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プロフィール
コメント数 3878
性別 男性
年齢 53歳

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【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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1.  カナディアン・エクスプレス 《ネタバレ》 これも初めて見たのはいつだったか、「列車モノにハズレなし」「ハイアムズ作品だから悪くないでしょ」などという妙な期待を持ちながら見て、それなりに裏切られたという思いはあったのですが、それから幾年。ふと、「今なら楽しめる」ような気がして、随分久しぶりに見ました。うん、やっぱりこれ、面白いではないですか。多少、地味ですけどね。それもまた良し。 列車モノとはいっても、暴走するワケではないんで、あまり派手なシーンを期待してはいけません。しかし、空撮シーンはやっぱり、いいですねー。なかなかにとんでもない大自然の中を走る列車、青春18きっぷでも持ってこういう路線に乗ってみたいとか思うのですが、その密閉空間を舞台にしたサスペンス。刺客はどこにいるのか、そもそも誰が刺客で、誰が刺客でないのか。ある程度セコくもワクワクする駆け引きの果てに、最後はお約束のごとく、列車の屋根での攻防戦。周りは嬉しくなるような大自然、それを空からカメラが捉える。 やたら飄々としたジーン・ハックマンが、本当にこの役にピタリとはまっているかというと、ちと怪しいけれど、そこに映画の意外な魅力が生まれているのもまた事実。[インターネット(字幕)] 8点(2023-06-17 02:51:35)《改行有》

2.  ガンファイターの最後 《ネタバレ》 これは、「アラン・スミシー監督」の実質的なデビュー作、と言っていいんですかね。ダメか。 リチャード・ウィドマーク演じる主人公の保安官が、とにかく周りから嫌われまくってて、もうほとんど笑っちゃうくらいに嫌われてるんですが、なにせこんな怖い顔だから、それも仕方がないのです。また、多少の誤解もあるとは言え、もちろん本人も悪い。やたら短気だし。顔は怖いし。 という嫌われ者なもんで、映画が始まって間もなく、襲撃を受けてしまう。この夜の馬小屋の場面、二階の暗闇から襲撃者の声だけが聞こえてくる不気味さが印象的です。 はたまた、若造の襲撃に始まりクライマックスへと繋がっていく終盤の一連の流れ。ドア越しの銃撃がバイオレンスを感じさせ、さらにクライマックスの追跡などは、ダーティ・ハリーの執念なども思い起こさせます。ダーティ・ハリーと本作との間に何か関係があるのかどうかはさておき。[CS・衛星(字幕)] 8点(2023-05-28 08:37:33)《改行有》

3.  カリフォルニア・ドールス 1981年の作品。この頃のアメリカって、女子プロレスの興行なりタイトルなりはあっても、まだ「女子プロレス団体」ってのは無かったのでは。日本の方が進んでたのです。 というワケで、女子プロレスラー2人とそのマネージャーのオッサン、という3人組が織りなすロードムービー、人間模様。ほとんど、旅芸人みたいな感じ。いや、ちゃんとした団体に所属してたって大変だとは思うけど、完全フリーランスで、これじゃあトレーニングなんてマトモに出来ないでしょ。 客層も何だか下品で、ちゃんと試合をみてるんだかどうなんだか。そりゃま、今ほどハイレベルな試合でもないし、どうしてもイロモノ扱いされる面はあって。意に沿わない泥んこキャットファイトをやらされる屈辱も。 しかし「そんな彼女たちだってリングを降りたら普通の女の子なんです」みたいな描き方はこの映画ではなされていない。時には弱さが垣間見えても、根底にあるのは奇妙な逞しさ。いい加減極まりないようなピーター・フォークもまた彼なりの逞しさを持ってて、何とも言えぬバランスを保ってます。 そしてクライマックスのタイトルマッチ。先にも書いたように、試合のレベルは高くはないのですが、この試合を20分くらいかけて、これでもかと描きまくる。演出も見事ですが、演じ手の熱意も伝わってきて、試合に引き込まれ、圧倒されます。[インターネット(字幕)] 9点(2022-08-06 18:36:16)(良:3票) 《改行有》

