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プロフィール
コメント数 1317
性別 男性
ホームページ http://minrou.seesaa.net/
年齢 36歳
メールアドレス baker221b@live.jp
自己紹介 全体的に甘めの評価になりがちです。
当然映画のジャンルによって評価にバラつきがあります。以下参考までに……。

評価が高くなりやすいジャンル:ミュージカル、B級アクション、ロマコメ、バカコメディ
評価が低くなりやすいジャンル:ミステリー、サスペンス、ラブロマンス

基本的に過激な映画が好きです。暴力的な意味でも、性描写的にも、人間性の描き方でも
どれだけ感動的な映画であっても尖った所が無い映画より、過激な表現がある映画の方を評価しています。

13.4.27(追記)……TOHOシネマズが6月1日から高校生料金を1,000円にするとのこと。
今は若い方が映画館に少ない状態なので大変素晴らしいと思います。
(日本の料金はそもそも海外に比べて高すぎる。価格も一律で決められているから劇場間の競合も生まれにくい)
でももうちょっとシネコン自体が上映する映画のラインナップを改めた方が良いのでは。
客が集まる邦画をバンバンかけるのは経営としては正しいけれど、いつか必ずしっぺ返しが来るのは判り切っていることなのに。

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181.  オズ/はじまりの戦い 《ネタバレ》 そもそもこんなファンタジー色の強い作品の監督にサム・ライミが抜擢されたのかは知りませんが、あのサム・ライミならディズニー映画でも好き放題しているかもと僅かな期待を抱いて鑑賞しましたが、観た後の印象は只々微妙の一言でした。 とにかくどのキャラも好感を持てなくは無いんだけれど、それほど本気で好きになれないような奴らばっかり。もっとキャラクター性を極端なものにすれば面白くなると思うんですがね。例えば、オズはヒーローなのに手品を魔法と勘違いさせるインチキ野郎なのですから、もっとその純ヒーロー像とのギャップで笑わせても良いと思います。折角型破りなヒーローという設定なのにいろんな場面で一々しんみりした顔をする。こういうキャラは最後の最後にシリアスになった方が良いですよ。 映像だけ綺麗でも作品としては凡庸になるのだなあと再確認できた作品でした。それから3D効果が単にアトラクション的なものしかなかったのも残念。[映画館(字幕)] 5点(2013-03-26 19:46:10)《改行有》

182.  チャップリンの黄金狂時代 《ネタバレ》 喜劇王チャップリンらしい名作。私はチャップリンのサイレント映画の定型をぶち壊した「独裁者」や、チャップリン自身を自嘲的に且つ愛情を込めて描いた「ライム・ライト」などのドラマパートの比重が大きい作品の方が好みなのですが、コメディパートの比重が大きい本作もこれはこれで十分に楽しめた作品です。 特に山小屋での騒動は面白い。ドタ靴を美味しそうにペロリと平らげる名シーンや、ニワトリのきぐるみをわざわざ着て暴れまわったり、見ていてアホらしくなるがそれもまた一興。 前述したとおり後半のドラマはそれなりに凡庸な純愛物語に発展していきますが、ここで何かもう一捻り欲しかった気もします。ジョージアの取り巻きを単なるその他大勢にしてしまったり、恋敵が単なる当て馬に過ぎなかったり、もう少し活かす方法があったように思います。[DVD(字幕)] 7点(2013-03-24 12:40:05)《改行有》

