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コメント数 3883
性別 男性
年齢 53歳

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【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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41.  アイガー・サンクション 実際の山で撮影を行い、スタッフとして参加していた登山家の一人がロケ中の事故で亡くなったという、いわくつきの作品。というだけあって、まあそれはそれは、過酷な様子が伝わってきます。場面によっては、カメラマンらしい人影が映ってしまうのも、撮影スペースが極めて限られていた所以か。 もちろん、単に「頑張って撮影してきました」というだけの作品ではなくって、物語の面白さ、登場人物のユニークさがあってこそ、なんですが、それにしたって圧倒されるのはやはりこの、緊迫感と臨場感あふれる映像。わざわざ顔がしっかり映るようにして、代役ではなく本人であることをアピールして見せたり。 ただ、「物語の面白さ」とは言っても、後半はひたすら登攀が描かれることの面白さであって、陰謀劇という要素はだんだん薄れていき、いわば、目的そのものが欠落した、描写の面白さに変貌していく。目的の無さ。登山ってのは、そういうものかも。[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-07-07 23:24:42)《改行有》

42.  アウトブレイク 随分久しぶりに観ましたが、やっぱり、何なんでしょうね、この映画。前半はカサンドラクロスで、後半はカプリコン1と化す、というスペシャルコースのはずなんですが、あまりワクワクしない。そもそも、題材のわりに、あんまり怖くないんですよね。アメリカのとある田舎町に殺人ウィルスがもたらされ、町が封鎖される、これがまず、演習か何かみたいな光景で、ちっとも怖くない。別にリアリティなんて無くったって、もっとコケオドシの圧迫感を感じさせるような封鎖の光景を演出してくれれば、イイんですけどね。カサンドラクロスは閉塞状態の不気味さが出てましたし、逃げ出そうとするヤツがいればそこに危うさも感じさせました、本作にも逃げ出そうとするヤツが出てきてヒドイ目に合ったりはするものの、雰囲気は何とも、のどか。 もっとも、あまり悲惨な描写に走らず、人と人の対立もなるべく殺す・殺されるという描き方を避け、あくまで楽天的に仕上げている映画だな、ということはわかるのですが。それにしても題材が題材ですから、パニック映画らしさは、何とかもう少し盛り込んでもらえなかったものか。 例えば、感染の舞台となる町の住人の中に、主人公の知人を混ぜておき、その人物の視点で町の内側を描くとか。本作では基本的に町の人々が「名もなき通りすがりの人」扱いで終わっており、感染が広がる過程の描写も説明的過ぎる印象。 あと、ウィルスの宿主を突き止めていく後半も、これはさすがに描写を端折り過ぎでしょう。ボートに飛び移る場面とか、麻酔銃を撃つ場面とか、見せ場はそれぞれ準備してくれてはいますけど、そもそも「ウィルスを抑えるためのカクカクシカジカの手順」に物語を縛られるあまり、雑多なエピソードが、間を端折って並べ立てられてしまうことになる。これが、悪い意味での「ご都合主義」との印象に繋がってしまってます(例えばカサンドラクロスにおける伝染病収束は、良い意味の「ご都合主義」だと言えるでしょう)。 いずれにせよ、パニック映画としては多少弱くとも、アクション、サスペンス、ユーモアを交えながら、正義感や勇気といったものを素朴に描いて見せた、イヤミの少ない映画ではあるかと。[CS・衛星(字幕)] 6点(2016-05-22 08:54:52)《改行有》