4.  カットスロート・アイランド 《ネタバレ》 以前は赤字映画の代表作みたいに言われてましてけれども、昨今、大作映画の製作費はハネ上がる一方で、なんだか(投資対象としての映画、という意味で)リスクヘッジの体制みたいなモノも出来てきてるように思われるので、いずれは本作の赤字なんて大した話ではなくなるんでしょう・・・・・・でもやっぱり、そんなに赤字だと聞くと、どんなにヒドい作品なのか気になってしまうのか、人のサガ。と言うわけで、それはそれ、一種のギミックとして、赤字映画の看板を背負っていってもらえばいいのではないか、と。 などと思いながら観ると、何がそこまでヒドかったのか、少しばかり肩透かしにあう映画、ではあります。 いやまあ、アクションシーンでむやみにスローモーションを使うあたりとか、いかにもイケてない印象はありますけどね。でも、海賊らしい海賊映画、冒険活劇として、そんなにダメとも思えない。いや、作品のダメなところばかり注目したらやっぱりダメなんだろうけど、ジーナ・デイヴィス、マシュー・モディン、主役二人の活躍ぶりは、作品の欠点を補って余りあるんじゃないでしょうか。 二人が断崖絶壁を落ちるシーン、岩に激突する寸前で押し寄せてきた波に九死に一生を得るのですが、ここで「いや、でも、即死でしょ」と賢明にもツッコむか、「あははは、なるほど!」と無邪気に楽しめるかで、作品に対する印象もかなり変わってくるのではないか、と。[インターネット(吹替)] 7点(2022-07-24 14:56:43)《改行有》

5.  海底47m 古代マヤの死の迷宮 今回は海底がタンジョンみたいになっていて、そこにモンスターキャラたるサメが右に左に彷徨っているという、なんだかゲームの設定みたいな趣向。 前作とそう大きく方向性を変えてきた訳でもないような気がするのに、どうしてこんなにつまらなくなっちゃったんですかねえ。 前作は、海底というガランとした世界が、意外な閉鎖空間となっていたのですが、今回はそのまんま、狭苦しい迷宮世界。確かに圧迫感はありますけれど、見通しが悪いばかりで、悪い意味でのイライラ感がつのります。 ただただうろつきまわるサメが、コワいというよりは野暮ったい。時々思いだしたように襲ってきては、狭いところに首突っ込んではガブガブと脅しを掛けてくるけど、いや、それ、もう何回おんなじコトやってるの、と。 狡猾さみたいなものが、全く無いですよねえ。無くてもいいのかもしれないけれど、さすがに素朴過ぎるのでは。 これだけでは持たないので、急流に巻き込まれたり、何やかんやと仕掛けはあるのですが、見通しの悪さが最後までアダとなって!盛り上がりに欠けます。 あの、狭いところで足が引っかかって危機一髪、ってシーン、あそこだけはサスペンスとして良かったかな。[インターネット(字幕)] 5点(2022-06-26 15:30:25)《改行有》

6.  カラー・アウト・オブ・スペース 遭遇 《ネタバレ》 ラヴクラフトの「宇宙からの色」。いかん、昔読んだはずなのに何も憶えとらん。これじゃ読んだことにならないですね。 でも、たぶん、こんな話じゃなかったと思う、のだけど憶えてないんじゃしかたない、こんな話だったのかも知れん(笑)。 しかしお母ちゃんがモンスターになっちゃう、ってのはどっちかというと、エンパイア・ピクチャーズ魂が注入されちゃってるような。 隕石事件を契機に、身の回りにさまざまな怪異が発生して、よくわからん、っちゃあ、よくわからんのですが、ただ「不気味」の一言では済まないような、摩訶不思議な神秘性を感じさせて。ピンク色の花が広がる光景、なんかイヤらしい。趣味が悪い(笑)。 ヘンにオチをつけて説明しようとしたりしなかったのも、良かったんじゃないでしょうか。[インターネット(字幕)] 6点(2022-05-29 22:10:48)《改行有》

