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性別 男性
年齢 53歳

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1.  グラン・トリノ 観終わって周り見たら、泣いてるオバちゃんがいてさぁ。ついもらい泣きしそうになったよ(←「自分も感動した」と素直に言いなさいっての)。クルマ音痴のワタシ、グラン・トリノと言われてもピンと来ず、グラン浜田なら知ってるんだけどなあ、と余計なコトをつぶやきつつも、さて映画を見ながら、ああ、映画界で成功をおさめたイーストウッド、ハリウッド最後の良心と言われるイーストウッドにも、あれこれと屈託があるんだなあ、と。そりゃまあ、成功した分、多くの人を傷つけたりもしただろうし、睨まれもしたかも知れない。周りの気づかないところで、ひっそりと忸怩たる想いも、持っていることだろう(一方で世の中には、「俺の人生、順風満帆だったななー」とばかり「なぜ私はこんなに成功したか」とかいうビジネス本を臆面も無く書く人がいて、ようやるわ、と思うのだけど。まあ、“ビジネス本”ってモノがすでにひとつのビジネスですからね~あまり目くじら立てるのも)。今回の映画でイーストウッドは、自らを頑固ジジイとして描き、露悪的な差別言動すらも辞さない。その一方、自らを、あえて穏やかな日差しの下に置き、木々のざわめきの中に置く。そして異民族の中に単身、身を置いてみせる。心に影を抱いたまま。主人公が、“先輩移民”として、東洋系の少年にハチャメチャな指導をする姿、国産車を愛する姿には、イーストウッドの愛国心が感じられるのだけど(庭の星条旗までも、彼の心象をそのまま表すようにはためいてみせたり)、そこにはあるのはもはや、何が正しいか何が間違っているか、などという単純な図式ではない。決して拭い去ることのできない過去、自分が一番罪の重さをひしひしと感じている過去。それを背負いながら、そこから逃げ隠れせず、押しつぶされることもなく、精一杯胸を張ってみせる、主人公の、いやイーストウッドの姿こそが、そこにある。とことん前向きなる贖罪の映画、それがこの『グラン・トリノ』ではないだろうか。・・・ところで、ここには確かにイーストウッドの過去が込められているのだけど、ふとある瞬間、この主人公ウォルトに、あるヒーローの姿が重なる。それは・・・ああ、寅さんだ(笑)。少年タオはさしずめノボルだねこりゃ。 歌はイーストウッドより渥美清の方が上手いと思った。ふふふ。[映画館(字幕)] 10点(2009-05-01 21:10:48)(笑:1票) (良:2票)

2.  グレイテスト・ショーマン フリークショー、などという昨今なかなか映画の題材には取り上げにくいテーマを、とことん前向きなミュージカルで正面突破しているのがまず、大したもの。脚色は多々あれど、意外なくらいに実話ベースの部分も多かったりして、映画観終わった後では、色々と考えること・考えさせられることがあってよいと思いますが。 マイノリティたちの哀しみと、それを乗り越えるエネルギーの力強さ。 しかしそれもこれも、まずはこのミュージカル映画としての手腕があってこそ。劇中、時間なり場所なりが思い切ったジャンプを見せて、こういうのはまさに映画の特権、自由に時空を飛んでみせ、重力からも解放され、場合によってはスローモーションで時間を自由に伸び縮みさせたりもする。だけど何から何まで自由勝手なんじゃなくって、ミュージカル映画として、「リズム」がこの映画を支配しているかのようです。「リズム」には登場人物たちも逆らえず、時には彼らの動作すらが拘束される。だけどそれが不自由なのではなくって、グラスの音が刻むリズムが次の音楽へ繋がって行ったり、新たな流れを生み出していくのが、実に心地いいのです。 ヒュー・ジャックマンというヒトは、映画ではウルヴァリン役に代表されるようにアクション俳優の印象が強いけど、出自はミュージカルらしく、本作でも歌って踊って、若い連中には決して引けをとっていません。 ミュージカルとしての魅力が詰まった作品です。[ブルーレイ(字幕)] 9点(2020-03-20 03:35:43)《改行有》

