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Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 1317
性別 男性
ホームページ http://minrou.seesaa.net/
年齢 36歳
メールアドレス baker221b@live.jp
自己紹介 全体的に甘めの評価になりがちです。
当然映画のジャンルによって評価にバラつきがあります。以下参考までに……。

評価が高くなりやすいジャンル:ミュージカル、B級アクション、ロマコメ、バカコメディ
評価が低くなりやすいジャンル:ミステリー、サスペンス、ラブロマンス

基本的に過激な映画が好きです。暴力的な意味でも、性描写的にも、人間性の描き方でも
どれだけ感動的な映画であっても尖った所が無い映画より、過激な表現がある映画の方を評価しています。

13.4.27(追記)……TOHOシネマズが6月1日から高校生料金を1,000円にするとのこと。
今は若い方が映画館に少ない状態なので大変素晴らしいと思います。
(日本の料金はそもそも海外に比べて高すぎる。価格も一律で決められているから劇場間の競合も生まれにくい)
でももうちょっとシネコン自体が上映する映画のラインナップを改めた方が良いのでは。
客が集まる邦画をバンバンかけるのは経営としては正しいけれど、いつか必ずしっぺ返しが来るのは判り切っていることなのに。

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241.  天国の門 《ネタバレ》 一言で感想を述べてしまいますと、疲れた……。普段は長尺な映画であっても集中したら一気に観てしまう性質なのですがこれは三日間位に分けて観てしまいました。その位に物語に起伏が少なく実に観ていて飽きる。皆さんも仰る通り映像は素晴らしいし、ヒロインのエラや彼女を巡る男たちの感情の機微の描き方も実に巧みだ。この辺りは流石は巨匠という気がします。しっかし物語のカタストロフィまでに150分を費やすってのはいくらなんでも長すぎというのが率直な意見です(完全版の場合)。しかもやっと訪れる最後の戦闘で移民たちは凶弾に倒れていきますが彼らの個人個人にはスポットライトが当てられていないのでそれ程に大きな衝撃もありませんでした。同じく終盤に味方サイドがバタバタ死んでいく「プライベート・ライアン」みたく一個人にまで作品内で言及しておけば最後の戦闘も活きてくるのではないかと思ったのですがどーなんでしょう。[DVD(字幕)] 5点(2012-08-25 23:48:08)

242.  プロメテウス 《ネタバレ》 ぶっちゃけ娯楽作品として評価するならば失格の作品だとは思います。結論を言いますと脇のキャラクターの描き方が杜撰です。序盤ではビクビクしてるのにエイリアンの巣にまで進んじゃう2人(最初に襲われる人たち)や、終盤で急に男気見せて特攻かます船長の行動に全く納得できない。また会社を第一に考える嫌味な女がいますが彼女も悪役としてキチンと育てない。あれだけ利己的な行動をしているのだから脱出用ポッドに潜んでたフェイスハガーに殺されるんだろうなあと思っているとそんなことも無くまさかの圧死。そこは『エイリアン2』のバークみたく観客に「自分のことだけ考えてそれみたことか」と思わせないとダメじゃないの?ただアンドロイドのデイヴィッドの行動に関して文句言っている方がかなりいらっしゃいますが、彼は結局社長の命令で行動してますから乗組員に不利な行動をしていても不思議じゃないと思いますよ。それからこの映画の素晴らしい所はリドリー・スコットらしく圧倒的な映像美を見せてくれる点とエイリアン1作目の様にエイリアンを単なるモンスターとして描いていない点にあると思いました。勿論『エイリアン』を監督したのはリドリー・スコット自身なので当たり前なのですが。様々な場所で指摘されている通り『エイリアン』のテーマは望まれない性行為・妊娠・出産であり、口から入り込んだり、人間の体に卵を産み付けたり、いちいち生まれたての赤子の様にヌメッているエイリアンは全てこれらのメタファーです。リドリー・スコット以外の監督のエイリアンシリーズはアクション路線のテイストが強くなりこのテーマが上手く機能しているとは言えなかった。今回のプロメテウスはショウ博士のエイリアンの妊娠から出産まで全て見せ切る。小さいポッドの中でエイリアンの胎児を摘出する場面は生まれるべきでなかった生命のおぞましさ、気味の悪さを執拗に見せ付けており実にエイリアン本来の持つテーマが活きていた様に思います。その逆に宣伝文句でも盛んに使われている人類の起源について、なぜ人間は生き、死んでいくのかというような実存的な問いについてはやや薄味に感じました。話としてはキューブリックの『2001年宇宙の旅』の様な話にしたかったのでしょうがモンスターパニック映画としてのアクが強すぎてどうも乗り切れませんでした。何はともあれ続編で本格的にエイリアンが暴れるシーンが見れそうで楽しみです。[映画館(字幕)] 7点(2012-08-19 00:38:04)