183.  ジャンゴ 繋がれざる者 《ネタバレ》 純然なブラックスプロイテーションだったと思います。近年は暴力的でありながら、真剣に「暴力や復讐は何も生まないんだ、云々~」と説く映画が多いですが、「そんなもん知るか!悪い奴らはブッ殺せ!」という、ある種陽気な暴力シーンは見ていてスカッとします。これぞブラックスプロイテーション。 しかし終盤まで主人公のジャンゴとシュルツは法に背いた殺しはしません。シュルツはいつも自分は法の下に賞金稼ぎとして人を殺めていることを強調し、ジャンゴは子どもを持つ賞金首を殺すことにためらいを感じたりもしています。 だがシュルツは極悪人キャンディを射殺してしまいます。キャンディは法的には別に犯罪者では無いにも関わらず。ではなぜあれほど法を重んじていたシュルツはキャンディを殺したか。 シュルツはキャンディの義姉(もちろんレイシスト)がベートーベンの『エリーゼのために』をハープで弾くのを聞いて、「ベートーベンはやめてくれ!」といつも冷静な彼とは思えない程に狼狽します。それはドイツ人の彼が自国の最高の作曲家を差別主義者に演奏されるのが耐えられなかったのだと思います。その後、キャンディの書斎で大デュマの『三銃士』を見つけるところも同様。大デュマは「正義」を常に作品に込めた作家でしたから、「なんでこいつはデュマの作品が好きなのにこんな非道いことができるんだ?」と愕然としたのでしょう。私も全く同感で、「もうこいつらブチ殺すしかねーよ!」とフラストレーションが極まった所で、大銃撃戦となり、白人どもを皆殺しにしてくれるので爽快感は半端じゃなかったです。この戦闘シーンに至るまでの会話劇は本当に素晴らしかった。アカデミー脚本賞も納得の出来だったと思います。 それからタランティーノの映画にはいつも言えることですが、画面がカッコいい!広漠な大地とそこに佇むガンマン・ジャンゴというだけで本当にサマになる。往年のマカロニ・ウエスタンの何よりもカッコよさを優先する画作りにはシビれました。「助けに来たぜ、ベイビー」なんてついつい笑っちゃいますけど、超カッコよかった。[映画館(字幕)] 9点(2013-03-23 09:37:15)(良:2票) 《改行有》

184.  ゼロ・ダーク・サーティ 《ネタバレ》 2001年から2011年までの10年間、アメリカはイラク戦争と対テロ戦争によって疲弊していった。キャスリン・ビグロー監督は前作『ハート・ロッカー』でイラク戦争によりアメリカが正義を喪失していく様を描いたが、最後にはどん底の中の希望を見せて終わった。しかしこの映画はそんな一縷の希望すら与えていなかった様に感じます。 主人公のマヤは序盤ではCIA内で行われる拷問に目を背けていましたが、徐々に徐々にテロとの戦争に疲弊し神経をすり減らし、最終的にはビン・ラディンを殺すことを第一優先とするようになる。これは10年間に同じく消耗していったアメリカを象徴しているのでしょう。そして最後に大きな輸送機にひとりポツンと座り一筋の涙を流すマヤは、9.11の報復というには余りにも大きな犠牲を払ってしまったアメリカそのものの様に見えました。そんな国を体現するかのような難しい役柄を演じたジェシカ・チャスティンは素晴らしい演技だったと思います。 ビン・ラディンの暗殺は対テロ戦争において一応の節目となった。それでも今なおテロは世界各所で続いている。クライマックスの途轍もない臨場感で描かれる突入作戦で、両親を目の前で殺された子どもたちが描かれますが、彼らが新たなテロの芽となっているのかも知れません。 2005年から2008年にかけてはアルカイダのテロ活動が特に活発になった年だったと強く記憶しています。イギリスのダブルデッカーが粉々に爆破され、欧米人が滞在するホテルは片っ端から自爆テロの標的にされた。新聞の国際面には毎日の様にアルカイダによるテロの記事が載り、無関係の命まで容赦なく奪うテロという行為に暗澹たる気持ちになった。その時の恐怖を本当にリアルに思い出さされた作品でした。正直観ていて自爆テロのシーンは神経に応えまくったし、もう二度と観たいとは思えませんが観るべき作品だったとは強く感じます。[映画館(字幕)] 9点(2013-03-14 00:13:16)《改行有》

185.  フライト 《ネタバレ》 非常にキリスト教的価値観に基づいて作られている映画だったと思います。近年でも現代劇でこれだけ劇中に"God"という言葉が頻出する作品って少ないんじゃないでしょうか。この作品の根幹を為すテーマは「贖罪」だと思います。但し、主人公は熱心な(熱心過ぎてちょっと怖い)キリスト教徒の副操縦士を見舞った際に露骨にイヤーな顔をしていたり、ところどころで「神なんかいない」という旨の発言を繰り返したり明らかに無神論者です。少なくとも熱心なキリスト教徒ではない。そんな彼が最後の最後に罪の意識を告白して、罪を精算し、富も失い、人間的にも立派な男になりましたってオチをつけるんですから、物凄く乱暴な物語と言えると思います。非常に感動的ではありましたが。その辺りは別に私は特にキリスト教を信仰していないので非常に乗りづらかったです。 あと視覚的にもストーリー的にもキリスト教の話と意識させるように作られています。飛行機の墜落時にペンテコステ派の教会を破壊し、主人公は事故を経て一度は禁酒を決心する所などは特に分かり易い。共に暮らすウィップとニコールは楽園を追い出され罪を背負うこととなったアダムとイヴの明らかなメタファーでしょう。 まあそんなことは置いといても、クライマックスの泥酔状態となったウィップを素面に戻すトリックには劇場内は爆笑でしたし、序盤の飛行が墜落するか否かのド迫力のアクションはポール・グリーングラスの『ユナイテッド93』に匹敵するスリルでしたし、大変面白かった映画であることは確かと思います。なんかホント全てが丁寧ですよね、巨匠の仕事って感じ。この期にロバート・ゼメキスには是非とも実写の世界に戻ってきて欲しいと思います。[映画館(字幕)] 8点(2013-03-13 06:52:46)(良:1票) 《改行有》

