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性別 男性
年齢 53歳

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【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順12
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1.  拳銃の町 馬車に揺られてとある町にやって来たジョン・ウェイン、しかし彼の雇い主はすでに殺されていてーーーという、ちょっぴりミステリ仕立て。映画後半には「部屋の中には射殺体と、銃を手にしたジョン・ウェインただ一人」という、密室もどきのシチュエーションまで登場(窓が全開なので全然密室じゃないけど)。余談だけどこのシーン、昼間なのにジョン・ウェインが窓の外に出る場面だけ夜になってる? もちろん謎解きを主眼にした作品ではなく、理屈っぽさもありません。逆にそういうのを期待しちゃうと、肩透かし。軽いノリで楽しみましょう。やたら揺れる馬車の中の光景も楽しいし、ポーカー勝負の場面などではちょっとした緊張感も。 ジョン・ウェインもまだこの頃はスマートで、銃の達人かと思わせる風貌ながら、実際はなかなか銃を抜かず、いざ抜いても相手を殴るだけ、ってのが、イイしゃないですか。 こういう西部劇のヒーローは、なぜかジイサンにモテる。いや女性にもモテて、気の強いヒロインとの関係がこれまた、見どころ。 彼女のお供として、コワモテのオジサンがいて、このヒトもポイント高かったりします。特に最後、犯人の顛末を、このオジサンを通して間接的に描くのがまた洒落てるじゃないですか。 なかなか気の利いた佳作だと思うのですが、どうでしょうか。[インターネット(字幕)] 8点(2021-12-05 14:15:31)《改行有》

2.  拳銃王 90分に満たない、いわゆる「B級西部劇」なのかもしれないけれど、これが滅法、面白い! リンゴ・キッドと思しき人物をグレゴリー・ペックが演じていて、早撃ちの名人として名を轟かしたが故に、もはや平穏な日常を送ることはできず、今日もまた、若者に絡まれて彼を射殺し、若者の身内に狙われるハメに。 これがまず伏線になって、迫りくる彼らが、主人公にタイムリミットを課すことになります。一方、主人公はとある町にフラリとやってきて、彼がなぜそこにやってきたのか、彼の過去が徐々に明らかにされていきます。 主人公が思うよりも早く迫りくるタイムリミットと、徐々に物語に関わる人物が増えていき、徐々に背景が明らかになっていく過程、それらを貫く主人公の一途さみたいなものが重なって、緊密なエピソード間の連関を生み出していきます。それがもう、スリリングと言ってもいいくらい。 お見事でした。[CS・衛星(字幕)] 9点(2020-11-28 02:18:35)《改行有》

3.  K-19 エンドロールのクレジットを眺めてると、音楽を演奏してるのが、キーロフ管弦楽団及び合唱団、指揮ヴァレリー・ゲルギエフ、なんて書いてあってビックリ。音楽にも「ロシアの響きが欲しい」ってコトなんですかね。なんという贅沢。ま、正直、聞いててもまーったく気づきませんけれども。このオケは今では“マリインスキー劇場管弦楽団”という名前のハズなんですが、わざとソ連時代の名前でクレジットした、ということなのかどうなのか。 キャスリン・ビグローはこの後、めっきり「リアリティ最優先主義」みたいになっちゃって、面白味に欠けてくるのですけれども、本作はまだ、実際の事件に取材しつつもしっかりとエンターテインメント作品になってます。すでに少し「実話」に引きずられてる中途半端な印象も無くは無いですが、そもそもおよそ軍人らしからぬハリソン・フォードを艦長役に据えている時点で、リアルさとは相容れないものがあり、ハリソン・フォード自身は抑えた演技でリアリティに貢献しているつもりかもしれないけれど、やっぱり節々にチャラい身振りが出てしまう、そういったあたりの微妙なバランスは、作品の魅力にもなってます。 米大統領役も演じたことのあるスターの彼が、ソ連原潜の艦長役。まあ、「ソ連のことを悪く描くつもりはないんです」という作品の姿勢の表れ、なんでしょうか。 潜水艦内という閉鎖空間での原子炉事故、というサスペンスに加え、人間同士の対立などもあって、作品には緊迫感が溢れていますが、一方で中盤の、乗組員たちが氷上でサッカーに興じる光景などには、心和むものがあり、印象に残ります。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-07-15 21:15:47)《改行有》

