みんなのシネマレビュー

冬の小鳥

(旅人)
A Brand New Life
(여행자/Yeo-haeng-ja/旅行者/Une vie toute neuve)
2009年【韓・仏】 上映時間:92分
ドラマ
[フユノコトリ]
新規登録(2010-10-15)【Carrot Rope】さん
タイトル情報更新(2010-10-17)【Carrot Rope】さん
公開開始日(2010-10-09)


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ブログに映画情報を貼り付け
監督ウニー・ルコント
キャストキム・セロン(女優)ジニ
コ・アソン(女優)イェシン
ソル・ギョング(男優)ジニの父
脚本ウニー・ルコント
製作イ・チャンドン
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【クチコミ・感想】

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11.《ネタバレ》 やっと見ることができた。個人的に孤児院の話は好きで、場自体が悲哀を孕み、濃密な人間ドラマを生みやすい環境でもある。映画ではないが井上ひさし「41番の少年」や吉本直志郎「青葉学園物語」シリーズなど胸を締め付けられる哀切さがある。さて念願のこの映画。皆が言うようにキム・セロンの演技が素晴らしい。彼女の表情がこの映画の主旋律であろう。自分が捨てられたという事実がどうしても受け入れられないジニ。そこに友人としてスッキとの交流が徐々に芽生え、少しだけ彼女の心に落ち着きが生まれる。スッキのような野心的な子も現実にはいるだろう。また先輩イェシンのように悲しいエピソードも彼女の中で思い通りにいかない人生への苛立ちを醸成させる一助にはなっていたことだろう。イェシンが去った後の寮母がやりきれない怒りの表情で布団をたたくシーンなど、この施設での悲哀が十分少女の胸に伝播したことだろう。結局ジニが遠い異国のフランスに行く決意をしたのも友人スッキの影響があったからだと思う。彼女が去った後再び現実を受け止められなくなり、自分で自分を埋葬しようとするもできない。現実を見るしかない。どうせ養子となるなら、いっそ父親を思い出さないよう国内ではなく、海外へと吹っ切ろうとする心の動きも理解できる。最後の父親との自転車二人乗りの回想シーンから空港で里親に出会う流れは本当に静かな感動を生む。自伝的な映画なのでリアリティに満ちているのは当然だが、一つ気づいたのはこの施設女児専用なんだなと。これが男女両方の施設だともっと猥雑なお話になる可能性もあったと思う。実際の彼女がどうだったかはわからないがただ、女児専用の施設という設定でストーリーに一定の清潔さが担保されていると思う。少年との恋愛なども描くと盛りだくさんになるし、主題がぼやける可能性もあるから、これはこの設定(実際どおり?)でよかったと思う。 エリア加算さん [インターネット(字幕)] 8点(2021-08-14 23:00:15)

10.《ネタバレ》 施設収容後は、単調な日々の描写が進むと見せかけておいて、1つ1つの小さなドラマが蓄積し、埋葬シーンでそれが決壊し、混沌と再生に至る。その一筋の光は、飛行機内での闇に消える自転車の回想によって見事に結実する。延々と続いていた曇天の空から陽光輝く空港への転換、そしてドラマが完結したところですかさず着地するフィニッシュ。実に見事な語り口。手紙の内容も見せないとか、そもそもお姉さんに何があったのかも具体的に特定しないとか、描写の慎み深さも忘れがたい。 Oliasさん [映画館(字幕)] 7点(2014-12-13 23:56:40)

9.《ネタバレ》 あれは彼女なりの幼心の自殺なのかな。その後いろいろ諦めて覚悟した彼女の顔が印象的だった。脇役陣もそれぞれ味があったなぁ。幼児言葉はどの国も可愛いですね。 movie海馬さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-04-30 22:01:47)

8.《ネタバレ》 息苦しくなる映画で、この作品のトーンからすると「最後は幸せになりました」じゃなく、最後はきっと「それでも挫けずに頑張ると決意に燃えた目をするぞ」と思っていたら、ラストまで必死に状況に耐えているだけで精一杯で、そんな決意に燃えている余裕すらない。周囲に気を配り、警戒し、次に自分を待っているものの気配を感知しようとそれだけで必死。生きていくって濃縮するとこれなんだ。たしかに人生の真実が描かれてはいるが、ちょっと私には息苦しすぎた。スマイルスマイルって言われても強ばるばかり。変に印象に残っているシーンが、自殺未遂した脚の悪いお姉さんの退院後の挨拶の場。あらたまって、教会にふさわしい悔悟の言葉を連ねていると、幼い子たちからクスクス笑いが起こり、やがて照れていた本人も笑い出す。このシーンがよかった。息苦しさがフッと抜け、この施設の空気が全体として感じ取れた気になった。こういうシーンをもっと欲しかったな。一番親しかったスッキがアメリカに養子にもらわれていって本当に独りになり、スッキと一緒に弔った小鳥のように自分を埋葬してみたり、プレゼントの人形を壊したり、もう最高潮に息苦しい場が、ああいう息を抜くとこがもっとあったら、息苦しさを越えた正体を伴って立ち現われたのではないか(あのスッキっていうのがよく描けていて、主人公にとっては唯一の友だちなんだけど、ちょっと鬱陶しい感じもちゃんと表現されていた)。こぶとりじいさんの話は韓国にもあるんだな。それとも植民地時代にこっちから伝わった可能性もあるか。自分の置かれた運命の重さを次第に理解し、ただただ呆然としている主人公の雰囲気が誰かを連想させるんだが、とずっと気になってて思い出せず、床に入ってから唐突に思い当たった。皇太子さんちの愛子さんだ! なんのかんのさん [DVD(字幕)] 6点(2012-05-22 10:04:22)