7.  怪獣王ゴジラ よく「アメリカ人は字幕が嫌いだから、外国語の映画を字幕で見るくらいなら、英語版のリメイクを作っちゃう」、などと言いますけれど、リメイク以外にもこんな裏技、荒技が。なんと、追加撮影した英語パートを継ぎ接ぎして、外国映画を英語作品へと改造してしまう、という・・・。我らがゴジラ映画がその犠牲に。 しかし、こうやって惨憺たる状態となったゴジラ映画を、こうやってわざわざ字幕で鑑賞する日本人たちって、実はとってもエライんじゃなかろうか。 一部日本語も聞こえては来るんですけどね、ただ、「追加パート」に出てくるニホンゴ、たどたどしいとか聴き取りにくいとか言うレベルではなく、意味の判らないセリフをうろ覚えのままかろうじて言い切った、という印象。もはや演技ですらありません。 という、デッチ上げ感の濃厚な作品ではありますが、そうは言っても、実は結構、芸が細かい。編集の妙、とでもいいますか、意外に手が込んでます。元映画の部分と追加撮影分とが、ごちゃ混ぜ。どこが追加分か、なまじ見当がついてしまうだけに、余計、手が込んでいるような気がしてきます。 ここまでやっちゃうんだったら、主人公のアメリカ人記者を傍観者に徹しさせたのが正解だったのかどうか。いささかまどろっこしいです。 元映画のパートも一部、順番を入れ替えたりして、工夫も見られるんですけどね。[インターネット(字幕)] 5点(2021-06-17 23:24:20)《改行有》

8.  片目のジャック かつてマーロン・ブランドとカール・マルデンが銀行強盗を働き、マーロン・ブランドのみが取っ捕まって、カール・マルデンは彼を見捨てて逃亡した。数年後、マーロン・ブランドは脱獄するが、向かった先で出会ったカール・マルデンは、保安官となっており、妻と義理の娘との3人で幸せに暮らしていました、というオハナシ。 だったらそれでいいやんか、何で結局モメてしまうのか、いまいちよくワカランような気もするけれど、よくワカランから面白い、ような気もします。 で、さらにマルデンの義理の娘とマーロン・ブランドが恋仲になってしまう、というドラマ展開。なんだかこうなってくると、西部劇というより、古代ローマとかを舞台にした史劇でも見ているような気分になってくる(ついでに「ムチ打ちの刑」なんてのが出てくるから、さらにその気分に輪をかける)。 この物語の題材が、西部劇に向いているのか、どうなのか。[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-10-03 17:00:47)《改行有》

9.  かごの中の瞳 やけに淡々とした映画。視力を殆ど失っていた奥さんが、角膜移植によって視力を取り戻したは良いけれど、それを境に、何となく二人の間がギクシャクするようになって・・・というのだけど、彼らの心の動きを敢えてハッキリとは描かない。というより、心の動きに関する描写は、それを匂わせる部分は確かにあるものの、大幅に省略されていて、そもそも「視力を取り戻した」という大事件ですら、随分サラリと描かれています。 心理に直接関わるような描写の排除。物語の背景には確かに心の動きがあるのだけど、それはハッキリとは描かれず、さらには「行動」としての動きも、物語の背景にある、らしいのだけど、それも直接には描かない。 なるほど、そういう描き方もあるのだな、とは思うけど、いかんせん、これでは訴えかけてくるものまでもが乏しくなってしまって。 妻の視点による映像が再三、登場するけれど、本人の気持ちが我々から遮蔽された状態で、こういう一人称視点(意味ありげで実は意味の無さそうな、歪んだ視点)を見せられても、何を感じればよいのやら。こういうのをもって「幻想的な映像です」と言われても、なあ。 心理を削ぎ落したのはいいけれど、変に思わせぶりなだけで、見ててあまり心に引っかかるものが無い、ってのが正直なところ。[CS・衛星(字幕)] 5点(2020-08-03 20:55:49)《改行有》

