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プロフィール
コメント数 3883
性別 男性
年齢 53歳

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【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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41.  アイズ ワイド シャット この映画が言わんとしていることは、額面通り受け取ると要するに、「トム・クルーズは奥さん以外の女性とエロい事しようと、仮面乱交パーティに潜りこもうとするけれど、どうせ仮面つけてて相手が誰か判らず、すなわち相手は誰でもいいんだから、奥さんに仮面つけてもらったらいいじゃない」、ってコトですよね、きっと。 そもそも奥さんってのがニコール・キッドマン、映画冒頭からやたらスタイルいいところを見せまくって、それは我々の目からは一目瞭然明らかなのに、(当時は実生活でも)身近であるが故にそれに気付いてないのか、イマイチ無頓着なトム・クルーズ。 そもそも彼は、そりゃ役どころは「ハンサム過ぎるお医者さん」ではあるけれど、身長がやや足りない。これで仮面被っちゃうと、ただのチンケなオッサンになってしまう。なんか、こういう時に限って、周囲の出演者の身長が妙に高かったりして。 そういう時はシークレットシューズを履けば良いのだけど、キューブリックは履かせなかった。確か、スタローンもブリジット・ニールセンより背が低かったけど『コブラ』出演中だけはスタローンの方が高かった、とかいう話、無かったっけ? とにかくそんな感じで(どんな?)、普通の作品なら主人公が次第に迷宮に誘い込まれるところ、本作では中盤に早くも迷宮世界に彷徨いこみ、早々に追いだされちゃう。だけど迷宮の外に出たところで、そこに待つのは、嫉妬心を始めとする、煩悩という迷宮。というわけで、後半、ややグズグズの展開になってしまった感もありますが。ラストは落語のサゲみたいにスパッとシメてくれました。 それにしても、あの前衛舞踏めいた乱交シーンは、キューブリックではなく石井輝男に撮ってもらいたかったなあ。 あと、使用されている音楽、今回は珍しく耳に馴染み易いチョイス(ショスタコーヴィチのジャズ組曲)、かと思いきや、途中からはやっぱり、リゲティのとびきりしつこい奴(ムジカ・リチェルカータ)となるのでした。[インターネット(字幕)] 7点(2021-06-05 13:01:17)《改行有》

42.  悪魔の毒々サーファー ビーチを牛耳る極悪軍団、サーフナチス。映画冒頭、彼らを信奉する少年少女たちの顔にペイントされているのは、ハーケンクロイツ・・・では、なくて、ありゃ、これは「まんじ」ではないでしょうか。 一瞬、これはチョンボかと思ってしまうところだけど、いやコレ、カギ十字の左右が逆なのはつまり、この少年少女たちが「鏡を見ながら自分自身で顔にカギ十字を描いた」ということを表現しているのではなかろうか。と思い直し、なかなか周到な演出だなあ、と。 でも、単に、撮影前のメークをホントに自分でやらされただけなんじゃないか、という気もしてきます。その後の場面でも顔にペイントされているのはすべて「まんじ」ですしね。あ、壁に大きく描かれてるヤツも。 そのサーフナチスを含め、複数のチンピラ軍団が抗争を繰り広げるのですが、手がフックになってるヤツ、ヌンチャク振り回すヤツ、なかなか多彩な妖怪変化ぶり。大して特徴のないヤツもいますが。 で、そこにさらに、サーフナチスに大事な息子を殺害されたオバチャンが参戦する、というオハナシ。まったく潤いがありません。 とりあえず、悪魔の毒々とは言え、「サーファー」を名乗るだけあって、サーフィンシーンは素晴らしいです。素晴らし過ぎて、コレどうせどっかからパクってきたサーフィン映像じゃないの、と疑いたくもなるのだけど、もうパクリでもどっちでも、いいです。 もう一息、オバチャンには大暴れして欲しかった、けれど、トロマ製バカ映画にしては、なかなかハードボイルドな作品で、まあ、悪くないんじゃないか、と。[インターネット(字幕)] 7点(2021-05-26 23:05:39)《改行有》

