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プロフィール
コメント数 3878
性別 男性
年齢 53歳

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【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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1.  ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE 何だかよくわからんがとにかく、ここまでやってくれたらもう、10点でいいじゃないか、と思いました。 潜水艦のくだりはさておき、まず見どころは砂漠での攻防戦。すさまじい砂嵐の中で繰り広げられる銃撃戦が圧巻ですが、こんなのまだまだオープニングの一環に過ぎないよ、と。 次から次に展開されるアクションと、そこに仕込まれた意外性。ストーリー自体は、何やらしょうもない鍵の争奪戦に過ぎず、理屈もヘッタクレもない。メンドくさい設定をあれこれ映画の中で説明して失速するくらいなら、どうでもいい設定でもって一気に突っ走ってしまえ、というのが潔い。実際、ホントはどうでもいいのに、無理やりややこしそうな設定を持ち込んで尺を伸ばそうとする映画の何と多いことか。このシンプルさが、かえって新鮮です。 手錠でつながれた二人のカーチェイス。クルマの横転も意外なら、横転によって引き起こされる事態も意外で、映画の面白さが次々に引き出されていく。 トム・クルーズが実際にバイクで崖から飛び降りるスタントは、予告編でももっとも目を引くところですが、「そこからどうやって走る列車に乗り込むか」という大きな問題がまだそこには残ってる。それを、実にバカバカしくも意外性をもって、「これしかない」というタイミングで画面に再登場してみせるトム・クルーズ。いやホント、あり得ないしバカバカしいし、だけど最高。 そんでもって、列車を舞台にしたアクションをこれでもか、と。いやあ、列車モノにハズレ無しですね。どんなに例外が多くとも。 列車とくると、「駅」というのも昔から、映画の中にしばしば魅力的な舞台として登場する訳ですが、本作では「駅」を描かなかった埋め合わせのように、「飛行場」を舞台として取り入れ、サスペンスを展開します。 いやホント、サービス満点。お馴染みのメンバーもいいんですが、主人公を追う二人組、目立つ存在ではないながらも彼らが実にいい味出してるんですねえ。 PART ONEと銘打ってますが、某ワイスピ最新作のような愚を犯すこともなく、非常にキリがよく気持ちのよい終わり方です。最初から最後までワクワクさせてくれて、もう充実感しか残らないではないですか。[映画館(字幕)] 10点(2023-08-10 14:36:27)《改行有》

2.  未知との遭遇 ウチの子供たちに見せてやりたい映画の一本でもあり、先日、ようやく一緒に観ることができたのですが、気が付いたら子供たち2人とも私にピッタリと寄り添いつつ、特に姉(5歳)の方は相当のめり込んで時々息遣いが荒くなったりしつつ(大丈夫かよ)、随分盛り上がったのでありました。観終わって開口一番、「私もUFOに乗りたい!」だそうな。うん、親の立場としては、主人公のようにUFO熱に取りつかれちゃ困るのだけど、でもそれでいいんだよ、その感想を聴けただけでも一緒に観た甲斐があったよ。しかしこの映画、本当に、子供にも“伝わる”映画だと思います(幼稚園児のみならず、それこそ1歳の弟クンにも)。そりゃま、物語だけ抜き出せば妙なオハナシ(脚本はスピルバーグ単独名のクレジット。この辺りは色々と紆余曲折もあったようですが)。しかしだからこそ逆に、ウチの子供たちと私自身を含めた大勢の人々を惹きつけてやまない、映像の力というものを強く感じさせられます。この作品で描かれる宇宙船は、暗闇の中の“光”としてのみ描かれ、それ以上でも以下でもない。ただただその、暗闇の中の“光”の持つ、不可思議さ、神秘性、そして魅力。さらにこの映画には、「何かを見つめる人の姿」が再三にわたって登場します(スピルバーグ作品の特徴でしょうが、特にこの映画では重要なモチーフになっていると思います)。この登場人物たちの“視線”と、その視線の先の“光”、いわばこれだけで、映画を観ている1歳児も5歳児も彼らのボンクラ親父も皆、惹きつけられてしまう、まさに映像の力ですね。さらには、この「暗闇の光」を「凝視」し「その幻影を追い求め続ける」というあたりは、“映画のとりこになってしまった映画人”のイメージも重なります。あと、この作品は『ピノキオ』との関連が深いですが、何となく、「あー、じゃあキューブリックの『2001年宇宙の旅』も『ピノキオ』の物語だったんだ」などと、よくわからないことをふと思ったのでした。[CS・衛星(字幕)] 10点(2011-04-13 23:13:12)(良:2票)