10.  海底47m 『ジョーズ』におけるリチャード・ドレイファスの役柄というのは、要するに「ビックリしたら大事なモノを落としてしまうヒト」なワケで、映画中盤と終盤にそれぞれ、大事なモノを取り落として海底に沈めてしまいます。そうすると、本作でもやっぱり、落とすなと言われて渡された借り物のカメラを取り落としてしまうのですが、それに続いて、こちらは何と「自分自身が海底に落ちてしまう」という展開。『ジョーズ』のクライマックスが印象深いだけに、その手があったか、という驚きがあります。 サメ除けケージごと海底に落ちてしまい、ケージに閉じ込められてしまう女性2人。しかも付近には巨大ザメがいるらしく、ケージから出られたとしても海面には戻れない。いわば、変則的な「閉じこもり映画」ですね。サスペンスの手法としては、サメが迫る姿を登場人物には見せずに我々にだけ見せるような手法もあり得るのでしょうけれど、本作は基本的には登場人物の視点に沿って描いており(これはラストに向けての必然性でもあるのだけど)、サメがどこにいるのか、いつ現れるのか、わからない。最初にサメの姿を見せて、その存在をハッキリ提示しているのだから、あとは登場人物たちと一緒に、いつ現れるかわからないサメを怖がってね、という趣向。 サメの存在に限らず、海底に「閉じ込め」られているので、サメの存在のみならず、周囲の状況自体が、わからない。状況がわからないと、ちょっとしたことが不安になったり、希望になったり、絶望になったり。その一喜一憂をこうやって丹念に描くと、なるほど、目が離せないサスペンスになります。 サメが本当にこんなコトするのか、とか、サメに襲われてこの程度のケガで済むのか、とか、リアリティばかり気にする人を、まるであざ笑うかのようなラスト。ちょっと痛快。[CS・衛星(吹替)] 7点(2020-07-27 21:26:09)(良:1票) 《改行有》

11.  片腕マシンガール 「プラネット・テラー」は片足マシンガールだったけど、こちらは失った片腕にマシンガン取り付けて。 で、どうなるかといえば、マシンガンをチェーンソーに付け替えたら、アッという間に「キャプテンスーパーマーケット」に早変わり。 女子高生が制服のまま戦うカッコよさ、ってのは「キル・ビル」を思い出すけれど、栗山千明がふりまわしてた鉄球よりもさらに凶悪な武器を、本作では主人公ではなく敵役のヤクザの親分が振り回してます。これ、いわゆるアレですよ、「空とぶギロチン」です。 で、親分の奥さんは奥さんで、さらにさらに凶悪な殺人兵器・ドリルブラを披露してくれるのですが、見ててふと、「鉄男」のドリル〇〇〇を思い出してしまいました。 結局、本作には一番近いのは一体何なのか、ってことになりますが、ずいぶん昔、ワハハ本舗か何かのネタで「手首切って噴き出る血で水芸」ってのがありませんでしたっけか。そういうイメージです。まあ、噴き出ること噴き出ること。豪快に血をぶちまけてます。 ここまでくると、もはや「痛そう」ってのは、無いんですね。花火みたいなもんです。もちろん血が噴き出た本人は悲鳴を上げるけれど、花火には「音」も必要ですから。「音」があるから、花火は一層の迫力が出るんです。 という訳で、過去のいろんなモノをちょっとずつパクって、残酷描写で味付けしてみました、というような作品ではあるのですが、でも、決してそれだけにとどまらないのです。いちいちアクションがズバリとキマって、いちいち見得を切って、とにかく、カッコいい。異常なほどに、カッコいい。いや、異常なのは残酷描写の方ですが。でも、せっかくなら、眉をひそめずに映画を楽しむよりは、眉をひそめて楽しんだ方が、より楽しいでしょう、と。 いや、本当にそうだと思います。こんな映画でまさかと思うほど楽しんで、まさかと思うほど映画が短く感じらえ、まさかと思うほど、充実したのでした。やっぱり一番近いのは、昭和のダサカッコよさ、じゃないでしょうか、これは。[DVD(邦画)] 8点(2019-08-04 17:43:33)(良:1票) 《改行有》