43.  アーノルド・シュワルツェネッガーのSF超人ヘラクレス 主演はアーノルド・ストロングという、聞いたことはないけど見たことがあるムキムキ男。彼の演じるヘラクレスが、神話世界からニューヨークにやってきて騒動を巻き起こす。というオハナシですが、登場する「神々の国」ってのが、背景の木の葉も緑も何だか薄汚く、手入れも行き届いていない感じ、やたら貧相。 それどころか、近くに車道があるらしく、クルマの走る音やら、クラクションの音やら、一体どれだけ近所でロケしてるんだよ、と。 その後も、微笑ましくもクダラないエピソードの数々が、キレの悪いションベンのように続くのですが(ギャングみたいな連中が追いかけてくるシーンで一人コケた奴がいるにもかかわらずそのまま撮り直さないなど、撮影の手抜きも続くのですが)、しかし、考えようによってはコレ、後のシュワ自身の『ツインズ』の先駆けのようでもあり、また『星の王子ニューヨークへ行く』の元ネタのようにも思えてきて。 さらにはヘラクレスが街なかを馬車で疾走するシーンなどは、荒唐無稽さと無許可撮影っぽさが相俟って、ファンタジーへと昇華されており、これを表現するにはなんと言ったらいいのか、私の頭には「トロマ的」という言葉しか思い浮かびません。 最後のは褒め言葉になってないですね。でも、ちょっと時代を先取りしています。 とにかく、制作費はないけど夢がある、そして最後はちょっとしんみりもさせられて。陽気な音楽が、さらにその感情を揺さぶります。 いや、イイ作品だと思いますよ、コレ。暖かい気持ち(と少しの忍耐)で見守りたくなる映画です。 もしこの作品がそこそこヒットしてシリーズ化されちゃったりなんかしたら、ヘラクレスは回を追うごとに活躍の場をひろげ、4,5作目あたりではついに、知事になっちゃったりなんかして。 その場合、シュワが実際に大スターになって、さらに知事にまでなることは、なかったでしょうけど。[インターネット(字幕)] 7点(2021-04-11 09:21:03)《改行有》

44.  アタック・オブ・ザ・キラートマト トマトが人間を襲う、という、意味はよくわからんけれど意図はわからんでもない(いや逆か?)このネタで、どうしてここまでオハナシが迷走してしまうのか、が不思議な映画。パニック映画のようで、ギャグ映画のようで、戦争映画のようで、でも実はスパイ映画。のようで、多分、どれでもない。強いて言えば、トマト映画。なんだそりゃ。 と思ってこちらも見てる訳で、ムダに長い「トマトの出てこない時間帯」を、我々はどういう気持ちで画面に向かえばいいのやら。 いや、トマトが出てきたところで、トマトに襲われると何が起こるのか、トマトの何が恐ろしいのか、全くワカラン訳で。そういう一番肝心なところについて何も語らない、というハートの強さには、恐れ入ります。マーズアタックの原点、などと言ってみたところで、その点ではマーズアタックとは永久に埋まらない差異があります。 恐るべきはこの無分別。 随所に挟まるギャグもお寒いものばかり、なのに笑ってしまう自分がだんだん、信じられなくなってくる。 それにしても、不味そうなトマトばかり出てきますな。[インターネット(字幕)] 7点(2021-03-26 23:14:42)《改行有》

45.  悪魔の赤ちゃん 『ローズマリーの赤ちゃん』が妊娠にまつわる不安というものを描いているなら、本作はもう、あけすけに、「生まれたら最後、子供なんてみんなモンスターなのよ」、と。 まあ、そうなんだけれども、自分の子供となるとやっぱりカワイイところがあって、逆に言うとそういう子供への愛情ってのは、アカの他人からするとどうでもいい、いやそれこそちょっとイタイものだったりするのよね。ってな映画ですわな、これは。 映画開始間もなく惨劇が発生、神出鬼没の凶暴なる赤ちゃんはなかなかその容貌を画面上にはっきりとは現さず、しかしチラチラと部分的には見せる、チラリズム。コストをかけずに最大限、雰囲気を出してますが、それにしても演出がモタつき気味で、安っぽさも感じざるを得ません。 それが、クライマックスにおける暗渠での追跡劇となると、雰囲気出まくり、俄然盛り上がってきて、まさにラリー・コーエンの面目躍如。姿を現した赤ん坊が一部、全くのハリボテにしか見えなくても、気にならない、気にしない。 そもそも、この映画では、赤ん坊が人を襲うシーンそのものズバリは殆ど描かれておらず、多くは間接的な描写にとどまっているのだけど、そしてそれはおそらく、ハリボテの赤ちゃんが大のオトナに襲い掛かってもサマにならない、という技術的な理由によるとも思われるのだけど、それでもちゃんと「赤ちゃんが襲ってる」という印象を作り出してるのは、これはウマイと言っていいんじゃないでしょうか。[インターネット(字幕)] 7点(2021-03-24 23:32:47)(良:1票) 《改行有》