4.  ゲットバック 人質奪還 いかにも三流映画っぽいアクション映画ですが、いや、これが面白いんですホント。四流鑑賞者の私が言うんだから間違いありません。 幼い娘と二人で暮らす主人公、彼らの家にある日、謎の闖入者たちが! って、これが別にナゾでも何でもなくって、早速トホホな展開になりかかるのだけれど、むしろそこから新たなナゾが主人公を襲うんですな。主人公には娘がいるけど、そういや彼の妻はどうしたんだろう、という点もそのナゾに絡んで、徐々に真相が明らかになってくる。アクション主体で観る者を楽しませつつ、あわてず騒がず徐々に真相を明らかにしていくのが、心憎いではありませんか。 アクションの方も、さすが、(知名度は低くとも)動ける俳優は、一味違います。まともにアクションのできない有名俳優を主演にしてカット割りまくり何やってるのかイマイチわからんアクション映画ってのも時々ありますけれど、本作は動けるオトコがしっかり動きまくってみせ、ショットをぶつ切りにすることなく、一連の肉弾戦を「動き」としてしっかり見せてくれます。 何がどう「人質」で、何がどう「奪還」なんだ、という疑問はさておき、「父と娘」というテーマを軸に、格闘また格闘、最後まで物語はスリリングに展開してゆく。 うん、気に入ったよ![CS・衛星(吹替)] 8点(2019-11-14 20:44:54)《改行有》

5.  ゲーム・オブ・デス(2010) 100分足らずと、短くまとめてきたのがまずイイですね。でもオハナシ自体がコンパクトであまりスケール感も無いもんで、実は30分もあれば十分だったりして、という気もしてきちゃう。導入部の教会のシーンなども、単なる埋め草エピソードみたいに思えてくる。でもこういう部分に何となく、主人公のワケ有り感。 そういやウェズリー・スナイプスって、もう少しワルそうな顔していた印象があるんですけどね。この映画ではあまりワルそうではなく、何となくやっぱりワケ有り顔をしていて、こうやって見ると何となく吉本新喜劇の小籔座長に似てるような似てないような。 で、途中、何となく(←しつこい)危機に陥ったりもするけれど、どういうワケだか主人公だけは敵に殺されることがなく、いやまあ確かに主人公が途中で殺されたら困るのだけど、主人公があまり相手にされていないようなホッタラカシにされているような印象があって、イマイチ頼りない。 一方で、単なる脇役かと思われた女医さんが結構ガンバって、場をつないでくれますけれども。 それでも何でも、アクションシーンに魅力があれば大抵のことは水に流せちゃうんですけどねー、せっかくウェズリー・スナイプスが主演しているのに、コマ切れカットの寄せ集めなもんで、これ本人かなあ、代役っぽいよなあ、というモヤモヤしたアクションなのが、残念でした。 <22/2/13追記> 改めて見たら、オモシロかったです。6⇒7点に変更します。ゴメンナサイ。 モノクロ映像を挿入したり、多重露光風に映像を重ねたり、イロイロと映像をいじってるのが、どこまで効果的かはともかく、セリフを省略して物語をスピーディに進めることに貢献しているのは確か。↑教会のシーンが埋め草、だなんて、トンデモないこと書いてましたね。スミマセン。教会なりバスケなりの場面にラストで回帰することで、比較的コンパクトなこの物語が、より引き締まったものになってる、と、今回は見てて感じました。いや、悪くないと思います。[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-03-03 17:43:33)《改行有》

