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コメント数 3881
性別 男性
年齢 53歳

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【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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21.  アベンジャーズ(1998) 一言で言えば、キングスマンの原点、ってな感じ。ただしあれほどには、アクションのキレはありませんが。 この映画の楽しそうなショーン・コネリーを見てると、ボンド役を降りたがったのはつまり、スペクターをやりたかったのでは、と。 バカバカしくって、楽しい映画。いきなり周りを雪景色に変えて見せるなど、場面はムダにドンドン変化して、こんなアホなオハナシにどんだけお金と手間暇かけてるんでしょうか。終盤のズブ濡れの中での戦いなんかも、大量の水をブチまけての大掛かりな撮影。 この映画を最初から最後まで貫く、必然性の欠落。こんな贅沢は、なかなかありません。[インターネット(字幕)] 8点(2021-05-20 22:34:55)《改行有》

22.  アパルーサの決闘 邦題に「の決闘」なんてつけるのは、内容にはあまりそぐわないのですが、でも確かにこの邦題なら、一見して西部劇だとわかる便利さ、というものはありますね。 エド・ハリスとヴィゴ・モーテンセン、この二人、何となく顔が似てると思ってたので、キャスティングとしてどうかと思ったのですが、本作ではちゃんと一方にヒゲを生やさせて、区別しやすいようになっております。 で、エド・ハリスが何やらクセのある保安官で、ヴィゴ・モーテンセンがその相棒、というワケですが、口下手な二人(特にエド・ハリス)の二人の間の独特の距離感、みたいなものが、映画の基調となっているんですね。それを言うなら、敵役であるジェレミー・アイアンズとの間にすらも、単なる敵味方ではない独特の距離感があって。 そんな中で、レネー・ゼルウィガーだけが、距離感を図りがたい変則的な存在となって、物語をかき回す。 ラスト、決闘そのものがクライマックスなのではなく、主人公2人の関係の微妙な変化にこそ、物語の頂点があり、だから、まあ、正直、地味なのですが(笑)、ユニークな作品でした。[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-07-29 07:05:55)《改行有》

23.  アルゴ バカ映画は人を救うか?という人類永遠の命題を描いた作品。と言いたかったけど、ちょっと違うか。この救出作戦のためにデッチ上げられた架空のバカ映画、その架空の製作過程をもっと、微に入り細にわたって描いてくれたらもう、さぞかし感動的なバカ映画になったのではないかと(その場合、あくまでバカ映画、ということになりますが)。  その点、本作はもうちょっと硬派な作りで、しかしクライマックスに向けては「ホントにあった話」とは思えぬ脚色でしっかりハメを外し、大いに盛り上げてくれます。正直、「実話ではココまで盛り上がらないので、ココとココにフィクションを盛ってみよう」という感じの、「盛り上げ要素無理矢理挿入感」とでもいうものが、若干、感じられちゃうのですが。しかし、それでもなお、ハラハラさせてくれるのは、さすが。 ベン・アフレックが、抑えた表情、抑えた演技で、それが主人公の不安なり覚悟なりを感じさせていく。このあたりも、うまいですね。 ラストで、モデルになった実在の人物らしき写真が登場し、どうやら本作の俳優をかなりの程度まで似せているらしいことがわかります。別に、似せたからどうちゅうっことも無いのでしょうが、おかげで、時代感覚みたいなダサい感じがよく出ており、雰囲気作りに貢献しておりました。[CS・衛星(字幕)] 8点(2016-05-16 23:43:38)(良:1票) 《改行有》

24.  アナと雪の女王 《ネタバレ》 ウチの子供とカミさんは映画館で観ているので、ワタシャ当面観ることなかろう、と思ってたのですが、諸般の事情によりレンタル借りることになり。子供たちは繰り返し観ては一緒に唄っており、やっぱり魅力的な作品なんですな(カミさんは「あ、このシーンも憶えてない。私、かなり寝ててんなあ」。そういう人もいるようです)。しかしどうやら、その魅力というのは、ストーリーにあるんじゃなくって、ストーリーそっちのけで展開する、歌、そして見事なCG描写、の方にあるんですね。つまり、いかにもミュージカルらしいミュージカルが、近年においてこれほどヒットしたということ、まさに画期的。いやいや、二人がそれぞれの思いを同時に吐露する「二重唱」に至っては、もはやオペラですよ、これは。ホント言ったら、ハンスの裏切りなんてキャラをを不明確にするだけでおよそ余計だと思うし、クリストフなんて登場させずにその役目はオラフに統合しちゃえばいいと思うし、ついでに雪ダルマは最後溶けちゃえばいいと思ってるんですけれども、あ、あまり目くじら立てないでもいいかな、と。[ブルーレイ(吹替)] 8点(2014-12-13 16:16:30)(良:1票)