43.  アルゴ バカ映画は人を救うか?という人類永遠の命題を描いた作品。と言いたかったけど、ちょっと違うか。この救出作戦のためにデッチ上げられた架空のバカ映画、その架空の製作過程をもっと、微に入り細にわたって描いてくれたらもう、さぞかし感動的なバカ映画になったのではないかと(その場合、あくまでバカ映画、ということになりますが)。  その点、本作はもうちょっと硬派な作りで、しかしクライマックスに向けては「ホントにあった話」とは思えぬ脚色でしっかりハメを外し、大いに盛り上げてくれます。正直、「実話ではココまで盛り上がらないので、ココとココにフィクションを盛ってみよう」という感じの、「盛り上げ要素無理矢理挿入感」とでもいうものが、若干、感じられちゃうのですが。しかし、それでもなお、ハラハラさせてくれるのは、さすが。 ベン・アフレックが、抑えた表情、抑えた演技で、それが主人公の不安なり覚悟なりを感じさせていく。このあたりも、うまいですね。 ラストで、モデルになった実在の人物らしき写真が登場し、どうやら本作の俳優をかなりの程度まで似せているらしいことがわかります。別に、似せたからどうちゅうっことも無いのでしょうが、おかげで、時代感覚みたいなダサい感じがよく出ており、雰囲気作りに貢献しておりました。[CS・衛星(字幕)] 8点(2016-05-16 23:43:38)(良:1票) 《改行有》

44.  アーロと少年 《ネタバレ》 この映画の作者はもしかして、人間がペットを飼うことに反対なんだろうか、と何だか心配になってくるんです。人間の役をよりによって恐竜にさせ、ペットの役をよりによって人間に置き換える。「人間とペットの友情」なら「フン」と思う人だって、人間っぽいヤツ(恐竜アーロ)と人間そのもの(少年スポット)との関係なら、誰しもこれを飼う飼われるの関係ではなく友情として捉えられるでしょう、ということでしょうかね。しかもいくら友情があるにせよ、その「人間」を、仲間のもとに帰してやるのが、自然であろう、という結末・・・。そりゃまあ私も、子供が何か生き物を捕まえて来たら、「逃がしてあげたら?」とかよく言いますけれども(笑)。 しかしこの最後の別れ、やむをえない別れというよりもむしろ、アーロが自ら選んだ別れであるところが、ミソなんでしょうね。地面に描いた輪も、だからこそ生きてくるし、独り立ちできるようになったアーロの成長の証でもある訳で。 中盤の冒険を通じてアーロが成長する、というのはお約束というか定番、しかし、荒唐無稽な設定の割に物語はあまり波乱万丈という感じではなく、やや大人しいオハナシかな、という印象もありますが。 CGとも実写ともほとんど判別不可能な自然の描写、これは見どころのひとつと言ってよいでしょう。[映画館(吹替)] 7点(2016-04-10 21:03:08)《改行有》

45.  アルバレス・ケリー 《ネタバレ》 南北戦争下、北軍へ牛の群れを届ける男が、アルバレス・ケリー。冒頭の「あ~るばれ~すけ~り~」という陽気な主題歌が耳から離れず困ってしまいます。で、北軍相手の商売がうまくいってるのかと言えば、人の足元をみたように無茶な注文をつけられて、何だか面白くない。そうこう言ってるうちに、ケリーは今度は南軍にとっつかまって、コチラに協力しろと脅される。 南軍側の大佐がR・ウィドマーク。コワモテの顔に眼帯をつけて凄みを利かせ、ケリーの指を撃ち落とすなどの非道をはたらくのですが、映画自体は別に南軍が悪で北軍が善というスタンスでも何でもなく、それは、中盤に登場する、北軍に協力的でない黒人の冷ややかな態度にも表れています。それはケリーとて同じこと、彼はあくまでカウボーイとしての自分に忠実であり、その仕事に意地を持っている。 しかしその主人公を演じてるのがW・ホールデン。どうも特徴が無いといいますか、優等生的であまり頑固者の感じがしない。もうちょっとアクの強い俳優さんの方が良かったかも??? 途中、南軍から逃げようとするエピソードが、中途半端な感じもする一方で、ある意味この優等生顔に似合っているような気もします。 で、クライマックスは、「食い物の恨みは恐ろしい」ならぬ「食い物が暴れたら恐ろしい」という、牛の群れを暴走させて北軍を蹴散らすダイナミックなアクション。ここで主人公の意地もピークに達し、南軍、北軍にも肩を並べる第3の勢力とも言うべき立ち位置に。そして主人公と南軍大佐との関係もピークへと達して、何かと盛り上がるのでありました。[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-02-21 08:27:46)《改行有》