6.  ゲッタウェイ スーパースネーク 平均45秒に1台、大破。とかいう宣伝文句なもんで、観てて、ついつい、「おい、もう45秒以上経ったんだけどさあ」とか、「今のクラッシュ(接触?)も大破として数えるの?」とかいうツマランことを思っちゃうのですが。 「頭から尻尾の先までカーチェイスが詰まった映画」を作ろう、ってことなのか、何とも律儀に、冒頭からとにかく主人公を車に乗せ、走りまくる作品でした。妻を誘拐された主人公に対し、犯人から謎の要求が次々に突きつけられる。この犯人の要求ってのが、要するに走りまくれって言ってるだけで、主人公が達成すべき目標が示されない要求が殆どなので、目標が達成できるか否かのサスペンスも生まれません。これだけでは映画がもたないので、同乗者の少女を登場させたり、事件の真相を少しずつ明らかにしたり、ってなことをやって見せるのですが、別にボクら、「真相を知ること」を目的に観てる訳じゃないしなあ。 カーチェイスもクラッシュも、それはそれは頑張っているのですが、いかんせん、サスペンスに欠いているもんで、同じようなコトが断続的に繰り返されているだけ、といった感じ。これだけの荒っぽい運転だから、車内はさぞかしムチャクチャだろう、と思いきや、結構フツーに会話してたりして、カーチェイスの凄まじさを側面から描いて見せるような工夫も、特に無く。そもそも、車中の描写が、ほとんどまともになされてない。 という訳で、スピード感あふれる映画を目指したんでしょうが、印象としては、何だかモゴモゴと煮え切らない感じがしてしまうのでした。 でもでも。こういうカーチェイス主体の作品って、存在自体がワクワクさせる。また活きのいいのを、待ってますヨ。[DVD(字幕)] 5点(2016-10-19 11:28:21)(良:1票) 《改行有》

7.  決斗!一対三 西部のならず者ウェス・ハーディン自身の自叙伝に基づき、ホントはそんな悪い人じゃなかったんだよ、という、「真説」というか「異聞」というか、そういう体裁。その自叙伝が渡される場面に始まり、自叙伝からハミ出て映画が終わるというメタな構成が、ミソですね。自叙伝の内容には主観によるバイアスがかかっているかも知れないけれど、そんなことはどうでもよくって、自叙伝を書いたことまでを含めた「ある男」の姿を描いた、あくまでそういう作品。 とは言っても、観る限り、作品のメインを占める過去のパートも、(どこまで実際に無法行為に手を染めたかはともかく)特にこの主人公を美化した内容でも無さそうでして、まあ、十分にロクでも無いヤツですね。その主人公を、ロック・ハドソンが演じていると、何だか“ふてぶてしい新入社員”みたい(笑)。 邦題の「決斗!一対三」ですが、中盤で「あわや一対三の決闘になりかけた」というだけです、ハイ。敵のヤラレ役は、ああこのトンガッた顔、リー・ヴァン・クリーフ。『真昼の決闘』に続くヤラレ役。そういやこの「決斗!一対三」という邦題も、『真昼の決闘』を意識してつけられたものなんでしょう、きっと。 という訳で、尺の短い作品ですが、B級な決闘モノではなく、意外に大河なオハナシ。過去における主人公と父親の確執、現在における主人公と息子の関係、といったあたりをしっかり押さえていて、コレだったらもうちょっと長い作品に仕上げてしっかり楽しめたらよかったかな、とも思います。[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-02-14 08:49:40)《改行有》

8.  月下の銃声 どっちかというと低予算で小品の部類に入る作品だと思うのですが、これが何だか妙に面白い映画なのでした。基本的には、対立するグループがあって、その間に立つヒーローがいて、という図式なのですけれど、思わぬ人同士に思わぬ繋がりがあったりして、それが銃撃戦やら牛の暴走シーンやらを交えながら、徐々に明らかにされていく。その過程が面白いんだね。そしてオハナシはちゃんと勧善懲悪的な方向に落ち着き、最後は一軒家に立てこもっての銃撃戦。もう最高ではないですか。主人公を演じるロバート・ミッチャム、超然としたヒーローかと思いきや(いや実際、そういう役どころだとも思うのだけど)、時にどこかユーモラスな感じを受けるのも、若々しさゆえでしょうか。[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-04-07 22:06:41)