243.  エイリアン2/完全版 《ネタバレ》 現代の娯楽映画の神様ジェームズ・キャメロンらしく全編ドンパチ撃ちまくる映画となっています。前作の様な文芸的なストーリーの深みは失っているが、それを補う分のアクションとサスペンスが盛り込まれており全く飽きない二時間半でした。完全版として追加されたシーンはまあ無くても損はしないかなって位のモンですかね。ただ追加されたシーンのお陰で主人公のリプリーが何故あそこまで少女に固執するかが良く分かりました。それにしても最近は女性のメンタル面の強さを強調する映画が多くなりましたが、最近の映画にもリプリー位フィジカルでも強さを感じる女性を入れてほしいものです。いや、リプリーまでいくと行き過ぎか(笑)。エイリアンのクイーンとキャットファイトする女なんてリプリー姐さんだけでいいな。[DVD(字幕)] 7点(2012-08-19 00:04:11)

244.  知りすぎていた男 《ネタバレ》 ヒッチコックのサスペンスと言えば「何か起こりそうでしょ、怖いでしょー」と観客に伝えようとする為に全体のテンポが鈍重になっている作品が多い印象ですが、本作はストーリーテリングの手際の良さが目立ち単純にクライムサスペンスとして面白く観やすかった。それでも剥製屋に忍び込む場面や終盤の首相狙撃シーン、最後の悪役の退場シーンに代表される様なチラリと映るヒッチタッチは健在で単純なサスペンスに緊張感が生まれている。ヒッチコックのサスペンスはこのくらいのバランス感覚がいいなあと思います。[DVD(字幕)] 7点(2012-08-13 00:07:51)

245.  レイジング・ブル 《ネタバレ》 暴力と猜疑心に憑りつかれた男、ジェイク・ラモッタ。彼はぶっちゃけ一般的な人が見ると余り感情移入できないキャラクターであることは間違い無い。些細なことで怒鳴り、物を破壊し、妻が不貞を働いていないか心配で仕方が無い、こんな男は滅多に居ないからだ。では彼は誰かと言うと想像だが監督マーティン・スコセッシ自身の投影なのだろうと思う。何故なら彼のフィルモグラフィーから考えて暴力に憑りつかれた男だったことはほぼ間違いないからだ。もしかしたらイタリア系マフィアが多くいた街の出身だったからかもしれない。本作はそんな暴力の権化とも言えるジェイクが一度はタイトル獲得まで上り詰めるも最終的には場末の司会にまで落ちぶれるまでを描いている。だからと言ってスコセッシは「暴力にとらわれていても良いことなんてありませんよ」というメッセージを投げかけている訳ではないだろう。ジェイクが最も輝いて見える瞬間は疑いようもなくリング上で敵を殴り敵に殴られ血潮を撒き散らしている姿であろうから。またロバート・デ・ニーロの肉体改造と言ってもいい程の見た目の変化、そして各場面ごとのテンションの差異は素晴らしいとしか言い様が無かった。スコセッシの闇の一部を切り出したかの様な数々のカットや固定カメラから暴力シーンを覘き込むコッポラ風の演出も同様に素晴らしかった。[DVD(字幕)] 8点(2012-08-11 15:31:13)