3.  グリーン・デスティニー 2000年代前半、本作と、チャン・イーモウの例の2作、大きなインパクトがありました。本作はその皮切りで、正直、観る前には少しバカにしてた部分があったもんで(ごめんね)、初めて観た際は、より一層、感動してしまったのでした。 人間、ワイヤーに吊るされるとこんな動きができるのか、いや、ワイヤーに吊るされてもなお、こんな動きができるのか。いや、まあ、その前にワンチャイシリーズなんてのもありましたけど、リーリンチェイなんてあれはもはや人間の動きじゃないからね。いずれにせよ、重力の制約を超えた、一種の舞とも言えるような幻想性。これがあるから、チャン・ツィイーが水中に飛び込むシーンのスピード感(このヒトなら何でもできそう)と緊張感(水中ではワイヤの力が借りられない)にも繋がるし、ラストのちょっと苦しい(?)合成映像にも「マ、いいか!」という気持ちにさせてくれて、感動を損なわない。 ストーリーとしては、中盤に長い回想シーンを挿入するなどの多層性をもたせた上で、脇役たちにもうまくスポットを当ててます。何となくみんな不幸になっていっちゃってるようなオハナシですが。[DVD(字幕)] 9点(2019-06-23 10:57:17)《改行有》

4.  クローバーフィールド/HAKAISHA 「いずれ、こういう映画が作られるだろう」と思ってた人って、結構いたんじゃないですかねえ。しかし、いざ出来上がってみたこの作品、意外に重いモノを我々に突き付けているような気もします。『ブレアウィッチ~』等の偽ドキュメンタリ、あるいはインチキ・スナッフフィルム、こういったモノが、「手っとり早く、ホンモノらしく見せる」という事を目的としていたのに対し、本作は大前提として、誰の目にも明らかなフィクション(怪獣映画)。また「カメラが激しくブレる」というのは、かつて、動物が人を襲うパニック映画でよく見られました。肝心のショックシーンで、カメラが激しくブレて何が何やら判らなくなるんだけど、ま、ハッキリ言って明らかにゴマカシな訳で、もしカメラが止まってたら、あまりにショボい映像で更にワケワカラン映像になってしまう。一方本作はと言うと、大体、本作のようにCGでモンスターを表現する作品では普通、CGで何でも描けちゃうのだから、カメラをブレさせてゴマカす必要など無い訳です(本作のCGのクオリティを見ても明らか)。後、ついでに言えば「ビデオの消し残りシーンの挿入」なんてのも、ちょっとした思いつきには違いないんだけど、製作者の計略ぶりというものを感じてしまう。では一体、この映画、何をしようとしているのか。それは、“セットがあり俳優がいて、その外側にカメラとスタッフ(と我々)がいる”という従来の映画の形自体を否定しようとしているのでは。「カメラワークが見事だよね」「カットの繋ぎが上手いよね」「主演の誰それの演技が見ものだぜ」等々の、いわばお約束的・楽屋話的な評価を拒絶する。カメラは映画の場の“外側”にいて場を“捉える”モノ、ではなく、本作では、カメラは場の“内側”に“居る”モノ。映画のあり方に対する告発。当然、「通常」の映画の歴史が積み上げてきたモノの重みたるや、計り知れないんだけど、だからこそ、この映画の、「従来への安住」に対する告発、いわば「映画のHAKAISHA」としての側面、というものにも、非常な重みを感じてしまうのです。勿論、こういう作品が、この先何本も作られても仕方が無い(同じノリの続編が出来たら、多分、私は怒る)んだけど、本作に対して、映画の本流が、これからどういう回答を出してくるか、という点には、大いに関心があります。まあ「無視する」ってのも、間違い無くひとつの手には違いないんですけども。[DVD(字幕)] 9点(2009-06-03 23:18:41)(良:2票)