46.  アイアン・フィスト2 ん~。前作よりもちょいとお安い感じになってますかね。でもそれがかえって、前作よりもさらにカンフー映画「らしさ」にもつながっています。要するにこの、何とも田舎臭い感じ、そして懐かしい感じ、ですね。いつの時代とも知れぬ中国の、どことも知れぬ村で、横暴な「組長」に人々が虐げられており、そこにやってくるのが、鉄の拳を持つRZA様。前作と異なり、これといってスターが起用されていない本作、さらには肝腎の鉄拳RZA様の出番も控えめで、ますます地味になっちゃうのだけど、いやいやカンフー映画ってこんなもんでしょ~という気もしてきます。基本的には圧政に耐える、耐えてこそついに立ち上がった際のカタルシスも大きくなろうというもの。そうなりゃ後は血しぶき飛び散る残酷描写も花開き、さらには・・・おっとこれは言えない、バカバカしくも意外な展開も待っていて、乞うご期待。あまり期待せずに、ご期待ください。 ちょっと全体的に地味な印象を受ける理由の一つに、「ちょっとアクションにスピード感が無いんじゃないの~」というのがあるのですが、まあこれは、RZA様の動ける速度に合わせたのかも知れない(笑)、むしろここでは、“見得を切る”ような決めポーズのカッチョよさが見どころで。こんな感じで第3作も作ってほしいような、もう要らないような。 それにしても、あの採掘を行っていた洞窟、もしやホンモノの鍾乳洞で撮影して、まさかホンモノの鍾乳石をメチャクチャにしてたりは、しないでしょうね??[ブルーレイ(字幕)] 7点(2016-01-19 22:55:37)《改行有》

47.  青空に踊る 日本との戦争のさなか、アステア演じる撃墜王たる主人公にも休暇が与えられ、さっそく美人カメラマンにつきまとう。ジンジャー・ロジャースの相方の「フレンド」だ、などとウソ(?)をついたりして。で、相思相愛いい感じ、と順調に進んだのでは映画として面白くないけれど、変にモタついてばかり、これはこれであまり面白くない。いや、アステアのダンスが拝めりゃストーリーなんて二の次で楽しめるんだけど、ダンスシーンもあまり出てこないもんだから、さてどうしよう(でもダンスが始まればやっぱりスゴイのだけど)。そうこうしているうちにアステアは戦場に戻ってしまい、かなり「なんのこっちゃ」な展開で終わってしまう。ただ、1943年という時代背景が、ここにそのまま投影されているんだなあ、とは思います。まさに戦時下、休暇が終わればまた戦争なんだな、と。逆に言えば、こんな時代に、こんな生々しい題材を内包しながら、よくもこんな平明なミュージカルを作ったものよ。[CS・衛星(字幕)] 5点(2015-02-19 23:14:28)

48.  アメイジング・スパイダーマン2 このアメイジング・スパイダーマンというシリーズは、「スパイダーマン」という器を借りた、実は青春ドラマらしくって、ココに登場するスパイダーマンは、「青春」に忙しく、基本的に敵と一生懸命には戦ってません。それはそれでいいのかも知れないけれど(私はヤだけど)、その結果として、悪役の怪人にも魅力が無くなってしまっているのが残念。エレクトロが、とことんキラキラピカピカしまくる、しかしそれだけ、という作品でした。[ブルーレイ(吹替)] 6点(2015-01-22 22:45:14)(良:2票)