3.  ミリオンダラー・ベイビー ・・・この映画を観て以来、レビューが書けなくなっちゃったのよ。仕方ないのとりあえず代わりにイーストウッドの別の作品に書き込みしたけど、う~ん、ダメだ。と言うわけでワタシしばらく沈黙しておりました。とにかくタマラン映画でした。この状況を打開するため、何か書いてみよう。そうだ、思い切ってケチをつけてみよう。気になったのが、試合のシーン。「強いパンチより効くパンチ」なんてこと言っときながら、やっぱり大味なファイトシーン。ボクシングの試合を見慣れた目には、やはりどうにも嘘臭く見えてしまう、オーバーアクション。あるシーンなど、観ててホントに笑っちゃったよ。いや確かに全体的には、他のどの映画にも負けない熱っぽさのある迫力ではあるのだけど、やはり映画の描写としてはこの辺りが限界なのか・・・(ロッキーよりもよくできてるって?まああれは怪獣映画なので・・)。 とか何とか言いつつ。私の無謀な言いがかりもこの辺が限界か。私の負けは決まってる。妻と映画を観に行けば、帰途は映画についてアレコレ馬鹿話するもんだけど(照れもあるので)、でもこの日ばかりは二人とも無口になってしまいました。映像の陰影とか、喧騒と静寂の交錯とか、映画を冷静に分析できたらカッチョいいなとは思いつつ、今回はいきなり断念、ただ「泣いちゃった」、これに尽きます。あと、弦楽器による控えめな音楽がとても魅力的で、担当は誰だろうとクレジットに注目してたら、なんとこれもイーストウッド? ちょっとショックでした。アンタ、ほんまエライわ。参りました。では、最後にちょっと独り言。≪ちょっとネタバレ≫・ラストシーンの意味、あれは「フランキーがついにレモンパイの店を買い占めたのだ」という説もある(?) ・病院でのマギーの姿に、かつての北斗晶の姿を見た気が。もしこの後彼女がフランキーと結ばれれば、間違いなく「鬼嫁」になったハズ! ・失礼しました。[映画館(字幕)] 10点(2005-07-04 23:14:35)(良:1票)

4.  未来は今 観終わって「これだーっ」って大喜びした映画です。これは、ほんとに、オモシロイ。他のコーエン作品と微妙に異なるバカバカしさがあるのは盟友サム・ライミが脚本に参加してるからでしょうか?10点(2003-06-22 13:54:02)

5.  未知への飛行 《ネタバレ》 作品のテーマ、制作時期、その他のゴタゴタによって、『博士の異常な愛情』と比べられがちですが、刻一刻と迫り来るタイムリミットに向かってそれぞれがそれぞれの立場で足掻き続ける姿を克明に描いている辺りからの連想でいくと、「日本のいちばん長い日」なんかも思い出したりします(勿論、リメイク版ではない方)。 誤ってソ連への水爆投下命令を受け取った米軍爆撃機がモスクワへと向かい、米大統領ですらそれを止められない事態に。このままではソ連の報復により米ソが互いに全面核攻撃に踏み切り、いよいよ人類最終戦争が勃発するのか。 「いやいや、ソ連が報復すれば自らの破滅を招くだけだから、報復は不可能、よって何も問題なし」という謎のパラドクス。信じる気があればどんなことでも信じられるかもしれないけれど、問題は、何も信じられない、ということ。 映画は密室劇の様相を呈し、わずかな情報源といえば、壁のパネルに簡略表示される米軍機の様子と、モスクワと繋がったホットライン。 こちらが混乱しているように、電話の向こうでも混乱しているのだろうけれど、その様子は映画では直接描かれず、米大統領が感じるもどかしさを、映画を見る我々も共有することになります。 絶望的なまでにそこに横たわる不信感。相手を信じることより、相手に信じさせることの難しさ。我々は、「相手が自分を信じている」ことを、信じることができるだろうか? さらには、アメリカが米軍機を撃墜せねばならない矛盾。ソ連が米軍機を撃墜することをアメリカが支援する矛盾。平和の代償はどんどん大きくなり、ついには。 ラストに出てくる、「こんなコトは実際には起き得ません」風のテロップ、これをここで出さなきゃならないということ自体に、かえって不安を感じてしまったり。[インターネット(字幕)] 9点(2021-09-11 13:41:26)(良:2票) 《改行有》