186.  キャビン 《ネタバレ》 これは本っ当に観客を選ぶ作品ですね。もっと言うと鑑賞条件を選ぶといっても良いかもしれません。劇場の周りにホラー(特にスプラッタ・ホラー)好きがいるのがベスト。私は運良くそういう人達しか集まらない様な会場で鑑賞できましたので、劇場内は爆笑の連続という大変楽しい映画体験でした。 今までもホラーの定形を崩した作品ってのは『スクリーム』『ブレアウィッチ・プロジェクト』『パラノーマル・アクティビティ』など何度も作られていますが、大体の作品がまず定形を崩すことで本来ホラーに最も必要な怖さが減退していることが多いと思います。しかし、この映画は終盤まで「ホラー映画って作るの大変なんだぜ?お色気シーン入れるのにも一苦労」というネタで爆笑させておいて、最後にはキッチリとモンスターが暴れまわり観客のテンションはクライマックスに達する。しかも暴れるモンスター達は過去のホラー映画の謂わばチャンピオン級ばかりなのだから盛り上がらない訳がありません。 そして最後の最後にシガニー・ウィーバーが現れたシーンで大爆笑。最近オチ担当みたいな女優さんになってますね。アンタもうちょっと役選べ![試写会(字幕)] 9点(2013-03-11 22:52:30)(良:1票) 《改行有》

187.  愛すれど心さびしく 《ネタバレ》 アラン・アーキン演じる聾唖の男シンガーは、精神病院に入れられた友人を追って南部の街に越してくる。そこで主に三人の人達と知り合います。一人はいつかピアニストとして立身したいと思っているが貧しさ故にその夢を諦めている少女ミック。一人は飲んだくれて自暴自棄になっている浮浪者ブラント、一人は医者という社会的地位の髙い職についている故に向上心の無い黒人を許せない老人コープランド。彼らがシンガーと触れ合うことで塞がっていた人生が開かれていく様は非常に感動的で、一種の人生賛歌となっています。私は特にお金が無いからコンサートを裏口でこっそり聞いていたミックがシンガーの部屋でレコードを夜遅くまで延々と聞いているシーンでびっくりする位泣いてしまいました。生まれがどうであれ音楽(芸術)は関係ないというシーンに自分を重ねてしまいました。 しかしそんな人生の素晴らしさを説いただけでこの映画は終わらない。そこから殆ど全ての人達が次々と不幸になっていく。ブラントは職を得るも喧嘩を起こし街を去り、コープランドは自尊心故に娘の恋人を助けず娘から憎まれ、ヒロインとも言えるミックは自分の夢の為にボーイフレンドに体を捧げるも裏切られピアニストの夢を捨てる。そしてシンガーも友人が急死し、ミックに拒絶されたことで自分が真に孤独になったと思い込み拳銃自殺でこの世を去る。 この映画で引き起こる不幸は全てが"すれ違い・相手を理解できない"ことによるものです。原作『The Heart Is a Lonely Hunter』の著者カーソン・マッカラーズも自らが孤独であると思う故に、この様な誰も分かり合えない人間の辛さを描いてきた作家でした。 私も所詮人間は相手の気持ちを100%は理解できない(実際は5%にも満たないと思う)と思いますが、だからこそ逆にシンガーの様に「僕は孤独なんだ!だからあなたと解り合いたいんだ!相手になって欲しいんだ!」という気持ちを持ちたいと思います。ヒロインであるミックが最後にシンガーの墓前で「I Loved You...」と呟くのと同じく手遅れにならないために。[DVD(字幕)] 10点(2013-03-03 17:10:11)《改行有》

