みんなのシネマレビュー
あにやん‍🌈さんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 2524
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768

201.  縞模様のパジャマの少年 《ネタバレ》 見る前に予想される予定調和的な悲しく感動的な展開というのを超えて、最もこうなって欲しくないという結末を静かにガツンと叩き付けてくる映画です。ただの縞模様の服一つが人の運命を左右してしまうという物語は、その服の背後にある民族や国境に対する行き過ぎた拘りがいかに愚かな事かをハッキリと示しています。民族、国家の象徴としての家族という集合体。子供を育てるという事がどれだけ大切か、重要なのか。親の責任が民族、国家の責任にも繋がる、だからこそ、親は思想、宗教、国家の下で正しい選択をする義務があります。今は(少なくとも表面上は)自由であるがゆえ、彼らを襲った悲劇を回避する事が可能なのだから、再び誤った道を進まないよう努めなければならない、そんな一般市民一人一人の義務について描いた映画だと思いました。二人の子供の表情が素晴らしく、また、いつもはやかましいジェームズ・ホーナーの音楽も今回は綺麗に鳴って、人の闇の歴史を印象的に浮かび上がらせるのでした。一つ難点を言えば、映倫が付けたレイティングPG-12。確かに親による解説は必要かもしれません。でも、PG-12って子供は見ちゃダメって映画のように思われてしまう感があります。残酷な描写や激しい流血はありません。むしろ、ぜひ親子で見て語って貰いたい映画です。[映画館(字幕)] 8点(2009-09-16 17:19:46)(良:2票)

202.  ハリー・ポッターと謎のプリンス もうここまで来ると完全に一見さんお断り、これまでの映画を全部見ていてナンボ。1作目から5作目までリンクしているエピソードだらけ、1つ1つの物事にどんな意味があるのかなんて説明なし、知っていて当然状態。なので映画としてはメチャクチャです。これ一作で何かを得ようとしても、なーんにも得られません。しかし、個人的には今回は大変楽しめました。あの余分な贅肉がブヨブヨしてる原作のうち、学園ラブコメディ部分はきっちり残し、冗長なだけで無駄に多過ぎたエピソードはさっくり簡潔に端折ってしまって。欠点だらけになってしまった原作を前作に続いて上手く料理したな、って感じです。それに、1~5作目からの多数のリンクゆえ、過去の色々なシーンが見ている間にどんどん呼び起こされて、1本の映画を見ていると言うよりも1つの歴史を眺めているような風情。1作目からみんな同じ役者が演じ続けているという(ダンブルドア校長を除いて)事でリアルな時間の流れが生み出す重さ、深さが出来不出来とは別に表れていて大変に感慨深いです。なので評価は個人的な価値というところ。1~5作目を未見な人はまずそちらを見る事が必須、既に見た人もできれば復習してから見る事をお勧めします。[映画館(字幕)] 8点(2009-07-18 17:20:31)(良:1票)

203.  ウィッチマウンテン/地図から消された山 《ネタバレ》 おやおや、この夏の思わぬ拾い物はこれかいな? タイトルを見て魔女モノのスリラーホラーかと思いつつ、タッチストーンじゃなくディズニーだからねぇ、なんだろうねぇ?と、その程度の認識で見たのですが(ポイントでタダ見だし)、ディズニーブランドらしいジュブナイルSFサスペンスの秀作という感じで。特殊な力を持った兄妹を助けようとするタクシードライバーの話。話はベタだし、VFXは今時かなりチャチ、演出だって特筆すべきところはまるでない映画ですが、不器用だけど頼もしいって役を演じたら天下一品なザ・ロック様とキラキラ透明感少女アナソフィアと、その他二人と一匹(おざなり)が、それぞれに孤立した状態から力を合わせて困難に立ち向かって擬似的な家族を形成してゆく物語、見終わってなんだか「ほかほかするの」みたいな充足感。ロボット殺し合い映画よりもよっぽど家族揃って安心満足ってカンジですが(一方マニアな人向けに『スター・ウォーズ』や『トロン』ネタが仕込んであったりもしますが)、まータイトルは意味判んないし宣伝してないし劇場展開ショボいし、色々と作品の外側がザンネンなコトになってますね・・・。[映画館(字幕)] 8点(2009-07-04 17:21:51)(良:2票)