46.  アフターショック 《ネタバレ》 最初は災害パニック映画と思わせて、最終的には、“実はコイツが真犯人でした”的なヤツと、“最後に生き残った一人”とが対峙する、という、13金っぽいスリラーに落ち着く、という趣向。もちろんオチも含めて、随所に「災害」は顔を出すけれど、刑務所から脱走したならず者集団とか、自衛のために主人公たちに銃を突きつけるオバチャンとか、危機にバリエーションを持たせ、展開の意外性が作品の売りになってます。 前半、主人公の一行のウダウダとした様子をウダウダと描き(しかしだからと言って飽きさせる訳でもなく)、ちゃんと彼ら一人一人を丁寧に印象付けているのも、その後の展開に、効いています。何しろ、この作品のもう一つの売りは「悲惨な死」。残酷、と言っても、映像そのものの残酷さより、彼らが辿る運命の残酷さ、ってのを前面に押し出して、それをエンターテインメントにしよう、ってなワケで。 ま、悪趣味と言えば、悪趣味。 しかし、一番生き残って欲しいヒトがちゃんと終盤まで生き残ってくれる(笑)ので、その点はイイかな、と。 という考え方が一番、残酷なんでしょうけどね。で、このオチ。[インターネット(字幕)] 7点(2021-03-13 14:42:10)(良:1票) 《改行有》

47.  悪魔の毒々モンスター東京へ行く こんな下品で不謹慎で愚にもつかない映画を観てゲラゲラ笑ってられる人がいるだなんて、とても信じられません。 と憤っているそこのあなた。 すみません、私はつい、笑ってしまいました。 それにしても、クールジャパンも一皮剥けば、こんなもの。トロマの悪ノリにもこうやって喜んで付き合ってあげる、という独自の国民性。いや、無許可っぽいシーンも多いけど。それも気がついたら結果的に受け入れてしまっている、という・・・。 我々はこの国民性を、誇るべきなのか、諦めるべきなのか。心のどこかに「トロマにも相手にされなくなったらどうしよう」という不安まであったりして。 それはともかく、この作品。アホらしいと言えばとことんアホらしいけど、後半は次々に謎のヘンテコ刺客が現れ、毒々クンと死闘をひたすら繰り広げる、このスピード感。トロマヴィル帰ってからもなお、カーチェイスがこれでもかと展開され、まさに圧巻。 これを面白がる自分にはやはり、逆らえません。 しかし、日本に来た毒々クン、パチンコやら食品サンプルやらに興味を示しており、それって、『東京画』でヴィム・ヴェンダースが示していた関心と同じだよなあ、などと思うと、こういった感覚は世界共通、これぞクールジャパンの真骨頂、ってなところでしょうか。[インターネット(字幕)] 7点(2021-03-07 08:09:57)《改行有》

48.  アラスカ魂 ジョン・ウェインと言えば、西部劇におけるヒーローの中のヒーロー、というイメージがあるのですが、しかし実際に映画に登場する彼から受けるのは、剽軽でお茶目なオヤジ、という印象。ある作品を「おおらかな西部劇」と言った時、そのおおらかさの半分は、彼に起因するものではないか、とすら思えてきます。 その彼が、ここでは文句なくコミカルなドタバタをやってます。何かといえば大騒ぎ、乱闘、殴り合い。何かといえばおごってくれる気前の良さ。 男女が意地を張り合う凸凹恋愛劇、という基本ストーリーは、これは50歳を過ぎたオヤジには似合わぬキツイものが、若干無いでは無いけれど、こういうアホらしいオハナシをえらく手間をかけて大々的に撮影し、乱闘ドタバタのみならず、こんな作品には誰も期待しない銃撃戦まで織り込んでみせたりして。相棒ジョージ(スチュワート・グレンジャー)の人懐っこい表情も忘れ難い。実に「おおらかな」作品です。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-12-31 09:21:39)《改行有》