6.  ミニー&モスコウィッツ 佐藤蛾次郎をヒョロっとした感じの男と、ジーナ・ローランズ顔の(要するにコワイ顔の)女の、冴えない恋愛。正直、大した事件らしいものも起こらず、そんな映画面白いのかよ~と言われそうなんですが、これが妙に面白い。事件が起こらないどころか、即興的に捉えられたカメラの中では、常に何かの細かい事件が起こり続けている、という印象。構図をしっかり決めてカメラを回せば、そこには思わぬ揺らぎが常に生成され続ける。 例えばこの映画では、クローズアップはむしろ、被写体である登場人物の姿を、カメラから「はみ出させる」ためにこそ、用いられているようにも思われて。そう、この、あふれ出す感じ。 きちんと計算された作りの映画を観るのも気持ちがいいけど、なるほどこういう自由があっても、いいんだなあ。実際、ここで描かれているのは、まるでヤケクソのような悲痛な「自由」だから。ラストの無理やりなハッピーエンドを見ると、かえって何とも切ない気持ちになるのです。たぶんこれは、実際には我々が決して手にし得なかった過去形の「幸せ」だから。[CS・衛星(字幕)] 9点(2017-05-31 22:50:30)《改行有》

7.  ミラグロ/奇跡の地 ロバート・レッドフォード、少々イモっぽい男前俳優としか思われてなかった(?)のに、『普通の人々』で意外に渋い一面と意外に繊細な一面を見せてくれた彼の、監督第二弾。二作目で肩の力が抜けたのか、一作目で要領をつかんだので徹底的に好きなことをやろうと思ったのか、「ノビノビと、存分に映画で遊んでいるなあ」と感じられる、見事な作品になっています。リゾート開発が進められようとしている村で、ひとりの男が開発予定地を耕して豆を植えた事から起こる、ちょっとした騒動。という、ノンビリした他愛ない話、どっちかというと静かな話ですが、美しい景色や空の映像を背景に、多くの登場人物を多層的に巧みに操り(豚まで巧みに操る!)、映画の中にはレッドフォードの遊び心と刺激がトコトン満ちています。単純にリゾート開発を悪として勧善懲悪として描くような映画ではなくて、むしろ掴みどころがなく、得体の知れない村人の織りなす得体の知れない物語が、展開されていきます。そしてこの得体の知れなさが、何やらこの“ミラグロ”という土地のパワーを表現していて、このパワーの前にはリゾート開発なんぞタジタジ、という印象。クリストファー・ウォーケンも、「憎まれ役」ではなく、あくまで「悪役」、という印象、これがイイんだなあ、最後に鍵を投げるシーンが実にいい味出してます。これぞ、という奇跡が起こる訳ではないけど、まさにファンタジー。[CS・衛星(字幕)] 9点(2009-01-17 18:19:47)

8.  未来世紀ブラジル 作品のテーマは「タテ割り行政の課題について」ですが(笑)、ギリアムおじさんの妄想が炸裂したヘンテコ映画。劇中劇ってのがありますが、この映画はさしずめ「妄想中妄想」、ですな。ほとんど一般性のない妄想に付き合うのは、観ててそれなりにエネルギーもいるが、それにしても、この観終わったときの謎のような充実感は一体何なのか。「よーわからんけど観てよかった」というこの不思議な気持ちを味わうために、映画を観るのです、にこにこ。『マトリックス』あたりの妄想は、「こう見せればカッチョ良くて一般受けがいいぞ」という、ある種一般化され記号化され人目を気にした「個性」。これはこれで実は嫌いじゃないけど(笑)、客観化された個性には新鮮味が無く、その延長上には、「自分は個性的だ」と信じ込みつつ実は同じ顔をした人々が、「“個性的”という名のステレオタイプ」に安心して嵌り込み、世の中にあふれ返ることになる。本当の個性ってのは、もっととりとめが無いものであり、それを持ち続けるには勇気と図々しさとある種の誠実さが必要であることを、この映画は教えてくれる。[DVD(字幕)] 9点(2006-04-23 22:27:58)