204.  スター・トレック(2009) 《ネタバレ》 ちと不快に感じる人もいるでしょうが本音書きます。『スター・トレック』が日本ではいまいちメジャーになれないでいるのは70年代終わりから80年代にかけて発生した、ギョーカイ人を中心とした日本のトレッキーの排他的選民意識に原因があったんじゃないでしょうかねぇ。マニア間で一見さんお断りワールドを形成しててね、アメリカみたいなオープンさが皆無だった感じで、だから今もってみんな濃い連中の「目」を気にして『スター・トレック』に対する自分のこれまでのスタンスを表明してから語らにゃならないとゆー狭っ苦しい状況が続いてるよーな気がしてならんのですよ。そんな大層なモンか?コレ。ギャー!おもしれー!でいいじゃん。さて、この映画、前日譚だとばっかり思ってたら実は完全に新作だったという事にめちゃくちゃ驚きました。若い日のカークやスポックの話じゃ、みーんな死なないのが判ってる世界でサスペンスもへったくれもないじゃん、と思っていたら、そうではないと。何も確定しない新しい世界の物語、ワクワクしました。クライマックスに颯爽と現れるエンタープライズ号の勇姿なんざ、思わず声が出そうになりました。『スター・トレック』にきっちり敬意を払いつつ、新しい次元の『スター・トレック』を構築してみせる意気込み、その娯楽映画魂に感服。ただ、『スター・トレック』のベタなお約束、転送による危機回避とか宇宙人がみんなアメリカ人とか、そういうノリは昔からそう好きではないのでこの点数がせいぜい。って、『スター・トレック』のアイディンティティそのものを批判しちゃ元も子もないですか。[映画館(字幕)] 8点(2009-06-13 19:48:16)(良:1票)

205.  グラン・トリノ 《ネタバレ》 私事ですが、障害を抱えた偏屈じじぃである父の介護を24時間しています(だから映画に出かけるのは週1回、妹が来てくれる時なのですね。そのペースから外れてる時は、父が入院してる時)。その私には、この映画のウォルトの家族があまりに無責任に映り、腹立たしい存在であると同時に、しかしまた人の言葉を聞き入れない偏屈な状態に付き合ってゆかねばならないという現実も理解できます。さて、隣り合わせで生と死の集いから始まるこの映画、そこに描かれるのは、自分の生と死とに、どうケリを付けるかというもの。多民族国家である現代アメリカを舞台にして、西部劇フォーマットで描かれる映画ですが、そこにあるのは民族や血よりも、人との繋がりの大切さ。「遠い親戚より近くの他人」、本当に自分にとって大切なものを守るためにこそ、その命の価値があると判りやすく、そして感動的に伝えてくれます。死にゆくものの悲哀があるのは確かですが、それより彼が命を賭して守った生、そこに大きな意味があるのだと思います。冒頭から迫る死の影とこれからの生とがきっちり対比されていたワケですから、その結末は予め必然として提示されていた訳ですし。介護という、目標の見えない日常を過ごす私ですが、ハリウッドの偏屈じじぃからのメッセージ、私なりにきっちり受け止めさせて頂きました。[映画館(字幕)] 8点(2009-05-02 20:23:55)(良:2票)