9.  刑事マディガン リチャード・ウィドマーク演じる主人公のマディガン刑事。コワモテでまるでギャングのように見える風貌、時には手荒なことも辞さないけれど、「ハミ出し刑事」モノの作品に出てくるような常人離れしたヒーローではなくって、あくまで人間臭い存在。騒動の発端である、拳銃を奪われる顛末も何だか情けないし、しばしば言動にヒトのよさがにじみ出る。何にせよ、悪人に拳銃を奪われてしまったのは彼にとって災難なワケですが、彼に限らず、登場する人それぞれ、何だかうまくいってない。彼の上官として登場するヘンリー・フォンダ、『ワーロック』の頃からすでにウィドマークの手の届かない存在である彼も、色々と問題を抱えている(こちらも善人とも悪人とも言い難く、人間臭い)。この二人の物語がそれぞれ並行して語られていく中で、思わぬところで二人がバッタリ顔を合わせる、いや別にココで喧嘩が始まる訳でも何でもなく、どうという展開にもならないのだけど、ドキリとするシーンです。というワケで、倦怠感を伴う人間臭いドラマの果てに、突如、すべてをナギ払うような銃撃戦のクライマックスがやってくる。このインパクトが凄いんだ。[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-06-17 22:52:02)

10.  刑事ジョン・ブック/目撃者 初めて観たのは高校の頃、視聴覚教室にて。当時、聞いたこともない映画だったもんで、どマイナーな映画なんだろう、それにしても静かでのどかな映画だわい、と思ってたら、突然殺人事件がおこりビックリ、続いてハリソン・フォードが登場し二度ビックリ。それはともかく、この映画って要するに「風と共に去りぬ」なんですね、いや実際には風と共に去りはしないのですが。強い女性のお話です。そりゃま、アーミッシュの村を舞台にしてることで、文明批判的な文脈で作品が捉えられたりもするかも知れないけれど、それ以上に、村の掟と都会から来た男性との間で揺れ動く、ケリー・マクギリス演じるおっかさんの姿に主眼が置かれてます。彼女を村の掟で縛ろうとする爺さんが暗闇に立つとき、彼女は家の灯を背景に光に包まれながら、それに対峙する。はたまた、彼女にオッパイに睨まれりゃ、さすがのハリソン氏もタジタジになっちゃう。田舎が良いとか都会がダメだとかじゃなくて、彼女の強さと揺らぎ、それがこの作品の魅力。[CS・衛星(字幕)] 9点(2013-12-11 22:52:05)

11.  ゲットバック 8年前、強盗団のリーダー格だった主人公、1000万ドルを盗み出すものの逃走に失敗、ひとり刑務所へ。刑期を勤め上げ出獄した主人公、しかし彼を恨みに思うかつての強盗仲間が、彼の娘を誘拐し、金を要求する……。こういう題材で、観る者をシビレさせようとしたら例えば、銀行強盗のシーンが前半と後半で2回ある訳ですから、韻を踏むように両者を関連させて描くのがよいでしょう。ただし、2回目は、1回目を踏襲しつつも、より絶望色を強め、悲愴感を伴って描く。しかるに本作。そういう構成上の計算なんて興味無し、「同じコト2回見せてもしょうがねえ」とばかりに、2回目の強盗シーンは単なる「新しい手口の披露」の場と化してます。実にアッケラカンとしてますねえ。とりあえず次から次に色々見せてやろう、これが本作の姿勢。ニコラス・ケイジの姿を描き続けても、そんなカッコよく動ける訳ではないから(彼が「走る」シーンが何度も出てきますが、そのうちのひとつのシーンで、我が家の幼稚園児が「おそい!」と言ってました。私も同感です)、埋め草的に、娘が脱出を試みる描写なんかも適度に混ぜ込んでみる。いや、悪くないと思いますよ、言ってみりゃ、埋め草だけを繋いで映画一本作っちゃった、という感じでもありますから、この手腕、これはこれで大したもんではないでしょうか。こういう映画も世の中に必要なんです、きっと。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2013-10-05 09:55:45)(良:1票)