246.  ダークナイト ライジング 《ネタバレ》 前作の「ダークナイト」は暗闇の中で生きる正義を描いた傑作だった。ゴッサムの人々は暗黒の中にデントという一筋の希望を見出し、その代わりにバットマンは悪の象徴として生きることとなった。全ての悪を背負ったバットマンの姿は尊いものだろう。しかしちょっと考えてみる、それってゴッサムの人々に真実を語らず欺いていることになるのではないか?真実を知っているのはバットマン本人と警察のゴードン本部長とその息子だけ、つまり権力者側だ。「それっておかしいんじゃないの?市民には全てを知る権利があるんじゃないの?」という権力への怒りを描いたのが本作「ダークナイト ライジング」だったと感じた。本作は明らかに昨年から世界各地で起こった「Occupy Wall Street運動」を下敷きにしていると思われる。何故かと言うと前作は監督も言っている通りシカゴがゴッサムのモデルだったらしいが、本作はブルックリンの様な下町が出てくるし、沿岸部にある街という設定になっているし、証券取引所を襲撃するシーンまである。これらの描写は嫌でも(ウォール街のある)ニューヨークを彷彿とさせる。そしてヴィランのべインはゴッサムを取り戻せと人々に呼びかけるし、べインの手下は普段肉体労働を強いられているブルーカラーの人達だ。富裕層による富の独占、国家の政治への不信は世界中で起こっている現象だ。それでも真実を隠し街を守るバットマンが正義と言えるのかと観客に訴える。そんな問いに対してラストは実に上手く話しを纏めていたと思う。最早バットマンが正義の象徴として永遠の存在になるしかその解決法は無かっただろうから。他に特に素晴らしかったのはべインを演じたトム・ハーディー、圧倒的質量でバットマンでも歯が立たない相手であることを実感させる好演だったと思う。それだけに退場にはもう少し見せ場があっても良かったと思うが。脇のマリオン・コティヤールもいい味を出しているが最近彼女がスクリーンに映ると悪女にしか見えないのがやや難点。アン・ハサウェイのキャットウーマンも妖艶で美しいがリアル路線の本シリーズにおいて女怪盗という存在にやや違和感を感じてしまった。ラストのロビンのくだりはファンサービスとしては面白かったが出来ればロビンを主役としたスピンオフは作らないでほしいと思う。近年のアメコミ映画としては珍しく実に綺麗に終わったシリーズであると思うから。[映画館(字幕)] 9点(2012-08-04 11:59:08)(良:3票)

247.  生きるべきか死ぬべきか 《ネタバレ》 ドタバタコメディの傑作。とにかくコメディとしてのテンポが良く観客を飽きさせない。またコメディでありつつも完全にカリカチュアされた話でもありより深い映画となっている。やや不謹慎なギャグが多い気もするが、この位強烈な方が観客の記憶に残り易いだろう。またそんな強烈な風刺を42年当時にしたということがまた凄い。ナチズムを痛烈に皮肉った映画としてはチャップリンの『独裁者』が金字塔であることに異論は無い。また本作では『独裁者』の様にナチスを糾弾する演説や声を大にした主張はしない。しかしナチスのバカさ加減を笑い飛ばしている度合いは本作の方が上だろう。何せ主人公はナチスから祖国を救うよりも嫁さんとイケメンパイロットの浮気の真相の方が終始気になっているのだ!ナチスからしたら逆説的にこれ程バカにされた話は無いだろう。今考えるとタランティーノの『イングロリアス・バスターズ』は本作に非常に影響を受けているのだろう。そういう部分でも素晴らしい映画だ。最後に枕流さんも仰っていますが許せなかったのが日本語字幕だ。誰が付けているのかはデータがないので分からないが、いくらなんでも酷すぎる。誤字脱字は当たり前、場面によっては男性の台詞が女言葉になっている(恐らく字幕をプリントした後のチェックを怠っているのだろう)、早口の掛け合いでは丸々一つの台詞のやり取りをすっ飛ばしている箇所すらある。とてもじゃないがプロの水準の仕事とは思えない出来だった。本作の字幕担当者は一つの傑作を自身の適当な仕事によって台無しにしていることに早く気付いた方が良いだろう。[DVD(字幕)] 9点(2012-07-27 01:00:20)

248.  ハメット 《ネタバレ》 中国人娼婦を演じるリディア・レイがフレデリック・フォレストの指を舐める仕草がエロい。舐める相手が中年だし銃をぶっ放すシーンより犯罪的に見えた。現実の出来事が主人公が書いている三文ハードボイルド小説さながらの展開を見せるのは面白いアイデアですね。街中のシーンが明らかに虚構の街として撮られているのもその展開を強調させるためでしょうか。アクションシーンの気の抜け方も実に三文小説といったレベルになっていて笑えてくる。[DVD(字幕)] 7点(2012-07-25 01:45:31)