5.  グレムリン 公開当時は、周囲ではゴーストバスターズがお正月映画一番人気でしたが、ウチの一家は何故か真っ先に却下、ゴジラかグレムリンか映画館前まで悩んだ挙げ句、グレムリンを選択。これが大正解。やったね、こりゃ紛れも無い「動物パニック映画」の一本。と言う訳で大好きな映画です(もちろんゴーストバスターズもメチャ面白かったけどね)。「夜中12時過ぎたらエサをやってはいけない」って、じゃあ朝は何時以降ならエサやっていいんだよう、などと思ったのも今では昔の話、些細な事です。ファミリー映画のようでいて実は、グレムリンが本気モードで襲ってくる、殺るか殺られるかの凄惨さがグー。ママ強し。←これって何だか愉快だなあ。そして街が陥る大混乱の描写と、その後の静まり返った街、あーこりゃ間違い無くパニック映画だよ。その後ちゃんと「定石に乗っ取って」ヤツらを退治してくれるしね(愉快痛快!)。そういや「壁に掛けた剣」の伏線なんかも楽しいところだし、コリー・フェルドマン絶頂期(?)の生意気ぶりも見どころ。ラストシーンの背景は、マットペインティングなんでしたよね?幻想的でしたナ。そんなわけで、クリスマスにはゼヒ生意気盛りのお子様たちに見せてちょっとビビらしてやりたい、そんな映画です。9点(2004-12-30 21:30:54)(良:1票)

6.  9時から5時まで あはは、めちゃめちゃおもろい。面白すぎ。性差別だ何だとぶちかますと、キナ臭くなるもんですが、本作にはそんなヤバい気配は微塵も無し、男女ともに純粋に楽しめるオモシロ映画に仕上がってます。9点(2003-08-11 21:38:21)(良:1票)

7.  クライ・マッチョ 『グラン・トリノ』を見た時の感動、というのは、これがきっと最後の監督・主演作になるだろう、という予感ゆえに感動したのか、それとも感動したがゆえにそのような予感がしたのか。今となっては渾然となってよくわからないのですが、はっきりしているのは、その予感は外れて、間遠になったとは言えその後も、現時点で2本、監督・主演の兼業をこなしている、ということで。なんという映画への情熱とバイタリティ。老人、おそるべし。 この主人公は、煮ても焼いても食えない奴だ、と思ったら、自分で主演やるんですかねえ。頑固者のイメージ。それが、自らの老いた姿とともに、映画の中に焼き付けられています。今回の主人公も、推定年齢200歳くらい(?)のジジイ。カウボーイの生き残り。かつて南北戦争でも戦ったことがある、と言われても驚かないような、そんな人。 この物語の主人公がこれほど年老いている必然性があるのか、と言われるとよくわからないけれど、とにかく、イーストウッドは「今の自分」をさらけだし、「今の自分」を主人公に重ね合わせる。御年、90歳。乗ってたクルマが不調で、車体の下をのぞき込む、そんな仕草だけでも、ゴクロウサマと言いたくなる、そんな光景となっています。 しかししかし、映画たるもの、カメラがあれば、肉体の衰えなど乗り越えた動きのあるシーンも作り出すことができる。ニワトリを追いかけるシーンの張り切りぶりなどは、映画に動きを与えるとともに、どことなくユーモラス。 少年と旅をするロードムービー、のようでいて、実はそんなに旅をしていないような気もするのですが、イーストウッドはとにかく、若い人に何かを伝えたがっている、という雰囲気が伝わってきます。何を伝えたがっているのかというと、このマッチョ教の教祖のような人が、今さらになってではありますが、マッチョだけじゃいかんのよ、と。 というか、チキン(臆病)もマッチョも、紙一重。大事なのは、勇気を持つこと。 などと言ってしまうと安っぽくなるけれど、だからこそ、言うのではなく、それを映画で表現してみせる。体現してみせる。 イーストウッドは例によってカウボーイハットを目深にかぶり、陰になった目元がよく見えないのだけど、帽子を脱いでその目元が露わになると、妙に可愛らしい瞳がそこにあって。 ジイサン、すっかり丸くなった・・・のかねえ。[CS・衛星(字幕)] 8点(2024-03-16 04:54:32)(良:1票) 《改行有》

