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【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. 無法の王者 ジェシイ・ジェイムス 《ネタバレ》 ジェシー・ジェイムズものの一本。とくると、『地獄への道』を思い出しますが、なんだかやたらそっくりなシーンが出てきて、フィルム流用なのか、それともパロディなのか。たぶん前者の気が。 とは言え映画自体が『地獄への道』をそのまま踏襲している訳ではなく、回想シーン主体で、時間が行き来するやや複雑な構成。回想シーンが多いというのは、どうしても語り口が断片的になって求心力が落ちる反面、シーンの転換の早さが作品の面白さになっていたりもして。限界と可能性が、表裏一体。 銃撃戦に、ダイナマイトを使ったアクション。爆破シーンに遠景を交えるのがカッコイイ。 ラストシーンでは、傍観者たる町の人々が動きを止め、その中をホームレス風のオヤジが歌をうたいながら歩いていく。 ところで、物語の背景には、南北戦争とその後のゴタゴタ、というのがある訳ですが、こういう作品見てると、アメリカって国にはもともと結束力など無くって、この国は常に何らかの形で対立を必要としているんじゃないかと思えてきます。[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-07-30 08:59:46)《改行有》 2. 胸に輝く星 《ネタバレ》 風来坊のごとき主人公がふらりと町に現れ、「何かを残して」またふらりと去っていく。いいですね~。これぞ西部劇の醍醐味。 その主人公が、ヘンリー・フォンダ。無精ヒゲの顔に、人生経験というか、積み重ねてきた過去が、窺われます。基本的にはこの主人公、自分の過去はあまり語りたがらなくって、西部劇のヒーロー像としては王道、なんですが、会話の節々で、つい自分の過去を漏らしてしまうのが、ちょっと脇が甘い(笑)。要するに、そういう口の重い主人公が、断片的ながらもついつい過去を語ってしまうように水を向ける、脚本の構成になってるんですね。上手いと言えば上手いんですが、でもちょっと脇が甘いと言えば脇が甘い。 それはともかく。「何かを残される側」として登場するのが、若き保安官アンソニー・パーキンス。一本気でいささか頼りなく、こういう役に似合いそうな俳優としてはロック・ハドソンあたりが思い浮かぶのですが、アンソニー・パーキンスが演じることでやや神経質な感じも出ています。意外なことに、銃捌きも見事だったりするのですが、いや、早撃ちならいいってもんじゃないんだよ、ということを彼に教える、ヘンリー・フォンダ。影響を与える側、与えられる側。一方通行のようでいて、実は双方向なのが、これまた西部劇の(に限らないけど)醍醐味ですかね~。 リー・ヴァン・クリーフが出てたりして、やっぱり悪役なのか、というと、案の定、いいヒトではないのですが、あくまでチンピラ風情であって、この町にはもっとやっかいな真の悪役がいる。それがネヴィル・ブランド。え、誰かって? あの『殺人ブルドーザー』のたった6人しかいない登場人物の一人ではないですか。周囲の人間を扇動し、町を牛耳ろうとする彼と、若き保安官との対峙。 その二人の対峙するシーンが映画では二度描かれ、どちらも巧みな構図で印象的に描かれますが、その二度の対峙における、ヘンリー・フォンダの立ち位置の違いが、さらにこのシーンの印象を深めています。一度目はこの対立から少し身を引いた位置からの助太刀。それが、クライマックスである二度目のシーンでは保安官と並んで立っていて、胸には星のバッジが。いやホント、痺れるんです、このシーン。 リー・ヴァン・クリーフたちが起こした事件のために町は大騒動となり、奴らをリンチにかけろ、とばかりに町民の一部が暴走。縛り首にすべく準備されたロープが、これ見よがしに揺れてたりする演出が、焦燥感を煽ります。 そんでもって、上述の対決へ。前回は主人公が銃で助けたけど、今回はあくまで保安官が対決に挑む。彼がこの町を守っていくための通過儀礼。主人公は彼の側に立って、それを見守る。 ラストシーンは、町を去る主人公の馬車のそばへ保安官が歩み寄り、やがて二人が離れていく様を、移動カメラのワンカットで見せており、作品自体の縮図というか、総まとめのように感じられるワンカット、でもあります。 充実のラスト。[CS・衛星(字幕)] 9点(2023-03-26 03:34:05)(良:1票) 《改行有》 3. ムーンウォーカー 率直に言います、“マイケル・ジャクソン”って、かなりキツイと思う。その思いの受け皿になってくれる作品がコレ。相応にキツく仕上がっております。しかしまあ、音楽ビジネスの最先端にいた彼が、映画のジャンルではこうやって最後端に陣取っていた、という守備範囲の広さには、ある意味驚かされますが(笑)。前半のコマ撮りなど、特撮は結構楽しいです。リチャード・エドランドを彷彿とさせる「80年代特撮」の味わいが、懐かしい雰囲気。 ・・・それにしてもマイケル・ジャクソンのコスチュームは、タケチャンマンに似ている。[CS・衛星(字幕)] 3点(2011-05-22 02:15:05) 4. MOON44 金は無くてもSF映画を撮る事は可能である。アイデアが無くてもやはり撮る事は可能である。両方無いと、チト辛い。でもやっぱり撮れちゃう。そしてそんな映画に似合うのは、やはりB級映画界きっての男前マイケル・パレでしょう(ま、他にもそんな俳優ゴロゴロいそうですが)。大宇宙の衛星、そこでは鉱物資源の採掘が行われてるんだけど、何やらヘンなロボット(ホントに変)の乗る宇宙船がそれを襲う。しかしストーリーはそんな事そっちのけで、潜入捜査官パレの冴えない活躍が描かれております。派遣されたMOON44で出会った訳有りっぽい囚人ジェイク・オニール、演ずるは、おお、『地獄の女囚コマンド』で人気沸騰、皆さんお馴染みのブライアン・トンプソンではないか。これだけでもう、少し得したような損したような複雑な気持ちに。見どころはヘリによる追撃シーン(もろミニチュア撮影でイサギヨさ炸裂)、スターウォーズのパクリだろ、とか、今更言う気も起こらない。ま、しかしですね、無闇にスモーク炊いてみたりする、雰囲気作りのための工夫(悪アガキとも言う)は、観るべきものが無くも無く、手作りの素朴さを味わうには、うってつけの映画ではないかと(ちょっと褒めすぎたか?←全然褒めてないっての)。4点(2004-02-14 01:11:14)
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