25.  アイアン・フィスト RZAが贈る、オレ様仕様のカンフー映画。任侠映画っぽい設定ながら、「ワケがわからんけどとにかく強いヤツが次々やってくる」という『カンフーハッスル』的な荒唐無稽さが楽しいですな。両手を失った主人公が義手で戦う、と聞けば、手塚治虫の『鉄の旋律』を思い出したりもしますが、ああいう屈折したところはなくって実にストレート、ムキムキ金剛との戦いを迎える場面なんて、カンフーどころか、ほとんど『ロッキー』のノリ。画面分割なんぞも駆使して、なんでもアリの雑然ゴチャゴチャ作品、ケチをつけようと思えばそりゃ完成度の必ずしも高くないところもあるかもしれないけれど、作品を一本の「思い入れ」が貫いていて、映画を作る楽しさが、観る楽しさとして伝わってきます。ただそれでも一点、苦言を呈させてもらうと、「子供の頃以来、カンフー映画にハマった」というんだったら、この映画も子供たちに見せられるように、あの噴水みたいな流血シーンをもう少し控えめにしていただけたらな~と思うんですけれども。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2014-12-13 10:55:38)

26.  アウト・フォー・ジャスティス セガールが例によって例のごとくセガールアクションを披露する一方で、監督はジョン・フリン。どこか70年代テイストを感じさせつつ、どこかインディーテイストを感じさせたりもします。セガール演じる主人公、いわゆる“ハミ出し刑事”なんでしょうけれど、ハミ出しなんていうレベルじゃなく、完全に軸足が外に出ちゃってます。刑事らしからぬ格好に(どうしてあんなイデタチなんだろうか?)、刑事らしからぬ乱暴極まる言動の数々。チンピラ育ちが、就職先を間違えて警察官になっちゃった、てな感じで、正義感などまるで感じさせず、ひたすら私怨から、容赦なく大暴れ。乱暴なのは彼自身だけじゃなくって、そもそも映画のノリ自体が乱暴、ストーリーなんてあって無きがごとし。ややもすると単なるパフォーマンスに終わりかねないセガールのアクションを、意味を削ぎ落しひたすら行動を描写することで、ダイナミックなものに仕上げた、これはさすがだと思います。[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-12-18 23:44:09)

27.  アウトロー(2012) 少々(かなり?)老けてきたトム・クルーズの顔、特に、目立つ鼻を見ていると、何となくダスティン・ホフマンに似てきてしまった気がして、そろそろトム・クルーズと若手を組ませて『レインマン2』が製作されちゃうのではないかと。ちなみに『ハスラー』続編が25年後だったから、今年あたりが狙い目かな、と。まーそんな事はどうでもいいのですが、でもついそういうヨタ話をしたくなったのは……本作『アウトロー』を観て、何となく80年代の映画を思い出したから。80年代のアクション映画。少々ユルんだ物からかなりユルんだ物まで(キャノン・フィルム全盛期だしなあ)、それなりに緩みつつも、キメるところはキメてみせる。荒唐無稽さを恐れず、適当なタイミングで適度なアクションを入れるサービス精神。本作のカーチェイスもまさにそれ、必然性よりも、“そろそろカーチェイスも観たいよね”という要望を優先しており、特にあのクルマの側面同士をぶつけ合う基本に忠実なチェイスは、感涙モノなのです。ラストの殴り込みも基本に忠実で、それがかえって新鮮。なぜそこにロバート・デュヴァルが居るのかと言えば、やはりトム・クルーズへの説教が似合うのは彼しかいないだろう、という、これもサービス精神か。ところで肝心の、トム・クルーズ演じる主人公。かつてミステリにおける探偵と言えば、真相を完全に掴むまでは多くを語らない(その結果しばしば連続殺人を招いてしまう)タイプが典型で、またそのアンチテーゼとして、やたら饒舌な探偵像なんてのも生まれたりするのだけど、本作の主人公はと言えば、元軍人でシブく気難しいのかと思えば、結構適当にペラペラしゃべり、それがあまりに適当っぽいのできっと我々に対するミスディレクションなんだろうと思ったら、ちゃっかりと真相を言い当てていたりする。ネタ的には、マルティン・ベックシリーズの某作品みたいな無差別殺人モノなんだけど、探偵像にも謎とき過程のスリルにもちょっと魅力に欠いていて、まあそこがまた、80年代っぽさ、と言えるかも知れませんが。という訳で、単品として見れば楽しめましたが、“新シリーズ誕生!”などとブチ上げられると、ちょっと心配にもなるのでした。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2013-11-17 08:48:37)

