みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
1.《ネタバレ》 ワカリウッド創始者、ナブワナIGG監督を追ったドキュメンタリー。 失恋したNY在住の売れない男優が超低予算アクション『誰がキャプテン・アレックスを殺したか』の予告編に衝撃を受け、 裸一貫で単身ウガンダにアポなしで乗り込むのが本作の導入部分だ。 町角でDVDを手売りしてる男性を捕まえてスラムに住む監督に辿り着くまでの展開や、 国内・海外のマーケティングの方向性で一度仲違いする展開は再現臭いが、 両人とも互いにリスペクトして、共通のビジョンで映画作りの情熱を滾らせる、地に足のついた目線に引き込まれる。 編集に使うパソコンはジャンク品から組み立て、役者はボランディア、重火器といった小道具は自作、 政情不安でいつ逮捕されてもおかしくないし、クリエイターを支援する制度もない、完全にゼロからの低飛行。 国内外から注目を浴び、多くのメディアから現地取材を受け、 ウガンダのメディア王の協力から『誰がキャプテン~』のTVドラマ版の制作を請け負うまでになっても、 貧しい生活は一向に改善されず、妻が内職に励む、製作環境の厳しさが垣間見える。 引退するかもしれないと弱音をこぼしながらも、監督は内戦の悲劇や暴力を実際に経験しているが故に、 「とにかく観客を笑顔にしたい、地元の人々を幸せにしたい」という想いは確かに伝わった。 メッセージ性だけが取り柄の辛気臭い社会派映画より、単純明快なバカ映画を作っていた方が遥かに真摯で、 現に彼から映画製作を学ぶ若者や子供たちがいて、次世代に引き継がれようとしている。 日本公開された3作を先に視聴したからこそ見えるワカリウッドの裏側は、 未知の国だからこそ、謎のヴェールで包まれているからこその吸引力があった。 惜しむらくはワカリウッド映画には欠かせないVJエミーは少し触れる程度だったこと。 この人なしでは独特の空気と雰囲気は生まれなかった最大の功労者の一人なのだから。 【Cinecdocke】さん [インターネット(字幕)] 6点(2025-06-08 15:41:41)
【点数情報】
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