249.  リンカーン弁護士 《ネタバレ》 特に他の映画と比べて秀でている点は無いのだけれど、実に手堅く撮ったという印象が残る法廷サスペンス。予告編通りのテンポ良く続くサスペンスシーンは観ていて全く飽きを感じさせません。弁護士のモラルに対する悩み(間違えると悪人を野放しにすることになる)や、取りあえず罪を認めて冤罪でも刑期を短くすることへの葛藤などは既に何度も撮られ尽くされた作品テーマですが、王道なだけにグッとくるシーンもある。そしてそれは主演の下手をしたら路上でたむろってるヤンキー兄ちゃんにしか見えないマシュー・マコノヒーが実に真剣な表情で悩むからこそ観客を惹きつけるのだと思いました。クローズアップを多用する撮影は正直好きにはなれませんでしたが、総括して手堅く纏まった法廷サスペンスだったと思います。軽く観るにはオススメ。[映画館(字幕)] 7点(2012-07-22 17:13:16)(良:1票)

250.  メリダとおそろしの森 《ネタバレ》 まずアヴァンタイトルでヤラレタ。幽玄だが雄大な大森林に鬼火が浮かび消える静寂のシーン、そこから突然モルデューがメリダに襲い掛かりそれに父親が応戦し躍動感溢れるシーンになだれ込み、バーンと「BRAVE」とタイトルが出る。もう森林の美しさからアクションのダイナミズムの連鎖にすっかり心奪われました。この一瞬で作品世界に没頭できるアヴァンタイトルは素晴らしかった。ただ本編はどうだろう?個人的にはこれまでピクサーが作ってきた作品と比較するとどうも脚本に練りが足りないと感じてしまった。お話はいつものピクサー通り実に単純、王女になりたくないお転婆な娘メリダが母との対立を乗り越えて和解し王女としての自分を自覚するという、早い話が「ローマの休日」に良く似た話だ。一見コミカルなキャラクター、畳み掛けるアクション、しなる弓まで表現できているアニメーションは面白いのだが、どうもしっくりこない。理由はメリダ、父、母、(僅かながら3人の弟たち)しかキャラクターの内面をしっかり描いていないからだと感じる。特にメリダの花婿候補となる3人は登場場面の面白さはあるものの、その後の活躍や必要性は皆無とすら思える。折角メリダが女王としての責任に目覚める話で、候補が3人もいるのだから例えば他の2人は粗野なだけだが1人は王子にしては繊細な気質で真逆の性格であるが故にメリダと惹かれ合うとか色々想像できる。そうするとディズニーお得意のロマンスも入れられるし何より観ていて楽しい。もう少し脇のキャラクターにまで気を遣ったら最後の別れのシーンなども感動的に感じられたのだろうと思う。それから致命的なのがメリダがあまり可愛く感じられないということだ。別に見た目のことを言っているのではなく、主役の彼女でさえ特にお転婆であるという以上のキャラクター性が感じられない。本家ディズニーが直近で作った傑作アニメーション「塔の上のラプンツェル」の主人公の少女も同様にお転婆だがどこかロマンチストな部分があったりするからそのギャップが実に可愛いヒロインだった。メリダももう少しお転婆以外の要素があった方がキャラクターとして純粋に魅力的になったと思うのです。[映画館(字幕)] 7点(2012-07-22 16:57:24)

251.  マイ・フレンド・フォーエバー 《ネタバレ》 小学生の頃に観てデクスターの靴が河を流れていくラストカットでワンワン泣いた記憶がかすかに今も残っていた。今回念願のDVD化となり鑑賞したが、やはり良い映画だった。なんせエリックとデクスターの友情がとても純粋なのだ。エリックは母親の愛情に飢えている少年でデクスターの母親に微かな母性を見出し、デクスターは自身の病気の為に友達が欲しい少年だが病気の自分にそんな存在はあり得ないと思っておりいつも心に孤独を抱えている。孤独な二人が邂逅したからこそ真の友情が芽生えたのだと思う。エリックは子ども染みたやり方とは言え、本気でAIDSの特効薬を探すために奔走するし、デクスターもそれに全力で答えようとする。全力で相手のことを考える、これこそ真の友情だと思いましたね。デクスターが死んでしまうシーンに至るまでもウェットな空気を出来るだけ避けているのもいい感じ。それから小さい頃には良く分からなかったけれど、今観返すとやっぱりエリックの母親に詰め寄るデクスターの母親のアナベラ・シオラに一番グッと来ました。息子を亡くしたにも関わらず気丈に振る舞う母親像をああも見事に演じ切っていましたね。細かな演出もいい感じです。特にファーストカットがエリックの靴から始まり、ラストカットがデクスターの靴で終わるのは素晴らしい。いつまでも続く友情の象徴の様に思えました。[DVD(字幕)] 7点(2012-07-14 07:52:58)