28.  アルカトラズからの脱出 《ネタバレ》 言わずと知れた脱獄映画の決定版。とは言ってもこれ、妙な作品でもあって、基本的に監獄の「外の世界」ってのが無いんですよね。ひたすら「中の世界」で脱獄に取り組む姿が、少ないセリフでもって描かれる。「外の世界」ってのが無いから、主人公はどこからともなく現れ、どこへともなく消え去ってしまって、終わり。脱獄の目的は、脱獄そのものにあり。ほとんど無目的とも言える冷えた情熱が、静かに着々と描かれていく。その姿に、そして時に残酷なまでの冷徹な視線に、シビれちゃうんですけれども。ただ、もう少し感情を交えて描いてもよろしかったのでは、という気もしないでもないですが(「静寂」の持つ不気味さの描写、とか)。あと、爪切り盗んだりスプーン盗んだり、ギリギリの綱渡りのような脱獄手段についての綿密な描写がある一方で、後半は何でもかんでも簡単に手に入れちゃう大味な描写になってしまうのも、ちょっと残念。というか、実際に命がけで脱獄算段を練る脱獄者と、その脱獄手段を空想してみる映画製作者との、想像力の差なのかも知れませんが。[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-09-18 20:57:06)(良:1票)

29.  悪魔の沼 よくもまあこれだけバッチいセットを作ったもんだと。そしてよくもまあ、こんなキタナいモーテルに、みんなアタリマエのような顔して泊まれるもんです。普通の作品なら、キタナイ=リアリティ、なんですけれど、この映画ではもはや、あまりのキタナさが、超現実的な世界観へと昇華されているという・・・。内容もおよそまとまりといったものは無く、メチャクチャだし。変態男がワニを飼っている、という、ただそれだけ。あとは成り行きまかせ。しかしその物語のカオスが、やがて同時進行する醜悪さと恐怖へつながっていき(床下の少女、階上に監禁された母親。終始落ち着かず考えの読めない変態に対し、妙に毅然とした意志を感じさせるワニ)、最後には妙に納得させられてしまうのが、この映画の不思議なところ。音楽がこれまたデタラメで、とても良いです。[DVD(字幕)] 8点(2011-08-17 08:15:00)(笑:2票)

30.  アーマード 武装地帯 現金輸送車の大金を、あろうことか輸送を受け持つ警備員たちが奪う、という現金強奪作戦。しかし、現場に目撃者がいたことから、思わぬ展開になる。なぜ計画が頓挫するかと言えば、仲間が“6人”しかいないからですね。「七人の~」「~の七人」でお馴染みの“7人”に、一人足りない。これがケチのつき始め。6人の中のひとりである主人公タイは、従軍経験があり、凄惨な体験もしてきたらしいが、詳しくは語られない。ドッキリにひっかかってビビりまくったり、絶対に血を流さない条件でこの計画に参加したりするあたりの、ひとの良さ(そんな彼でも道を踏み外してしまう。金が無いことの不幸。彼の従軍経験も、おそらく貧困と関係があるのだろうけれど、映画ではあえて触れられない)。流血沙汰となってしまったことで、彼は仲間と対峙し、この計画の阻止を図る。現金輸送の装甲車の中に立てこもる彼、そう、まさにこの映画は、ついつい嬉しくなってしまう“立て篭もり”の映画。それも、“立て篭もり”の内部から描く通常のパターンではなく、“立て篭もり”を破ろうとする外部から描く、一種の人間狩り、でもあります。装甲車のドアを破ろうとする手立てが逐一描写されていく、その克明さ(観てる側も正直、主人公タイではなく残り5人に肩入れしてしまいがち)。一方でタイの、どう行動をとるべきかの苦悩が描かれもする訳ですが、単にもっともらしく「今、悩んでます」という表情を描くだけではないのが、この映画の密度の高さ。彼の苦悩の表情と、その背景における何らかの「動き」は常にセットになっていて、映画の推進力が損なわれることはありません。この密度の高さがあってこそ、90分に満たない尺に収められる訳で。派手でもなく、長くもない映画ですが、意外な充実感のある作品です。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2011-07-05 22:46:20)