9.  Mr.インクレディブル ダッシュがジャングルをダッシュしまくるシーンにホロリときました。う~む何でだろ。まあ(映画的にも)前半の抑圧が長かったから、ですかね。後半のスピード感はとにかく最高です。内容的には、「子供は強い、母は強い、赤ちゃんは一番強い(オヤジは一番ダメ)」という、誰もが薄々認識しているようなコトなんですけどもね、グスン。あと、シンドロームの計画があまりにも壮大すぎて、『オールド・ボーイ』をちょっと思い出しました(笑)。とりあえず、期待以上に面白かったです。[DVD(字幕)] 9点(2005-12-31 18:55:05)

10.  ミスティック・リバー この映画も、どうせ後で褒めちぎるので、先にケチをつけておくことにいたしましょう。ミステリー仕立てである以上、ミステリーとしての出来不出来については避けて通れない訳ですが・・・いや、ミステリーとしても十分面白かったです、ハイ。ええと、ただ気になったのは、悲劇に向けての展開が、あまりにも偶然に頼りすぎかな、と。話が出来すぎ、いやその反対、運が悪すぎ。しかしまた、そういう都合のよい「仕組まれた展開」、これがミステリの魅力だったりするんですけどね。さて、私もまあ、ちっとばかしミステリに関心があったりする以上、こういう映画を観ていると、つい真犯人を当てたくなるわけです。で、登場人物の言動をツブサに検討していくと、ハハン、こいつが真犯人だな、と辿り着いた結論、それは・・・「『モーフィアス』刑事、アンタが一番怪しい!」 ←これが私の結論だったのですが、これが正解なのかどうかは、ネタバレになるのでここには書かないことにしましょう(なんのこっちゃ)。さて、「先にケナして後で褒める」、という当初の目論見は崩れてしまったので、簡単に締めくくることにしましょう。この映画の根底に流れているのは、人々の間に根付き、その土地に根付いていく、因縁・因習といったものですね。人々の苦悩も嘆きも巻き込みながら、川の流れのように始まりも終わりも無く脈々と受け継がれていく・・・そういう残酷さ、でありましょう。[DVD(字幕)] 9点(2005-08-12 21:14:55)

11.  ミッドナイト・エクスプレス(1978) 個人と国家の関係を取り上げており、今にして思えば、後にO・ストーンが自分で監督した作品にも色々繋がるものがあります。終わり無き刑期、獄中での無意味な闘争に埋没していく主人公、ただただ、絶望、絶望。この映画もだいぶコケオドシ入ってるので、「え?」と思う所もありますが、モロダーの音楽(初の映画音楽でオスカー)とともに、ラストシーンの主人公の後ろ姿がどうにも忘れられません。9点(2003-10-18 09:21:32)

12.  ミッドナイト・ミート・トレイン かつてクライヴ・バーカーの「ミッドナイト・ミート・トレイン」を読んだ際に、「こりゃ、“やみくろ”だな」と思った―――のか、それとも「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」を読んだ時にミッドナイト・ミート・トレインを思い出したのか、読んだ順番が定かでなくなってきているのだけど―――いずれにせよ、どういう訳か私の中ではこの二つのイメージが妙な具合に結びついてしまってます。 では、この映画化作品は、と言うと。 特にそういうことは感じなかったですね。というのもやはり、短編小説を長編映画に膨らませている、というのもあって、一応、そういうアヤしいヤツも登場はするけれど、それよりも、そこに至るまでのサスペンス色が強くって、小説とは印象が異なります。日常から、徐々に謎めいた世界の「真相」へと近づいていく過程。しかしやっぱりそこでは、あの薄暗い「地下鉄」という舞台が実に効果的に効いていて、原作の持ち味、というべきでしょうか。 映画の中では、だいぶ悪趣味な描写も見られますが、これもまたホラー映画らしい味付け。一種のスパイス。そういうスプラッタ描写を散りばめつつ、スピード感あるクライマックスへ。 それなりに一般性には欠けるので誰にでも勧めたくなる映画ではありませんが、個人的には満足度の高い一本です。[インターネット(字幕)] 8点(2023-10-14 02:16:13)《改行有》