8.  クロッシング(2009) イーサン・ホークなんかに刑事役やらせるから、ほら、悪徳刑事になっちゃったじゃないの。逆か。ヤバい雰囲気出すのに、まさにうってつけの俳優、それがイーサン・ホーク。 冒頭、しつこい会話が続いて、このままいったらイーサン・ホークのことだから、相手をブッ殺しちゃうんじゃないの、と思ってたら確かにそうなるんだけど、それでもなおショッキングなシーンです。銃声の鋭さも効いてます。 それに続いて、リチャード・ギア、ドン・チードル、計3名の、何かしら「ヤバさ」を抱えた刑事の物語が、並列で描かれます。途中、彼らの間にはニアミスのようなものもありますが、あくまで並列に配置された3人の物語。 だけど、バラバラな感じがしないのは、この3つの物語がまるで、表に見えない部分で共振しあっているような感覚があるから。映画に不穏な空気が流れ始めると、それはエピソードを超えて互いに感染し、互いを不穏な空気へと巻き込んでいく。 銃声の衝撃に加え、電車の音なんかもBGMのように不安を掻き立てます。 そして、3人はそれぞれの物語に導かれながら、クライマックスの場へ。別々の物語でありながら互いにシンクロしあう故の、無類の緊張感があります。[CS・衛星(吹替)] 8点(2021-05-01 16:39:33)《改行有》

9.  クレイマー、クレイマー 《ネタバレ》 公園のベンチで、ダスティン・ホフマンがあの短い足を苦しそうに精一杯組んで座ってる一方、法廷のシーンではメリル・ストリープがカッコよく足を組んでいるのを見ると、もうこの時点で、そりゃ勝てんわな、と思うワケです(大きなお世話ってか)。 エレベーターの中と外で二人が会話するシーンが印象的に用いられ、「ドアが閉まれば会話も終わってしまう」というサスペンスがここにはあるのですが、それよりも、確かにこのシチュエーションなら、二人が並んでカメラに映らないので、低い背も短い足も気にならないワケですね(大きなお世話)。いいシーンです。 ところで使用されている曲、例のヴィヴァルディのマンドリン協奏曲ハ長調RV.425、をマンドリンとギターで演奏している、らしいのですが、もしかして和声が原曲と違う?[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-05-12 02:32:07)《改行有》

10.  クレイジーズ(2010) ロメロの元映画の方を観てみたいのですが、レンタルビデオ屋さんに置いてないので、代わりに、っちゃあ何ですが、リメイクの方を観させていただきました。代替品扱いでゴメンなさい。いや、面白かったです。まずそもそも、適当にカメラを揺らして臨場感出しとこう、みたいな安直な事をしてないのがうれしいところ。見せ方へのこだわり、という映画が本来持っているべきものを、ちゃんと感じさせてくれます。 ある小さな田舎町を突然襲う異変。人々の挙動がおかしくなり、他者を襲い始める。いくら映画だからって、ただ病気に感染してしまっただけの気の毒な人たちを、ゾンビ扱いしていいのか~っっってのは、もともと、ロメロのゾンビ映画が持っていた毒、というか、後ろめたさ。「人間そっくり」だけど人間ではないと「信じられる」何か(=ゾンビ)を虐殺する、虐殺してもよいと考える、その後ろめたさ。この作品でも、人が人を襲う、というその構図において、もはや、襲う側、殲滅される側が、もはや感染者かどうかは問われなくなっていく。身近に迫る感染者の襲撃の恐怖、その一方で、遠目に目撃される、非感染者を含めた虐殺の恐怖。 感染者を「クレイジーズ」などと呼んだりしているけれど、このラストシーンの後では、一体、真の「クレイジーズ」は誰のことなのか、と言いたくなる訳で、しっかりと皮肉も込められたホラー作品でした。[DVD(字幕)] 8点(2016-10-27 13:28:39)(良:1票) 《改行有》