188.  アパートの鍵貸します 《ネタバレ》 私は結構テーマ主義な部分があって、良くも悪くも作品が持つテーマを意識して観ることが多いです。大体の映画というものは一つのテーマに沿っているもので、多くても二つまでが殆ど。しかし驚くべきことにこの映画にはテーマがいくつも混在している様に思えます。 まず恋愛が一つ。この映画を通して強く感じるのはシンプルな「恋は半端にするんじゃなく、本気でやれ」ということ。主人公の周りの上司達は火遊びとして女の子と遊んでいますが、主人公のバドは全く違います。だからフランについて茶化された時はムッとしましたし、フランもずっと一人一人の男を真剣に愛してきた。上司達と主人公(バドとフラン)を見るとどちらがメンチュ(立派な大人)かは明らかでしょう。上司達は社会的地位はあるかもれませんが子どもです。 次に自己犠牲が一つ。恋愛と少し被りますが、本当に愛してるってどういうことなのか?上司のシェルドレイクは家族を失うのは嫌だけれど若い女を取っ替え引っ替えしたいという自分の身を出来るだけ削らない人間でした。バドは惚れたフランを庇うために彼女の義兄に殴られますが、彼は彼女の役に立てて嬉しそうでした。つまり愛するということは相手のために自分を犠牲にするということです。そうじゃないと愛してるとは言えない。 その次に仕事が一つ。主人公は自分のアパートの一室を上司に貸し出すことで易々と出世しますが、彼の能力によってではありません(逢引の場を工面する要領の良さを私は能力の一つと思いたくない)。上司におべっか使うことが出世としての正しい道なのか?そうじゃないだろうということでしょう。その証拠に部長補佐に落ち着いたバドは空虚な人間としてカメラに映されています。 以上の様に、「愛・仕事・人生」と生きる上で重要なヒントが山程込められている大変に素晴らしい作品でした。[DVD(字幕)] 9点(2013-02-24 23:40:49)《改行有》

189.  ダイ・ハード/ラスト・デイ 《ネタバレ》 80年代筋肉俳優たちがアクション映画で暴れ回っていた時代、『ダイ・ハード』の只のオッサンが泣きそうな顔で「畜生!なんで俺がこんな目に」と文句言いながらテロリストをやっつけていくマクレーン刑事は新鮮でした。今回の映画ではそんな情けなさは殆ど無し、正直敵側よりマクレーンの方が人殺してんじゃないの?という位の暴れっぷりですが、まあ底抜けアクション映画としては単純に楽しめました。全編がバカバカしくっていいですね。敵に「マクレーン、お前はここ(ロシア)では警察ですらないぞ!」みたいなこと言われて、「俺の息子はCIAだ」ってお前が人殺していい理由にはならねーよ!っていう。最高です。 シリーズお決まりの「悪役は結局金儲けが目的(だから容赦なく殺す)」や「相手が女でも容赦せず殺す」等はキッチリ入っていて、個人的には相変わらずえげつない方法で悪役をバッタバッタと殺害していくマクレーン親子に爆笑しっぱなしでした。敵をプロペラに投げ飛ばしてバラバラのミンチにするって主人公のすることじゃないぜ。 映画が始まって15分程度でカーアクションになだれ込むスピード感は嫌いじゃないですが、無意味にガチャガチャしたカメラの動きには少し参ってしまいました。車がぶっ壊れるシーンはキチンと写せばいいのに。車を引き潰しながらその上を車で進んでいくなど画的には笑えるアクションが多かったのに残念です。 それから重箱の隅になりますが、放射能を中和させる(しかもゼロレベルまで!)化学物質があったり、チェルノブイリに生身で平気で乗り込んだりする場面には、まあフィクションだから別にいいんですけど、ちょっと呆れました。ギャグにしていたから幾分マシか。[映画館(字幕)] 6点(2013-02-21 22:27:41)《改行有》

