが、ドロドロの展開になるよりはその方がよかったかも。一応佳品として名を残す出来に、結果的にはなったと思う。
細かい演出は拙い。鬘を脱ぐシーンもラストのバスもぜんぜん感動的じゃない。とくにまあ坊と布団部屋で二人きりになり、電気をつけたり消したりするシーンはまったく駄目。もっとはっきり描けと憤りすら感じた。
アンギラスさん [映画館(邦画)] 7点(2009-12-04 07:44:11)

2.《ネタバレ》 冨永監督作品の持つどこか得体の知れない軽さというのはひとが生きている上での軽薄さに似ている。またあるときその軽さはポップさに姿を変えるのだが、それはひとが生きている上での明るさにも通ずるだろう。
「やっとるか」「やっとるぞ」「がんばれよ」「よーしきた」「いやらしい」「いじわる」「しるもんか」などと反復され続ける言葉、言葉、言葉と言葉で埋め尽くされた映画であるが故に、どれが真実の言葉であるかということは実に曖昧であり、ひばりが手紙で綴り続ける嘘という軽薄さがあり、即ち言葉自体の軽薄さだ。であるからこそ、その軽薄さというのがこの映画における徹底した同録からの回避というところに現れているのではないだろうか。ひとの本心と口から出てくる言葉や紙に綴られる言葉は必ずしも表裏一体ではないということだからだ。マア坊が布団部屋でひばりに詰め寄るシーンなどは言い方を変えただけの同じ台詞が多重録音され、どの言い方がマア坊の本心なのかなどさっぱりわからない。肉体と言葉が乖離するとき映像と台詞も乖離するのだ。
そしてやはり死と隣り合わせではあるものの、この作品は実にポップであり、生の明るさに満ちている。それは窓外を明るく飛ばし、全体をオーヴァーめにした撮影プランなどでもはっきりと伝わるのだし、それは実に清潔的で好感が持てる。しかしナイトシーンは実に情けない。夜は青くはない。夜は暗いのだ。べっとりと青く染まった人物の表情などは見るに耐えないものだった。
そして何よりも、歌手であり近年ではほとんど作家となっている川上未映子が女優として堂々と主演を勤めるわけだが、これが良い。贔屓目に見ても悪くない。ギターの演奏シーンなどは実に良い。このひとは一体どこへ向かっていくんだろうか。
この映画で冨永監督は太宰治の描くひとの軽薄さを軽やかに表現しているだろう。決して傑作というものではないが、太宰治の生誕百年を迎える今、作られるべき映画であったと言える佳作だった。 すぺるまさん [映画館(邦画)] 7点(2009-11-05 01:29:21)(良:2票)

1.不整呼吸の固パン(ふかわりょう)を安静させる夜の場面、停電した道場の場面全般、看護婦長・竹さん(川上未映子)が床磨きをする薄明の場面など、薄暗い場面が単に薄暗く不明瞭なだけでことごとく見栄えしない。特に固パンを安静させた竹さんが小さく欠伸する横顔のショットなどは、主人公ひばり(染谷将太)が彼女に惚れ直す場面であり、何度も回想されるショットだけに尚のこと照明術を駆使して彼女の魅力を引き立てるべきだと思う。日中の窓外を青白く飛ばす趣向も、無意味に人物を逆光で潰す結果にしかなっていない。マア坊(仲里依紗)との布団部屋の場面に見られる特異なアフレコ効果や、独特の言い回しを用いたリズミカルな会話劇など、音声面での技巧への拘りは窺える一方、画面の、特に照明効果に関する無頓着が惜しまれる。エンディング・ロールの集団スローモーションはとても素晴らしい。 ユーカラさん [映画館(邦画)] 5点(2009-11-03 21:01:37)

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【点数情報】

Review人数 11人
平均点数 6.45点
000.00% line
100.00% line
200.00% line
319.09% line
400.00% line
519.09% line
6218.18% line
7545.45% line
8218.18% line
900.00% line
1000.00% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 5.00点 Review1人
2 ストーリー評価 1.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 1.00点 Review1人
4 音楽評価 1.00点 Review1人
5 感泣評価 1.00点 Review1人

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