11.  クリード チャンプを継ぐ男 ここに至ってまだ「ロッキー」シリーズの企画を引っ張ってくるなんて、と、ちょっと心配になる(けどちょっと期待する)のですが、ロッキー=スタローンに必ずしも縛られなかったのが、良かったですね。もちろん、トレーニングを見守るロッキーの姿の方をカメラのフォーカスが捉えるなど、彼の存在は確かに感じさせるのですが、アポロの息子アドニスをきちんと中心に据え、しかもチャンプの血を引きながら、愛人との息子である自分は一体何者なのか、という屈託を抱えた存在として描き、ボクサーとしての生き様に膨らみを持たせています。これがクライマックスの試合に向けての映画の推進力のひとつにもなっているのですが、クライマックスの興奮はそれだけれはなく、やはり、アドニスを演じたマイケル・B・ジョーダンをはじめとする、登場するファイターたちの迫真のファイトシーンが大きな貢献を果たしています。 ラスト、アドニスと並んだロッキーは、画面の中心をアドニスに譲る。いいねえ、スタローン、もうラジー賞は卒業かな。[DVD(吹替)] 8点(2016-10-19 14:19:42)《改行有》

12.  グランド・キャニオンの対決 空撮による大峡谷の姿はまるで岩のジャングル、こんなトコで殺されたらそう簡単には見つからない。という訳で、グランドキャニオンを舞台にした連続殺人事件の真相を追う保安官補の捜査がムダのないテキパキとした描写で描かれて行きますが、テキパキとしているのはあくまで作品の演出の方であって、捜査自体は割とノンビリした、要するに田舎警察の雰囲気とでもいいますか。しかし、捜査の方はどうでもよくって(どっちかというとタナボタ式に犯人に辿り着く)、決して多いとは言えぬ登場人物たちの人間模様が焦点を結び、真犯人が明らかになったところからの、スピーディな展開と度肝を抜くスタントアクション。いや、ここまでの(どうでもよさそうな)展開も意味が無かった訳じゃなくって、例えば最初の方でなにゆえジャニスが楽しそうにスピード違反の運転をするシーンがあったのかと言えば、なるほど、後半で人質になってツラそうに運転する場面として、つまり「変奏」の形で、再現するためだったのね。運搬用ロープウェイだって(そしてチョイ役のジャック・イーラムだって)中盤で一度見せておいた上で、クライマックスへと繋いでくる。大きく揺れてるロープウェイ上での、決死のスタント! そういや007シリーズも、ロジャー・ムーア以降すっかりおバカになった一方で、時々こういうハチャメチャなスタントやってくれるから、何だか笑って許せちゃうところがある。あのハチャメチャさの源流みたいなシーンですね。しかし本作では(007みたいなアクションつまみ食いの大作じゃなくって)この大峡谷を作品を通じた舞台とし、作中でヒヤリとするような高所の描写を何度か見せつけた上で、その結実としてのあのスタントですからね、そりゃ盛り上がろうってもんです。そうそう、難を言うならば、中盤、死体発見後に飛行艇が飛び立つシーンで、岩肌に撮影陣の影が鮮明に写ってしまってるのはチト残念でしたね、何しろ、皮肉にもその直後のシーンに「影」を利用した演出があるので(保安官の前の人影からカメラを引くと、赤い服のジャニス)。それはともかくとして、本作、噂には聞きつつ今まで観る機会が無かったのですが、ようやく観ることができました、いやお見事。[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-12-07 01:07:46)