49.  アナと雪の女王 《ネタバレ》 ウチの子供とカミさんは映画館で観ているので、ワタシャ当面観ることなかろう、と思ってたのですが、諸般の事情によりレンタル借りることになり。子供たちは繰り返し観ては一緒に唄っており、やっぱり魅力的な作品なんですな(カミさんは「あ、このシーンも憶えてない。私、かなり寝ててんなあ」。そういう人もいるようです)。しかしどうやら、その魅力というのは、ストーリーにあるんじゃなくって、ストーリーそっちのけで展開する、歌、そして見事なCG描写、の方にあるんですね。つまり、いかにもミュージカルらしいミュージカルが、近年においてこれほどヒットしたということ、まさに画期的。いやいや、二人がそれぞれの思いを同時に吐露する「二重唱」に至っては、もはやオペラですよ、これは。ホント言ったら、ハンスの裏切りなんてキャラをを不明確にするだけでおよそ余計だと思うし、クリストフなんて登場させずにその役目はオラフに統合しちゃえばいいと思うし、ついでに雪ダルマは最後溶けちゃえばいいと思ってるんですけれども、あ、あまり目くじら立てないでもいいかな、と。[ブルーレイ(吹替)] 8点(2014-12-13 16:16:30)(良:1票)

50.  アイアン・フィスト RZAが贈る、オレ様仕様のカンフー映画。任侠映画っぽい設定ながら、「ワケがわからんけどとにかく強いヤツが次々やってくる」という『カンフーハッスル』的な荒唐無稽さが楽しいですな。両手を失った主人公が義手で戦う、と聞けば、手塚治虫の『鉄の旋律』を思い出したりもしますが、ああいう屈折したところはなくって実にストレート、ムキムキ金剛との戦いを迎える場面なんて、カンフーどころか、ほとんど『ロッキー』のノリ。画面分割なんぞも駆使して、なんでもアリの雑然ゴチャゴチャ作品、ケチをつけようと思えばそりゃ完成度の必ずしも高くないところもあるかもしれないけれど、作品を一本の「思い入れ」が貫いていて、映画を作る楽しさが、観る楽しさとして伝わってきます。ただそれでも一点、苦言を呈させてもらうと、「子供の頃以来、カンフー映画にハマった」というんだったら、この映画も子供たちに見せられるように、あの噴水みたいな流血シーンをもう少し控えめにしていただけたらな~と思うんですけれども。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2014-12-13 10:55:38)

51.  愛のメモリー 《ネタバレ》 妻子に恵まれ、結婚10周年を迎えた人生順風満帆の男が、ある日、悲劇に見舞われる。妻子が身代金誘拐の犠牲となり、帰らぬ身となってしまったのであった。それから歳月が流れ、ビジネスで訪れた先のイタリアで、男は、亡き妻ソックリの女性を目撃する……。と言う訳で、この「ソックリ」の女性に対する、男の“オブセッション”が作品の中心となっていくのですが、ここに何だか違和感がありまして。妻だけではなく、大事な一人娘も失っているというのに、「妻ソックリさんへの妄執」一本やりってのは、設定としてバランスが悪い(墓碑に書かれた妻子の生年を見ると、妻は10代で結婚し、すぐに娘が生まれたらしい。妻と幼馴染ででもない限り、妻と知りあってからの歳月の大半は、娘が生まれて以降の3人での生活だったハズ)。うーむ、妻の幻影を追い求めるストーリーなんだったら、子供はいない設定の方がしっくりするんだけれど。⇒⇒⇒一応ネタバレ表示したとは言え、この件についてはこれ以上書けません(笑)。いずれにせよ、オモシロイ作品です、ハイ。ヒッチコック作品を本歌取りのように用いて、これが一種の目くらましのようにもなっており、神秘性を出すことにも成功していますが、ただ、結末の説明的な部分がちょっとクドイですかね。主人公の崩れていく姿が充分に描き切れなかった気もいたします。[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-09-07 08:20:51)