206.  駅馬車(1939) 幾つものドラマを乗せて走る馬車。そのドラマの多くを語り過ぎていない点が良いですね。なんでもかんでも説明しちゃうとキャラクターは逆にどんどん薄くなっていってしまいますから。過去に何があったのか、どういう生き方をしてそこに至るのか。それをクドクド説明せず行動や表情、登場人物同士の絡みで匂わせてゆく、つまり簡潔にして深いワケです。クライマックスの広大な乾燥湖でのチェイスシーンのカメラワーク、アクションは今の時代でも十分にそのスピード感を堪能できます。そもそも背景が広々していて、しかもモノクロって、本来とても視覚的にスピード感を出しづらい状況なワケで(背景が激しくスクロールしたりしないし、地面は真っ白なので流れがあまり見えないでしょ?)、実際にスピードが出てるからこそなんですよね。人種や男女の価値観など、どうしても時代を考慮に入れて見なければならない部分もありますが、古典として触れる価値は十分にある映画だと言えます。[DVD(字幕)] 8点(2009-04-23 00:13:58)

207.  市民ケーン 《ネタバレ》 「バラのつぼみ」を誰かさんが入手したとかなんとかいうニュースのお陰で、最初からその正体を知ってしまっていて、でもまあ、それでつまらなくなるという訳でもなく。映画を見ていていかに「あー、アレの元ネタはこれかぁ」っていうのが出てくることか。スピルバーグやらゼメキスやら『タイタニック』やら『嫌われ松子』やら、いちばん最近では『ウォッチメン』。どれだけ後の世界のクリエイターに影響を与えたかがよく判ります。物語は最初にケーンの人生をさっさと説明した上で関係者の証言という形で辿ってゆく訳ですが、この時代によくもまああれだけ多彩なテクニックを駆使できたもんだって感じで。語られるケーンの物語そのものは今となってはそんなに面白いモンでもないのですが、それを見せるテクニックが凄いのでぐいぐいと引っ張られてしまいます。未完成な劇場、未完成な城、モザイクな装飾の城の中、妻のパズル。映画そのものがパズルのようになっていて、その中に入れ子細工のように象徴的なアイテムが組み込まれ、人の人生を象徴してゆきます。断片の中の、一番若いケーンと共に登場する「バラのつぼみ」。それが示唆する事に思いを巡らせた時、1つのパズルが出来上がってケーンという一人の人間の生を見るのですね。[DVD(字幕)] 8点(2009-04-15 00:08:58)(良:1票)

208.  紳士は金髪がお好き(1953) 《ネタバレ》 ここに登場する男達が揃ってバカで魅力に欠けるので、逆にそれでいいんかい?とも思うのですが(もちろん、お金のあるなし関係なく総じて)、あくまで二人のイイ女の映画ですからね。マドンナの「マテリアルガール」みたいな(いや、こっちがオリジナルだ)超有名なミュージカルシーンでマリリンが歌います。“女が年をとれば 男は冷たくなるわ 年をとれば 女の魅力はなくなるわ でもダイヤモンドは決して形が変わらない”マリリンは既にかなり前にこの世の人ではなくなってしまいましたが、こうして当時のままの彼女の魅力が焼き付いてずっと変わらずに今も触れることができて、だから映画もまたダイヤモンドみたいな輝きと価値を持ったものなのですね。こういうステキなモノがずっと残ってゆくのって、いいな。[DVD(字幕)] 8点(2009-04-07 23:11:15)

209.  レベッカ(1940) 《ネタバレ》 既にこの世に存在していない人間で、回想や写真という形ですら、その姿を見せる事は一切ないのに、まるで主役のようにその存在感が映画を支配しているレベッカ。ヒロインの目を通して、どんどんと見えない、存在しない存在に侵蝕されてゆく感覚を見ている側にシンクロさせてゆくテクニックが見事です。セリフに、セットに、小道具に、ライティングにレベッカが潜んでいる感覚、下手なホラーよりもずっと恐くて上手いです。死者に操られる人々の映画は他にも色々とありましたが(いかん、幾つかタイトル挙げようとしたけどそれじゃ片っ端からネタバレしちゃいますわなぁ)、これは存在感が別格ですね。ダンヴァース夫人暴走し過ぎ、ってカンジで彼女の異常さが少々やり過ぎな感じはしましたけど(ヒロインがあそこで本当に飛び降りると思ってたのかなぁ? なんて捨て身な言動)、緩みのないサスペンスを堪能できた2時間10分でした。マンダレー屋敷のミニチュアワークも何気なくステキ。[DVD(字幕)] 8点(2009-04-06 23:48:07)(良:1票)