190.  ものすごくうるさくて、ありえないほど近い 《ネタバレ》 父親を9.11で亡くした少年がその喪失感を乗り越えるまで(実際は少し違うが)を描いた成長物語。何らかの事故で残された遺族というのはどこかでその悲しみを乗り越えていかなけれないけないものだ。でもそんな簡単に最愛のひとを忘れられる訳が無い。ではどうするか?オスカーは父親が残した謎の鍵の手がかりを探すためにニューヨーク中を回る。色々な人たちと出会う度に当然色々な人がいて様々な悩みや辛さを抱えた人生を送っていることに気がついていく。一番わかり易いのはオスカーの祖父だ。この祖父はオスカーの父親、即ち自分の息子を捨てたも同然の冷静に考えたら酷い男なのですが、彼は彼なりにそのことを後悔し、乗り越えようとして生きている。そんな祖父がオスカーに桟橋を渡らせることで、彼の人生を一歩進ませてあげようとするシーンなんかは凄く良かったです。 公開時には賛否両論だったらしいですが、私は再生を象徴させる映画として大変素晴らしかったと思います。同時多発テロから10年、やっと人々が前を向いて進み出すことが出来る、そんな希望が見えました。[DVD(字幕)] 7点(2013-02-17 17:43:24)《改行有》

191.  50回目のファースト・キス(2004) 《ネタバレ》 翌朝になったら全て忘れている彼女という設定がもう切なくて泣けますね。ヘンリーが毎朝事情をルーシーに説明する様や、ベッドインした翌朝に見ず知らずの男と寝ていたもんだから暴れまわるルーシーは、見ていて面白く可笑しいんだけど、どこかモノ悲しい。そんな笑いと寂しさのバランスが非常に好みでした。凡庸な映画だったら奇跡なんて都合の良い事が起きて病気が治ったりしますが、この映画は最後の最後まで治らずに恋愛を成就する点も好きですね。正直都合がいいと思う場面も多々ありますが、ロマコメと考えれば十分楽しめるリアリティラインだったと思います。[DVD(字幕)] 7点(2013-01-27 22:46:37)

192.  ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 《ネタバレ》 「アバター以来の衝撃!」と映像面の凄さを前評判で聞いていたので、期待して観に行きましたがトンでもなかったです。「どうやって撮ったの?」っていう様な映像がバンバン出てくるので、観ていて頭がクラクラしてきます。船の沈没シーン、トビウオの飛来シーン、嵐が吹き荒れるシーンの余りもの迫力についつい仰け反ってしまいました。そして広大な海の風景が宇宙へと広がっていく映像は途轍もないスケールのデカさに只々唖然。CGが普及した時代とはいえ素晴らしい映像美でした。音にも大変拘っているので、出来るだけ画面・音響共に優れた劇場で観るべきでしょう。3Dに関してはどうでしょう。トビウオのシーンや虎を調教しようとするシーンなんかは絶対に奥行を感じられる方が良いと思いましたが、色彩が余りにも美しいザトウクジラのジャンプや食人島の幻想的な風景は3Dだと暗さが出てしまい堪能しづらそう。 哲学的な話に目が行きがちですが、サバイバル物としてもそれなりに面白く、劇場内では虎が躍りかかるシーンなんかは悲鳴が起きていて終始楽しい雰囲気で鑑賞できました。[映画館(字幕)] 7点(2013-01-27 21:22:27)《改行有》

193.  ザ・ロイヤル・テネンバウムズ 《ネタバレ》 こういう映画に点数を付ける時は困ってしまう。非常に奇妙な(ある種冒険的な)画面構成がふんだんに採られていたり、登場人物たちの抱えている問題を様々なカタチで描写し、最終的にはピースがカチリと当て嵌るような解決を見せてくれる。これだけで考えるとすごく優れた映画だと思います。でも私はそれほど楽しめませんでした。単に自分の感性に合わなかったと言えば簡単なんですが、それでは何も考えていないことになりますので、何で映画に乗り切れなかったのか思案してみました。 家族という題材は誰にとっても"仕事"や"恋愛"に並ぶ位身近な話です。そして壊れてしまった家族の再生という話も、誰にでも起こり得る話ですから、それが解決する瞬間はとても観ていて嬉しいものです。 ただ個人的にはこの映画にはリアリティが欠如しているなと強く感じました。それは別にテネンバウム一家が個性的過ぎるからということではありません。別に寓話的に家族を描けばどんなに変人一家でも話にはリアリティは出ると思います。私が引っかかったのは「そんなに簡単に家族って再生するか?」ということです。家族をずっと放ったらかしにしていたロイヤル・テネンバウムはクズ人間で、彼は家族との絆を取り戻そうと色々手を尽くしますが、その方法や描写が何というか軽い。深刻さが全く伝わってこない。本当に心の底からおまえ家族に戻りたいと思ってんの?って感じがします。 実際にバラバラに離れてしまった家族が仲を修復しようとすると、もっと峻烈だと思うんですよね。これは実際に家庭問題で大変だった人を見た経験があると尚更。意地悪な言い方をするとテネンバウム一家の出来事は家族修復"ごっこ"にしか見えない。コメディたからこの位が丁度いいんだよ!と言われればそうと思いますが、誰にとっても身近な家族という存在を描いたからこそ現実味がもっと欲しかったように思います。 それからオープニングクレジットでキャストの豪華さにウキウキしましたが、観てみるとそれほど彼らの面白さが活きていなかったなあという感じも否めません。ベン・スティラーとオーウェン・ウィルソンなんて今を代表するコメディ俳優の共演なのに、それほどイキイキと演技しているようにも見えませんでしたし、笑った場面も少なかったです。[DVD(字幕)] 5点(2013-01-27 09:52:29)《改行有》