52.  アパッチ(1954) 主人公であるアパッチ族の青年マサイをバート・ランカスターが演じていて、先住民の俳優ではないのが、製作された時代の制約なのかも知れませんが、彼の身体能力を駆使したこの演技を見ると、彼の起用は大正解だとも感じさせます。先住民たちが白人たちとの共存の道を選ぶ中、白人社会に背を向け戦い続ける主人公。映画は決して彼に対して同情的な視点では描いておらず、その頑なな態度を、いかにも頑なに描いている。差別され疎外される側の立場を変に理解を持って描くよりも(つまり白人の視点に「翻訳」するよりも)、この映画の描き方の方が、より誠実とも言えるでしょうし、何よりも、善悪や好悪という視点ではなく、信念に生き行動に生きる主人公の姿をそのまま我々の前に描きだすからこそ、我々は心を打たれるのです。そして、彼を単純に支えるのではなく、彼と対峙し、彼に影響を与え続ける先住民の女性。戦いを通じ、また彼女との関係を通じ、自らの手で生きる道を選び、掴み取っていく主人公、バート・ランカスターという俳優の肉体を得て、見事な存在感を示しています。[CS・衛星(字幕)] 9点(2014-08-24 14:29:36)(良:1票)

53.  アウト・フォー・ジャスティス セガールが例によって例のごとくセガールアクションを披露する一方で、監督はジョン・フリン。どこか70年代テイストを感じさせつつ、どこかインディーテイストを感じさせたりもします。セガール演じる主人公、いわゆる“ハミ出し刑事”なんでしょうけれど、ハミ出しなんていうレベルじゃなく、完全に軸足が外に出ちゃってます。刑事らしからぬ格好に(どうしてあんなイデタチなんだろうか?)、刑事らしからぬ乱暴極まる言動の数々。チンピラ育ちが、就職先を間違えて警察官になっちゃった、てな感じで、正義感などまるで感じさせず、ひたすら私怨から、容赦なく大暴れ。乱暴なのは彼自身だけじゃなくって、そもそも映画のノリ自体が乱暴、ストーリーなんてあって無きがごとし。ややもすると単なるパフォーマンスに終わりかねないセガールのアクションを、意味を削ぎ落しひたすら行動を描写することで、ダイナミックなものに仕上げた、これはさすがだと思います。[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-12-18 23:44:09)

54.  アウトロー(2012) 少々(かなり?)老けてきたトム・クルーズの顔、特に、目立つ鼻を見ていると、何となくダスティン・ホフマンに似てきてしまった気がして、そろそろトム・クルーズと若手を組ませて『レインマン2』が製作されちゃうのではないかと。ちなみに『ハスラー』続編が25年後だったから、今年あたりが狙い目かな、と。まーそんな事はどうでもいいのですが、でもついそういうヨタ話をしたくなったのは……本作『アウトロー』を観て、何となく80年代の映画を思い出したから。80年代のアクション映画。少々ユルんだ物からかなりユルんだ物まで(キャノン・フィルム全盛期だしなあ)、それなりに緩みつつも、キメるところはキメてみせる。荒唐無稽さを恐れず、適当なタイミングで適度なアクションを入れるサービス精神。本作のカーチェイスもまさにそれ、必然性よりも、“そろそろカーチェイスも観たいよね”という要望を優先しており、特にあのクルマの側面同士をぶつけ合う基本に忠実なチェイスは、感涙モノなのです。ラストの殴り込みも基本に忠実で、それがかえって新鮮。なぜそこにロバート・デュヴァルが居るのかと言えば、やはりトム・クルーズへの説教が似合うのは彼しかいないだろう、という、これもサービス精神か。ところで肝心の、トム・クルーズ演じる主人公。かつてミステリにおける探偵と言えば、真相を完全に掴むまでは多くを語らない(その結果しばしば連続殺人を招いてしまう)タイプが典型で、またそのアンチテーゼとして、やたら饒舌な探偵像なんてのも生まれたりするのだけど、本作の主人公はと言えば、元軍人でシブく気難しいのかと思えば、結構適当にペラペラしゃべり、それがあまりに適当っぽいのできっと我々に対するミスディレクションなんだろうと思ったら、ちゃっかりと真相を言い当てていたりする。ネタ的には、マルティン・ベックシリーズの某作品みたいな無差別殺人モノなんだけど、探偵像にも謎とき過程のスリルにもちょっと魅力に欠いていて、まあそこがまた、80年代っぽさ、と言えるかも知れませんが。という訳で、単品として見れば楽しめましたが、“新シリーズ誕生!”などとブチ上げられると、ちょっと心配にもなるのでした。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2013-11-17 08:48:37)