210.  スミス都へ行く 《ネタバレ》 後の世に、これに類似した映画は数あれど(『アメリカ万才!』とか『キューティーブロンド2』とか)、どれも「アメリカ建国の大義」に寄りかかりすぎてしまって政治における正義とは何か?という大切な本質にちっとも説得力を与えていないんですよね。それってアメリカ国民にしかアピールできてないワケで。その点、この映画はそこを描いてはいても、頼り過ぎてはいないのです。きちんと主人公が正義の闘いをしていて、ゆえに問題の深さ、簡単に理想的な浄化など出来る訳もない現実も浮き彫りになってくるのです。前半のスミスのあまりのお子ちゃまさ加減にはウンザリさせられましたが、そのスミスが理想のための闘いを繰り広げてゆくうち、どんどんスミスの気持ちに乗せられ、後半はがっつりと映画にのめり込んでいました。ゆえに、酷い目に遭ったまま終わってしまった子供達と、甘過ぎな唐突、突然のハッピーエンドに唖然、って感じなのですが、あのエンディングのウソ臭さは、現実にはそんなに上手く行かない、ってハッキリ判らせるためにわざわざああなってるのかもしれませんね。まあ、この頃に比べてアメリカはいい国になったのかと言えば、残念ながら・・・ですが。[DVD(字幕)] 8点(2009-04-01 00:42:01)

211.  紳士協定 《ネタバレ》 自由の国アメリカにおけるユダヤ人差別は『サウスパーク』を見れば判りますが、今も存在していますし、この映画から半世紀以上経った今も、ラストで主人公の母が見てみたいと言った世界なんぞ、どこにもありません。これは差別というものの実態の話ではなくて、差別意識の問題に真正面からぶつかった熱い映画。差別する人の問題だけではなく、差別される側の意識の問題、差別はいけないと言う人々の問題をも総括して、差別が作り出される事の構造的な問題を根本から曝け出そうとしています。差別されない安全な立場に置いた身からこそ生まれる偽善を暴き、更なる差別を生むのが差別を卑屈に受け入れる意識であると暴き、悪意であれ善意であれ、自ら線を引く行為そのものが差別というものなのであると主張します。主人公が取った行動もまた安易であり肯定されるものではなく、登場人物それぞれが意識を前に進めてゆくという展開に感動しました。差別問題を包み隠す状態はむしろ現代に顕著ですから、これは今こそ必要な映画なのかもしれません。時代を越えた骨太な映画です。もっとも、この世から差別なんか永遠になくなりゃしないでしょうけれど。お互い悪口言いつつ存在を認めあえるような世の中でありゃ、それで十分なんですけどねぇ。[DVD(字幕)] 8点(2009-03-30 17:32:25)

212.  ラースと、その彼女 《ネタバレ》 コメディのように思えて、実際に前半は結構クスクス笑えたりするんですが、実はかなりマジメな映画だったりして、見ている間、深く考えさせられました。ラースにとってのビアンカは、母でありオモチャであり友であり恋人であり、それは大人になる過程の中に本来は存在しているハズのもの。ラースは育ちが特殊であったために、それらを一体のリアルドールに全て込めてしまう事になるのですが、実のところ、全ての人間はラースと同じ体験を、子供時代に経て大人になってきているのですね。それは、大人になりきれていない会社の同僚達のフィギュアやクマのぬいぐるみにも象徴されています(最初のシーンでラースが顔を半分覆っている母の手編みのショールも、ライナスの毛布と同じ存在なのでしょう)。自分の中の子供に訣別するためのつらさ、痛さを描いた物語。彼を支える大人達の優しさが印象に残る映画でした。もちろん、その優しさは現実的ではないけれど、せめてそうありたいと思わせてくれました。[映画館(字幕)] 8点(2008-12-29 22:01:02)(良:3票)