194.  ミッドナイト・イン・パリ 《ネタバレ》 正直、ファーストシーンでテーマソングに合わせて延々とパリの街並みが映された時はどうしようかと思いました。「何故こんな旅行会社の販促VTRを撮ってるの?俺は映画館に"世界の街道をゆく"を観に来てんじゃないんだけど」と思っちゃった訳です。しかしその心配もオープニングだけで杞憂に終わりました。主人公は懐古主義というか1920年代のパリの芸術活動とパリの街並みが大好きっていう良い歳したオッサンです。彼は最後の最後にどの時代の誰もが懐古主義になりやすいことを知る。現代はモダン派に憧れ、モダン派は印象派に憧れ、印象派はルネサンスに憧れ、ルネサンスは……以下略、とどの時代だってそう。その中で「俺は俺の好きなようにやる、他人の評価なんて気にするな」とハッキリと言い放ったヘミングウェイが最も正しい芸術家の様に思える。そして主人公はパリに住むことを決心し異なる価値観を持つ恋人と別れ、自分自身の今現在の理想に向かって雨のパリを歩き始める。それはオープニングの様な一般的に誰もがステキ!と思えるような明るいパリでは無く、雨が滴る夜のパリなのだ。っと懐古主義の人間に見せたら完璧に嫌味になるような映画でしたね。かく言う私も今の映画は詰まらんとかたまに言ってしまう人間なので気を付けます。 それから主人公の彼女の役柄も良かったですね。彼女は憧れのパリを溺愛する主人公を理想主義者だとか現実を見ろだとかなじりますが、彼女も同じなんですよね。彼女はインチキインテリ男が言っていることは何でも正しいと思ってしまう。つまり理想しか見えていない。理想像の言うことは何でも正しく、たとえ正しくてもどこぞの物書きの彼氏の言うことは勘違いと決めつける。これは終盤まで理想の20年代を絶対視している主人公と全く同じです。 あと劇中のギャグの多くが当時の芸術運動を知ってないとチンプンカンプンなので、そこらへんは少し観客を選ぶ映画でしたね。[映画館(字幕)] 7点(2013-01-25 23:34:39)《改行有》

195.  ブリジット・ジョーンズの日記 《ネタバレ》 女性をターゲットに作られているのに主人公が不細工という珍しいタイプのロマコメ。女性向けに作られていることもあり、結構女性のデリケートな部分まで描いている点が面白かったです。また個性派&実力派俳優を揃えている点もグッド。レニー・ゼルヴィガーの不細工な顔・仕草を強調した演技や、ヒュー・グラントのクズ野郎演技は一見の価値あり。爆笑でした。[DVD(字幕)] 7点(2013-01-22 22:34:47)

196.  テッド 《ネタバレ》 世界的なパペットアニメーション作家J・シュヴァンクマイエルは自伝で「人形とは子どもと大人の世界の境界線である」と述べています。シュヴァンクマイエルが言うには、子どもは人形を使って自分の世界を形成し、大人になる時に人形(自分の世界)を殺して大人の理不尽で不条理で自分のルールが適応されない世界に足を踏み入れるのだといいます。この映画でも人形(というかヌイグルミ)は大人になるための一種の障害として描かれているのが面白いなあと。どんなに仲が良くて親友でもいつかは決別しなければ大人になれないという話しは、「スーパーバッド 童貞ウォーズ」に良く似ていますが、そんな話を非常に寓話的に描いている。 そんな感じで物語の根幹はしっかりしているのですが、物語の中盤でテッドがそれを声に出して全て説明してしまったのは少し残念でした。どうせなら画の力で伝えて欲しかったな。 80年代を代表する底抜けバカSF映画「フラッシュゴードン」、傑作SF映画「エイリアン2」絡みのネタもオタク心をくすぐるような内容で終始楽しかったです。 ただ所謂時事ネタも沢山盛り込まれており、こういう類の映画は実際にアメリカに住んでいないと100%楽しめないと思うので、少し減点しました。結構分からないネタも多かった。[映画館(字幕)] 7点(2013-01-22 22:31:10)(良:1票) 《改行有》