12.  顔のない天使 《ネタバレ》 この映画、何と言っても、海辺の小さな町のロケーションが、いいですよね。途中、主人公の少年が「ご褒美」として水上艇での遊覧飛行に乗せてもらえる場面、メル・ギブソン演じる元教師は他者と距離を置いて半・隠遁生活をしているハズなのに、このパイロットとはどういう関係なんだ?そもそもコイツ誰なんだ、こんなシーン必要なのか?ってなトコロですが、それでもこの飛行シーンを入れざるを得ない、この空撮を我々に見せざるを得ない、そんな美しさが、あります。これ以外にも魅力的な光景が多く登場し、決して「奇観」というようなものではないけれど、我々の目を楽しませてくれます。 あと、この物語の中でメル・ギブソンがシャイロック役を長々と演じてみせる必要があったのか、と言えば、これはもう単に「やりたかったから、やってみました」というだけなんじゃないでしょうか。せっかくの初監督作品ですから。90年の『ハムレット』で主演して、意外に真っ当にシェイクスピア劇を演じてましたけど、何となく青白いイメージがあるハムレット役に彼がマッチしているかと言えばそうとも言えない訳で、この物語の流れの中で浮こうが何だろうが、アクの強さでもってシェイクスピア劇を押し切っています。 さてオハナシはと言うと、かつて負った右半身の大火傷の痛々しい跡を残し、町民との交流を経って生活する元教師と、ステップファミリーで家族になじめない少年との交流の物語、なんですけれども、ハテどうしてこんなに見事に右側だけ火傷してて、左側は無事なんだろう、「他者に受け入れられない存在」というなら、いささか中途半端な設定にも思えるところですが、物語を追っていくと、なるほどこれは、「二面性」を象徴するもの、いや正確に言うと、「彼には二面性があるのではないかという疑惑」につながるもの、なんですね。しかし、物語がそういう要素を孕んでいるもんで、作品において、少年側から描く部分と元教師側から描く部分とをどういう按配とするかは、難しいものがあります。正直、さらに視点を少年側に寄せて、元教師を謎めいた存在にしてもよかったか、とは思いますが(例えば模擬試験後に二人が別れるシーン、家の中からではなく外から撮影するべきところでは・・・とか言うのは、発想がベタですかねえ?)。 少年は無事に受験を突破するも、元教師はひっそりと姿を消す。ってコレ、「泣いた赤鬼」じゃないですか(笑)。ただし本作の場合は、後日談を引っ付けて、一見、蛇足っぽいけど、それでも我々をホッとさせてくれます。少年の実の父親がもはやこの世にいない、だからこそ、父親代わりの元教師が、ここにいて欲しいんですね。 それにしてもこのメル・ギブソンが演じている元教師、本来の担当教科は一体、何だったんでしょうか。まさにデキスギ君ですね。[CS・衛星(字幕)] 8点(2019-07-14 11:56:17)《改行有》

13.  カリートの道 これはもう、Carlito's Wayというよりは、Pacino's Wayであって、いつも通り、というかいつも以上に、存分に映画の中で語りまくってます。手振り身振り全開で、実に気持ちよさそうに語りまくり、おかげで時にはカットが切り替わると手の位置がズレてしまってる、なんて事も発生する訳ですが、そんなの些細なこと。何せ気持ちよくしゃべってるんですから。 デ・パルマも例によって例のごとく、カメラをクルクルと走り回らせたり、疑似パンフォーカスともいうべき合成映像使ってみたりと、お構いなし。 こんなコトばっかりやってると映画がバラバラになりそうですが、この映画、意外に収まりがいいんですね。主人公像にアル・パチーノがよくハマってる。大物のようでありながら、何となくセコい感じがね。ジョン・レグイザモをいたぶるあのエラソーな感じが、実にお見事。 デ・パルマも本作の終盤のクライマックスでは、実に真っ当に追跡劇をスリル一杯描いていて、そう、やろうとおもったらこういう事できるんですよね。できるのにやらないのね。本作ではちゃんと、シビれるほどの盛り上がりを演出してくれます。 で、これらすべてが収斂していく、衝撃のラスト。衝撃的だけど、でもやっぱりこれしかないよね、という説得力があります。[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-04-14 15:36:44)《改行有》