49.  アパッチの怒り なんでも、もともと3D映画として作られたとかで、なるほど、だからやたらと岩だのナイフだのがカメラに向かって投げつけられるワケですな。 白人の価値観を受け入れ、白人と融和を図るのが良い先住民だ、という物語自体が、製作当時の時代の限界と言えばそうなのかも知れないけれど、はたまた白人の俳優が肌の色を塗って先住民の役をやるというのも時代の限界なのかも知れないけれど、それにしても、ロック・ハドソンが妙にこの役にハマってます。やや白人に都合のよい人物像とは言え、異文化の存在らしい得体の知れなさはしっかり感じさせるし、無表情かつ精悍な顔立ちが、意志の強さを感じさせもします。やはりここには確かに、先住民側からの視点で描いただけのことはある、新たな世界が広がっています。 アクションも、岩場を転がり落ちるような危険なスタントもあったりして、しっかり見せ場を作ってます。無理に3Dにしなくても、充分ですな。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-10-03 17:23:09)《改行有》

50.  アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル こういう作品はどうしても、「どこまで真相に迫っているのか」という観点で見られてしまう面があるのですが、その点、この作品は最初から「皆さんそれぞれ言い分があるでしょうけど」という立場を貫いていて、無責任と言えば無責任だけど、そこに適度にユーモアを交えることで、何となくはぐらかされちゃう。そもそも「本人へのインタビューを交えた再現ドラマ」であるかのような体裁をとっているにも関わらず、インタビュー部分も俳優が演じてるので、何でもアリ、なんですけれどね。ただ、「証言」がアチコチで食い違いつつ、時に彼らの「証言」をシンクロさせてみせる演出は、ちょっと面白い。何となくウサン臭いけど。 それにしても、アイススケートシーンが、実にお見事。ここがショボかったら、相当ウサン臭い映画になるところですが、CGも使っているのか、本当に高度な技を連発しているように見えて、迫真のシーンになってます。オリンピック本番の雰囲気と、その中で精神的に追い詰められていく彼女。靴紐云々の場面は、当時のオリンピック中継でも見た場面ではありますが、こうやって、彼女に寄り添った視点で舞台裏から連続して描かれると、やはり実際の中継映像とはずいぶん違った印象を受けることになります(で、ここで当時のことをふと思い出すのだけど、外野の騒ぎに流されてジャッジの点数までおかしくなってしまった、実に後味の悪い大会でした)。 全体的に、ややトーニャ・ハーディング寄りの描き方ながらも、何となく曖昧に終わらせようとしている部分があって、その点ではどうしても映画が弱くなってしまうのですが、それでも、肯定も否定も超えたところに、彼女の今を提示して見せるラストには、唸らされるものがあります。不運ではあったかもしれないけれど、不幸ではないんだよ、ってな感じで。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-07-23 17:46:45)(良:2票) 《改行有》

51.  アトミック・ブロンド 冒頭、傷だらけのシャーリーズ・セロンが素っ裸になってたり、さらには氷の風呂に入ったり、という堂々ぶり。この時点で、何があったのか知らんけどとにかくこのヒト、無敵だな、という印象を与えてくれるのですが、いやはや、実際、無敵です。 彼女が事情聴取を受けている「今」と、そこに至るまでの経緯が描かれる「過去」との間で時間を行き来する、回想譚のような構成になっており(一方でこれは、ある仕掛けにもなっているのですが)、つまりは「過去」の話が次第に「今」、つまり一種のタイムリミットへと近づいていく構成でもあります。 傷だらけになった経緯、とは言っても、全編を通じて格闘また格闘、狭い車内でのシバキ合いとか、あるいは同性愛シーンも広い意味での「格闘」と捉えれば、ひたすら体を張りまくり。そりゃいずれは傷だらけになろうってもんです。 しかし決め手は、階段その他でこれでもかこれでもかと繰り広げられる、ワンカット撮影の一大格闘。「ワンカットって言っても、実際はさっき一瞬、切ってたんじゃないの~」とか、一生懸命、つなぎ目を探してしまうのが悪い癖ですが、少なくとも何ら違和感を感じさせず、見てる側が心配になるくらいのエンドレスの戦いになってます。階段から転落したけど大丈夫なの、とか、アドリブじゃなくってホントに事前に決められた通りに動いているの、とか、しまいにカメラマンも足を踏み外して階段から転げ落ちるんじゃないの、とか。 この長回しに至って、「過去」と「今」との間を詰めるように進んできた時間軸が、突然、別の方向に流れ始めたような不思議な印象をもたらします。戦いの場所がどんどん移動していく空間的な広がりとともに、時間も別方向に広がり始めたかのような。こうなるともう、カットって、どこでカットすりゃいいもんなんでしょうね。 あと、本作で、雨も降ってないのに人々が一斉に傘を開く場面があって、印象的ですが、これと呼応するかのように、土砂ぶりの中で傘をささずに立っているシーンもあったりして、なかなかキマってます。 とにかく、シャーリーズ・セロンのカッコよさが際立っている作品です。男どものダメさ加減が際立ってる、とも言えるのかも知れませんが[CS・衛星(吹替)] 7点(2020-04-26 12:25:00)(良:1票) 《改行有》