31.  悪魔のいけにえ この映画を観てわかること、それは、チェーンソーってのはヒトを襲うのにあんまり適してないなーっちゅうことでして。何しろ、“チェーンソー”が逃した獲物を、何と“ホウキ”が仕留め、捕えてしまうという、トホホな展開。凶器として、箒にも劣るチェーンソーって、一体・・・。映画冒頭の、謎の墓アバキにあった死体と、無機質なカメラのフラッシュ。まったく主体を欠いたカメラ。この後もカメラは、短いショットを積み重ねながら、淡々と、灼熱の南部を行く若者一行の異常な体験をとらえていくのだけど…最後の「獲物」となった女性が巻き込まれる恐怖の儀式、その場面においては、カメラまでもが豹変し、客観性をかなぐり捨て、まるで儀式に参加するように、女性をいたぶり続ける。いやあ、女優生命終わりでしょう、これで(たぶん始まったばかりでしょうけど。笑)。残酷描写そのものよりも、アングラ性の方が、より強い恐怖を引き起こす、という良い例が、この映画。[DVD(字幕)] 8点(2008-10-13 17:19:57)(笑:1票) (良:2票)

32.  アンタッチャブル 初めて観たのは、学生の頃、友人宅でのビデオ鑑賞だっけ。友人の方はすでに鑑賞済みで、私が観てる横でアレコレ要らぬコメントを連発し続ける・・・「この女の子、この後『ミスター!ミスター!』って言うデ」「この金鎖の音、よう聞いとけよ」「今、A teamを『エイ・ティーム』って発音してたやろ。『ひとつのチーム』を強調した言い方やねん」「ああ、人間って弱いなあ」「ホンマに人間って弱いなあ」「う~む、人間って弱いなあ」←終わりの方、このコメントばっかし(笑)。さて、皆さんは、彼のこれらのコメントだけ聞いて、これが『アンタッチャブル』の感想だと、お分かりになるだろうか。彼には何か、他の光景が見えていたのかもしれない。映画の摩訶不思議なところだ。ちなみに彼はその後、イギリスに留学し、以来、音信不通だ。もしこれを読んでたら、連絡下さい(←伝言板に使うなっての)。ええと、話が大きく逸れましたが、上記の彼の言うところの「人間の弱さ」、つまり後半のエリオット・ネスの心の葛藤、ですけれども、コレが実に、ケビン・コスナーのイモっぽさとマッチしており、私も、こりゃなかなか適役だわい、と思った次第。これに限らず、映画全体的に、マンガっぽいわかりやすい配役ではありました。[ビデオ(字幕)] 8点(2006-08-02 23:02:48)

33.  アミスタッド 人種問題を取り上げている時点で、どうしてもイデオロギー臭い映画に思われ勝ちですが、決してそんな一筋縄でいくような映画ではありません。怖さと美しさが同居した映像こそがこの映画のキモと言えるのではないでしょうか。囚われのアフリカ人たちが船上から錘をつけられ「処分」されるシーンのおそろしさ。「悲惨」とか「可哀想」ではなく、これは紛れも無く「恐怖」の映像。映画はしばしば、敢えて「見せない」ことで「想像に訴える」恐怖を演出するが、だからこそ、時にはこのような「想像を越える」恐怖を敢えて「見せる」ことが、驚くべき効果をもたらします。その一方では、例えば裁判のシーンでは、室内に柔らかい光が立ち込めて、むしろ穏やかな美しさにあふれています。この対比こそが、本作の持つ本当のパワーと言えるでしょう。[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-10-24 23:24:32)(良:1票)