197.  市民ケーン 《ネタバレ》 数々のオールタイムベストで1位を獲得し、歴史上最高の映画と評されることも多い。そんなハードルが超上がっている状態で鑑賞したのですが、噂に違わず最高の映画と心底思いました。数多の映画監督が本作に心酔しているのも頷けます。何故ならこの映画は無茶苦茶な映画テクニックの博覧会であるからです。具体的に言うと"長回し","クレーンショットでの極端なクローズアップ(からの引き)","パン・フォーカス","フィルムノワールの様な極端な光と影"等々。 "長回し"ではケーン、ケーン夫人、スーザン、ゲディズの四者がケーンのスキャンダルについて口論となるシーンが素晴らしい。非常に長い台詞の応酬が延々と続くのに全然カットは切り替わらない。だから観ていて居心地が悪く、緊張感がある。カットが切り替わらないから観客が一息つく暇がないからです。 "クローズアップ"ではスーザンが歌っている劇場の撮影が矢張り白眉でしょう。劇場の看板からカメラが看板の隙を通り抜けて劇場の天井にまで達し中を覗き込む。クレーンを使った驚異的なクローズアップです。 "パン・フォーカス"ではケーンが劇批評を書くリーランドの部屋に乗り込む場面。ケーンがカメラの前から画面の非常に奥に写っている部屋の扉を開けるまでをパン・フォーカスで撮っている。観客は自身でケーンの姿を追うことになる。カメラがスライドするわけでは無い。 そして"光と影の使い方"。画面を光で斜めに切り取ってみたり、顔を執拗に影で隠したり、ハッキリ言って無茶苦茶な影の使い方。それが狂言回しの記者の顔を隠し、ケーンの人生を追う記者は観客自身であると考えさせるためという演出に上手く繋がっている点も素晴らしい。 それらのテクニックは実に的確な分量で盛り込まれており、完全に物語と調和している。最後まで孤独の人だったケーンの人生を記者の取材形式でリアルに見せていることも特筆に値します。驚く程に見事な作品だったと評価するしかありません。[DVD(字幕)] 10点(2013-01-20 17:58:05)(良:1票) 《改行有》

198.  恋人たちの予感 《ネタバレ》 元々ノーラ・エフロン脚本のロマコメは好きな方ですが、この映画が個人的に思う彼女のベストです。なんでこんなに面白い男女間のダイアローグを考えられるかと不思議で仕方がありません。特にセックスのことまで赤裸々にぶっちゃけるトークは笑いが止まらず、特に見せ場(?)であるメグ・ライアンの喘ぎ演技は抱腹絶倒間違い無しです。 友達同士でいる時のある種楽な関係から一歩踏み出すことが出来ず、やっと踏み出して肉体関係を持っても「やっちゃった~」って感じでまた逃げる二人は、観ていて微笑ましいというか何というか……、男女間の関係はどの時代でも難しいもんですな。 個人的には男女間の友情は成り立たないと思っているので、最後のハリーの告白には思わずガッツポーズでした。「大晦日なんて関係なくお前が好きだ!最後の日まで一緒に過ごすんなら少しでも早い方がいいだろう!」って超カッチョえーなー。 何度か挿入されるジャズのスタンダード・ナンバーも映画の内容にピッタシで良かったです。紅葉の並木道で流れる「Autumn In New York」、エンドロールで流れる「But Not For Me」もいいけれど、やっぱりサッチモとエラ・フィッツジェラルドが歌ってる「Let's Call Whole Thing Off」が最高ですねぇ。「♪ 君が好きなのはこれやそれ、僕が好きなのはこれやあれ。君はイーザー僕はアィザー、君はニーザー僕はナィザー。ああ、こんなこともう止めにしようよ。」本当にハリーとサリーそのものです。[DVD(字幕)] 9点(2013-01-14 23:53:38)《改行有》