55.  雨に唄えば ジーン・ケリーとドナルド・オコナーが、縦横無尽に踊り歌いまくれば、カメラも縦横無尽に走りまくる。まぎれも無くこれはアクション映画です。目の前で生身の役者が歌と踊りを繰り広げ、息遣いが直接伝わる舞台ミュージカルと違って、スクリーンを通じた間接的なものに過ぎないのが映画、しかし、映画でこそ可能な表現があり、また違った感動が、そこにあります。サイレントからトーキーへの移行時期の混乱を描き、音声ズレのギャグが、笑いをもたらすだけじゃなくて、ストーリー展開上の大きなキッカケとなっていたり、『ジャズ・シンガー』の成功を見るや一気にトーキーになびいてしまう業界の軽薄さとそれに乗っかり成功しちゃう主人公たちのチャッカリぶりがあったり、と、心憎くもまたアホらしいお話なのですが、いずれにせよ、この見事な「アクション映画」ぶりを観れば、映画の魅力はアクションにあり、そこにはサイレントもトーキーも無いのだ、ということがよく感じられます。[CS・衛星(字幕)] 10点(2013-10-20 09:16:06)(良:2票)

56.  アシャンティ その昔、日曜洋画劇場で観たこの『アシャンティ』とか『アイランド』、はたまた劇場で観た『ジョーズ’87/復讐篇』あたりの印象から、私はマイケル・ケインという人について、“プチ・アドベンチャーなオヤジ”という印象を持ってました。実際、自ら一生懸命泳いでみせたり、そこそこ体を張ってるとは思うのですが、どうも“プチ冒険”の枠を出ていないのです。この『アシャンティ』も、アフリカで黒人の妻を人身売買者に誘拐され、それを追跡する医者のオハナシでして、砂漠の過酷な追跡劇を描いた作品のハズなのですが、どうもあまりその過酷さが映画に見えず、どこかノンビリした印象を受けてしまう。「これは実話なんです!」と意気込んで見せても、なーんかヌルいのよね。挿入される音楽は大自然を思わせるどころか、えらく日常色豊かなユルい音楽だし、真面目な「実話」かと思ったら妙な呪術が登場するし。乱闘シーンはまるで気合いが入って無いし、チョイ役に甘んじるW・ホールデンにO・シャリフ、何しに出てきたのやら、単なる小遣い稼ぎかよ、と言いたくなっちゃう。そして極め付けは、その昔日曜洋画で観た時から脳裏に焼き付いて忘れられない、海面キラキラのラストシーン(いやむしろ、記憶よりもはるかにキラキラしてて、ビックリした)。この能天気な超ファンタジー色は、一体どういう発想から生まれるのだろうね。「実話だ」とか言いながら、まったく社会問題を提起する気、ないでしょ。いや、別に、映画でアジって欲しくないから、これはこれでいいんだけど……いいや、良くない、だって、感動を呼ぶハズのシーンで、笑いを呼んじゃうのだから。[CS・衛星(字幕)] 5点(2013-08-03 08:14:51)(良:1票)

57.  アイアンマン という訳で今更の第1作、なのですが。1作目なので、アイアンマンスーツが作られる過程、スーツを使いこなすまでの過程なんかが描かれていて、正直、スーツが意図通りに動かなければ動かないほど、観てて面白いのです。そういう悪戦苦闘ぶりをひたすら描けばよいのに、と思っちゃう。普通に戦っちゃ、普通の映画です。[地上波(吹替)] 6点(2013-05-06 17:42:46)(良:3票)