213.  ハプニング 《ネタバレ》 世間の評判のあまりの悪さに、シャマラン擁護派な私も今度ばかりはダメかと思ってましたが、映画を見ている間、評判の悪い『ハプニング』とは別の『ハプニング』を見てるのではないの?あるいは気付かない間に誰かが私にシャマランフィルターを埋め込んだ?みたいな、なんでなんで?ってカンジで。まず、事象の原因とか大自然の人類への逆襲とか、そういうのは実のところ、どうでもいいんじゃない?と。マクガフィンってヤツ。死に追われて生きている状態が人の世ならば、人は死ってモノといかに折り合いを付けるのか、という事を描いた、これは結構真面目な映画なんでないかな、と思いました。死に対する本能的な恐怖を提示して、そこから逃れようとしながら組織や家族という集団、あるいはシステムに属する事でしがらみに縛られて翻弄される姿を描き、それを削ぎ落としていって、最後に個の状態まで持って行った上で、情報を拒絶し無知である個と対比させて、死と向かい合う=生を見つめる、と。人はいつか必ず死ぬのに、何故、人は死を恐れるのか。そんな映画。シャマラン監督おなじみの寒々しい映像が、死の世界と人の儚さによくマッチしていて、妙な味わいのあるSFホラーと言った趣きでした。[映画館(字幕)] 8点(2008-07-26 23:16:27)(良:2票)

214.  インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国 《ネタバレ》 あえて最先端なシネコンは選ばず、先行・初日のメッカ、新宿プラザで長々と並んで見てきました。コマ劇場と共に年内で閉館になる、大劇場だけど前時代的なアナクロさが漂う世界です。考えてみればシリーズ全て、この劇場で見ています。あの頃に比べ、スクリーンは小さくなりました。音はゴワンゴワンと反響してとてもいい音とは言えません。そして、拍手と歓声の中で見たそれは古臭い、進化してない、今時それはないんでない?みたいな娯楽映画。違いと言えば舞台設定、役者の顔、そして脚本にクッキリと刻まれた、時の流れ。あの頃からどれだけ時代が移ろいゆき、どれだけ変化したのでしょう。だから最後、あの帽子を三世が被っていたとしたら、私のこれまでの思い出までひっくるめて(閉館してゆく新宿プラザにも符号してしまうように)、『インディ・ジョーンズ』が辿ってきた時代、築いてきた時代にケリを付けられたのではないかと思います。だけど、ルーカスとスピルバーグは、それをハッキリ拒絶してみせました。かつてお子様ランチと揶揄された二人の映画ですが、古びたお子様ランチの意地、今のガキのオモチャとは違うんだよ!と。『インディ』はお前らに渡さないよ!と老境に差しかかったかつてのガキ大将二人が意地になってる姿は、いっそ痛快ですらあります。ケイト・ブランシェットがステキざんしたなぁ。そして、あれがステキに見えないようなお子ちゃまには向いてない映画だよ!『○○○○』でも見ときな!(最近の娯楽映画のタイトルをなんでもどうぞ)という事なのでしょう。 【すいません追記します】この物語の核実験シーン、批判されがちですが、私は1945年の広島・長崎を境に『インディ』の世界が激しく変化してしまったという事を示唆しているのだと思います。『レイダース』のラストと対比する形で、神しか持ってはいけない力を人が手にした事で、神は死んだ。神のいない世界で神秘なんてモノは超能力や宇宙人くらいしかないんだよ、信じる心だけで救われる時代じゃなくなってしまったんだよ、と。それはスピルバーグやルーカスの現状をも自嘲気味に反映させ、だけどそんな世でもインディはインディだ、この野郎!というのが今回のオハナシなんでないのと。[映画館(字幕)] 8点(2008-06-14 18:49:59)(良:5票)