52.  アメリカン・グラフィティ 《ネタバレ》 まあ、オハナシ自体が面白い訳でもないし(というかストーリーらしいものは特に無いし)、撮り方がウマい訳でもないし・・・要するに「アメリカだからといって、美男と美女が映画みたいなロマンスを日々繰り広げている訳ではない」ってコトですね。冴えない田舎町を舞台に、冴えない連中がひたすら夜の街を徘徊し続ける。車で街を走り続けても、同じような連中とすれ違うばかり。まるで永久に夜が明けないかのように、目的も際限もないような夜遊びが続くんですけれども。 そんなの夜遊びとは言えんだろう、ツマランだろう、ってったって、そりゃイマドキの夜遊びと比べるからであって、比べる対象が無ければ、こういう日常しか無ければ、これこそが楽しみ、若者の特権、ってもんでしょう。 だけど、夜が無限続く訳でもなく、すなわち青春が無限に続く訳でもなく、夜明けも間近になってリチャード・ドレイファスはようやく、ある行動を起こすけれど、すでに遅かりし。残された時間は限られているのだから。 「後悔先に立たず」という、その事実を、我々は後になって「後悔」するしかないんですけれどね。 でも映画はそれも含めて、わりと肯定的に過去を(製作当時からしたらわずか10年ほど前の過去ですけれども)振り返りながら描いています。飛行機で旅立つリチャード・ドレイファス。空撮で見下ろす故郷の風景が、なんともイイですね。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-04-26 11:14:37)《改行有》

53.  アウト・オブ・サイト 筋金入りの銀行強盗、ってよりは、やってることを見てるとチンケな詐欺師であるジョージ・クルーニーが、他の囚人の脱獄にただ乗りして、またまたチンケな犯行を実行するオハナシ。いかにも、面白くなさそうですよね。 しかもジョージ・クルーニー、脱獄の際にジェニロペ捜査官と知り合って、以降何かとイチャイチャするもんだから、もう勝手にしてくれ、ってなところですが。 しかし本作、見せ方がシャレてるもんで、不本意ながら楽しめてしまう、という趣向。時間軸を行き来してみせるのも、あまりやり過ぎるとイライラの元だけど、本作では適度な味付けになってて、テンポの良さに一役買ってます。時には「あ、このシーンに繋がるのか」という意外性も提供したり。 あまりにシャレてるもんだから逆に、こんなので喜んでると製作者の思うツボだなあ、とか思っちゃうのですが。[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-08-17 10:56:59)《改行有》

54.  アリータ:バトル・エンジェル ストーリーもアクションも何だかチャカチャカと慌ただしくって、どうしてこうもタメというものが無いんだろうか、と思っちゃう。主人公が闇雲に強くって、しかも戦う気も満々なもんだから、引っかかりというものがまるで無い。普通なら少しは勿体ぶって見せてくれてもよさそうなもので、そういうタメの部分があれば、物語に起伏も付こうってもんですが。 例えば「地上最大のロボット」や「プルートゥ」に登場するエプシロンみたいに、戦いたくはないけれど戦わざるを得ない、とか、そういう含み。 キャメロンが書いた脚本が最終的にどこまで採用されどの程度作り直されたのか知らんけど、キャメロンの脚本を書き換えるなんてそれなりに勇気がいることなのかも知れない(「ランボー/怒りの脱出」の頃とはワケが違う)、でもロバート・ロドリゲスならもうちょっと独自色を出せたのでは? と、どういう遠慮が働いたのか働かなかったのか、特色の薄い作品になっちゃってますが、それでもあの、ビルから見下ろした未来都市(高度な文明というより雑然とした感じ)の遠景なんかは、見どころになってます。 それに、本作だけだと「『エリジウム』の序章だけ」、ってな感じですが、この先、物語が広がっていきそうな予感もさせて、一応、続編に期待しちゃっております。ま、本当に作られるのかは全く自信ないですけどね。[映画館(字幕)] 7点(2019-03-11 21:08:14)《改行有》