12.  決断の3時10分 おお、これぞ西部劇界の“ハムレット”、生か死かそれが問題だ、とばかりに、悪党の親分のネチネチとした心理戦(暑さの描写、屋外の葬列が、焦燥感に輪をかける)に心が揺らぐ主人公。短い映画の割に、問題の「3時10分」まではエラく時間があったりして「えっ?」と思わんでもないけれど、それでもいずれ、3時10分は迫ってくる、10分前には無情にも時計の鐘が鳴り響く。悩んだ主人公がついに「決断」した時はもう運命の歯車は回り出しており、“ハムレット”よろしく、ある意味手遅れな訳だけれど、しかし大きな違いは、運命に打ち倒されないところ、運命に決然と立ち向かうところ、ですな。悪党という割には悪党顔をしていないスマートな悪党に対し、むしろ主人公の方が野暮ったく見劣りしているのですけれども、その“タダのオヤジ”たる主人公が、“タダのオヤジの意地”を貫く時、そりゃ絵ヅラ的にはイカツいですけど、それでもそこには「美しい」と感じさせるものがあります。だから意表をつくラストにも、納得してしまう。ちょっと似たところのある(でも全然違う)『真昼の決闘』も好きな映画ですが、やっぱりコチラに軍配を上げてしまうなあ。[CS・衛星(字幕)] 10点(2013-02-26 22:21:16)

13.  刑事コロンボ/構想の死角<TVM> これはもう、若き日のスピルバーグの野心、というものを味わえばそれだけでも十分に楽しめちゃう作品でして。ビルの窓から見降ろす光景から室内の光景へ、という、めまいがするような冒頭シーンから、気分はもうヒッチコック。細かくカットを割ってみたり、長廻しやってみたり、人物配置にこだわってみたり。いっそ本作を観るにあたっては、ストーリーを気にせず、犯人が誰かも気にせず(これは明白なので気にする必要は無いけど)、カット割りとか、背景の窓外の光景とかを見ているだけでも、愉しかったりしちゃいます(時間や予算がもっとあれば、照明技術なんかももっと良くなったのでしょうが)。では内容に関してはつまらないのか(私はどうもこのシリーズが苦手なのです)、というと、いや、本作、ミステリとしてもなかなか面白い。脚本にも恵まれたんじゃないですかね。連続殺人モノで、しかもその二重殺人がちょっとシャレたラストに効いてる、というのが心憎い。犯人は例によって脇が甘く、犯行は発覚するべくして発覚したという印象はありますが(まあ短い作品ですし)、トボけた味わいのコロンボが(室内でもコートを脱がず、コート着たまま料理なんぞしてる)、チクチクと犯人の痛いところを突きつつ、最後に猛然と犯人を名指しし対決していく過程、実にスリリングな仕上がりで、「もしかしてコロンボシリーズって、本当は面白いのか?」とか、つい思っちゃうところでした(いや、実際、面白いのかも知れませんが・・・苦手なもんで)。[地上波(吹替)] 8点(2011-12-06 23:12:43)

14.  刑事コロンボ/パイルD-3の壁<TVM> 《ネタバレ》 ピーター・フォーク監督作品。まあ、その方面にあまり深入りしなかったのはコレを観る限り正解だったかな・・・? 犯人は例によって最初からわかっているのだけど、普通の“倒叙モノ”とは一味違う。犯行自体は我々に明らかになっておらず、むしろ犯人の策略が物語の中で密かに展開されていき、ラストでその狙いが明らかになるところがミソ。とは言え観てて大体は読めちゃうので、そういう意味ではやっぱり“倒叙モノ”の一種かもね。犯人の目論む完全犯罪は、コロンボと思考を完全に同一化することによって成立する、という非常に危険な綱渡り(コロンボが予想通りに動いてくれないと失敗してしまう)。しかし思考があまりにも完全に一致してしまったため、当然ながら犯行の狙い自体もコロンボの感知するところとなり、あっさり御用。コロンボ恒例の「見込み捜査」がこの上もなく有効に機能してしまうという、なんとも八百長クサい展開なのでした。だからコロンボって苦手なんだよなあ、との思いを新たにしてしまう(金曜ロードショーで水野さんが「さあ来週は皆さんお待ちかね、刑事コロンボの登場です」と言うたび、ガッカリしてたんだよなあ・・・)。ところで↓ラスト近く、タイヤがパンクするシーンを「意味が無い」と批判されている方がいるのを拝見して「なるほどそういう感想もあるのか」と、これはちょっとした発見でした。私はむしろこのシーンが本作で唯一(?)オモシロく感じた見せ場だったもんで(いかにも監督が楽しんで撮りそうな、サスペンス的カマシだなあ、と)。人の感じ方は千差万別ですな。[CS・衛星(吹替)] 5点(2011-10-29 16:05:09)