13.  ミスター・ノーボディ 途中のホラーハウスの場面なんか、実にユーモラスで、「レオーネ映画」の悲壮感と、コミカルなテイストとが、うまく同居しています。何かとおどけてみせる若きガンマンのテレンス・ヒル、そんな彼が凄腕の老ガンマン・ヘンリー・フォンダに対し、「伝説になれ」と要求する。こういう普段おどけたヤツに改まって言われると、断れないもんです。伝説になるべき男への、最後の一押し。 マカロニ・ウェスタンから手を引きつつあったレオーネ、彼は、ヘンリー・フォンダに自分を投影するとともに、テレンス・ヒルに気持ちを代弁させているのだろうか、とも思ったり。ジョン・フォード映画の常連だったフォンダが、今や、「サム・ペキンパー映画」と正面から激突し、西部劇の終焉を我々に見せつける。 ラストの独白はやや蛇足気味にも感じるけれど、一つの時代の終わりを感じさせる味わい深さがあります。[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-07-17 09:28:46)《改行有》

14.  ミニミニ大作戦(2003) あの支離滅裂意味不明なまでに素敵に仕上げられた『ミニミニ大作戦』を、わざわざ「意味不明でない形」、つまりありきたりな形にリメイクするする必要があるのか(さらにはこの恥ずかしい邦題まで復活させる必要があるのか)とは思うのですが……しかしコレ、意外に面白いのです。敵がヘリから監視しているのに、何でわざわざあんな目立つ色のクルマをつかって金塊強奪をたくらむのか、と言えば、カーチェイスに見栄えがするから、ですね。ハッカー野郎が何であんな場所で作業してるのかも、何だかわからないけれど楽しいし、本作も十分、アホなことやってくれてますね。なかなかうまいリメイクだと思うのですが、どうでしょうか。[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-02-18 23:05:36)(良:1票)

15.  ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル トム・クルーズは何ゆえこのシリーズにこうも入れ込んでいるのか、と言えばきっと、自分自身をとことんオモチャにできるから、なんでしょう。それもここに極まれり、といった感じ。「スパイ大作戦の映画化」と言うこと自体をミスディレクションに使った第1作からすると、チームで行動したり、スパイ7つ道具的なアイテムが登場したりと、一見、原点回帰風。でも実際はインテリジェンスを感じさせず、高いところに登ったり、全速力で走りまわったり、要するにおバカさんの一歩手前ですな。前作以上に、走りまくってます。世界を股にかけ、その土地土地ならではの荒唐無稽なアクションを自ら体現する。で、クライマックスの立体駐車場での対決は、マイノリティ・リポートなんかも彷彿とさせつつ、やっぱりここでもまた「高さ」にこだわるおバカさん。そこが素晴らしい。[地上波(吹替)] 8点(2014-03-26 23:27:44)(良:2票)

16.  ミッション:8ミニッツ 《ネタバレ》 8分に一回死ぬ。死んでまた生き返り、同じ状況を繰り返す。少しずつ変奏しながら。ここには、「終わらないこと」「終わりが見えないこと」への絶望、焦りがある。しかし実際の世界では実は、死なないどころか、すでに事実上「死んでいた」ということ。終わらない絶望と、すでに終わっている絶望が、交差する。で、ラストでは「終わらないこと」が「希望」として提示され、ちょーっと甘口過ぎるんじゃないですかぁ、とか思いつつも、ある意味意表をつく、夢のあるファンタジーでございました。このせわしない展開の後に、こういう世界が待っている、素敵ではないですか。ちょっと気になったのは、「現実世界」では刻々とタイムリミットが迫っている設定なのに、イマイチ実時間の進行が充分描かれていないのがピンと来ないところでもあるのですが、逆に実時間のカウントダウンをあえて描かないことで、主人公があがき続ける悪夢世界の「終わりの無さ」が印象付けられる訳でして、またその悪夢の連鎖から抜け出て新たな世界へと向うラストも感慨深いものとなる。いやはや、結構ではないですか。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2012-10-10 22:22:26)