55.  アメリカン・スナイパー 《ネタバレ》 戦場とアメリカの日常が、電話を通じて隣り合わせに存在している。 っていうのがあって、で、映画の最後の方、日常に戻った主人公が、銃を子どもの前で手にしている場面、その銃は本物なのかオモチャなのかはわからんけど、とにかくこの場面が、不安で、コワい。 銃を棚において、ようやくホッとするのだけど、結局は悲劇が待ち受けている。 この不安と虚しさに、つきると思う。[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-08-08 22:00:55)(良:1票) 《改行有》

56.  アンダー・ザ・スキン 種の捕食 《ネタバレ》 『スピーシーズ種の起源』っていう邦題もたいがい意味ワカランけど、『種の捕食』って一体、何なのよ。まーとりあえず「観ててよくわかんなかったら、あの映画同様、女性エイリアンが男を捕まえる映画(そして食う映画)だと思ってください」ってコトなんですかね。 スカーレット・ヨハンソンが宇宙から来た生物なのかどうか、なんだかUFOみたいなのが(この言い方もヘンですが)映ってたので、多分そうなんだろう、と。しかしそれはともかくとして、この映画、何だかえらく寂しいんです。最後に明かされる彼女の正体は、というと、真っ黒。暗黒。ようするに実体が何も無いんですね。前半は、ただただ、車を運転しながら、行きずりの男をかどわかす。そんでもって、取って食っちゃったのか何なのか、映画の描写としては、男たちが暗黒に引きずり込まれていく、という形をとってます。暗黒に引きずり込まれるとどうなるのか、よくわからんが、食っちゃったにしては、マズそうな男ばかり捕まえるなあ・・・というのはさておき、男たちは皮一枚になり、中身が無くなってしまう、らしい。 前半はそんな感じですが、後半、彼女は、ケーキ食ってみたり、男と寝てみたり、何やら見よう見まねで人間になろうとしているらしい(でもどれもうまくいかない)。で、正体が露わになるや、いきなり焼き殺されてオシマイ。 早く人間になりたい、と言いながら、最後は焼け死んでいった妖怪人間ベムを、いやでも思い出すではないですか! え、思い出しませんか。失礼しました。でもやっぱり、寂しいですよねえ。 この映画、ハッと息を呑むようなロングショットがいくつも登場し、ケッ、そうやって、「アートっぽいきれいな画」と言うとすぐロングショット頼みかよ、と陰口も叩きたくなるけど、確かに効果的で、なーんか孤独感が強められるのです。 音楽が、何とも気持ち悪くって、心地よい(どっちやねん)。耳鳴りのような、弦楽の特殊奏法。何かを叩くような音もしてますが、これも弦楽器を使った音なのかな?[DVD(字幕)] 7点(2018-08-08 20:08:44)《改行有》

57.  アポロ13 ロケット打ち上げシーンの特撮の見事さ、無重力シーンの驚き。さらにはエピソードなり脇役なりも的確に配置されていて、実際の事件を取り上げつつも解説調にならないようにうまく組み立てられていると思います。 でも。 こういう題材は実際のところ、解説調のドキュメンタリーの方が、さらに緊迫感があって盛り上がっちゃったりも、するんですね。 そういう意味で、この映画、節度をもってうまく組み立てられてはいても、肝心の、地球から離れた宇宙空間における孤独感、「もう地球には生きて戻れないのか」という絶望感というものを、果たしてどこまで表現できたか。 映画をコケオドシにはするまい、ということなのかも知れませんが、そのためにかえって、事件そのものの描き方がいささか表面的になっていて。本来ならこんなオソロシイ体験というものはそうそう無いはずなのに、その「恐怖感」を十分に伝えきれていないようにも思えます。もう少し我々を怖がらせてくれてもよいのでは。[DVD(吹替)] 7点(2017-03-28 23:45:46)《改行有》