15.  ゲッタウェイ(1972) 《ネタバレ》 ふと思ったのですが、本作の前年に作られた『わらの犬』も、“妻を守り切れなかった男”の物語でしたね。本作にもまた、“妻を守り切れなかった”二人の男が登場します。『わらの犬』では他の事件が契機となってダメ男が暴走したのに対し、本作では二人とも、決して暴走することもなく、妻の過去に悶々とするばかり。そのうちの一人である、マックィーン演じる主人公の巻き起こすアクションが、本作の中心ではあるのですが、それはあくまで生き延びるための手段であって、あくまで沈着冷静。破壊衝動などによるものでは無く、よって気持ちの整理もつかない。それが、様々な危機を乗り越えていく中で、隠れたゴミ箱の中からゴミ収集車に放り込まれ、ゴミまみれになってみて、何かようやく懊悩をツキぬけたような。で、ラスト、ヒーローは栄光に包まれるでもなく、ドハデに死を迎えるでもなく、ただ静かに去っていく。寂しい。[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-09-26 23:26:23)

16.  ケイン号の叛乱 《ネタバレ》 これはどういうオハナシかと言いますと、暢気な部長と暢気に楽しく仕事ができる職場でヨカッタな~、と思ってたら、突然部長が変わり、これがとんでもないクソオヤジで、ちっとも会社が楽しくなくなっちゃった。しかも、「今の会社があるのは、あの新しい部長が昔頑張ったお陰なんだぞ、わかっとるのか」とか説教されても、正直、カンベンして下さい(笑)。という作品でして、あくまで劇中の事として他人事として観るならば、いやーなかなか深い内容でありました(笑)。多彩な登場人物、艦上でのマスゲーム的な兵士の動き、嵐の描写など、様々な見せ場を交えつつ、スリリングな法廷劇へと進んでいく面白さ。そしてラストでは、映画を勧善懲悪的に楽しんでいた我々に冷水を浴びせかけるように、意外な方向に向けられる矛先。あえて憎まれ役にハンフリー・ボガートを起用したあたり、彼のちょっと不器用そうな「ただのオッチャン」的な感じが、ラストにおいて(つまり彼が姿を消してから)絶大な効果を上げているように思えます。[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-01-18 23:16:28)

17.  消されたヘッドライン ミステリとして、とっても楽しめる作品でした。面白い。と言っても不可能犯罪が出てくるのかというとそういう訳ではなくて、意外な真相とやらがあるのかというとまあこれはあると言えばあるんだろうけど(エチケットとしてこれ以上は言いにくい)、それが魅力というよりも・・・事件自体の謎と、人間関係との絡み合いのオモシロさ、これが魅力ですかね。人間関係、そこには友情もあれば、タテマエもあり、はたまた自分の個人的な感情や思惑なんかもあるんだけど、その背景には当然のごとく、裏切りが飛び交う構図。とまあ、何とも奥歯にモノが挟まったような言い方になっちゃうんですけど。そういうドラマの展開の中で、ラッセル・クロウのクセモノっぽさ、ヤな感じがよく出てます(多分、本当にヤな人なんでしょうけど)。何人もの命が奪われた末に明らかにされた真相は、記事となり、大量の安物の紙に印刷されて世間へ解き放される。大勢の人々にナナメ読みされた後は、すぐに捨てられ、明日は明日で別の記事が掲載された新聞紙が撒き散らされるのです。ってな感じの、これまたヤな終わり方でした。という訳で、ヤな感じの面白い映画でした。[DVD(字幕)] 8点(2010-02-17 23:38:42)(良:1票)