199.  プラダを着た悪魔 《ネタバレ》 大変良くできたシナリオの映画だったと思います。私が一番近いと思ったのは『千と千尋の神隠し』です。つまり女の子が無縁の世界に飛び込み、地獄巡りのように苦労を重ねて自身の価値観を見つめ直すという話、ということ。 この映画は主人公アンディの世界を内と外にハッキリと分けている。その境界線を引くのに使われている小道具は"食べ物"です。アンディの外の世界、即ちファッション業界では食べ物が非常に粗末に描写されている。食べる筈だったコーンチャウダーをゴミ箱に投げ捨てるナイジェル、急に会長との食事が入ったからミランダから頼まれていたステーキを捨てるアンディ。逆にアンディの内の世界、彼氏のネイトは料理人で美味しい食事を作っているし、友達と会う場面は食事シーンが多い。 そしてその様に分けられた外の世界は私生活が徹底的に犠牲となる世界です。ナイジェルは「昇進したら私生活なんて無くなる」と言い、エミリーは挫けそうな時「I love my job, i love my job」と自分に言い聞かせ、それはボスのミランダさえ例外では無く彼女は数度目の離婚の危機に悩んでいる。 アンディはそこで一度は頑張ってみるものの、全てを犠牲にした上司を見て"私の世界はここじゃない"と察して仕事を辞める。そして真に自分の力が発揮できる職場に自分の能力により入る。初めはファッション業界を足掛け程度に思っていた鼻持ちならない主人公が。非常に単純なストーリーと言ってしまえばそうですが、そういうストーリーの流れを言外で描写しているのが上手いと思いました。だから主人公が成長していないと勘違いする人が多いのも当たり前だとは思います。 それでもファッションについて、「ここぞという時にオシャレをしていれば良いんじゃないの?」と普段から思っている身としては序盤から中盤にかけてはかなり物語に乗り難かったです。別にセーターでもアンディ可愛いだろと思ってしまったしなぁ。逆に大人になってまで外見を気にして、外見で人を判断して正直滑稽に見えます。そんな個人的な理由によりやや減点してしまいました。 それから映画の話なのでどうでもいいけど、上司の傲慢さにも限度がありますよね。あれだけプライベートなことを部下にさせると、有能でも部下が付いてこないと思うんですがね。それともファッション業界はホントにあんな理不尽が服着て歩いている人だらけでも成り立つんだろうか。[DVD(字幕)] 7点(2013-01-14 20:36:17)(良:2票) 《改行有》

200.  LOOPER/ルーパー 《ネタバレ》 脚本が実に練られた快作だったと思います。この映画の脚本が素晴らしい点は、復讐を為す側の罪悪感を描写している部分にあると感じました。オールド・ジョーはダイナーで「俺の人生の邪魔をするな」というジョーに対して「まるでガキだな、自分のことしか頭にない」と吐き捨てます。実際にジョーは何に対しても俺には関係ないと突っぱね、そのくせ売春婦に母性を求めており精神的に子ども大人です(この設定が後で効いてくる)。そして罪悪感も無しにルーパーとして人を殺し金を得ている。オールド・ジョーは妻の命を救うため、未来の大犯罪者"レインメーカー"を子ども時代で殺そうと考えますが、彼の口ぶりだとレインメーカーも罪悪感無しに邪魔な人間を始末する極悪人の様に聞こえます。そしてオールド・ジョーはレインメーカーの可能性がある子どもを殺して回りますが、その時のオールド・ジョーは明らかに罪の意識を感じています。妻の命を救う為とは言え、無関係かも知れない子ども命を奪ってしまった。その後、オールド・ジョーが組織の人間を一掃するアクションシーンとなりますが、観ていても全くスカッとしません。彼がさっきの子どもを殺した時のように憎しみの連鎖を繋いで(ループ)いるようにしか見えません。そしてラスト、ジョーは予知します。レインメーカーも母親を殺したルーパー(オールド・ジョー)に復讐するために犯罪者の王となった事実を。誰かを救おうとした為に罪悪感を抱きつつ標的を殺し、新たな憎しみが生まれ、憎しみは連鎖し、最終的には世界を憎しみで覆う存在を生み出した。この映画が描いているのは、愛する者の為であっても殺しは憎しみの連鎖しか生まないという事実です。多分、百年経っても観る価値のある作品でしょう。 映像面では近未来SFの話なのに、終盤が街外れのサトウキビ畑というセンスが凄かった。 役者ではジョセフ・ゴードン=レヴィットが冷酷なんだけど基本的に心は小僧という役にピッタリ合っていたと思います。[映画館(字幕)] 8点(2013-01-13 23:44:29)(良:3票) 《改行有》

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