17.  ミッシング(1982) 突然ですが、わたしゃ“心霊写真”なるものが大嫌いでして、まあ信じないのは当然としても、あのアホらしさというものには、どうにもこうにも我慢できない。死者の怨霊が、カメラとみりゃ「ねえ写して写して」って割り込んでくるってか。コワいでしょ、ってか。アホ過ぎる。超自然の存在であるべきユーレイたるものが、そんなにミーハーで、そんなにワカリやすくって、そんなに陳腐で、どうすんのよ。と、まあ関係ない話題から始めたのも要するに、この映画のコワさ、キモチ悪さ、といったものが、一味も二味も違うからでして。自分は今、一体どういう状況に置かれているのか。尋常ならざる状況であることだけは判るのだけど。間欠的に発砲される銃の音。川を流れてくる死体。さらには、何故か道を走る馬。床に無造作に並べられた無数の死体に圧倒され、ふと上を見上げるとそこにも死体が累々と横たわっている、という不気味さ。個人では太刀打ちできない何か巨大な存在が、チラチラと横顔を見せつつも、はっきりと正体を現さず、ただ辺りを取り囲んでいる。で、この状況に置かれた、二人の主人公、すなわち、拉致され行方不明となった男の、妻と父は、あくまで“日常的”な存在。二人の交流なり衝突なり、といったものが描かれるとき、彼らはあくまで、我々と同じ普通の日常人でしかないことを感じさせるのだけど、その彼らが、夫を、息子を捜しだすという“信念”によって、状況に立ち向かっていく姿、そこに感動を覚えずには居られません。いやまあ、「実話モノ」に弱いってのもあるんですけど・・・(今回はイヴ・モンタンではなく)ジャック・レモンとシシー・スペイセクという配役の上手さもありますね。[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-09-19 23:20:18)

18.  ミュンヘン ネタ的には、テロリストをやっつけるという、勧善懲悪的な娯楽作品として始まるこの映画。実は「人狩り」という、極めて残酷でありながら極めて普遍的な「楽しみ」、であります。しかしその先に待っているものは、先の見えない泥沼であり、果てしない徒労感。主人公にとって最後に残された拠り所は、家庭、なのですね。この「家に帰る」、ということが、個人レベルでも、民族レベルでも、本作のテーマの一つであるように思います。イスラエル建国という、一種の帰郷。しかし、その結果生み出されたものは、際限の無い争いと憎しみ。世界中に散ったユダヤ人にとって心の拠り所となってしかるべきイスラエルという国家は、彼らの想いをよそに、暴走を続ける。この「失われた故郷」という哀しみ・・・。いや。この映画に託されたものは、さらに普遍的なもの、もっと個人的なものなのかもしれない。かつてはスピルバーグも希望も野望も持った一人の映画青年だったはず。そんな彼も、もはやハリウッドの中枢に取り込まれ、彼の映画製作自体が大きな経済活動となり、その一方で、映画の中での「発言」もまた、とてつもなく大きな反響・批判にさらされることになり、不本意な闘争にも巻き込まれてしまうことになる。そういう「失われた無邪気さ」、あまりにも社会的な存在になってしまった自分の、「個」へと帰ることのできなくなった哀しみ、すらも、この映画にこめられているのかもしれません。[DVD(字幕)] 8点(2007-01-08 14:00:47)

19.  ミュージック・オブ・ハート 《ネタバレ》 へへへ、ウェス・クレイヴンがこんないかにも「感動作」ってなジャンルに手を出して、どうしたのよ~と思って観てたら・・・何と、グァルネリQのアーノルド・スタインハートを始めとして、数々の著名演奏家が本人役で登場するという仕掛け、こりゃヤラレタ! しかも、大御所中の大御所、今は亡きアイザック・スターンに至っては、セリフ付きでメリル・ストリープとぶつかりあう、異種格闘技ぶり。本人を登場させちゃうなんてこりゃまるで、ホラー映画でたとえれば、殺人シーンで本当に人殺しするようなもんだ。いくらクレイヴンでもそこまでやった事は無い(と思う。多分)ので、それまでのホラー作品を超えるギミックを投入していた訳です。参りました。ところでこの映画を2度目に観てた時にふと気づいたんですが、観ている自分の視線、自然にストリープへと引き付けられてるんですよね。やっぱりこの人、華があるなあ、と思ったのですが、後で考えると、単に感情の起伏をやたら大袈裟に表現しているからか、という気も。まあつまり、この起伏の激しい主人公のキャラが、本作の求心力(唯一の?)で、映画を面白くさせている魅力ですね。8点(2003-12-30 23:50:35)(良:1票)

20.  ミクロの決死圏 コレも子供の頃に観て、映画ってなんて面白いんだ、って大興奮した作品。人体の各器官を難所に見立てて、それを次々クリアしていくうちに、人体構造のお勉強もできちゃう(ただしあまり真に受けない方がよいけど)。体内のセットや、当時どうやって撮影したんだろう、という特撮のクオリティの高さも見どころ。ミクロ化には1時間というタイムリミットもありハラハラ。って、誤差というものはないのかね。あと、白血球に襲われてもさすがに消化はされないと思うけど、巨大化しないの?8点(2003-09-27 13:12:48)(良:1票)

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