13.  グラン・プリ(1966) 空撮や車載カメラを駆使した圧倒的なレース・シーンが何と言っても見どころ。それも、レースを描くとは言っても「追いつ追われつ」あるいは「時間との勝負」みたいな“アクション”の作品と言うより、走っている「クルマ」そのものを描き、言わばクルマの持つメカニックなカッチョ良さそのものを描いた作品、とでも言いますか。作中で用いられる画面分割の手法ですら、動きや多層性の表現よりも、クルマへのフェティッシュな愛着の表現にしばしば用いられています。で、レースシーンの合間には、レーサーや、レースに関わる人たちの人間模様が描かれ、それは主に男女のイチャイチャあるいはドロドロなので正直どうでもいいのですが(笑)、そこにはまた、体に傷を受けた者もいれば心に傷を受けた者もいて、あるいは戦争に敗れたが再び世界に挑戦しようとする日本人実業家の姿もあって。しかし、いざレースが始まれば、そこにあるのはレースの力学のみ、各自の思いなどと無関係に勝敗が決し、時には生死が決する。と言う訳で、レースとは「お祭り(=非日常)」なんだぜ、どうだ参ったか、という映画ですね、いや参りました。[DVD(字幕)] 8点(2011-04-17 12:29:54)

14.  黒い罠 監督オーソン・ウェルズに主演はチャールトン・ヘストン、という、繊細なのか大味なのかよくわからん作品。多分、両方でしょう。かつて映画会社にギタギタに編集されてしまったものを、オーソン・ウェルズの意向に沿うように再編集したとやらいう修復版です、とか何とか冒頭で言われると、「チェッ、これじゃまるで『ワタクシ、歴史的傑作でゴザイマス』って宣言してるみたいやんか」と、何だか警戒してしまうのだけど、警戒して観ても、面白かったです(笑)。いや、面白くは無いけど(笑)、カッチョよいですね。冒頭の長廻しと言い、「影」の効果と言い。でも、それでもやっぱり、ヘストンはあくまでヘストンだというのが、この映画の妙なところでもありますが。[DVD(字幕)] 8点(2010-10-25 22:17:09)

15.  グレート・スタントマン まとまったストーリーみたいなものはあんまし無くて、ただ主人公のスタントマン、フーパーが、いやいや、それを演じているバート・レイノルズが、とっても楽しそうにしているだけで観ている側もなんだか嬉しくなっちゃう、そんな映画。当然、命がけのスタントには不安もある、怪我の悩みもある。でもスタントの世界記録をついつい追い求めちゃうノーテンキさ、コイツが結局は前に出てきてしまい、深刻ぶることなく、明るく楽しく映画は進んでいっちゃう。この映画の中では、バート・レイノルズは、演技ではなく、本当にナマの表情を見せているかのようであり、また同時に、スタント出身のハル・ニーダム監督の表情も間接的に映画の中にみなぎっている。そして、そんなこんなのウチに、クライマックスの、飛び抜けて危険で飛び抜けて無意味な、超絶スペクタクルへと。何でこんなアホな事に命をかけるのか、理解は不能だが、確かにどこか羨望を感じてしまう。そう、“映画の魔物”は、映画の底辺の隅々の「何でこんなアホなところにまで?」ってなトコにまで身を潜め、人々を誘惑するのですな、ああ、おそろしや。 ところで、主人公がヘリからダイブするスタントシーンで挿入されている音楽、おお、これはウルトラクイズの決勝前に流れる曲ではないですか、ワクワク。[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-06-17 22:26:55)