34.  アウトロー(1976) 南北戦争を背景に、家族を殺されたひとりの男の逃避行&復讐譚、という体裁ではあるのですが、アメリカの歴史のさまざまな暗部が、そこには織り込まれています。一筋縄ではいかない作品です。南北戦争の陰では多くの民間人が非道なる暴力の犠牲となり、さらにその陰には迫害を受け続ける先住民がいる・・・。さすがにアレコレ詰め込みすぎで、散漫の一歩手前、という感じが無きにしも非ずですが、それがこの映画の場合、決してヤな感じではありません。映像的にも、背景・奥行きへ配慮した丁寧な作りとともに、時に挟まるアヤしげなレオーネ風味など、大胆な演出もしっかり織り交ぜ、まさに大作の風格を備えた作品となっています。印象的な陰の演出。イーストウッドの表情が見えにくいので、ますます画面に目をこらしてしまう! ずるい(笑)。でもその分、ラストの一騎打ちはまさにイーストウッド怒りの表情の見せ所、震えがきてしまいました。ところで歴史の暗部と言えば、「イーストウッドをタブラかすソンドラ・ロック(?)」というハリウッド史の暗部(??)すらも、この映画には反映されていると言う・・・。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2005-06-12 23:16:38)(良:2票) 《改行有》

35.  アンツ フルCGアニメで何もこんな説教臭い映画作らなくても、という気持ちも無いでは無いですが、逆に、こんな映画二度と作れないんじゃないか、という感慨も起ります。アリ達の豊かな表情など、CGは見ごたえありますが、戦闘シーンに至っては、もはやエゲツないと言える程の描写。この辛口さ加減、一体どういう観客層をターゲットにしているのでしょう。まあ貴重な映画です。8点(2003-07-12 22:32:49)

36.  アラモ(1960) 西部劇の終着駅というべき、アラモ砦の攻防戦を、ジョン・ウェインが渾身の力で映画化。まあ成功作とは言えないでしょうが、ジョン・ウェインの熱い思いの伝わる激しい戦闘シーンは、とてつもない迫力でやっぱり忘れられません。ただ、オスカーを意識しすぎて、やや説教臭い部分があるのは否めませんな。8点(2003-06-29 10:53:44)

37.  アルタード・ステーツ/未知への挑戦 「もし自分が映画監督なら」と無謀な事をだれしも一度は考えるでしょう。私の場合「一本の映画の中にどれだけ、脈絡無さそうな色んなシーンを詰め込めるか」てなことを考えてしまいます。で、この映画。その観点で観てるとなんか嬉しくなります。余談ですが、昔、英語の先生がこの映画の題名について、「アルタードではなくて、オールタードが正しい」とおっしゃっておりました。なるほど。8点(2003-05-17 23:13:55)

38.  悪魔の赤ちゃん3 禁断の島 第1作から13年、今回も監督と脚本を手掛け(さらに製作総指揮も)、ラリー・コーエンのライフワークみたいになっちゃってる、この悪魔の赤ちゃん3部作。いや、まだ続編を作りそうな気配も濃厚な終わり方なのですが、こういうのは一種のお約束なのであって、実際は第4作は作られず。残念なようでもあり、当然のようでもあり。 もはやバーナード・ハーマンもリック・ベイカーも全く関わっていない(前者はとっくに鬼籍に入っているし)と思うのですが、クレジットには一応、名前が出てて、一作目の遺産を厚かましくも見事に食いつぶしていっている感じがいたします。 今回は、悪魔の赤ちゃんが、人道的なんだか何なんだかよくわからない措置を受けることになって、どこやらの無人島に送り込まれる。で、そこで成長し人知れず増殖しているのを、再び捕まえに行く、という、『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』の先駆けのようなオハナシ。もちろん、悪魔の赤ちゃんたちが船で本土に上陸してくるのも同じですね。 悪魔の赤ちゃんが5歳にして巨大化しており、こうなるとかなりカッコ悪い着ぐるみでの演出になってしまうのですが(だもんで例によって、暗がり、出し惜しみ、チラリズム)、まだ悪魔の赤ちゃんが赤ちゃんの状態の時(よくわからん言い方だが)には、ストップモーションアニメの手法も使われていて、こういうのは見ててエラく楽しいもんです。 島の描写では悪魔の赤ちゃん目線の一人称カメラも使われ、不気味かつチープかつ胡散臭い雰囲気が漂います。 悪魔の赤ちゃんがこっそりヘリに忍び込んでいて、操縦士が襲われると何故かヘリが空中で爆発したり、終盤、屋根の上で警官隊と死闘を繰り広げると、警官たちが面白いようにコロコロと投げ飛ばされて激ヨワだったり、トホホなシーンが続出しますが、中でも一番ワケがわからないのが、マイケル・モリアーティ演じる赤ちゃんの父親がキューバに漂着するも、キューバ人たちと意気投合して早々に解放される、という展開。ストーリー上は全く無意味ですが、あえてこういうシニカルなエピソードを挟んでくるのがまさに、一筋縄ではいかないところ。 インディー魂、おそるべし。[インターネット(字幕)] 7点(2024-05-05 10:44:00)《改行有》