252.  群衆(1941) 《ネタバレ》 最早ジャンルはドラマと言うよりホラーに感じました。無名の人間をヒーローに祀り上げるマスコミ、ヒーローを政治に利用しようとする政治家、現代にもまだまだ存在している恐怖ですね。政治家共に弱者の怒りをぶちまけるゲイリー・クーパーの演説にこの映画にキャプラが込めた全てがあると思います。この映画は昨年の"Occupy Wall Street運動"の様な99%の声の力を教えてくれます。群衆の力の持つ強大さ、そしてそれが群衆の敵である私腹を肥やす政治家や利益追求に走るマスコミに渡ってはいけないこと、今この時代だからこそ観るべき一本であると思います。いやいつの時代でも観るべきですね。こんなシリアスなストーリーに密やかに挟み込まれるロマンスの分量も良い。ハリウッド黄金期らしい名作。[DVD(字幕)] 8点(2012-07-13 20:03:18)

253.  マッチポイント 《ネタバレ》 話自体は物凄くチャチというかケチな話ですよね。入り婿として結婚したにも関わらず他の女に手を出してその相手を妊娠させてしまう。そして妊娠が露見することを恐れて口封じの為に殺すって、ホント昼の2時間ドラマに出来そうなくらい嫌味な言い方をするとしょーもない話。ただこの主人公は最後まで逃げおおせる。これはキリスト教的には非常に変な話ですね。善なるものには祝福が与えられ、悪なるものには苦しみが与えられるはずなのに主人公はのさばる。つまり悪しきものが最後まで生き残ってしまう。しかしこの映画のテーマは運命であることは明確な訳です。オープニングから繰り返し"ネットに弾かれたテニスボール"というモチーフがいたるところで登場する。ボールがどちらのコートに落ちるかは分からない。それは人間の運命を司るような例えば神が決めることです。彼は最後に巻き添えで殺した老婦人のアクセサリーを河に投げ捨てる。その中の腕輪が橋の手すりに当たる、まるでネットに弾かれたボールの様に。主人公はこの腕輪が河に落ちなかったことで無罪が証明されてしまう。つまり運命(神)が殺人者である彼を生かしたのでしょう。こういう物語が西洋で撮られるのは非常に面白い、というか興味深かったです。常識を超えるストーリー展開ですから。まあそんなことよりスカーレット・ヨハンソンがエロくて素晴らしかったですね。ウディ・アレンはお爺ちゃんになってもこんな映画をとるんだからホントに助兵衛なんだろうなあ。[DVD(字幕)] 7点(2012-07-11 00:15:24)(良:1票)

254.  崖っぷちの男 《ネタバレ》 実に観客のニーズに合った作品だったと思います。少なくとも私には合っていました。個人的にサクっと気軽に観れるサスペンスを期待していたので満足度は高かったです。お話は「フォーン・ブース」の様な街の限定された場所で起こるサスペンス。緊迫感は断然フォーン・ブースの方が電話などの小道具を上手く使っているので勝っていますが、本作は飛び降り自殺を図る主人公の話と同時に警察内での汚職とダイヤモンドの強盗事件が進行するので常にテンションが上がる仕組みになっています。ですから最後までダレることなく観ることが出来ました。それ程長くない上映時間も良いと思います。それだけ短い分、脚本に穴ぼこが幾つもあるのは仕方ないでしょう。興味深かったのはこういう娯楽映画でもリーマンショック時に金儲けをした人間が敵になっているということ。ゴリゴリの左翼的な映画を撮る監督ならまだしも、本作の制作は大会社ディズニー(の関連会社のブエナビスタ)。しかも舞台はニューヨークですので、昨年の"Occupy Wall Street"運動の影響力を強く感じました。まあそれだけ現代的な問題を孕み現実味のある話なのですから、もう少しドキュメンタリー映画出身監督らしいタッチで撮っても良かったんじゃないかと思いましたね。それから役者陣が総じて良かったです。コンサバ野郎のエド・ハリスを筆頭に、武骨な元警官のサム・ワーシントン、"Shit"と"Son of a bich"の台詞が超似合うエリザベス・バンクス、そして妙にエロいジェネシス・ロドリゲス、キャスト全員がそれぞれの役にピッタシでした。[映画館(字幕)] 7点(2012-07-08 20:02:38)(良:2票)

