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1. セッション
《ネタバレ》 安っぽい言葉になってしまうが、終演後体が震えた。暫く動悸が激しいままだった。
私は凡人ですが、フレッチャーの考えは良く分かり、また、凡人だからこそ、フレッチャーの生き方が羨ましく思えた。
フレッチャーのやっている事は、現代では「異常」である。それがフレッチャーの言う「現代は甘くなった」という事なのかもしれない。
フレッチャーは音楽に全てを捧げ、高みを目指し続けて来た。次世代の名プレイヤーを育てる事に人生を捧げて来た。
そこにニーマンが現れた。ニーマンは最初、どこにでも居る、現代の大学生そのものであった。
でもフレッチャーは、そんなニーマンに「何か」を感じたのだろうか。そうだとしても、それが何かは分からない。
ニーマンはフレッチャーの与えた課題を次々乗り越えて行く。
しかし、フレッチャーはやり過ぎてしまい、ニーマンは壊れてしまった。
その結果、フレッチャーは大学を追放されてしまう。自分の大事な居場所を奪われたフレッチャー。
フレッチャーは手負いの獣の様に、異常さを増していたのだろう。ニーマンに復讐をする。簡単に叩き潰せると思っていたのだろう。
しかし、皮肉にもニーマンは覚醒してしまった。フレッチャーが求めていた高みへと登り詰めた。
ラスト近く、二人の目が合う。微笑を浮かべている。ニーマンもフレッチャー側の人間になったのだろう。
演奏終了後の事は語られていない。
決して歓喜で手を握り合ったり、抱き合ったりはしないはずである。
何故か、そうであって欲しくないと思ってしまった。[映画館(字幕)] 10点(2015-05-31 01:54:17)(良:3票) 《改行有》
2. ゼロ・グラビティ
《ネタバレ》 宇宙の映像、無重力状態での船外作業の描写等大変美しくそれはそれは素晴らしい。
但し、開始から8割過ぎまでの間、ただただ広大な宇宙の恐ろしい虚無感、事故によるクルーの死、燃料切れで地球への生還が絶望的になり精神的に壊れて行く主人公・・・・キツイ、非常にキツイ。映像がリアルなだけにキツ過ぎます。ジョージ・クルーニーの再登場シーンも「あ~、幻覚として見た仲間と共に安らかに死んで終わりか。実際死ぬ事を受け入れてたし。広大な存在の宇宙、過去の娘の死、色々な不運に流されるまま流されて無抵抗に終わるんだね。ま、こんなもんだわな、現実は。分かってるよそんな事、今更そんなもの見せるなよ。本当にキツイ映画だわ。」と、頭の中で映画を終了させていました。
・・・それが、ああいう結末になるんですね。てっきり映像美だけが売りの映画かと思っていました、確かにストーリーは薄いといえば薄いですが、ラストシーンへの急展開は終始鳥肌が立ちまくりでした。大気圏に突入し、まるで流星の様に地球に向かう宇宙ステーションの残骸とカプセル。どうか助かって欲しい。とても感情移入して祈る自分がいました。
文字通り奇跡の「生還」を果たし、泥にまみれ這いずりながらも自らの足で地球を、大地を踏みしめる、地球の「重力」を感じながら。再び戻って来る事が出来た、また新しい明日を迎える事が出来る喜びに震えているかの様にも見えました。下からサンドラ・ブロックを見上げるアングルで暗転、そしてスクリーンに映し出される「gravity」の文字。震えました、凄い映画です。
人生、ほんの少し、本当にほんの少しの心の持ち方、切り替えで人間はどうにもなれる。もし失敗しても、全力で立ち向かったのならば笑ってそれを受け入れる事が出来る。だから自ら選択し行動しよう、諦めずに。そんな事を改めて教えられた気がしました。とても良い作品を観る事を出来ました。
サンドラ・ブロックは特別好きな女優ではありませんでしたが、この作品での演技はとても素晴らしかったと思います。
どうでもいい話:
仕事がらコンピュータシステムの操作マニュアルを作成する事がありますが、操作マニュアルの大切さを改めて感じました。(笑)[映画館(吹替)] 9点(2014-01-13 22:33:24)(良:2票) 《改行有》
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