7.《ネタバレ》 予備知識無しで観たけど、なるほど自伝的作品ならば、あくまでジニが見た範囲が映像として出てきて、それ以外は説明さえないのも納得できる。だからこそジニの視点に立て、感情移入もできた。わずか9歳で大好きだったお父さんから捨てられた悲しみ。それを受け入れられないでいる日々。絶たれた望み。そして冬の小鳥となる…。ただ、不思議とこの時を境に変わったジニ。これを諦めと呼ぶのか、成長と呼ぶのか。初めての作り笑いにいろいろ考えさせられた。佳作。 リーム555さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-02-21 18:01:07)

6.《ネタバレ》 ホント韓国映画は容赦がない。厳しい現実にひと時の夢を決して描かない。だからこういうラストなのだ。子役の新鮮な表情が素敵だった。この子の表情にくぎ付けの90分だった。 トントさん [DVD(字幕)] 7点(2012-02-05 01:51:59)(良:1票)


5.主演の子の可愛さは申し分ないのだけれど、どこか物足りなさがある映画。 kanekoさん [映画館(字幕)] 5点(2011-11-15 17:18:24)

4.幼いころ施設に容れられ、その後フランスの里親の元に養子に行ったという監督の自叙伝的な作品であるせいか、主人公ジニの目線で綴られる物語は、徹底的にリアリズムを貫いている。
劇中に起こる周囲の出来事も細部が説明されることはなく、ジニの知り得る事実だけが断片的に描かれるが、その最小限の表現で孤児になった女の子たちの現実が十分に突きつけられる。
冒頭の数シーンで見せるジニの子どもらしい無邪気な笑顔と、最愛の父に置き去りにされて以降の笑顔を失った頑なな表情、どちらもキム・セロンの演技が本当に素晴らしく、非常に惹きつけられた。
私は最後まで、もう一度屈託なく笑うジニの笑顔が見たくって、瞬きさえ忘れて見入っていた。
そうしてラストの記念撮影で笑顔を作って見せるジニを見て、もう決してあどけない子どもには戻れなくなった彼女の決定的な喪失感に胸をかきむしられるような気がした。
アップの表情が印象的なラストシーンでは、新しい人生を歩み始めたジニの幸福を祈らずにはいられない。 poppoさん [CS・衛星(吹替)] 8点(2011-11-05 20:14:40)

3.《ネタバレ》 観終わってはじめて自伝的な作品だったと知った。道理で鬼気迫るわけだ。主役の女の子のひたむきな演技もさることながら、その周りを固めるキャラクター達の存在感、リアル感はそのせいだったのか。大きな事件は起こらない。レイプもなければ虐待もない。ただ、どんなに先生達が親切でシスター達が優しくても、孤児院にはやはり哀しみがある。大きな喪失感がある。その大きな存在(もしくは不在)から逃げる者、立ち向かう者、存在自体を否定する者。幼くして「人生」に直面せざるを得ない彼女達の姿は凛々しくそして儚い。
主役の女の子の真っ黒できれいな瞳が心臓に突き刺さった。ひりつく映画だ。 枕流さん [映画館(字幕)] 8点(2011-03-10 21:27:25)(良:1票)

2.《ネタバレ》  主演のキム・セロンの素晴らしい演技に最初から最後まで惹き込まれっぱなしでした。親に捨てられた少女が苦しみながらも寂しさや悲しさに負けずに成長していく姿が本当に意地らしくて可愛らしかったです。何よりも終盤で見せる笑顔が本当に印象的でした。

 そして、過剰なフィクションを盛り込むことなくその姿を静かにそして繊細に描いたウニー・ルコント監督の技量も見事でした。

TMさん [映画館(字幕)] 8点(2010-12-01 00:08:32)

1.『警察日記』の二木てるみ、『ポネット』のヴィクトワール・ティヴィソルにも比肩する子役キム・セロンの圧倒的存在感。
賢しらな芝居を越えた眼差し、表情、佇まいそのものから目が離せない。食器を手で払いのける瞬発的アクションの見事さ。医師との対話シーンでは繊細な長台詞をこなし、情感に富み透き通った歌声を聞かせ、絶妙な表情で喜び・悲しみ・孤独・絶望の諸々を振り幅広く演じきる。
ラストで空港のゲート出口へ向う彼女の、言葉では形容不可能な表情と歩みはとりわけ絶品といえる。

監督をはじめとするスタッフはどのようなアプローチでこれらを引き出すのか、非常に興味深い。優れた助演者たちの功労も大きいだろう。

劇中は子供たちの歌唱以外、音楽を廃した抑制的な語り。エンディングにのみ流れる静かな旋律がまた余韻を残す。

ただ、埋葬シーンの観念性などにはどこかキム・ギドク的な危うさも感じさせる。
ユーカラさん [映画館(字幕)] 8点(2010-10-19 20:56:59)

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【点数情報】

Review人数 11人
平均点数 7.00点
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400.00% line
5218.18% line
619.09% line
7327.27% line
8545.45% line
900.00% line
1000.00% line

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