255.  スパイダーマン2 《ネタバレ》 実に正道な続編。1作目で描き切れていなかった部分を上手く掘り下げている。自分の強大な力とそれに伴う宿命に気付くまでが1作目。2作目では多忙な日々とスーパーヒーローとしての活動の両立に苦心する。そして「スパイダーマンはもうイヤだ」と自身に課せられた宿命を放り出してしまう。しかし街の人々の為に彼は再び立ち上がる(またヴィランのドック・オクにではなく、只の火事に立ち向かうのが良い)。そのストーリーの裏には只の大学生らしく恋もあり、友情もあり、家族問題もある。……なんて人間味に溢れたヒーローだろう!スパイダーマンというアメコミが等身大のヒーローを上手く描き人々の支持を得たのならばサム・ライミは実に上手く原作を実写化していると思いますね。相変わらずのピーターのボンクラッ振りも最高です。大学生にもなって気になる女の子に「焼きそば食べる?」って誘うスパイディに乾杯![映画館(字幕)] 8点(2012-07-08 10:47:54)

256.  アニー・ホール 《ネタバレ》 本作のアカデミー賞の授賞式を辞退したウディ・アレンにとってこの映画を絶賛することは不本意であると思うのでこれ位の点数にします。いや実際にロマコメとしての面白さはこの位の点数だったと思ってしまったので。第四の壁の破壊や驚異的な長回し、脱ハリウッドを意識しているであろうニューヨークのカットの数々、これらが如何に後世のコメディ作品に影響を与えたかを想像するのは難しくありません。これを非常にペシミスティックな主人公アルビーとキャラクターとしての魅力をあまり感じさせないアニーでビシッと成り立たせてしまうのですからその手腕にはとんでもない物があると思います。ではこの映画は結局なんだったのか?ウディ・アレンは本作を通して"脱ハリウッド"、"自身の厄介としか言えない性癖"、"スノッブな人間への嫌がらせ"をしたかったのか?私には恥ずかしながら良く分からなかった。確かに何か知らないが人を惹きつける作品だったことは確かだと思います。その何かがはっきりと分かった時に評価を変更するかもしれません。[DVD(字幕)] 7点(2012-07-02 23:14:33)

257.  アメイジング・スパイダーマン 《ネタバレ》 リブート物の一作目としてはこの位が妥当だったと思います。しかし裏を返せば予想を上回る面白さは無かったように感じました。アメコミの映画化は1作目ではキャラクター紹介に終始してしまうことは常であり、続編でキャラクター毎の悩みや葛藤を描き傑作になるパターンが多いので(ノーラン版バットマンやライミ版スパイダーマンみたく)、続編で愛する人を巻き込むのか、実生活とヒーロー活動との折り合いをどうするのか等、スパイダーマンではお馴染みの悩みを出していってほしいところです。ただピーターがグウェンの父親に「娘にはもう近づくな」と言われておきながら(しかも遺言!)、最後にちゃっかり約束破る気満々なのには笑ってしまいました。高校生だからサカッてるのは分かるがもう少し自重しろ、オメー。ただ3Dに関しては良かったと思います。近年に良くある「これ3Dにした意味ある?」というものでは無く、スパイダーマンのウェブによるハングを疑似体験させるというハッキリとした理由がありますね。しかしキャストに関してはどうだろう。ライミ版ではピーター役のトビー・マグワイアが童顔なこともあってか高校生でも納得だったのですが、今回はピーターもグウェンもどう見ても高校生って歳じゃねーだろ、コスプレだろと思ってしまいました。まあグウェン役のエマ・ストーンもインタビューで「きっと老けた顔の高校生ばかりの学校なのよ」と自嘲気味に話してましたが。続編になると数年のインターバルはあるだろうし、より容姿的に高校生は演じにくくなるんじゃないかなと少し心配です。ソニーは学園生活のスパイダーマンを作る為にリブートしたらしいので、続編も高校生として登場するんでしょうが。なんせほぼ毎年作成されていたハリポタでさえ、最終章ではオッサンが杖を振り回しているとしか思えませんでしたからね。とにかく続編に期待。[映画館(字幕)] 7点(2012-07-01 19:46:36)(笑:1票) (良:2票)