58.  アイガー・サンクション 実際の山で撮影を行い、スタッフとして参加していた登山家の一人がロケ中の事故で亡くなったという、いわくつきの作品。というだけあって、まあそれはそれは、過酷な様子が伝わってきます。場面によっては、カメラマンらしい人影が映ってしまうのも、撮影スペースが極めて限られていた所以か。 もちろん、単に「頑張って撮影してきました」というだけの作品ではなくって、物語の面白さ、登場人物のユニークさがあってこそ、なんですが、それにしたって圧倒されるのはやはりこの、緊迫感と臨場感あふれる映像。わざわざ顔がしっかり映るようにして、代役ではなく本人であることをアピールして見せたり。 ただ、「物語の面白さ」とは言っても、後半はひたすら登攀が描かれることの面白さであって、陰謀劇という要素はだんだん薄れていき、いわば、目的そのものが欠落した、描写の面白さに変貌していく。目的の無さ。登山ってのは、そういうものかも。[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-07-07 23:24:42)《改行有》

59.  アーロと少年 《ネタバレ》 この映画の作者はもしかして、人間がペットを飼うことに反対なんだろうか、と何だか心配になってくるんです。人間の役をよりによって恐竜にさせ、ペットの役をよりによって人間に置き換える。「人間とペットの友情」なら「フン」と思う人だって、人間っぽいヤツ(恐竜アーロ)と人間そのもの(少年スポット)との関係なら、誰しもこれを飼う飼われるの関係ではなく友情として捉えられるでしょう、ということでしょうかね。しかもいくら友情があるにせよ、その「人間」を、仲間のもとに帰してやるのが、自然であろう、という結末・・・。そりゃまあ私も、子供が何か生き物を捕まえて来たら、「逃がしてあげたら?」とかよく言いますけれども(笑)。 しかしこの最後の別れ、やむをえない別れというよりもむしろ、アーロが自ら選んだ別れであるところが、ミソなんでしょうね。地面に描いた輪も、だからこそ生きてくるし、独り立ちできるようになったアーロの成長の証でもある訳で。 中盤の冒険を通じてアーロが成長する、というのはお約束というか定番、しかし、荒唐無稽な設定の割に物語はあまり波乱万丈という感じではなく、やや大人しいオハナシかな、という印象もありますが。 CGとも実写ともほとんど判別不可能な自然の描写、これは見どころのひとつと言ってよいでしょう。[映画館(吹替)] 7点(2016-04-10 21:03:08)《改行有》

60.  アルバレス・ケリー 《ネタバレ》 南北戦争下、北軍へ牛の群れを届ける男が、アルバレス・ケリー。冒頭の「あ~るばれ~すけ~り~」という陽気な主題歌が耳から離れず困ってしまいます。で、北軍相手の商売がうまくいってるのかと言えば、人の足元をみたように無茶な注文をつけられて、何だか面白くない。そうこう言ってるうちに、ケリーは今度は南軍にとっつかまって、コチラに協力しろと脅される。 南軍側の大佐がR・ウィドマーク。コワモテの顔に眼帯をつけて凄みを利かせ、ケリーの指を撃ち落とすなどの非道をはたらくのですが、映画自体は別に南軍が悪で北軍が善というスタンスでも何でもなく、それは、中盤に登場する、北軍に協力的でない黒人の冷ややかな態度にも表れています。それはケリーとて同じこと、彼はあくまでカウボーイとしての自分に忠実であり、その仕事に意地を持っている。 しかしその主人公を演じてるのがW・ホールデン。どうも特徴が無いといいますか、優等生的であまり頑固者の感じがしない。もうちょっとアクの強い俳優さんの方が良かったかも??? 途中、南軍から逃げようとするエピソードが、中途半端な感じもする一方で、ある意味この優等生顔に似合っているような気もします。 で、クライマックスは、「食い物の恨みは恐ろしい」ならぬ「食い物が暴れたら恐ろしい」という、牛の群れを暴走させて北軍を蹴散らすダイナミックなアクション。ここで主人公の意地もピークに達し、南軍、北軍にも肩を並べる第3の勢力とも言うべき立ち位置に。そして主人公と南軍大佐との関係もピークへと達して、何かと盛り上がるのでありました。[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-02-21 08:27:46)《改行有》

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