14.  ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー X-メンの「私、こんな特技あります、映画の中で活躍してみせます」といういささか鼻につくアピールに比べると(そこが魅力なんだろうけど)、こちらは、どうしてこんなポンコツメンバーが集められて一つの作品になっているのやら、正直、企画の意図がよくわからない。 そこが魅力ですね(← 要するに何でもいいのか)。 それぞれが何やら屈託を抱えているらしいのだけど、そういうのも物語のちょっとしたスパイス程度に抑えて、あくまでお祭り映画のノリで。 ただし、本作を見た後は、「動物映画」を見ても素朴に「キャーかわいい!」とは言えなくなる副作用は、あるかもしれません。[DVD(吹替)] 7点(2018-05-12 02:47:09)《改行有》

15.  ガトリング砲 あんまり映画がダメダメでポンコツだとかえってカルト的な人気映画になっちゃったりしますけど、そういうのはポンコツ映画界のエリート中のエリート。たぶんその多くは地味でダメな、地味ダメ映画。ポンコツ映画の裾野は広くって、西部劇にだってダメダメなものは、あるもんです。 例えば本作。気持ちいいくらい、ポンコツですねえ。うれしくなってきます。 マカロニかと思いきや、アメリカ製。 ガトリング砲を運ぶ一行と、それをつけ狙う先住民との戦いが、一応は描かれてるんですが、この演出力の無さたるや、なかなかのレベルに達しております。適当に登場人物を立たせて適当に撮った感じ。セリフの無いヒトは演技もしないでいいんだよね、という感じ。この、すべてにおいて気の抜けた感じ。これに比べりゃ、普段目にしている映画たちが、どれだけ「ちゃんと」作られてることか。 ガトリング砲の争奪戦という明確なテーマがあるにも関わらず、作品がグダグダで、内容がボケボケ、登場人物も誰が誰やら一向に興味がわきません。『バファロー大隊』なんかでお馴染みのウディ・ストロードは一応、何となくは目立ってますけど、でもまあ、あくまで、ほどほどの活躍。 なにせ、戦闘シーンがヒドイんです。最初の方で、撃たれたヤツが唐突に爆死したのには笑いました。オマエはショッカーの怪人か、と。先住民が襲ってくる場面なんかの撮影は、それなりに物量作戦で盛り上げようとしてるんですけどね。ただ、撃たれた連中の倒れ方が、ただ寝そべってるだけ、やる気ないことこの上なし。何となく撃ちまくって、何となく倒れる(いや、寝そべる)。大勢撃たれて死屍累々、ともなると、後から撃たれて倒れるヤツは、先に倒れているヤツをよけて、空きスペースを探してヨッコラショと倒れ込む始末。 馬に蹴られたからといって、死体役は動いてはいけないのです。 きっと出演者には「適当に撃ち合って適当に倒れてよ、あとはカメラがうまいことやるからさ」とか言って、カメラマンには「迫真の撃ち合いやるからさ、適当に撮っといてよ、あとは編集で何とかするからさ」とか言って、で、何ともならなかった、ってことじゃなかろうか。 昨今、わざとカメラを手ブレさせる映画は珍しくないけれど、「カメラマンが何かにぶつかったか、つまずいたかして、大きくブレてしまった」みたいな、家庭用のビデオでよくある失敗を、そのまま編集で落とさずに映画に採用するってのは、どういうことなんだろうか(何か所か、あったよね)。 先住民が撃たれて落馬するスタントシーンを、まるで急に思いついたようなスロー映像で見せるのも、カッコよくない、というか、もはやビンボー臭い。 一番問題だと思うのは、物語のキモともいうべきガトリング砲がついに火をふいても、絶望的なくらい、迫力がないんですね。これが。 という訳で、ちょっとした珍品と思って観れば、楽しめますヨ。[CS・衛星(字幕)] 2点(2018-04-29 17:04:08)《改行有》