18.  原子力潜水艦浮上せず 30分もあれば描けそうな物語を、なんとか引き延ばして一本の映画に仕立て上げたような感じがしてしまう内容。原子力潜水艦が事故により海底に沈んでしまう。そんな緊急事態にもかかわらず、原潜の乗組員たちは妙にノホホンとしており、どーにも緊張感が無い。それは、もうじき救出の手が差し伸べられるという期待からなんだけど、しかしねえ、同僚にたくさんの死傷者が出てるのに、こんな緊張感の無さで、いいのかねえ。中には、映画『ジョーズ』を観て楽しんでいる奴までいる始末(←このシーンはきっと、後で描かれる原潜からの救出劇において、サメの襲撃がある、という予告的伏線なのであろう、と私は妥当にも予想していたのだが、驚いたことに、ハズレであった。くそぅ)。そんな弛緩した空気の中、並行して海上での救出活動も描かれるのだけど、こちらの撮影はなかなか気合が入っており、ちゃんとホントに海上で撮影しているぞ(背景の海が合成映像のスタジオ撮影、などではないのだ)。しかもそこで活動する若い士官のひとり、セリフが少ない割に顔だけはやたらよく登場するのだけど、おお、あんたスーパーマンではないですか(だからと言って彼が青タイツに着替えて原潜を助けにいくわけではない)。そういうキビキビした海上に比べ、海底の救出作業は、実にモッチャリしており、なかなか盛り上がらぬ。ではパニック映画はそういう時、どうやってお話を盛り上げるかというと、ええと、大抵の場合、適当に登場人物に死んでもらうことになる(この点でなかなか基本に忠実な映画でもある)。そんなこんなで、最初はノホホンとしていた原潜内部も、危機また危機で、それなりに危機感が高まっていく、まあ、そんなオハナシ。ついに内部の照明も消え、焦燥感は高まる一方…と言いたいところだけど、おおよそ救出の目処がついた段階になってから照明が消えても「今さら、なあ」というかんじ。こういう演出をもっと早い段階で(いっそ、早すぎるのでは?と思えるほど)やっとかないと、どうも緊張感に欠ける。基本には忠実かもしれないけど、要するに、出し惜しみのし過ぎ、なんだねえ。[CS・衛星(字幕)] 6点(2008-11-29 18:42:22)

19.  ケープ・フィアー 『恐怖の岬』のリメイク、それも「コレ、リメイクでっせ!」と強調せんばかりに、元作品の俳優を出してみたり、テーマ曲を流用してみたり。そこまで強調するからには、逆に、何か後ろめたいことがあるんだよ、きっと(笑)。というのも、主要登場人物たちがそれぞれ、まるで各自で勝手に台本を書いて、各自勝手に役作りをしてしまったかのような、ハチャメチャさ。いわば学芸会のノリ、ですな。特にデニーロは、もう誰にも止められない。個性とかいうレベルを超え、しまいにゃカメラに体当たり(?)する傍若無人ぶり。リメイクだもん、やっぱり羽目を外さなきゃあ、存在価値が無くなるよね。元作品以上に屈折した主人公のキャラも、イマドキっぽいアレンジ。犯人に狙われる主人公の娘、元作品ではいかにも少女っぽくて(嘘。結構オバチャンっぽい)ハラハラさせられるが、コチラは正反対の色気ブリブリで(嘘。サービス不足)、イマドキっぽいハラハラ感。意図したようなチグハグさや、突っ込みポイント(とは言え、突っ込んでしまうと製作者の思う壺にハマりそうなポイント)が、全体にちりばめられており、その迷走ぶりこそがこの映画の楽しさ、でもありますね。[試写会(字幕)] 8点(2008-08-17 17:08:39)

20.  現金に体を張れ ドキュメンタリーのごとく淡々と語られるナレーションと、そこで強調される時間軸。クライマックスに向け、場面転換の目が詰まってくるとともに、その絶対的なはずの時間軸が揺らぎ、時間と視点がさまざまに入れ替わる。まさに緊迫感、バツグン! でありながら、何とも虚無的でドライ。その一方、室内シーンにおける、電灯の光、窓からの光(そしてカーテンの揺れ)、これらも印象的であります。[CS・衛星(字幕)] 8点(2007-07-15 17:07:22)

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