16.  グローリー 南北戦争時、北軍に初めて結成された黒人部隊。デンゼル・ワシントンが反骨精神あふれすぎのヒトクセある兵士を熱演、早くもマルコムXの霊が降臨したかのような。しかし、彼を始めとする数名を除いた、「その他大勢」の黒人兵士の描かれ方がどうも雑・・・なのは、まあやむをえない面もあるのだけど・・・何かあるたびにサル山のおサルさんみたいにウッキーウッキー騒ぐのは、なんとかならんのかね~(そんな彼らもやがてアイデンティティに目覚めていく、ってなコトを言いたいんでしょうけど、もうちょっと丁寧な描き方がなかったのか・・・)。一方、この映画、おやっ、と思わせる演出もありまして、ここぞという場面で「行進のシーン」が、ひとつのモチーフとして挿入され、映画の流れを形成する軸となっているようです。ある種のリズムを生み出しています。また、全体的にロングのショットを抑え気味で、このためにラストの戦場である海岸のシーンの開放感が、「ついにここまで到達した(地理的な意味だけではなく、黒人のアイデンティティへの覚醒という意味でも)」という、突き抜けるような達成感を強く感じさせます。走っていく馬の唐突な映像が、なんとなくヘンテコなんだけど、なんとなくマッチしてる気もしないでもなかったり。っちゅうわけで、なんだか不器用な面もある映画ですが(そういや、戦場を表現するのに無闇に焚かれるスモークも微妙に変だったナ)、野心的なところも感じられる映画でした。ところで、黒人部隊がなかなか前線に出させてもらえないあたり、上層部に信用されてなかったということなのでしょうが、これが朝鮮戦争やベトナム戦争になると、逆に優先的に危険な地域に回されたりしちゃうわけで、皮肉なものです。8点(2005-01-12 23:35:45)

17.  クリフハンガー 《ネタバレ》 これはねえ・・・面白いと思うよ(笑)。雪山の迫力とストーリーの面白さがよく噛みあった痛快作です。別にあんなに登場人物を片っ端から殺さないでもよかったんだけどね、そこまでしなくても十分面白いんだから。見どころはラスト、宙吊りのヘリの上での死闘をよく見てみよう。ジョン・リスゴーは最初メッポウ強いんだけど、スタローンに噛み付かれた途端、なぜか動きが止まってしまう(笑)。そして敢え無くやられてしまうんだな。スタローンは毒ヘビなのか? まあおそらく、単に編集後の事をあまり考えずに撮影しちゃったんだろう、とは思うのだが。8点(2004-04-18 01:43:57)

18.  暗くなるまで待って 盲目というハンディキャップを抱えた女性が、逆に暗闇でも自由に動けるという強みを活かして、敵に立ち向かう映画、そう言っちゃうと何だか説教臭いんですけど、サスペンスとして文句無しに面白い映画です。オードリーの熱演が映画を盛り上げます。ついに暗闇が破られてしまう絶望感、モーたまりません。8点(2003-09-27 12:02:40)

19.  グロリア(1980) 鬼のようなオバチャンがブサイクな子供を組織から守る映画。『レオン』の原点だ、などという声も聞きますが、多分それはボロ儲けしてるベッソンへのイヤミであって、まあ関係ないでしょ。カッコいい人がカッコよく活躍する映画じゃなくて、中の下くらいの普通の人が孤独な都会で意地張ったり支え合ったりしながら逞しく生きる姿を描く、っていう感じですかね。まあそういう雑草魂のカッコよさの映画です。8点(2003-09-15 13:51:00)

20.  グラディエーター 戦闘シーンが凄い!怖い!痛そう! コロッセウムが大入り超満員札止め。スバラシイ。かつての全日プロ武道館大会三冠戦を思い出させる熱さです。『ベン・ハー』と『スパルタカス』を混ぜ合わせて御都合風味を足したような映画ですが、夢のような世界を味わえるしオモチロイので、私はかなり満足です。8点(2003-09-15 12:52:59)(笑:1票)

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