16.  怪盗グルーのミニオン大脱走 今回は、悪役のノリが80年代風、ってのがあって、しかも巨大ロボみたいなのが出てきたりすると、少し『20世紀少年』なんかを思い起こしたりもするし(←80年代じゃないけど)、さらにビックリドッキリメカみたいなのがウジャウジャ出てくると、タイムボカンとかヤッターマンとかを思い起こしたりもして(←80年代じゃないけど)。 それにしても本作、実に実に豪快にとっ散らかしてくれました。例によってエキセントリックな悪役が登場するのはいいとしても、シリーズ初登場の「こんな人が登場したら一ドラマも二ドラマもありそうな」キャラが、当たり前のような顔をして加わるやら、その一方ミニオンたちはどこかに行っちゃって勝手な事ばかりするやら、どこまでも物語は広がり、とっ散らかり、楽しいことこの上なし。これだけ散らかしたんだからいっそのこと、このまま無限に発散して映画を終わらせちゃったら、一大迷作として殿堂入りさせようものを、映画が進むに従い、チャッカリ見事に収束させてくる。あーどうせこうやって伏線がどんどん収束していくんだろう、くそー、ウマイことやりやがって、と、大いに楽しみつつ、何だか少し腹が立ってくる(笑)。 CGアニメの面白さも格別。悪役がムダにダンスしたりして、とにかくこのムダな動きの数々、「すべて人工的なCGのはずなのに、予想のつかない動き」になってるのが、これまた楽しいんですね。 あ~、楽しかった。[映画館(吹替)] 8点(2017-09-18 18:16:27)(良:1票) 《改行有》

17.  カーズ クロスロード 「およげたいやきくん」並みに、サラリーマンのおじさん向け作品でした・・・別にサラリーマンにもおじさんにも限定されませんけれども。 と言ってもそんなシブい内容じゃなくって、やや性急な展開。ドタバタしてます。子どもも大いに楽しめます。映画中盤なんか、カオスです。でもこうやって泥まみれになってみて、初めて掴める真実ってのもあるんだね。と、しみじみ。 カーレースという、メカニックで人工的な世界、それと対極にあるような、泥だらけのハチャメチャレース。あるいは海岸での走行練習。そういった「自然」が、CGで丹念に描写されています。実際、映画の中で、緻密に描かれた背景にハッとさせられる場面もしばしば。そうか、1作目だってホントはこういう驚きを目指してたんだろうね、と思えば、これもCGの進化というのか、あるいは深化というべきか。 個人的には、クルマに顔がついてて、しかも天才バカボンに出てくる本官さんみたいに目ん玉つながりなのが、どうも苦手で、できれば「表情に頼らない描写」ってのを目指してほしいなあ、という気もしつつ、でもクルマに人格がある事を表現するためにはある程度のクローズアップは必要なワケで、その辺りのバランスも、何とか保てているのかなあ、と。 2作目は「なかったこと」になってるのかどうなのか、メーター君はふたたび脇役にまわってますが、ここでもやっぱりいい味出してます。[映画館(吹替)] 8点(2017-08-06 03:30:57)《改行有》