258.  ワン・デイ 23年のラブストーリー 《ネタバレ》 監督自身がインタビューで語っている通り作品を貫くテーマは"時代による変化"だと思います。エマもデクスターも年が現代に移り変わるに従って生き方が大きく変わっていく。特にデクスターの方が劇的かつ感動的な変化を遂げる。特に90年代半ばの下品としか言いようの無いテレビ番組での司会を務めるデクスターが、子を成して離婚を経験し再びエマの下へ帰ってくるまでの変化は非常に大きい。そして最後にエマとデクスターが結ばれるも非常な運命に引き裂かれる展開は劇的と言うしかありません。ただそれだけ起伏に富んだストーリーでありながら余り感情を揺さぶられませんでした。なんでかなーと考えていたのですが、やはりキャラクターの描き方が淡泊だからではないからでは無いかと。一番盛り上がるであろうパリで二人の魂が否応も無く惹かれあうシーンであってもそれほど彼らを真剣に祝福する気が起きなかったのです。もう少しエマにとって何故デクスターでなければいけないのか?デクスターは何故エマに惹かれてしまうのか?をしっかりと描いてくれればもっと彼らを応援できたと思います。正直あれ位の描かれ方でしたら、デクスターは毎度毎度フラれたら慰めてもらいにエマの下に行ったとしか思えませんでしたし、エマも初めて純潔を捧げようと思った男に何時までも固執している様にしか思えない。「17歳の肖像」で少女が女へと成長する過程の感情を見事に映像化したロネ・シェルフィグの作品にしては感情の描き方が余り上手くなかったなあと言った印象でした。[映画館(字幕)] 6点(2012-07-01 14:57:12)

259.  ファミリー・ツリー 《ネタバレ》 この監督は何でこんなに哀れな中年を描くのが上手いのだろうか。主人公はどう仕様も無い状況に置かれている。妻には不貞を働かれ、長女はグレて訳の分からない奴と付き合っている、次女は妻に任せていたから今更どう接していいか分からない。そんな人生のどん底の男の捉え方が実に上手い。特に妻の不貞を知った主人公がハワイを無様に走り回り咽び泣くのをロングショットで捉えたシーンは、哀れさと可笑しさが絶妙に同居した名シーンだ。また主人公を演じるのが本来は二枚目のジョージ・クルーニーであることが面白さに拍車を駆けている。そしてハイライトとなる浮気相手との対面。浮気相手のスピアーの肩越しに主人公を捉えたショットは如何に主人公が矮小な存在で、妻に愛されていなかった哀れな夫であると認識させられる。つまり彼は何も持っていなかったのだ。原題『The Descendants』の通り主人公は自分がカメハメハ大王の末裔であることを何度も繰り返す。しかし親族会議の場で彼は何も得ていなかった自分を見つめ直して、自分に最後に残されたもの"血統"だけは失わんとしてあの決断をしたのだと思います。だから親族らに自身の決断を説明しようとする彼を背中から映し出したショットは不安が満ちていると同時に勇気と自信に満ちている様に感じるのでしょう。[映画館(字幕)] 8点(2012-06-26 07:48:53)(良:1票)

260.  麗しのサブリナ 《ネタバレ》 話だけ抽出すると単純なロマコメ、しかし只のロマコメとして片付けられない面白さが確実にあると思います。とにかく登場人物の心情や印象の変化が鮮やか且つ自然です。サブリナは最初から"女たらし"のデヴィッドに心底惚れており、基本的に終盤近くまでライナスのことは眼中にないように思える。しかし終盤のバルコニーで自然にライナスへの愛が示される。デヴィッドのキャラも秀逸だ。最初はところ構わずイチャつくボンボンで少なくとも好きになるキャラクターでは無いでしょう。お尻を縫合する羽目になったときは残酷ながらいい気味と思ってしまう位です。しかし最後に彼はたらしだけど人一倍の洞察力があり全てを見抜いていたことが分かります。しかも兄のことを大切に思っていることもそのシーンで瞬時に理解できる。一番複雑な心情を有しているがライナスです。彼の心情は徐々に華麗なサブリナに心奪われていくという役柄故に分かり易い。しかし彼も会社の経営者としての立場の為に、愛を貫くべきか、会社の経営を第一にすべきか、それよりも愛するサブリナの幸せを第一に考えるべきかという選択に迫られる。三人の一言では関連付けられない印象を持つキャラクターが、それぞれの心情を変化させつつハッピーエンディングに辿り着く様は観ていてホントに只々「巧いなー」と唸ってしまった。[映画館(字幕)] 8点(2012-06-23 07:55:46)

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