215.  ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛 《ネタバレ》 前作を「ファンタジーとしてちょうどいい感じ」と形容しましたが、前回の原作未読な状態と今回の既読な状態とでは、多少、いや、相当見解が違ってきます。原作が児童向けなのに対して映画はもう少し年齢層を上げ、原作にないエピソードをあれやこれやと盛り込む事(原作通りの映画化ならば1時間半もあれば十分でしょう)で、プラスとマイナスとがハッキリとしました。カスピアン王子とピーターとの対立や、スーザンとの淡い恋は、物語に奥行きが生まれた一方、ミラース王の陰謀、城への夜襲のエピソード、アスランによるテルマール軍への攻撃などは、必要以上に作品世界を荒々しくハードなものにしてしまっているように思えます。『指輪物語』の影響ゆえ、娯楽ファンタジー要素てんこ盛り大作にせざるを得ないという感じなのでしょうが、もう少し呑気で牧歌的であっていいと思うのですが。クライマックスでは原作のファンタジックな展開を、前作と変わり映えしない乱戦に変えてしまった点で勿体ない感じですし。とは言え、すっかりこの世界にハマり、映画を見ている間ずっとワクワクさせてくれたので十分に堪能、満足しました。ネズミかわいーし。[映画館(字幕)] 8点(2008-05-24 22:48:27)(良:1票)

216.  ミスト 《ネタバレ》 キングの原作『霧』を読んだのは、かなり昔な感じで、どんなストーリーだったかいな?と思い出しつつ見ておりました。最後だけは記憶していて、この映画は、原作とは違う最後を迎えるようだけど、キング作品の映画化でお馴染み、激甘なオチなんか持ってきたら、ボロクソに叩いてやるわ!って感じだったのですが・・・。元々、私はこの監督さんが大変苦手です。どれもこれも「クドくてクサくてワザとらしい」。なので全然期待できなかったものの、どうもその「クドくてクサくてワザとらしい」ノリが感動モノでは虫酸走り系になるけどホラーには有効であるのだな、と。いい意味でB級の悪趣味ワールドを彩っております。その上で、キングを読んでいるといつも感じるザラザラとした人間の感情のイヤな感触、エゴの不快感がきっちり表現されていて、今までのキング映画ではろ過されていた、だけど実はいちばん重要な部分が大変上手に出てるなぁ、と。キングって、人を不快にさせてナンボな人なので、その精神を忠実に守った上で、原作のモヤったラストに更なるキッツいオチを与えてみせたこの映画、大変お見事。なんだ、この監督、ベタベタ甘~いクサ~い系映画なんか撮ってないで、あっち側のザラザラ系キング作品を片っ端から撮ってればいいのに。[映画館(字幕)] 8点(2008-05-17 18:29:32)

217.  クローバーフィールド/HAKAISHA 怪獣映画が大好きだった私は、子供の頃から現在に至るまで、「怪獣の夢」を頻繁に見ます。そしてそれはもちろん「怪獣が出てきて嬉しい!」などというモノではなく、激しい恐怖を伴った悪夢です。遠くから惨状を眺める大ロングな視点のものもあれば、今にも頭上にのしかかってきて、もうだめだ!って感じだったり、あるいは建物の中に逃げ込んでなんとかやり過ごそうとしたり・・・。つまり、この映画は私の悪夢を目の前に明確なカタチにして見せつけてくる恐ろしい映画で、それは恐怖と驚愕と納得と感動とが入り混じった複雑なひと時でした。途中で小物とグロとに走るのは減点対象ですが(怪獣映画で小物を出すのは大物だけでは引っ張りきれないゆえの逃げだと思ってます)、日本の怪獣映画が第二作目からずっと抱えながら、みんな判っていながらも現代に至るまで製作上、改善しようとしなかった問題、「人間のドラマと怪獣の存在とは水と油の関係」に、「これでどうだ!」とばかりに真正面から挑んでみせた心意気に拍手。でも日本人としては複雑な思い。結局、日本怪獣映画の土壌からはこれは生まれなかったのかと。まあ、人間のドラマと怪獣とを融合させた傑作としては、日本には『やっぱり猫が好き』の1エピソード「ブジラ対恩田三姉妹」があるので、それを代表作とするのが良いでしょう。ちゃんとした音楽が流れるのはエンドクレジットのみですが、その音楽もちゃんと怪獣映画なのが、まー嬉し悔し憎し。[映画館(字幕)] 8点(2008-04-10 13:27:43)(笑:1票) (良:1票)