18.  海底二万哩 ミニチュア撮影も水中撮影も見事な、1954年カラー作品。有名な原作を元にしつつも、いささか長すぎて間延びした感もある原作に比べると、エピソードをうまく配置して実にテンポよく物語が進みます。タイミングよく登場するアシカちゃんも印象的。 ただ、この映画のネモ船長、原作ほどの「強さ」は感じられないですね。どちらかというと少しイジけた感じもあって、それが原作と異なるラストにも繋がっていきます。映画では、ネッド・ランドが事実上の主役と言っていい存在になってますが、これが、楳図かずお服に身をつつんだカーク・ダグラス。マッチョな肉体を見せびらかしつつ、若々しいネッドを演じているのですが、実際にはそこまで若くないし、そもそも顔がカークダグラス顔だもんでちょっとコワいし、正直、違和感が無いでも無い。でも、肉体派スターとしての本分は十分発揮されていて、違和感を補って余りある魅力を感じさせます。 あと、原作では大ダコに襲われますが、映画では、これはバイラス星人でしょうか。このあたりもたっぷりと戦いを見せてくれて、大きな見どころになってます(そういや、原作ではむしろ、ネッドの方がネモに助けられるんでしたっけか)。 あと何と言っても、ノーチラス号の造形が、いいですなあ。蒸気機関車の持つ機能美というか、「鉄」の魅力というか。あのゴツゴツした感じ。変に近代的にしようとしていないのがかえってユニークであり、見てて嬉しくもなってきます。 それにしても人食い人種の、何という多さ。カーク・ダグラスひとり食っても、腹の足しにならんでしょう。[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-04-08 09:35:30)《改行有》

19.  カイロの紫のバラ 映画賛歌のようでもありながら、ニューヨーカーのウディ・アレンによるハリウッド批判も含んでいるようでもあり、なかなか一筋縄にはいきません。 舞台は恐慌下のアメリカ。主人公の女性、仕事はつまらないし(本人のやる気が無さすぎるのも問題だけどそこはご愛敬)、夫は暴力を振るうし、そんな冴えない日常の中で、楽しみは映画を観に行くこと。現実とは違い、映画には、夢が、希望が、ステキな世界が溢れてる。それどころか何と、映画のスクリーンから憧れのスターが飛び出しきて一騒動が持ち上がる、というオハナシですが、要するにコレ、映画がスクリーンの向こうにとどまらず、現実世界にまで夢や希望を押し売りしてくるオハナシでもあるんですね。映画を観終わってしまったら、また厳しい現実に戻るしかないのに。 主人公の女性は、夢が現実になったと感じ、ついにこの幸せとは言えない生活から離れることができると感じる。しかしそういったものすべては、ひと時の幻影に過ぎない。それはあたかも、映画を観ている束の間だけ信じることができた、夢や希望。それに所詮そんなものは、ハリウッドのシステムの中では単なる商売道具だったりもする。 でも、それでもいいじゃないの、つかの間でもつらい現実を忘れて夢を見られるならば。だからみんな、映画を観るんだ、と。 あーーーーなんてイヤな映画でしょうね、これは(笑)。ホントはそんな事も含めて、忘れてしまいたいのにね!![CS・衛星(吹替)] 8点(2017-01-11 22:30:53)《改行有》

20.  カンサス騎兵隊 ごんべさんの赤ちゃんがカゼひいた~でお馴染みの、奴隷解放活動家ジョン・ブラウンが、ここではだいぶイッチャッてる原理主義者として描かれてます。目をギラつかせたその顔からあふれ出る、強固な意志。そして、その彼に立ち向かう騎兵隊の若造ふたり、これがエロール・フリンとレーガン大統領。マヌケ面が(失礼)なんとも頼りないのです。逆に言えば、彼らのプチ成長物語でもある訳ですが、ま、さほど成長はいたしません、ハイ。 それはともかく、片や狂信的なジョン・ブラウン、片や甘っちょろいところのある若き兵士、その間には、騎兵隊を追い出されブラウンの手下になった者がいたり、逆にブラウンに愛想をつかす息子がいたり、そして何といっても、両者の争いに巻き込まれる形で運命を左右される黒人たちがいたりする、というあたりには、ドラマの多層性というものも幾分、感じられます。 が、理屈抜きに、やっぱり見どころは戦闘シーンですかね。ちょっとした戦争映画です、これは。[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-09-12 22:25:28)《改行有》

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