58.  アイアンマン3 1も2もアベンジャーズも観ないでいきなり第3作を観るのはやっぱり無理があるのでしょうか。極力楽しもうと努力するものの、気分は完全にアウェー。今までに、いきなり「3」を観たなんて、『ゾンビ3』くらいのもんです(笑)。しかしそれにしたって、ずいぶん中途半端な映画じゃないでしょうか。かつてキルケゴールは“絶望”を死に至る病と呼んだけど、この映画の主人公は神経症、普通の意味での病ですから、まずは医者にかかって薬を服用すればよろしい。私の経験では、大病院に行っても通り一辺の血液検査で「異常なしので薬も出しません」と追い返され、近所の町医者の方が親身に話を聞いてくれて助かった経験があります。何にせよ、まずは発作が起きても別に死にゃしないとうことを認識したら少し楽になります。と、それはどうでもいいけど、この神経症、本人がそう言ってるだけなので、どのくらいヒドイのやらサッパリ伝わりません。ヒッチコックの『めまい』なら主人公が高所恐怖症であることはよくわかりますが、本作、セリフさえ変えれば、神経症だろうと下痢だろうと画ヅラ的には一緒でしょう。主人公が閉じこもるべき「我が家」を破壊されるという大事件、その衝撃も、映画の中ではほぼスルー。どこやら遠くにやってきた主人公と、少年の交流が描かれ、お、今回はこの路線かと思いきや、この交流の描き方も途轍もなく中途半端な尻切れトンボ状態。ここまで徹底的に中身スカスカだと、これはもう確信犯なんでしょうけれど、では一体何を楽しめばよいのでしょうか? CGオンパレードのスペクタクル? 珍しくもない。テンポもイマイチで、クライマックスに向けての興奮も持続しない、細切れのスペクタクル。[映画館(吹替)] 4点(2013-05-05 09:09:26)(良:1票)

59.  熱いトタン屋根の猫 とりあえず、誰が一番かわいそうって、お兄さんですよね。何しろ、この奥さんにこの子供たち、ですから(とりあえず本作のキャスティングは超絶的にスバラシイと思います)。何にせよ、家族の間の葛藤が描かれ、でも観てると何だかみんな良い人たち(一部を除き?)で、案の定、仲直りして大団円。展開が、ものすごーく八百長クサイのですが、これでいいのでしょうか。[CS・衛星(字幕)] 5点(2013-01-22 22:43:21)

60.  アルカトラズからの脱出 《ネタバレ》 言わずと知れた脱獄映画の決定版。とは言ってもこれ、妙な作品でもあって、基本的に監獄の「外の世界」ってのが無いんですよね。ひたすら「中の世界」で脱獄に取り組む姿が、少ないセリフでもって描かれる。「外の世界」ってのが無いから、主人公はどこからともなく現れ、どこへともなく消え去ってしまって、終わり。脱獄の目的は、脱獄そのものにあり。ほとんど無目的とも言える冷えた情熱が、静かに着々と描かれていく。その姿に、そして時に残酷なまでの冷徹な視線に、シビれちゃうんですけれども。ただ、もう少し感情を交えて描いてもよろしかったのでは、という気もしないでもないですが(「静寂」の持つ不気味さの描写、とか)。あと、爪切り盗んだりスプーン盗んだり、ギリギリの綱渡りのような脱獄手段についての綿密な描写がある一方で、後半は何でもかんでも簡単に手に入れちゃう大味な描写になってしまうのも、ちょっと残念。というか、実際に命がけで脱獄算段を練る脱獄者と、その脱獄手段を空想してみる映画製作者との、想像力の差なのかも知れませんが。[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-09-18 20:57:06)(良:1票)

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