39.  アナーキー(2014) シェイクスピアの戯曲を、現代を舞台に蘇らせる。ってのは良いとしても、よりによって「シンベリン」を選ぶというのが、実に冒険的、いや、実に無謀。実にアナーキー。原作はシェイクスピア晩年の「ロマンス劇」期の一作。荒唐無稽。特にこの「シンベリン」は近年まで失敗作とみなされていたらしい。 こういう作品を、そのまんま、ギャング映画に仕立てちゃってます。ちくま文庫のシェイクスピア全集で読めますけどね(ヒロインの名前が版によって2つの説があり、ちくま版はイモジェンではなくイノジェンを採用)。いやホント、そのまんま。って言うか、この内容でオリジナル脚本だったら、ビックリしまっせ。 という訳で、あくまでコレ、シェイクスピアをやってるんですよ、というのがわかるように、いかにも演劇調のセリフ回し。元のストーリーが不自然な上に、セリフ回しも不自然で、もはやヤケを起こしているような映画ですが、ある意味、バランスが取れてると言えば、取れてます。 セリフが多くなってしまっているとは言え、映像はしっかり陰影に富んでいて、雰囲気、悪くありません。ヒロインが森を歩く場面なんかも鮮やかで、いいですね。 劇冒頭の紳士の会話は、映画ではテロップ表示に置き換えられ、断片的な映像が示された後、舞台は一週間前へ。夜の雰囲気。ここで流れる音楽が、おや、これは、ジョン・ケージ作曲の「ある風景の中で」、じゃなかった、これは「夢」の方ですね。どうもこの2曲、ごっちゃになる。ここでジョン・ケージの曲が使われているということは、もしかして、我々が気づいていないだけで他にもケージ作品が劇伴に使われてたりして。例えば、劇伴が流れていないと思しき場面でも、実はケージの「4分33秒」が流れている、ってことなんだろうか、んなアホな。 それはともかく、この作品。どうしてこんな作品を作ろうと思ったのかが最後までナゾなんですが、それでも何でもちゃんと見応えがあるもんだから、狐につままれた気分になる。悪い気分ではありません。[インターネット(字幕)] 7点(2023-12-24 18:06:55)《改行有》

40.  悪魔の赤ちゃん2 前作でかなり出し惜しみしたとは言え、例の悪魔の赤ちゃん(←あくまで邦題ですが)の姿はすでに画面上に登場して我々も知っているので、2作目では遠慮なくガンガン登場するのか、と思いきや、やっぱり画面になかなか現れない。予算の関係なのかどうなのか(いや、そうに決まってる)。 しかし、この画面になかなか登場しない(させられない)制約というのは、これはこれで別の可能性も引き出している訳で、姿を写さない代わりに不気味な泣き声でその存在を描くのが、効果を上げています。いや、いくら低予算だろうが、リック・ベイカーの手によるナイスな造形の撮影用ギニョールはあるんだから、登場シーンを増やすことは可能、というか、むしろ増やしたくなるのが人情だろうけれど、そこはグッと堪えて、出し惜しみ。 見せてナンボのCG時代にはこういうアプローチも難しくなって(こういうアプローチをとる必要も無くなって?)、これもまた、良くも悪くも当時のホラー作品ならではの味わい、でしょうか。こういう映画が後の80年代のホラー量産の礎を作った、と思えば、ラリー・コーエンの先見の明みたいなものが感じられてきます。 という訳で、微妙なホメ言葉を並べて結局は、地味な作品だと私は言っているのですね。 姿は露わさねど、人数は増えた悪魔の赤ちゃん(数少ない出番ながら、動きは前作よりも良くなった気が)。彼らの抹殺を図ろうとする警察と、それを阻止しようとする組織の対立が描かれる、という趣向ですが、それなりに地味。地味ですが、雰囲気はある。夜の不気味さ、みたいなものがよく出ています。 で、例によって、我が子となると理性が揺らぐのが親心。周囲からすれば、次には一体何を言い出すやら予想できない、それが親心。 ラストの尻すぼみ感も含めて、これは一種のホームドラマなんですよ、きっと。[インターネット(字幕)] 7点(2023-08-14 08:31:05)《改行有》

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