218.  バンテージ・ポイント 《ネタバレ》 面白かったです。どれくらいか、っていうと昔『ダイ・ハード』を初めて映画館で見た時くらいに。ああ、その手があったか!って。綿密に伏線を張るとか、どのキャラが実は・・・とか、そういうサスペンスのセオリーみたいなのはとりあえずこの際、置いといて、少しずつ包装紙を破くが如く、ほんの数十分の間に起きた出来事の全容を徐々に見せてゆく、っていう。別に映画そのものにはヒネリがある訳ではないので、既存のスタイルに当てはめてしまうと楽しみ方が判らなくなってしまいそうな映画ではあります。実は完全な娯楽映画で、テロだの国際的な背景だの犠牲になってゆく人々の姿だのアメリカ批判の視点だのっていうのが、単なるエッセンスでしかないので、割り切って見るにしてもどうにも割り切れないヨ・・・って感じがあるのは確かですが(強い大統領ってのを見せられるのもどうも鼻白んでしまったりもして)、まずは無駄なくタイトにまとまった娯楽映画を堪能しました。同じ手はそうは使えないとは思いますが、きっと類似品が出てくるでしょうねぇ。[映画館(字幕)] 8点(2008-03-18 18:12:22)

219.  リトル・ミス・サンシャイン 《ネタバレ》 勝ち負けのモノサシで、人の価値を簡単に決めてしまう世の中。だけど、馬鹿げていたり、みっともなかったり、くだらなかったり、意味がないように見えたりするものの中にも、ちゃんと価値は存在しているのですね。クライマックスのあのすっごいダンスの中に込められたおじいちゃんの人生、それもまたひとつの価値。これもまた素晴らしき哉、人生。人間賛歌の物語でした。[DVD(字幕)] 8点(2008-02-14 01:29:45)

220.  ラブ・アクチュアリー 《ネタバレ》 まずはこれだけの脚本を書けるテクニックに感心。複雑な多層構造をあちこち結合させつつ1つの作品に仕上げてゆくって、頭が良くなくちゃできませんもんねぇ。次にイギリス映画界の豪華キャスト集結状態にワクワク。ブリティッシュコメディとジェーン・オースティンものと『Mr.ビーン』『ハリー・ポッター』までひとまとめみたいな世界。そして、1つ1つのエピソードをしっかりと楽しませてもらいました。それぞれの愛がどういう形になってゆくかも興味深ければ、人物関係を頭の中でどんどん相関図状態で組み立ててゆくのも楽しく。ヒュー・グラントが首相の器か?ってツッコミを入れたいところだけど、ブレア元首相を考えれば、ヒューもアリなのかなぁ、とか、アメリカに渡ったおバカちゃんにあのオチはアリなのか?とか、『いつか晴れた日に』のメイン4人が、「I'm flying!」で揃った!とか、エビやらタコやらまで含めて沢山の見どころポイントがあって。イギリス映画は脇まで魅力的な登場人物で埋められていて、毒を含んでいても、いつも性善説に基づいていて温かい、って感じがします。ただ、病気の弟に縛られた人生を送る女性のエピソードは、自分の立場が似ているだけに、キレイなまとめを用意してくれなかったのがちょっと残念でした。[DVD(字幕)] 8点(2008-02-07 01:54:00)(良:1票)

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS